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レスリングがオリンピック種目から除外されるかもしれないと関係者は大慌てですが、私はそれも仕方なしかなと思っています。

レスリングは第一回オリンピックの種目にもあった伝統ある競技だからとか、一部の国々で人気があるからと言って、既得権益のように五輪の種目に永遠にあり続けるかと言えばそれは無理な話しで、ビジネス上のことも考え、さらに競技日程や競技会場の制限もあり、時代と共に競技種目が変わっていくのが筋ではないでしょうか。

そうしないと五輪のような世界でもっとも注目される競技会で披露できないと、新しいスポーツは、例え世界中で人気が急上昇してきても、空き枠がなければ新たに五輪に加わえられず、なかなかグローバルな競技となりません。

いっそ、毎回競技を1/4ずつ入れ替えていくという方法もいいかも知れません。それによって今までメダルと縁の無かった小国でもメダルの可能性が高くなりますし、オリンピックのような晴れの舞台に縁がなかったマイナー競技にも陽の目があたります。

スポーツ実施人口と言っても競技人口との区別が難しいところですが、SSF笹川スポーツ財団が「スポーツライフ・データ2010」で、国内の「種目別スポーツ実施人口」を調査したものがあります。順位は推計実施人口(10歳以上、年1回以上実施者の多い順に表示)です。年1回以上ですから競技人口を含むその他大勢の愛好家というところでしょうか。

sportslank.jpg

世界基準で見ると国内1位の「ウォーキング」は散歩などと同様、スポーツとみなされないところもあるでしょうけど、日本ではスポーツ実施人口にカウントされています。2位以下は概ね実感値と一致します。見るのが好きなスポーツや、協会などに登録しておこなう本格的な競技人口とは違い、実施人口ですので、少し変に思うところもあります。

しかしこうしてみるとスポーツも日本人の高齢化を感じさせるようになってきました。2006年と2010年で比較するとランクが上昇したスポーツでは「フットサル」は除き、「登山」「グラウンドゴルフ」「太極拳」などいかにも中高年から高齢者向きのスポーツが目立ちます。

4位の「バドミントン」は、五輪など競技用の鳥の羽を使ったシャトルを用いる競技人口は、さほど多くないように思われますが、一般レジャーとしてよく使われるナイロン製の軽量な羽根を使った「バドミントン」実施人口を入れるとこうなるのでしょう。

8位の「卓球」は2006年調査の時は6位でしたので2ランクダウン、同じく11位の「スキー」も2ランクダウンしています。意外なのは2006年15位だった「スノーボード」は2010年調査ではランク外で、スキーよりも増えているかと思っていたら案外そうでもなさそうです。最近はスキー場へ行くとスキーよりもスノボやっている人のほうが多いように見えるのですがねぇ、、、

2006年より2ランク以上上がったのは9位の「登山」、15位のグラウンドゴルフ、17位フットサル、24位太極拳など。「登山」は最近の山ガールブームや中高年登山者の増加で、今後もっと上位進出を果たすかも知れません。しかしこれも一種の「ウォーキング」と同じで、果たして正式なスポーツと言えるかという疑問があります。人工的な岩場を手足だけの力で登りそのタイムで勝敗がつく「ボルダリング」など「フリークライミング」の競技とはまったく違います。

私が高校生の頃は、体育で「柔道」が必須でしたから、「柔道」が25位までに入らず、「剣道」や「太極拳」にも及ばないのにはちょっと意外です。いま世界でもっとも「柔道」人口が多い国はフランスですが、フランスでは本格的な競技というよりも礼節を身につけるために柔道を習う愛好家が多いようです。全世代でマナーが悪くなってきたと感じる日本人にもぜひ聞かせたい話しです。

今回除外される可能性が高いレスリングの国内での実施人口は、ランク外ですが、想定で1万人ぐらいとされています。オリンピック競技ではない空手や合気道、それに今回脱落候補として争ったテコンドーの国内実施人口1.5万人にも及びません。なので、なぜこれほど日本のマスコミが懸命に報道しているのか理解できません。オリンピックってメダルを取ることに意義があるのでしたっけ?

ついでに根拠がやや薄弱ですが、世界規模でスポーツ競技人口ベスト10は、
 1)サッカー
 2)クリケット
 3)バスケットボール※
 4)テニス
 5)モータースポーツ
 6)競馬
 7)野球
 8)陸上競技
 9)ゴルフ
 10)ボクシング
 ※バスケットが世界一競技人口が多いというデータもあり

のようです。但し正確な統計データはどこにもなく、おおよその推計値です。

というのも、日本の「ウォーキング」が日本ではスポーツ実施人口としてカウントされるように、各国のスポーツ実施・競技という認識が違うのと、そのカウント方法も統一されてなく、この国では人口比で概ねこれぐらいだろうみたいな大雑把な数字の寄せ集めしかないからです。

特に「サッカー」や「バスケットボール」は、いわゆるストリートプレーヤーが多く、統計とはあまり縁がない貧しい国(人口は多い)で、ボールがひとつあればできるスポーツとして特に人気が高く、それらを足し合わせるとさてどちらが多い?となり諸説あるようです。

2位の「クリケット」は人口が多いインドで大人気スポーツなので上位にきていますが、そんなことを言えばアジア大会の正式種目となっている「太極拳」も、人口が多い中国と欧米のアジアブームで上位にランクされていても不思議ではありません。

そう言えばアニメ「巨人の星」をインドで放映する際に、主人公がおこなう競技を野球からクリケットに作り替えたというのは有名です。クリケットの素養(運動神経)があれば野球選手としての才能もあるでしょうから、近い将来日本のプロ野球にもインド選手が加わってくる可能性がありそうです。プロ球団も今のうちにインドに若手養成所を設立して選手を発掘すれば、将来はいいビジネスができると思うのですが。

それにしても競馬の競技人口が6位と乗馬競技を入れてもこれほど多いとはとても信じられず、競馬場に通う観客を入れての数のような気がします。競馬ではなく乗馬と置き換えても江戸時代ならともかくこの順位は高すぎます。

特徴的なのは上位にランクされるスポーツの多くは英国発祥のスポーツで、その他の国の発祥は少ないことです。スポーツ大国アメリカ発祥と言えば「バスケットボール」と「野球」ぐらいです。ま、英国とアメリカとで歴史の長さが違うので仕方がないでしょうが、フランスやイタリア、スペイン発祥のスポーツが出てこないのはなぜでしょう。

アメリカの4大スポーツと言えば「野球」「アメフト」「アイスホッケー」「バスケットボール」ですが、今の五輪ではそのうち二つは入っていないことになります。

「野球」は世界の競技人口数で堂々7位、世界的にメジャーなスポーツとも思えるのですが、競技人口が東アジアと北中米に偏っていて、それらの国の競技者だけで世界の競技者の95%以上を占めているという実態があるそうです。なのでオリンピック発祥の地ヨーロッパや、国が多くそれだけ発言力があるアフリカ諸国では「野球」は支持されず、オリンピックの競技から外された経緯があります。その他専用球場の建設にコストがかかる、試合時間が長いなどの理由もありましたが。

いずれにしても五輪など国際競技においては「近代スポーツの発祥や主体は欧州」という、やや地域差別的な慣行があるようで、欧州で人気のないスポーツは商業的にもオリンピックから除外されていくという傾向がありそうです。


 【関連リンク】
 サッカー選手と野球選手の経済的考察
 ネーミングライツの功罪
 四十肩とか五十肩とか
 サッカーで絶対に1点とれる方法
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