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思いつきで世界は進む─「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと (ちくま新書) 橋本治

この新書は筑摩書房のPR誌「ちくま」に2014年から2018年に連載されていた著者のエッセイ「遠い地平、低い視点」を、整理して再構成したものです。

このPR誌「ちくま」のバックナンバーは、今でも読めますので、ランダムで良ければそちらでどうぞお読みくださいって感じです。

小説家でもあり評論家としても活躍されていた著者の小説は過去に「リア家の人々」など2作品、新書も1作品を読んでいますが、3年前の2019年にその作品のひとつの新書をたまたま読んでいるとき、テレビで亡くなられたという報道があり驚きました。享年70歳でした。

この新書は、その時々の時事問題や、著者が日常で気になることが、特にテーマを決めず(一応テーマらしき分類はされていますが)にとりとめない話です。

なにか新たな発見がある新書ではなく、著者の世界観がよくわかるもので、ファンの人には楽しく読めそうです。

特にファンではない人には?

それなりに素通りして読めます。

★☆☆

著者別読書感想(橋本治)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

つまをめとらば (文春文庫) 青山文平

著者は団塊世代生まれの作家さんで、2011年にメジャーデビューされました。今回作品を読むのは初めてです。直木賞という金字塔はやっぱり偉大です。

2015年単行本、2018年に文庫化された6篇の時代もの小説短篇集で、2015年の直木賞を受賞した作品です。短篇は「ひともうらやむ」「つゆかせぎ」「乳付」「ひと夏」「逢対」「つまをめとらば」の6篇です。

いずれも江戸時代の下級侍やその家族を主人公とした時代物小説で、まだ維新の兆しはなく、平和な時代が長く続き、戦う武士からプライドだけは高いサラリーマン侍に変わってしまっている時代です。

そうした平和ボケ?している世界観は、今の平成・令和時代の日本とも相通じるかもしれません。

歴史小説や時代もの小説を読むと、まるでその数百年前の世界をのぞき見てきたかのように描かれていて、そうした単に浅い知識だけではダメで、目の肥えた評論家や審査員をもうならせる文章力と創造性はどのようにして得られるのか、いつも不思議に思います。

短篇集なので、特に内容はいちいち書きませんが、下級武士の身分、お役目、お金、副業、妻や母親との関係など、庶民に近いというか、現在のサラリーマンの悲哀を読んでいるような感じで面白く読めます。

★★☆

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ガッツン! (双葉文庫) 伊集院静

2013年に単行本、2016年に文庫化された麻雀を通して成長していく若者達を描いた長編小説です。

舞台が神楽坂周辺で、行ったことのある人なら馴染みのあるお寺や神社、坂道などが出てきてなんとなく主人公達の姿が生き生きと思い浮かべられそうです。

主人公は、東京の三流私立大学へ通う山口県出身の貧乏大学生、東大と思える大学に通う静岡出身の秀才大学生、神楽坂の料亭の跡取り娘で学習院に通う女子大生の3人がふとしたことがきっかけで出会い、その後麻雀をともにする仲になっていきます。

麻雀小説というと、アングラな雰囲気が漂い、大金が飛び交い、生きるか死ぬかのような対決が多いのですが、こちらは大学生のお遊び麻雀の延長なので、最低限のお金こそ賭けますが、レートは低く、貧乏大学生向けの設定となっています。

著者は麻雀に造詣が深いことはよく知られていますが、同時に「麻雀放浪記」などで有名な阿佐田哲也氏に見出されて、作家になったこともあり、本著でもバーの隅で眠りこける「伝説の雀士」として描かれています。

2015年に亡くなった白川道氏の小説でも、よく主人公が麻雀を打つ場面がありましたが、そういうシーンを読む度に、若い頃によくやった麻雀を弱い癖にやりたくなってしまいます。

今は、パソコンの中にオンラインではない昔ながらの麻雀ゲームを入れていますので、時々引っ張り出して楽しんでいます。

★★☆

著者別読書感想(伊集院静)

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真昼なのに昏い部屋 (講談社文庫) 江國香織

2010年に単行本、2013年に文庫が発刊されていますが、初掲載は週刊現代に2009年に連載されていたものです。

奥泉光氏の巻末の解説に書いてありましたが、あまり見かけない複数人の視点で物語が進んでいく「三人称多元」というスタイルで書かれていて、最初のうちはどうも違和感がつきまとい、それに慣れるのに少し時間がかかりました。

つまりそれぞれの視点ごとに、物の見方、考え方、心理状態が違うので、その都度頭の中で切り替えていく必要があります。慣れればそれも心地よいのですけどね。

内容は、不倫小説で、経済的にも生活にもなにも不満がない恋愛結婚した専業主婦と、近所に住む妻子をアメリカに残したままで日本で単身生活しているアメリカ人が、お友達の範囲を超えてくっついてしまうというベタとも思える内容です。

浮気される旦那さんにもまったく問題(妻の言い訳をちゃんと冷静に聞かなかったとか)がなかったとは言えませんが、男性視点ではこれで旦那さんを責めては気の毒だと思います。

あるいは女性作家さんが主に中高年男性が読む週刊誌の掲載と言うことで、女性視点で満ち足りた結婚生活の中で、精神的な不満足を刺激的に伝えたかったのか?と思えてきます。

そういうわけで、男性側からすると、「なぜ?」「どうして?」という理解不能な展開となっていき、後味は決して良くありませんでした。

★★☆

著者別読書感想(江國香織)

【関連リンク】
 2月後半 退廃姉妹、冬の旅、彼が通る不思議なコースを私も、IQ、かなたの子
 2月前半 流、女神記、遠い山なみの光、新・日本の階級
 1月後半 風味絶佳、美しい家、老老戦記、イッツ・オンリー・トーク、百年法(上)(下)
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