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毎年3月末が近づくと、「年度末で忙しい」という声が聞こえてきます。学生時代は4月初旬に学年が変わったり、進学して学校が変わることで、特に年度末(3月末日)にこだわることがなく「忙しい」という意味がよくわかりませんでした。

社会人になってからその”大人の事情”を知ったのですが、役所や多くの企業では3月末に締めの決算があるので、その前に当年度予算を使い切ろうとか、売上を少しでも増やすために無理矢理商品を顧客に押し込んだり、逆に利益が多く出そうなので、4月以降に必要なものを3月末までに買ってしまい決算にその経費を反映させようといったことがよくおこなわれます。

ところで、この4月1日が年度初めで3月31日が年度終わりというのは、ちょっと中途半端でどういう理由があって決まったのかずっと不思議に思っていました。

調べてみると、、、、こ、これは!という、とんでもない事情がきっかけだということを発見しました。

その理由は後回しにして(ガタッ)、日本では7世紀(飛鳥時代)に律令制度が唐(中国)から導入され、そのひとつに旧暦1月から旧暦12月までを1年(度)とする制度が生まれたそうです。

それが長く続きましたが、新しくできた明治政府の大蔵省が明治2年(1869年)に、新米の収穫期に合わせた旧暦10月から旧暦9月までを会計年度とすることに変更します。

つまり、新米を収穫し、納税(上納)する10月から新年度ということでしょうか(旧暦10月1日は新暦の10月下旬頃)。米本位制は江戸時代までのことかと思っていましたが、近代明治政府でも使っていたわけです。

ところが明治5年(1872年)には、旧暦(太陰暦)から新暦(グレゴリオ暦)に変更となるタイミングで1月から12月を会計年度とすることが政府で決まり翌年明治6年から実施されます。

さらに混乱は続き、その明治6年に地租改正法が制定され、その地租の納期(最初の納期が8月)に合わせるため、明治8年からは7月~翌年6月の会計年度に変更されます。なぜ地租に合わせなきゃならなかったのか意味がわかりません。

さて、この後のことですが、明治15年(1882年)に、その後日清戦争へとつながっていく壬午事変が朝鮮半島で勃発し、大軍が海を渡る必要から帝国海軍の急拡張が必要となります。

明治17年度にはその莫大な財政赤字の穴埋めをするため、翌年度(明治18年度分)の酒造税の税収を前倒して繰り入れるという荒技が使われます。どうして酒造税?というのも意味不明です。

これを是正するため苦肉の策として、酒造税の納期(最初の納期が4月)に合わせ、明治19年4月から翌年3月を会計年度に変更することが決まりました。

もう無茶苦茶なつじつま合わせの荒療治が現在まで続く4月~3月の会計年度となっています。

日本の会計年度(その他多くの公的な年度)が、4月~3月なのは、このようにふざけた理由で決まったわけで、なにか合理的で日本風土や季節、科学的な理由に合わせた年度の設定ではないと言うことです。

この会計年度のように使われる「年度」は、会計以外にも民間企業(株式会社)の「事業年度」や、「貿易年度(1月~12月)」「米穀年度(11月~10月)」「麦年度(7~6月)」「砂糖年度(10~9月)」「酒造年度(7~6月)」「いも年度(9月~8月)」「でん粉年度(10月~9月)」「肥料年度(7~6月)」「農薬年度(10~9月)」など様々な年度があります。あまり聞いたことはない年度が多いですが。

世界の国々の会計年度はどうなっているかというと、

1月~12月制 中国・韓国・台湾・フランス・ドイツ・オランダ・ベルギー・スイス・ロシア・南米諸国など
4月~3月制 日本・インド・パキスタン・イギリス・デンマーク・カナダなど
7月~6月制 フィリピン・ノルウェー・スウェーデン・ギリシア・オーストラリアなど
10月~9月制 タイ・ミャンマー・アメリカ・ハイチなど

となっています。意外にも各国でいろいろあるのですね。4月~3月なんて日本ぐらいだろ?と思っていたら、イギリスやカナダ、インドなど結構メジャーな会計年度です。

学校が4月に始まり3月で終了するのは、やはり国の会計年度と関係があるそうで、国や自治体等の予算で学校が運営される小中学校の義務教育校や国公立学校が4~3月で決まれば、他の私立学校もそれに合わせることになります。

事業年度を自由に決めることができる株式会社では4~3月の3月末決算というのは、年1回決算の事業会社全体ではわずか19%しかありません。意外でしょ?(データ出典:ニッセイ基礎研究所)

しかし資本金1億円以上の企業で見ると54%、資本金100億円超の企業では74%となります。中堅企業や大企業は3月末決算が多いということです。

個人経営などの零細企業だと、あまり3月末決算にこだわらず、9月末締め(11%)、12月末締め(10%)の企業が比較的多いということです。

逆に少ないのは11月末締めと1月末締めで4%程度です。

そう言えば私が新卒で入社した会社(当時は資本金3千万円の小企業)は、決算が1月末でした。その後、会社の規模が大きく(現在は東証一部)なって、様々な不都合があり、決算時期の変更をしたことを思い出しました。

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