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BRAIN VALLEY(新潮文庫) 上・下 瀬名秀明

ちょっと古い1997年発刊(文庫は2000年角川、2005年新潮)のSF小説です。瀬名秀明氏と言えば大学院在学中に書いたというデビュー作「パラサイト・イヴ」(1995年、文庫は1996年)を読んでぶっ飛んでしまったことを思い出します。すごい若手作家が出てきたものだと。同作品は第2回日本ホラー小説大賞に輝き、その後映画、ゲームなど次々と評判を呼びました。この作品はその「パラサイト・イヴ」に次いで書かれた作品です。

テーマは「脳科学」ですが、「パラサイト・イヴ」でも見せたエンタテインメント性が豊かなSF小説です。ただ出てくる用語が馴染みの少ない専門用語が多く、著者も苦労して小学生の子供まで登場させて難解な仕組みをわかりやすく説明したりと工夫の跡が見られます。

その難解さゆえか、それとも終盤の奇想天外な展開が受け入れられなかったのか、あまりヒットはしませんでした。しかし脳科学に興味のある人は様々な実際の研究論文などがいくつも登場し、興味深く読めるでしょう。その点はさすがに大学院で薬学を究めた方です。

内容を書いてみようとジッと考えてみたのですが、それが思うようにいきません。ま、SFの場合は前提条件などからしてどう説明すればいいのか分からないことが多く、短文で説明するのは非常にたいへんです。

そういう時は、それだけはやるまいと決めていたAmazonの内容から抜粋です。
「山奥の最新脳科学総合研究所「ブレインテック」。脳科学者の孝岡は、同研究所所長の北川の指名を受け、この地に赴任する。到着早々に目撃した若い女性の身体から放たれた白い光。が、不思議な体験はそれだけではなかった。孝岡は、エイリアンらしきものに拉致され、生体実験を施されてしまう。しかし、それらの超常現象も、この地で行われている数々の研究も、すべては人類を更なる進化へと導く壮大な計画の一環でしかなかった。人類の根元を司る「脳」に最先端の科学理論で迫り、オカルト現象をはじめ様々な謎を解き明かす究極のサイエンス・フィクション」

はぁ、なるほど、こういうあらすじになるわけですね。確かに「脳科学」という論理的なサイエンスでありながら、超常現象などオカルト的な雰囲気も併せ持ったSFで、医学とオカルトの融合という点で、先駆者として「ジュラシック・パーク」や「NEXT―ネクスト」などのマイケル・クライトンや、「ストレンジャーズ」や「ウォッチャーズ」のディーン・R・クーンツなどを思い浮かべます。

著者別読書感想(瀬名秀明)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

風紋 (双葉文庫) 上・下 乃南アサ

この「風紋」は1994年に初出の長編小説です。乃南アサ氏の小説では過去に「暗鬼」(1993年)、「火のみち」(2004年)を読んでいます。直木賞受賞作品の「凍える牙」(1996年)など小説だけでも50作以上出ているので、これからもっと読んでみたい作家さんです。

女性、しかも今や絶滅種に近くなってきた専業主婦が主役の作品は最近は少なくなってきましたが、まだ1994年当時にはそう珍しくはなかったのでしょう。その主役かと思っていた専業主婦が序盤であっけなく殺されてしまい、主役の座は高校生の娘へと変わっていきます。

殺された家族と、殺した側の家族それぞれが苦悩する人間ドラマで、被害者と加害者の家族が、事件が起きてから裁判で決着がつくまでの長いあいだ置かれる立場や心境を描いています。そして家族以外の第三者的な立場として事件に最初から関わる新聞記者が客観的に見つめていきます。

ま、いってみればそれだけなのですが、先日読んだ湊かなえ氏の「夜行観覧車」と同じ匂いのする作品と言ってもいいでしょう。もちろんこちらの作品がずっと先に書かれていますし、展開も全然違ってはいます。

途中から主人公となる女子高校生の姉は、母親が生きている時には、親に反抗し怒鳴り散らす手の付けられない異常性格だったのが、母親が亡くなってからはうってかわってしおらしく家事なども手伝うようになったのはどうも変な感じで納得ができません。

本当ならば、執拗なマスコミの取材攻勢を受け、母親が殺された遠因に自分が二浪生活をして多大な迷惑をかけていたということもあり、本来ならば責任を感じて家を飛び出すか、逆にもっと荒れた生活をおくるのが普通のような気がします。さすがにそこまで拡げてしまうと焦点がぼけると考えたのか、ちょっと物足らなさを感じてしまいました。

著者別読書感想(乃南アサ)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

ダブル・デュースの対決―スペンサー・シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫) ロバート・B・パーカー

スペンサーシリーズ第19作目で、1992年の作品です。いつもなら主人公の私立探偵スペンサーが依頼者から捜査や人捜しを頼まれ、当初は単独で動き始め、途中からホークに助っ人を頼むという流れですが、この作品では珍しくホークがテレビ局に勤める友人の女性のためにスラム街団地「ダブル・デュース」で暴力犯罪組織をつぶすため、逆にスペンサーを助っ人に雇うというストーリーです。

スペンサーはホークからこの仕事の手助けを頼まれたとき、報酬は半分と主張しますが、ホークからはそれだけの価値はないと一蹴され三分の一で受けることに。この絶妙感がたまりません。結局は報酬は元々ゼロだったので、半分でも三分の一でも変わりはなかったんですけどね。

この小説に出てくる不良グループのリーダーは、その後「スクール・デイズ」(33作目、2005年)に登場しスペンサーを助けます。私の場合読む順序が逆になってしまったので、その時には知りませんでした。この長いスペンサーシリーズでは過去の事件で登場した人物がよく出てくるので、それもまた楽しみになっています。

恋人スーザンとの関係では、この回でトライアル的にスーザンのアパートで同棲生活を始めますが、結局はうまくいかず元のアパートへ帰ることになります。それは最初から見えていましたけどね。

■スペンサーシリーズ関連過去記事
スペンサーシリーズの読み方(初級者編)
さらばスペンサー!さらばロバート・B・パーカー
ハードボイルド的男臭さ満点小説

著者別読書感想(ロバート・B・パーカー)

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