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快挙 (新潮文庫) 白石一文

2013年に単行本が刊行され、2015年に文庫化された小説です。著者は私とほとんど同世代ということもあるせいか、その話には共感できることが多く、文庫化された小説は、2003年に文庫化された実質的なデビュー作「一瞬の光」以来ほとんど読んでいます。そして2009年の「ほかならぬ人へ」で直木賞を受賞されたのは嬉しいことでした。

2012年4月上旬の読書「ほかならぬ人へ」


「快挙」とは、また変わった小説のタイトルだな?と思いつつ、なんの予備的知識もなく購入して読みました。この著者の作品は安心して読めるので、文庫本で見つけると中身は見ずすぐに買います。

今回の小説の主人公は、若いときにカメラマンを目指していたものの芽が出ず、いまは浅草のホテルでフロントのアルバイトをしながら、出版社の編集やライターの仕事を手伝ったりしている定職を持たない男性。

いつものように散歩をしながら趣味で写真を撮っていると、月島の古い飲食店の2階で若い女性が洗濯を干している姿に魅了されシャッターを切ります。

その店で切り盛りしている女性に撮影した写真をプレゼントしたことで、二人は急接近することになります。

その後二人は正式に結婚し、主人公の男はカメラマンをあきらめ小説家を目指すようになりますが、須磨にある妻の実家の酒屋が阪神淡路大地震で被害を受けてしまい、両親を励まそうと夫婦で須磨に引越し、店の再開を手伝うようになります。

著者の作品では、男女の目に見えない細やかな感情の糸が入り交じるのが特徴とも言えますが、この小説でも「彼女に会えたことが自分にとって快挙」と言えるまでに時間をかけて醸造されていくストーリーが見事です。

★★☆

著者別読書感想(白石一文)


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

晴天の迷いクジラ (新潮文庫) 窪 美澄

2010年のデビュー作「ふがいない僕は空を見た」に次ぐ2012年発刊(文庫は2014年)の2作目の長編小説です。「ふがいない…」は山本周五郎賞を受賞し、この作品は山田風太郎賞を受賞と順調に売れっ子作家の道を歩んでいるって感じです。

2015年6月前半の読書「ふがいない僕は空を見た」


文庫本の最後にある解説を直木賞作家の白石一文氏が書いているところなんかを見ても、新人らしくない著者の作品の筋の良さがかいま見えてきます。

この小説の主人公は3人いて、それぞれに重くてつらい過去を引きずっています。と言ってもひとりは会社を経営する中年の女性、ひとりは社会へ出たばかりの若い男性、もうひとりは女子高生という年齢も立場も抱え込む問題もそれぞれみな違うわけですが。

物語の最初から2/3ぐらいまでは、3人のそれぞれの背景が別々に淡々と語られているだけなので退屈な感じです。ところが、その3人が連れ立って湾の中に迷い込んだクジラを見に行くところから一気に話しは盛り上がっていきます。

この作品は映像化に向きそうだなぁって思って読んでいたら、すでに水面下では映画化の動きはあるようですね(詳細不明)。くれぐれもこの作品は演技力がある役者の配役が重要なので、力のあるプロデューサーに役者の人選を仕切ってもらえれば良い作品になるのではないかと期待しています。


★★☆

著者別読書感想(窪美澄)


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悪の教典(上)(下) 貴志祐介

2008年から別冊文藝春秋に連載され、2010年に単行本、2012年に文庫版が発刊されました。

2012年には三池崇史監督、伊藤英明、二階堂ふみ主演で映画化もされています。見てないけど。

「教典」というからには、もう少し哲学的、宗教的で高尚な内容かと期待していた面もありましたが、あまりにも俗世感たっぷりな内容でやや混乱気味です。

タイトルは小説の中で高校生バンドが練習しているイギリスのプログレッシブ・ロックバンド「エマーソン・レイク&パーマー」の「悪の教典(原題Karn Evil)から都合良く取られているようです。

主人公は子供の頃から自分の気にくわない相手を次々と殺してきた人との共感を持たない高校教師という設定で、殺人鬼と知った両親も小学生の頃に手にかけています。

そうした殺人鬼のあり得そうもない設定かというと、さすがに小学生ではちょっと知りませんが、中学生ぐらいになると、親を殺害した事件は世の中には結構ありますから、まんざら嘘くさい話しとも思えません。

また主人公が勤務する私立高校では、男子生徒と淫行している中年女性教諭、男子生徒とゲイの関係をもつ美術教師、校長の弱みを握り、学校を支配しようと目論む根暗数学教諭、女子高生を弄ぶチンピラ体育教師など、青少年の教育の場にあるまじき異常な倒錯世界がてんこ盛りです。

エンタメとわかっていても、真面目な高校教師からすると反吐が出そうな展開でしょう。

ま、それはいいとして(よくないが)、やがては表向きは明るく弁説も爽やかな人気英語教師の主人公の裏の顔に気がつく生徒が現れ、また仮面が剥がれそうになって追い詰められていく主人公教師と対決していくという流れです。

途中からバイオレンス色が強くなり、校内でブラックジャックやスタンガンはもちろん、散弾銃までが登場し、壮絶すぎる殺戮が始まります。まるで「処刑教室」とか「バトル・ロワイアル」のノリになってきて不快さを感じる人も多いような気がします。

ま、理性ある教師なら、さすがにそこまではしないだろ?って思うのですが、事実は小説よりも奇なりってこともあるので、小説の世界ではこれぐらいはどうってことないのでしょうね。でもやり過ぎ。

★☆☆

著者別読書感想(貴志祐介)

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なぜ人を殺してはいけないのか (PHP文庫)  小浜逸郎

聞かれると返答に困り、ドキッとしてしまう倫理を問う10の難問について考える本です。

人を殺すことになんのためらいも抵抗もない大量殺人を描いた「悪の教典」と並行して読み進めていたので、なんだか不思議な感じがしました。

2000年に新書として刊行されベストセラーに輝き、その後2014年には文庫化もされています。

著者は評論家で国士舘大学局員教授のちょうど団塊世代ど真ん中の方です。そのご尊顔を拝見すると、いかにも団塊世代に多く存在する、一癖も二癖もありそうな思想家っぽい感じの方です。

さて、その10の難問とは、

第一問 人は何のために生きるのか
第二問 自殺は許されない行為か
第三問 「私」とは何か、「自分」とは何か
第四問 人を愛するとはどういうことか
第五問 不倫は許されない行為か
第六問 売春(買春)は悪か
第七問 他人に迷惑をかけなければ何をやってもよいのか
第八問 なぜ人を殺してはいけないのか
第九問 死刑は廃止すべきか
第十問 国民は主権を持つのか

それぞれの難問について、考え方や、なぜこのような疑問、質問が発生するのかという時代背景など、論理的に説明されているのですが、正直言って学の乏しい私には半分ぐらいしか理解はできませんでした。

結局なにが言いたいんだ?ってな感じ。頭が悪くてスマンこってす。

第8問の本書のタイトルにもなっている「なぜ人を殺してはいけないのか」については、著者の見本回答?含め、比較的わかりやすく説明が加えられていましたが、その他多くの難問にっついては、その背景や考え方がわかったところで、それが正解のない理由とは思えず、なにかモヤモヤした気持ちが残ってしまいます。

もうすぐ耳順を迎える身ですが、まだまだこうした思想めいた、哲学的というか、禅問答に近い話しにはどうもついていけません。

★☆☆


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