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日本大転換―あなたから変わるこれからの10年 (幻冬舎新書) 出井伸之

自身が書いた新書なので、文中には「俺はこんなに偉いんだ」「こんな有名人とも友達なんだ」ともとれる記述が全体に散りばめられていますが、「2004年1月12日発売の米ビジネスウィーク誌が選ぶ「世界最悪の経営者」に選定、また日本の『日経ビジネス』2005年12月12日号においても三洋電機の井植敏、ライブドアの堀江貴文らを抑え、「国内最悪の経営者」ランキング第1位に選ばれている。」(wikipedia 2012/10/1時点)とか、「2003年のソニーショックを受け、出井らが示した経営再建計画の達成が困難を増す中、ソニーの現職社員・OB、国内外の経済メディア、ソニー製品の愛好者など各方面から激しい退陣要求が噴出していた。」(同)など、今のソニー凋落の主因を作ったと考えられる経営者でした。

いずれにしても落ち目になってしまった日本経済界を代表する経営者であることは間違いありません。

バブル崩壊後の1995年に社長就任し、その後株価が大暴落した2003年のソニーショックを引き起こし、ITバブルもはじけてしまった2005年までの10年間のあいだ社長やCEOとして君臨し続けていたタイミングが悪かったんだとも言えますが、ソニーを情けない会社にしてしまった責任は大きいです。

やり方さえ間違えなければ、今のアップルのようになっていたかもしれないわけで、そのチャンスはいくらでもありました。

さてこの新書では著者の経営者時代からの持論でもある物作りからコンテンツビジネスへの転換とアジア戦略がキーワードとなっています。この新書が発刊された2009年時では当然とも言える話しです。しかしソニー元社長としてはやはり物作りを通じてどう日本を変えていくかという話しをみんな聞きたいのではないでしょうか。

IT系の話しとなるとさらに?で、ビルゲイツとはお友達だと言いつつ、自分が社外取締役として関係する会社の手のひらサーバ「サーバーマン」をやたらと持ち上げてみたり、先を読む力や技術的な話しはあまり期待しない方がよさそうです。

ちなみにサーバーマンはいまでもサービスはマニア向けに細々続いているようですが、これが注目されることは永遠になさそうで、いつまで持つかというところでしょう。


沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文庫 スペンサー・シリーズ) ロバート・B・パーカー

1999年初出、日本語文庫版2005年発刊のスペンサーシリーズ26冊目の本で、原題は「Hush Money」口止め料という意味です。口止め料を払うから沈黙なのか、口止め料を払ったことを沈黙するのかよくわかりませんが、ま、そのような内容です。

10月前半に読んだ「ダブル・デュースの対決」と同じように異例の始まり方を見せます。

つまり相棒ホークから、知り合いの黒人の教授が、生徒と不適切な関係を結んでいたと告発がありピンチに立たされていると相談をされ、お金になりそうもないそのその事件を調べることになります。

と、同時に恋人スーザンからも「友人がストーカーに悩まされている」と相談され、それにも並行して応えることになります。

この全然関係のないふたつの事件を調べていくわけですが、ミステリー小説ファンならば、別々で起きたそのふたつが、最終的はつながっていくと推測するでしょう。私もそう思いましたが、それはありませんでした(笑)。それぞれを別々にスペンサー風に解決していきますが、なぜ同時進行にしたのかは不明です。

アメリカ国内の黒人とゲイ、それぞれがまだ社会問題として存在しているという問題提起でもありますが、単なる表面上の描写だけでなく人の心の奥深くまでを探っていくところにこの小説の素晴らしいところがあります。

あと謎の多いホークの少年~青年時代の話しが少し出てきます。これはホークファンにとっては見逃せない作品でしょう。

 ■スペンサーシリーズ関連過去記事
  スペンサーシリーズの読み方(初級者編)
  さらばスペンサー!さらばロバート・B・パーカー
  ハードボイルド的男臭さ満点小説


フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫) 有川浩

2010年に二宮和也主演の連続ドラマとしてテレビ放送されていましたが、放送時間帯が悪くて真ん中あたりの1話しか見ることができず、ぜひ原作小説を読んでみたいと前から思っていました。それから2年、2012年8月にようやく文庫化されていることに気がつき買ってきました。

タイトルから想像すると「フリーターが努力して、お金をいっぱい貯めてついには夢のマイホームを手に入れる」「フリーターでも頑張れば夢はかなうんだ!」的な物語に見えますが、小説ではフリーターに主題があるわけでありません。

仕事とつき合いばかりで家庭を見向きもしない父親と、大学卒業後就職した会社を3ヶ月で辞めてしまい、その後は定職に就かず短期間のアルバイトを繰り返す主人公の息子。頼りになる姉は結婚して名古屋へ行ってしまい、家庭はバラバラになっていきます。

引っ越してきてから続く隣近所から嫌がらせや、姉が嫁いでから家庭が崩壊気味になってしまったことにより、主人公の母親が、重度のうつ病を患ってしまい、それまでいい加減な生活をおくってきた主人公が目覚めていきます。

そしてやがては家庭を顧みなかった父親までが、看病に奔走し、そして最終的に母親の病気の原因でもある、今の生活環境を変えようと、収入のいい土木作業員をしながらお金を貯めようと決意します。

この本の中では、2流大学を出た後の就職先をなんとなく3ヶ月で辞めたあと、簡単に見つかると甘く考えていた再就職先が決まらず、様々なアルバイトでフリーターをズルズルと続けてしまい、それがまた再就職の障害となっていることに追い込まれて初めて気がつくという、どこにでもいそうな今の若者の姿を描いています。

ただそこから違うのは、父親の機嫌を取るためだったのですが、再就職活動において、厳しい会社人間の父親からアドバイスをもらうという行動に出てから、一気に前に進むことになります。同時にアルバイト先の土建会社にも正社員としてスカウトされることになります。そのあたりはちょっとうまくいき過ぎな感じも。

阪急電車」でもそうでしたが、最終的にはほんわかとした暖かいエンディングに向かっていくので、心が温かくなりたい人にはとてもいいでしょう。

あと知識として「第二新卒の再就職」「フリーターから正社員への厳しい現実」「重度のうつ病患者との接し方」など役に立つ話しも満載で、ぜひ「就職したてで辞めたくなった若い人」や「うつ病かも?という家族を持つ人」「これから就職をする人」などが読んでも参考になるかもしれません。ま、現実はドラマのようにはうまくいきませんけど。


看守眼 (新潮文庫) 横山秀夫

第三の時効」や「震度0」「半落ち」など多くの本格的警察ミステリー小説がある著者の2004年(文庫は2009年)の短編小説集です。収録は表題作の他、「自伝」「口癖」「午前五時の侵入者」「静かな家」「秘書課の男」。今まで著者の小説ではほとんどが長中編ばかり読んでいたので、というか短編集の記憶があまりなくて、今回購入したときこれが短編集とは気がつきませんでした。しかし過去には「深追い」や「影踏み」などの短編集も読んでいました。

今回の各作品でもそうですが、決して警察関係だけではなく、人間魚雷回天搭乗員を描いた「出口のない海」や、日航ジャンボ機墜落事故とそれを追う新聞記者を描いた「クライマーズ・ハイ」など幅広い作品があり、さらに私と同い年(1957年生まれ)ということもあり、お気に入りの作家さんの一人です。

この短編集でも、各編の主人公は看守、フリーライター、家裁の家事調停委員、警察官(管理部門)、新聞社整理部員、知事秘書とバラエティに富んでいます。

横山氏の小説の多くはすでにドラマ化や映画化されていますが、そういったエンタテインメントに向いた作品なのでしょう。

この「看守眼」の短編作品に登場する「気持ち悪い人」=元刑務所看守もドラマにすれば意外性があって面白いかもしれません。

よく短編小説といえばそれぞれにつながりがあったり、登場人物が同じだったり、中には前の短編の主役がカメオ出演したりと、読む人を楽しませる趣向がありますが、この短編集では各編ともまったく独立しています。

それだけに、立て続けに読んでいると、時々あれ?と登場人物が混乱したりすることもありますが、それぞれによく練られ、どんでん返しがあり、人間心理をよく突いた作品です。


二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫) 西村賢太

2010年に「苦役列車」で第144回芥川賞を受賞した異色の中卒(家庭の事情により)作家さんの2007年(文庫は2010年)の短編集です。

初期の作品の多くは私小説で、この作品でも「貧窶(ひんる)の沼」では17歳、「春は青いバスに乗って」では25歳、「潰走」では16歳、「腋臭風呂」は18歳の頃の話しが描かれています。

いずれも貧しくアルバイトや日雇いの仕事をしながら、様々な人との出会い、別れ、憎しみ、後悔、怒り、喜び、諦めなどを、大正時代か昭和初期の頃の作家のような文体で書かれています。フィクションの形をとりながらも、惨めで恥ずかしこともあけすけに書けるところは、並の純粋培養された若手作家ではありません。

特に面白かったのは「春は青いバスに乗って」で、青いバスというのは容疑者や犯罪人を検察庁や裁判所に送る際に使われている窓に網のついた警察のバスのことです。

そのバスに乗ることになったのはつらく当たるバイト先の先輩社員と喧嘩となり、とめに入った警察官を誤って殴って怪我をさせてしまい、普通の喧嘩ならば一晩泊められて厳重注意ぐらいで済むところ、拘置所に長く留め置かれ公務執行妨害の容疑で何度も取り調べを受けることになる自伝的短編小説です。

拘置所の中では麻薬常習者や強盗容疑で拘置されている容疑者達と同室となり、もっと互いに無関心なのかと思っていたら、案外そうでもなく単なる「傷害」と「公執」では天地の差があることや、当番弁護士に相談するだけなら費用はかからないこと、拘置所と刑務所では居心地が全然違うことなど様々なことを知ることになります。

結果的には最後まで「公執」ではないことを主張し、当番弁護士と会ったこと、取り調べ時に言われた暴言を表沙汰にするという脅しなどが効を奏してか、罰金刑だけで済むことになります。

このあたりも、著者というか小説の主人公が、当時は決して大物にはなれそうもない、中途半端でいい加減な生き方をしていたというのがよくわかります。いや、決してけなしているのではなく、終戦直後でもなく、日本全体がイケイケムードのバブル期まっただ中において、このような無頼で貧しい若者の姿を描いたものを今まで読んだことがなく、いたく感心したのです。次は「苦役列車」を買ってこなければ、、、

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