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パーク・ライフ (文春文庫) 吉田修一

「パークライフ」は第127回芥川賞を受賞した著者の割と初期の作品で、2002年に初出、文庫は2004年に刊行されています。この本には表題の作品と、もうひとつまったく違う内容の「flowers」が収められています。

ここで言うパークとは日比谷公園を指していて、私も以前その近くで働いていたことがあり、周囲の風景描写などたいへん懐かしい思いで読むことができました。

内容は主人公の男性がよく待ち合わせやランチでよく使う日比谷公園のベンチで、時々見かける女性と地下鉄内でバッタリ出会い、近からず遠からずの会話が淡々と進んでいくちょっと風変わりな小説です。

中編小説としては気楽に読めていいのですが、「悪人」や「パレード」のように映画化するのは、特に山場もなく、つかみどころもなく、ちょっと難しいでしょう。

一方のもうひとつの作品「flowers」は仕事を辞め、夫婦で地方から東京へ出てきて、住むアパートが決まるまで高級ホテルで過ごしているという変わったカップルが主役です。

男は飲料水販売会社に就職が決まり、トラックで毎日配送の仕事に就き、女は劇団に入り役者の勉強中。そこに男の同僚に変わった先輩がいて、、、という流れですが、「パークライフ」と同様なにか尻切れトンボ的なモヤモヤが残ってしまう終わり方で、あまり好きにはなれません。

あ、いや、別に勧善懲悪、ハッピーエンドを所望しているわけではありませんが、こうした展開はこの著者の作品の特徴でもあるのでしょうね。それはそれで善とするしかありません。


スウェーデン館の謎 (講談社文庫) 有栖川有栖

1995年に発刊され1998年に文庫化されたミステリー小説です。作家有栖川有栖が一人称で作中に登場し、同級生の犯罪学者火村英生が事件の解決をしていくという「作家アリスシリーズ」または「国名シリーズ」と呼ばれている作品のひとつです。

事件は有栖川有栖氏が取材のために訪れた冬の福島磐梯山近くのペンション周辺で起きます。ペンションのすぐ近くにある童話作家の家(スウェーデン館)で殺人事件が起きます。必死で犯人捜しの推理をするも、結局は京都大学の火村助教授に連絡を取ります。

詳しくは書きませんが、過去に起きた事件(事故)をずっと引きずり、その復讐や家族を守ろうとする家族愛など、複雑に絡み合いながら物語は展開していきます。

なぜスウェーデン館かと言うと、童話作家の嫁がスウェーデン人で、連れ合いを亡くした高齢の父親も呼び一緒に暮らしている家が、スェーデンから直輸入して建築されたもので、近所からはそのように呼ばれているという設定です。

著者は大阪出身で現在も大阪在住だそうで、その著作には関西が舞台のものが多いのですが、今回は遠く東北のしかも雪深い冬と言うことで、ちょっと不思議に思っていましたが、雪に残る足跡というのがひとつのキーとなり、なるほどと思いました。関西で一日中雪が積もったままで残るということはまずないので、そのトリック?は使えませんからね。


本当は恐ろしいグリム童話 (WANIBUNKO) 桐生 操

「白雪姫」「シンデレラ」「カエルの王子さま」「青髭」「眠り姫」「ネズの木」の6編が収録されています。タイトルからわかるとおり、今では進んで子供に勧める童話ですが、最初に出した原作は童話とはいえ親が子供に読み聞かせるにはちょっとどうかという内容でした。その原作を元に書かれたのがこの作品です。

グリム童話の作者グリム兄弟は1800年代初期~中期にドイツで活躍しましたが、最初の「グリム童話」が発刊されたのが1812年のクリスマスということですから、今年のクリスマスでちょうど200年です。おそらくはドイツではこのクリスマスには盛大な記念祭などが開かれるのでしょうね。

で、その内容ですが、例えば「白雪姫」では王様と王妃とのあいだにできた白雪姫が美しくなり(と言ってもまだローティーン)、王様が手を出し(小児愛好、近親相姦)、それに乗じた白雪姫は気に入らない家臣を殺したりわがまま勝手し放題。頭に来た王妃が森に連れ出して捨ててしまったところ、森に住む7人の年老いた小人達に救われ、料理や家事はもちろん、毎晩その夜のお相手も勤めて生き延びた。鏡の精に生きていることを知らされた王妃が物売りに化けて、毒リンゴを渡しそのリンゴを食べて死んでしまいます(親子殺人)。死んだ白雪姫をガラスの柩に寝かせておいたら、ある日別の国の王子に発見され、死体を城に持って帰り毎晩愛でます(死体愛好者)。気味悪がった家臣が寝台をひっくり返した際に喉に詰まっていたリンゴが取れて生き返るというストーリー。そして生き返った白雪姫は自分を殺そうとした王妃(実母)を拷問にかけて殺して(親子殺人)しまいます。

どうです。ちょっと子供には読んで聞かせられないでしょう?200年前とは言えなんと過激なことでしょう。

「シンデレラ」の場合は、エロチックと言うよりは暴力的で、ガラスの靴に合わせるために義理の姉たちは足の指やかかとを切り落とすというシーンや、めでたく王子に見初められて結婚式にやってきた義理の母や姉たちはシンデレラの味方の小鳥に目を突かれて失明してしまうとか。

おそらくこういう童話は元々子供のためと言うよりは、大人にも十分に面白く読めるように作られたのではないかなと勝手に想像しています。そして子供には親がうまく端折って「親の話しに逆らうと捨てられるよ」とか「他人をいじめるとその他人に仕返しをされて傷つくよ」と言うような教訓を与えたのでしょう。


本当は恐ろしいグリム童話〈2〉 (WANIBUNKO) 桐生 操

本当は恐ろしいグリム童話(2)では「ラプンツェル」「ヘンゼルとグレーテル」「三枚の蛇の葉」「ブレーメンの音楽隊」「人魚姫(アンデルセン童話)」「裸の王さま(アンデルセン童話)」「幸福な王子(オスカー・ワイルド童話)」の7編が収められています。タイトルは「グリム童話」となっていますが、ネタが尽きたのかアンデルセン童話やオスカー・ワイルド童話も使われています。

いずれも誰もが知っている有名な童話ということですが、小学生の頃から三島由紀夫や芥川龍之介、川端康成等の小説が好きだった私はグリム童話はほとんど知らなかったりします。特にこの(2)に収められている中では「ヘンゼルとグレーテル」以外は読んだり聞かされた記憶がありません。

で、いきなりこの書かれた頃の物語を読むと、いったい現代の作品とどのように違っているのかよくわかりません。おそらくはエロチックなシーンや暴力シーンが綺麗に消えてなくなっていて、その他にも主役以外が実母が継母に変わっていたりするのでしょう。

そのあたり物語の最後に、少しだけ解説が書かれていて親切なのですが、やはり現代訳を読んだ人向けの解説なので、ちょっと物足りなさを感じました。

時代を感じる読み物ですが、逆に現代では出版物にも「公序良俗」を求められ、さらには「差別用語」が拡大解釈され、言葉狩りを恐れてか、もってまわった表現や言い回しが使われ、変な文章になってしまっていることもよくあります。

「ヘンゼルとグレーテル」は原作で実の母が口減らしのため子捨てをするのはあんまりだと言うことで、現代版では「継母」のいじめということになっているようですが、現実社会に於いても親が自分の子供をいじめて殺したり、逆に子供が実の両親に手をかけたりというのは決して珍しいことではありません。

少し前の作品ですが、私は今年の4月に「大人もぞっとする初版『グリム童話』―ずっと隠されてきた残酷、性愛、狂気、戦慄の世界 」由良弥生著を読んでいます。それよりかは解説もわかりやすいです。また2月に読んだ「九つの殺人メルヘン 」鯨 統一郎著でもミステリー仕立てで童話の真実が語られていましたね。今年は私にとってグリム童話発刊200年を記念してかグリム童話の大当たり年です。さすがにもう読まないでしょうけど。


歩く影 (ハヤカワ・ミステリ文庫) ロバート・B・パーカー

スペンサー・シリーズ21作目のこの作品は1994年に発刊(ハヤカワ文庫は2001年発刊)されました。今度のスペンサーの相手はアメリカ社会に根付く中国マフィア達との闘いです。

恋人スーザンが所属する劇団員が公演中に射殺され、地元警察は頼りにならないので、その犯人を追い詰めるため方々へ出掛けて蜂の巣を突きに回ります。

そうするとそれが気に入らない中国人マフィアのボスが出てきて最初は脅し、次には実際に若い殺し屋のベトナム人を使って襲撃を仕掛けてきます。いずれも難なくしのいで、自分のケツを守るため、いつものように相棒ホークと、射撃の名手ヴィニイ・モリスを雇っていよいよ中国マフィアとの対決を仕掛けていきます。

銃を抜くのが速いはずのスペンサーとホークが半分ぐらい抜いたところでヴィニイがすでに3発撃って敵を倒すシーンなんかはゾッとします。

タイトルの「歩く影」(原題:Walking Shadow)とは、殺された劇団のメンバーが「何者かにいつもあとをつけられている」ということと、チャイナタウンに巣くう中国人マフィアのことを、とあるチャイナタウンに詳しい白人系の刑事が自分の親に言わせるとその存在が「歩く影」だと言っていたことによります。

スペンサーシリーズとしては比較的長めの小説ですが、その分読み応えがたっぷりで、最後まで事件の真相が謎でわかりにくく、20年近く前に書かれたものですが、意外と内容の古さは感じられず(ウォークマンやカーフォンなどが出てくるのはその時代の流行だったので仕方なし)、なかなかお勧めの一冊です。

それはそうと、このスペンサーシリーズ全39作中、現在文庫版が発刊されている38冊のうち、この本が36冊目の読了となりました(たぶん)。新刊の「盗まれた貴婦人」(2010年)はまだですが、37冊目となる「スターダスト」(シリーズ17作目1990年)もようやく手に入れましたので、近いうちにコンプリートできそうです。

あと残すはまだ文庫化されていない「春嵐」(没後発刊2011年)だけとなりますが、一度シリーズ全体を振り返ったまとめを書いてみたいと思っています。




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