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公益財団法人日本生産性本部が今年度の新入社員を対象に実施した「働くことの意識調査」の結果が今年も出ました。

「働くことの意識」調査結果プレスリリース(2012.6.28).pdf

この調査は1969年(昭和44年度)から続く比較的歴史ある調査で、実は私も1980年に就職をした際この団体が主催する新入社員研修(当時も今もオリンピック記念青少年総合センター)に参加しましたので、さすがにもう記憶にはありませんがこの調査アンケートに協力しているはずです。
その中でいくつかピックアップして感想を述べます。

社会人一年生が入社仕立ての頃「人並み以上に働きたい」と思っているか「人並みで十分」かとの質問では、ここ直近2年ほどは大きな開きはなく、双方とも50%に近い40数パーセントで二分されています。これだけ不況が長引いてやっと入社できたという人が多いのでもっと意欲は高いと思っていましたが裏切られる結果に。

私の入社した32年前(1980年)はどうだったかなと思って調べると、、ハハハ「人並みで十分」が「人並み以上」を大きく上回っていて約50%近くあり「人並み以上」は34%程度です。当時バリバリの体育会系の会社人間だった私にはちょっと意外な感じですが、今になって思えばそうだったかも知れません。

この仕事に対する意欲の開きがもっとも大きくなるのが、ご想像の通り80年代後半からのバブル時期です。

そのピークの1990年と1991年は「人並み」が54%ぐらいなのに対し「人並み以上」は30%しかありません。いかにバブル入社組の多くに仕事に対する前向きの意欲が欠けていたかがよくわかります。現在で言うと入社20~22年の42~44歳ぐらいの人達です。

ま、当時は一部の人気企業以外ならどこでも行きたいところへ割と簡単に入れた数少ない時代で、企業側も面白いぐらい学生に気をつかっていて、やれ「内定(拘束)旅行は海外だ!」「入社式はディスコや一流ホテルの宴会場を借り切って!」みたいな狂った状態でしたから「仕事に意欲が湧くか?」と聞かれると確かに湧いてきません。

次に「この会社でずっと働きたいか?」という質問で「定年まで勤務したい」「状況次第でかわる」のふたつを聞いた結果です。

この質問ではまず過去を調べてみると2000年頃までは「定年まで勤務」が徐々に減少していき、「状況次第で転職」が増加していく傾向があります。高度成長期からバブルの終焉を迎える頃の話しです。

そして大手企業のリストラが開始され始め、終身雇用制の崩壊によって、はからずもその傾向が逆転していくことになり始めます。しかし終身雇用制がキチンと守られてきたそれ以前も「状況次第で転職」が「定年まで勤務」を上回っていたとは意外でした。

  この会社でずっと働きたいと思いますか?
   「定年まで働きたい」(赤)「状況次第で転職」(青)
tensyokuisiki.jpg

私の入社した1980年は「定年まで勤務」が22%、「状況次第転職」が39%とその差は17%もあります。傾向が転換する2000年は「定年まで勤務」が16%、「状況次第転職」が52%とその差は36%まで拡大していきます。

ところが昨年度(2011年)と今年度(2012年)はほぼ同じで「定年まで勤務」が34%、「状況次第転職」が31%と「定年まで勤務」派が「転職」派を逆転しています。終身雇用が当たり前のオイルショックを含む高度成長時の1970年代ですら「定年まで」派は30%を超えることが一度もなかったのに、昨年に初めて超えたというのは衝撃的です。

「定年までこのままずっとこの会社で働きたい」というのは、つまり「終身雇用してください」と言っていることと同じです。それがいまは僅差ですが多数派を占めているのです。

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」という本が大ヒットしたのが2006~2007年で、おそらく世の中的には、その数年前から若者は終身雇用型ではないもっと自由な働き方を求めだしたのでは?という見方をされているのではないでしょうか?私もそう思っていました。しかしそれはどうも違っているようです。

つまり入社してすぐのアンケートでは今までよりもずっと保守的に終身雇用を求めていますが、入社後数年経つと「思っていたのと違う」「このままでいいのか自問自答」などの理由で「3年以内で辞めてしまう」ということになってしまっているようです。

その原因としては「我慢することやこらえ性がなくなってきた」「決断するのが早い」「若者の転職情報や第二新卒という市場があり転職がしやすい環境」ということにあるのでしょう。

もしいま企業がバブル時代のように学生を奪い合うような状況であるならば「当社は終身雇用制を守ります」と学生にPRするのが、多くの学生を集める必勝法というわけです。なにかとても信じられないようなことになっています。

ま、実際はいまはそんなに努力しなくても応募者はいっぱい来るし、定年より早く辞めてもらいたいと思っている中高年社員がまだまだいるので、とてもそのような方針を声を上げて言うわけにもいかないでしょうが、若い人の考え方がそのように変化してきているとは思いもよりませんでした。

これとは直接的に関係がないかもしれませんが、いま若い人に海外留学や海外勤務を希望せず、また国内でも知らない土地への転勤を希望しない人が増加していると言われています。非正規社員の問題をことさら大げさに報道された影響もあるでしょうけれど、どうも今の20代前半の人の多くは内向きで大きな変化を嫌う傾向にあるのかなと思えてきます。

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2011年4月に1億2806万人だった日本の人口は、1年後の今年2012年4月には1億2765万人と41万人が減少しています。

この大幅減少については原発事故により特に外国人居住者が大挙して去っていった影響が大きいようですが、41万人と言うと、1日平均すると日本で毎日1,123名が減っている計算になります。

また約41万人の都市というと、宮崎市、柏市、枚方市、藤沢市、岐阜市、横須賀市、高松市などがありますが、それらの都市の人口が1年にひとつ丸ごと消えてなくなるのと同じことになります。

一方、1947年から1949年までの3年間に生まれたおよそ806万人の団塊世代は日本全人口の6.3%を占めていますが、その団塊世代が今年から65歳を迎え、いよいよ本格的な年金生活者へと移行していきます(この年代の人達は60歳からすでに年金を受給している人が大半)。

それに呼応するように、新たな厚生年金保険受給者数の増加は、昨年(2011年)3月末現在で、一昨年(2010年)3月末と比べ129万人増えて2943万人となっています。これを1日平均すると土・日曜日も含め毎日3,534人ずつ増えている計算となります。

年間129万人といえば、大分県、石川県、山形県の総人口よりも多く、都市では仙台市、さいたま市、広島市などの人口が毎年新たに年金を受給し始めるという巨大さです。これからの3年間は団塊世代の65歳以上突入ゆえ、これ以上のペースで増え続けていくことになるのでしょう。

もちろんこうなることは何十年も前からわかっていたことですから、それを知りながら、後のことは知らないとばかりに放蕩の限りを尽くし、自分や身内の利益を肥やしてきた旧厚生省、旧社会保険庁などの役人が誰一人として犯罪者とならないというのは、誠に不思議なお人好し国家です。

この人口大幅減少と年金受給者の急増により、なにが起きるかと言えばそれはもう明白なことです。

1)人口減により国内消費量が減少する
2)さらに急増する年金生活者の多くは消費や支出を抑えるのでものが売れない
3)(所得税)納税者数が減り、かつ消費減少で赤字企業が増え税収不足が深刻となる


つまり日本の国内経済にとっては、これから負の連鎖が続く最悪の3年を迎えることになります。

3)の税収不足を補うために、消費税増税が官僚主導の元決まりましたが、政府(つまり財務官僚)が食料品などへの低減税率に消極的なのは、年金生活者からも多く税金を取りたいからに他なりません。年金生活者の多くは教育費も不動産購入も新車購入も海外旅行費もジュエリー購入もせず、食料品以外にはあまりお金を使ってくれませんので、それを免除してしまうわけにはいかないのでしょう。

大企業を中心にすでに国内市場には見切りをつけて海外へ進出している企業が多いのは、労働コストのためもありますが、それ以上にこれから先、国内市場では大きなビジネスにならないからに他なりません。つまり海外進出できた企業はそこそこ稼いで利益をあげられますが、その利益は日本国内にはほとんど落ちないということです。

しかしこういう事態になるのはすでに何年も前からわかっていたことで、政治も役所もそして国民もすべてが見ないふり知らなかったふりをして、手当てすることを先延ばしにしてきました。その大きな理由のひとつは、日本の社会と経済に歴史上最大のインパクトをもたらしてきた団塊世代の思惑があることは否定できません。政治にしろ経済にしろ団塊世代の動向と意志が日本の方針を決める決定権を握ってきたのです。

現状では「悪いのは年金や退職金を満額もらいながら、さらに定年延長して長く働こうとする高齢者で、若い人はその犠牲になっている」という論調が強く、マスコミもそれに同調しているところがあります。企業側も「定年延長するためには、若い人の採用や給料を抑えざるを得ない」という責任転嫁を堂々とおこなっています。

本来なら身を粉にして高度成長を果たし、世界に冠たる国へと発展させて豊かな国を創ってきた、団塊世代を中心とする中高年者には大きな敬意を払い、幸せな老後を送ってもらえるよう国民全体で感謝すべきところが、なにかいつの間にか「もらい逃げ」「いいとこ取り」みたいな風潮です。

少子化による人口減少も、年金不足も決して中高年者の責任ではありません。また中高年者が本当に今の若者より恵まれていたのかというと、そうは思えません。

例えば、
中高年者が若者だった今から40~50年前と言えば、
【社会】
・社会インフラ(道路、鉄道、劇場、福祉、スポーツ施設など)が今と比べる未整備だった
・携帯電話はもちろん固定電話も十分に普及してなく近所の電話を借りたり公衆電話が頼りだった
・新婚旅行といえば良くてハワイかグアム、多くは国内で宮崎や熱海などが普通だった
・家ではひとり部屋など望むべくもなく、ほとんどが兄弟と相部屋だった
・独身者でも気楽な一人暮らしはできなかった(下宿や寮はあったがワンルームや単身者用マンションはない)
・土曜日も普通に出勤して休日は日曜と、現在よりずっと少ない祝日と現在より少ない有給休暇だけだった

【教育】
・大学の数が少ないうえに競争率も高くまた学費や生活費のこともあり大学へ行きたくてもいけなかった
・私立高校・大学に行くには親がかなり裕福でなければならなかった
・修学旅行はお仕着せの国内旅行で、海外や飛行機を使うようなところへはいけなかった
・義務教育は1教室50名以上の子供が詰め込まれるのが普通で給食もひどくまずかった
・お洒落な制服などなく、男子は黒の詰め襟、女子はセーラー服しかなかった
・特に地方では義務教育を受けただけで、すぐに働かざるを得ない若者が多かった

【娯楽】
・1964年までは自由な海外旅行はできず、それ以降もかなり裕福でないと無理だった
・当時クルマを持つのがあこがれだったが、小型大衆車でもサラリーマンの年収以上した
・携帯音楽プレーヤーはウォークマンが登場(1979年)するまで待たなければならない
・音楽を聴く場合、ラジオか、裕福な家にしかないステレオだった
・スポーツ観戦と言えばメジャーなものは野球かプロレス、相撲だけだった
・それでも都市部に住んでいると娯楽はまだあったが、地方では娯楽と言えるものは映画ぐらい

現在、恵まれていると言われている中高年も、若い頃は今の若者たちよりもずっとずっと苦労してきました。「そりゃ時代が違うでしょ」と言えばその通りで、それならば今の高齢者が恵まれているのも「時代が違うから」で片付けられてしまうのではないでしょうか。

いや、別に無事に逃げ切った団塊世代以上の人たちを擁護するわけではなく、これから定年(≒年金受給)に向かおうとしているポスト団塊、いわゆるしらけ世代とかポスト団塊と言われる50代に対しても団塊世代以上と同様に「恵まれている」と牙をむかれても困ることを言いたいだけです。

50代の多くは、逃げ切った団塊世代に頭を押さえられたまま、自分たちにとって都合のいいように敷かれたレールの上をハイハイと従いながらただ走るしかなかったのですから。

そしてその団塊世代とポスト団塊世代の象徴的な人物としては、好き放題やってあとは知らぬと投げ出す形となった、前総理大臣の菅直人氏(65歳)、その後始末を含め、団塊の敷いたレールを踏襲するしかない真面目だけが取り柄で没個性な総理大臣野田佳彦氏(55歳)がその典型です。


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616
ここ20年ぐらいのあいだにガソリンスタンドの経営が厳しくなってきて、家の近所にあったスタンドも次々とコンビニやドラッグストア、洗車場へとその姿を変えていきました。

特に独立系で比較的小規模なスタンド経営が厳しそうで、残っているのはチェーン展開している中堅以上のスタンドのようです。

都市部については、周囲の同業者とギリギリまで価格・サービス競争をして持ちこたえられるだけの資本力がないと厳しい状況なのでしょう。

国内の自動車登録台数の推移を調べると、乗用車は31年前の1980年比で256%、貨物車でも119%と増加していましたが、21年前の1990年比では乗用車は177%と増加しているものの、貨物車が72%と約3割もダウンしています。

貨物車の登録台数が過去最大だったのが1991年(平成3年)で、それ以降は減少の一途をたどっています。

ちなみに乗用車の過去最大保有台数だったのは2011年までのデータで2011年。台数は5千8百万台です。

つまり乗用車の登録台数は過去一度も前年割れを起こしたことがなく伸び率は相当弱まりましたがずっと伸び続けています。

ただし2010年と2011年の差はわずか約23万台差しかなく(保有台数比で0.4%)、今年2012年か遅くとも来年には史上初めての乗用車保有台数前年割れになりそうです。

さらに乗用車の燃費は年々上昇していきますので、1台当たりの消費量は確実に減っていき、ガソリンスタンドの経営が厳しくなるのも仕方がないことです。

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さらに1台当たり燃料をより多く使うのは貨物車と考えられますから、乗用車や軽自動車、二輪車が増え自動車全体の登録台数が多少増えても、1991年以降貨物車が増えず、したがって燃料の消費が増えない(=ガソリンスタンド需要が伸びない)ことがわかります。

ガソリンスタンドも1998年の規制緩和により人件費削減のためセルフサービスの形態を取り入れたり、コンビニやコーヒーショップなど異業種の店舗を併設するところが増えてきました。

今後もガソリンスタンドが燃料補給の目的だけでなく、プラスαの価値を持つ場所を目指すことは間違いありません。それはそれで利用者には選べる自由と便利さがあっていいことです。

セルフスタンドの利用が増え、最近はあまり言われなくなったのですが、ガソリンスタンドで給油をすると「タンクに水が溜まると中に錆が発生したりエンジンが故障するので、水抜き剤を入れておきますね!」という一見正しそうに思えて、実はほとんど意味のない無駄金を使わせるための方便があります。

原理からすると確かに外気温の差が激しかったりするとタンク内に結露ができて水分が発生し、それが燃料より重いので底に溜まり、錆の原因になったり、冬の寒いときに水分が凍結してしまい、ガソリンがエンジンに回らなくなったりする可能性があると言われています。

最近は結露のできにくい樹脂製のタンクが増えていますが、それ自体を知っている人は少ないでしょう。

小学生でもわかっていることですが、水と油は混ざりません。しかし水割りのウイスキーがあるぐらいですから水とアルコールは混ざります。

そして油とアルコールは混ざりますので、水とアルコールを混ぜて、それを油(ガソリン)と混ぜてやるというのがこの水抜き剤の役目となります。

しかし実際にその効果はといえば、ガソリンスタンドの小銭稼ぎにはなりますが、エンジンにとってはほとんど効果はありません。

微量に発生した水分は、そのほとんどはガソリンに混ざりはしないものの燃料パイプを通って一緒に燃焼室に送られて、そこで一気に燃焼(水分は蒸発)してしまうからです。

水抜き剤を入れていなくてもエンジンをかけるとマフラーから水が出てくるのは、マフラー内に雨や洗車したときに入った水か、あるいは燃焼室で蒸発した水分がマフラーで冷やされて水になって出てきているものと考えられます。

水抜き剤の他、ガソリン添加剤、エンジンフラッシング、クーラント、エンジンオイル、ウォッシャー液の交換や補充、その他に洗車や室内クリーニング、タイヤローテーションなどがガソリンスタンドの定番オプションメニューで、クルマやオーナーの顔色と懐具合を見ながらそれぞれ提案をしてきます。それをいちいち断るのが煩わしいからセルフへ行くという人もいるぐらいです。

ガソリンスタンドで、無料でエンジンルームの点検をしてくれるところがあります。

これってほとんどボンネットを開けたことはない顧客からするとうれしく感じている人が多いと思いますが、スタンド側は、エンジンルームを見ることで様々な金儲けのネタを発見できるメリットがあります。

そう無理矢理問題点を見つけ顧客にお金を払わせるためで、決して顧客の安全を気にしてのことではないのです。

エンジンオイルの色が真っ黒になっていても、粘度が適度に維持されてさえいれば使用に問題はありません。しかしスタンドの店員さんは例え交換後1ヶ月しか経っていないオイルでも「うわっ!オイル真っ黒ですよ!交換しましょう!」と平気で勧めてきます。

オイルが黒いのはそれだけよくススを落としてくれているわけで喜んでいいのです。

エンジンオイルの量も、レベルゲージに表示されたラインが上下限であって、その上限より多少減っていても一向に問題はありません。

もっと言えばレベルゲージの下限を多少切っていても、それぐらいの安全マージンはみてあるので、いますぐに対応する必要は全然ありません。

ちょっと過激にいえば、レベルゲージに少しでもオイルがつくなら(下限より大幅に少ない)でも特に影響はないと言われています。

でもスタンド側は上限いっぱい入っていないと「オイルが減っているので(有料で)追加しておきましょう」と必ず勧めてきます。

ただ別の問題として、もし短期間でオイルが急激に減るようなことがあれば、それは漏れ出している以外は考えられないので、ただ勧められてオイルを足すよりも、漏れている(染み出している)箇所を発見し、速やかに修理することのほうがずっと重要です。

私がいつも利用しているフルサービスのスタンドでも「お客さん、タンクに水が溜まってますよ」と未だに言ってくる従業員がいますが、そのたびに「それってどうしてわかるの?」と返します。

たいがいモゴモゴと「入れたというシールが貼ってないから」とか言っていますが、その後はしつこく追求してこなくなります。

それ以外にも、洗車したばかりのクルマで最後の仕上げに給油をしにスタンドへ行くと「洗車はいいですか?」となにも考えず、なにも見ず、ただ惰性とマニュアルにしたがって聞いてくるアホな店員もいて、ホント嫌になります。

スタンドで、余計とも思える有料のサービスを受ける人は、振り込め詐欺やリフォーム詐欺と同じで、一度そういうのにのっかってしまうと、何度でも繰り返してくれるありがたい客と見なされます。

おそらくスタンド側も例えば水抜き剤を買ってくれた人のクルマにはなにかマーキングをしておくのでしょうね。

次は「お客さん、クーラントが減ってますから補充しておきますね!」とか「エンジンオイルが減っているので入れておきますね」とか。もちろんカーショップなどと比べるとかなり割高な値段設定です。

あなたのクルマのガソリン給油口(外ブタを開けた中)に、なにかマーキングシールが貼られていませんか?もし意味のわからないシールが貼ってあればたぶんそれはそういうことです。



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610
すったもんだありながらもようやく先月派遣法の改正がおこなわれることが決まりました。

労働者派遣法改正法(PDF)

当初はリーマンショック以来の「派遣社員雇い止め」「年越し派遣村」の問題が大きくフューチャーされ、「派遣=悪」のような論調で語られることが多かったのですが、実態をよく見ると「実は派遣が悪いのではなかった」というのが本当のところでしょう。

しかしいったんは大きく振り上げたこぶしをおろす先がなく、仕方なく派遣法をちょこっといじってお茶を濁そうとしているのが見て取れます。ま、結果的にはそれでよかったのではないかと私的には思っています。

したがって、正社員が減ってきて存続の危機を迎えている組合系団体から強く求められてきた「登録型派遣の原則禁止(専門26業務等は除外)」と「製造業務派遣の原則禁止(1年を超える常時雇用の労働者派遣は除外」という二つの大きな目玉が削除されることになりました。それをもって「骨抜き」と書いていた新聞もいくつかありました。すっかり骨がなくなってしまっているのは、ほかでもないその大新聞社だと思うのですけどね。

しかしこの二つが削除されたことで、既存の派遣会社の多くはホッと胸をなで下ろしたことでしょう。

「登録型派遣の原則禁止(専門26業務等は除外)」は、派遣会社の根本に関わる問題で、登録型だからこそ働く側も雇う側も繁閑に応じて柔軟な対応ができる大きなメリットだったからです。

労働組合やマスコミは登録型派遣は「企業側(雇用側)にとってだけ都合がいいシステム」と言います。しかしこれは働く側にとっても「介護や子育て中でフルタイムでは働けない」「資格をとるため勉強中だけど一定期間だけ働きたい」「近所のパートで働くより専門スキルを生かした仕事がしたい」など多くのメリットを感じている人の職をも奪うことになりかねませんでした。特に今後は少子化対策と高齢者問題を考えると、昔取った杵柄(スキル)で、希望する時間や期間で働ける派遣のメリットは大きいでしょう。

「製造業務派遣の原則禁止(1年を超える常時雇用の労働者派遣は除外」は、「派遣雇い止め」問題で一番大きな影響を受けたのがこれらの職種に就いていた人達でした。

それはこの職種には比較的男性が多く、しかもそれが世帯主だったり、家計の中心を担っている人達が多く働いていたからでしょう。しかし年々製造業が海外に奪われていく一番の原因はその労働コストであることは明かで、この製造業派遣をなくすことで、柔軟な従業員の確保ができなくなると、今後ますます日本の製造業が弱体化し衰退することが懸念されました。

ここでも一番の問題は、主たる家計を支える人達が多くこの有期で不安定な職に就いていた(就かざるを得なかった?)ことで、製造業派遣自体に問題があったとは思えなかったからです。

上記ふたつは削除されましたが、一方で規制が強化されたのは「日雇派遣(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣)の原則禁止」と「グループ企業内派遣の8割規制、離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることを禁止」の2つです。

「日雇派遣(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣)の原則禁止」は一見すると派遣会社にとって大きな打撃のように思えますが、禁止されるのは「すべての職種」ではなく、一般的に短期間の仕事が多い職種に関しては除外されますので、事務系専門職に関して言えばそれほど問題にはならないでしょう。

問題があるとすれば先に法案が削除されたと書いた「製造業務派遣」において、1ヶ月以内の短期派遣ができなくなったことにより、微妙な雇用調整が難しくなったということでしょうか。

例えば多くのメーカーでは期間工と呼ばれる一定時期に集中して工場を稼働させる時があります。そこで、すべての期間工が最初の約束通りに勤務期間を最後まで全うしてくれるといいですが、残り2週間を残して辞めてしまったような場合、2週間だけ替わりの誰かを雇うことができません。

そのしわ寄せは残った人達でやりくりするようなことになりますが、まだ大企業ならやりくりができるかもしれませんが、中小零細企業なら果たして安全に工場稼働ができるのかという問題になってきます。

「グループ企業内派遣の8割規制、離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることを禁止」は、いわゆる親会社が人件費抑制のため子会社や関連企業を作り、そこへ多くの正社員を移籍させて、給料を下げたり、解雇しやすくすることがないようにするためでしょう。

ただ働く側にとってみると、退職後に慣れ親しんだ親会社へ時間や期間を定め、慣れた仕事をおこなうというのは双方にとって悪いことではありませんが、それはできなくなります。

また派遣労働者の待遇改善につながることとして、「派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の派遣料金に占める割合(いわゆるマージン率)などの情報公開を義務化」「雇入れ等の際に、派遣労働者に対して、一人当たりの派遣料金の額を明示」などがあります。

ちょっと読むと自分の給料と派遣会社に支払われる派遣料金の差額のマージン率がズバリわかるのか?と思えてしまいますが、もし派遣社員が一人二人ならそうなるかも知れませんが、3名以上いるとその平均マージンがわかるだけですので、あまりピンとこないかも知れません。

「雇入れ等の際に、派遣労働者に対して、一人当たりの派遣料金の額を明示」は、すでに多くの派遣会社では「基準金額(時給)」として普通にやっていると思われますが、あらためて決まりました。

職種別の平均額を知ることで、同じ職種で派遣される自分がそれと比べてどうだとわかるのはいいことですが、まったく同じ職場の同じ職種ばかりとも思えず、様々な環境や条件によって職場が働きやすかったり、そうでなかったりすることもあります。

また人によって持っていいるスキルや資格要件、経験度なども違うので、単に給料の額だけで比べてしまうのもどうかと思いますけどね。

公布されたのは4月6日で、実際の施行は6ヶ月以内のどこかということですから、おそらくキリのいいところで10月1日からではないでしょうか。


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608
若者のワーキングプアや就職難からその攻撃の先は中高年者と相場は決まっているようで「中高年者の雇用を守るために若者がそのとばっちりを受けている」という評論家や学者がいます。

でも本当にそうなのでしょうか?

そしてそれに関連し、非正規社員の多い若者のため、労働法の労働契約法16条にある「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、解雇権濫用として無効」を改正し、企業はいつでも簡単に社員を解雇ができるようにするべきだという主張をする人もいます。

その人達の主張としては、

 ・正社員の既得権益をなくすことで非正規社員などの弱者を救済する
 ・解雇規制をなくすと企業は正社員を採用しやすくなり失業率が下がる
 ・人件費を柔軟にカットできることで、国際市場において企業競争力が上がる

などがありますが、それってつまり、企業側、使用者側の論理で、激しい労働者間の弱肉強食の世界と、低賃金と長時間労働に文句も言わず黙って社畜になれる人だけの世界を作ろうというのと同じではないでしょうか?つまり使用者(経営者)側にとってたいへん都合のいい政策です。

雇用者側にとっては、正社員が簡単に解雇されると言うことは、現在非正規社員の人は正社員になれるチャンスがあると同様、正社員になってもすぐに解雇される可能性があるってことです。

つまり使用者側にとっては正社員であろうと非正社員であろうと会社(あるいは経営者)にとって最善の人だけを残すという非常にありがたい仕組みなわけです。

失業率の問題も、正規でも非正規でも働いているならば失業者ではなく失業率には反映されません。つまり非正規社員が正社員になったからと言って失業率が下がるわけではないのです。

失業率が高いのは、製造業を中心として多くの生産拠点が海外へ移ったのと、日本を含む先進国の景気の低迷で国内の需給バランスがおかしくなっているからに他なりません。

国際市場での競争力を上げるために、働きが悪く賃金の高い中高年はビシビシと解雇していこうというのも、それによって残った労働者の賃金が上がるってことはなく、本気で競争するなら若い人の賃金も国際平均並みに下げない限り競争力はつきません。

日本の労働者の平均賃金が中国のそれと同じまで下がれば競争力はつくかも知れませんが、経営者と株主以外誰もハッピーにはならないでしょう。

すでに多くの企業では完全年功序列賃金制度というのは少なくなり、実際に公務員ぐらいにしか残っていません。つまり年功序列賃金と成果主義、実力主義をうまくバランスをさせた賃金体系になっているところがほとんどなのです。

年代別の平均賃金を見ると、すでに40代が一番高くなっていることからもそれがわかります。完全年功序列賃金が生きていたのはいま65歳前後の団塊世代が現役だった頃までの話しです。

201205_0002.jpg

上記のグラフは総務省統計局の資料から抜粋してグラフ化したものです。

まだ50代前半の年収が一番高く出ていますが、これは全体の10%近くを占める完全年功序列に近い公務員(含む準公務員や公的企業)を含んでいます。

ほとんどの民間企業では役員以外はとっくに40代のほうが収入が高くなっているのが一般的です。

いまやり玉に挙がっている現在の50歳代というのは、学校を卒業して入社したときは上司から「年功序列賃金でいまは少ないけど段々と増えていきあとが楽になるから我慢して働け」とずっと言われ続けてきました。

しかし40代になった頃、つぶれないと言われてきた山一証券や北海道拓殖銀行など大手金融機関までがつぶれ、企業が一斉にリストラを始めるようになり、給料は実力主義の成果報酬に変更と一方的に告げられ、それに甘んじざるを得なくなります。

そりゃ30代、40代の頃と比べると、体力、忍耐強さ、発想力、記憶力、勤務に使える時間など50代は明らかに劣っていきます。

そしてその多くの人は、家族を抱え、親の介護や子供の教育など、仕事に集中しにくい環境下にあることも若い人と比べ不利な点です。

勝てるとしたら培ってきた経験と判断力でしょうが、スピードが速く移ろいやすい時代において、果たしてそのような過去の経験が十分に生かせられるかというと、これもまた厳しい状況です。

したがっていまの50代の給料は30代40代の頃と比べると民間企業勤務の場合10~20%下がっているというのが実情なのです。

一般的な家庭の話しをすると、30歳前後で結婚、子供が大きくなってきて30代半ばから後半に自宅を購入、40代後半から50代前半にかけて子供の教育費(塾や私立高校、大学の学費等)と、20代、30代前半までと比べると段違いにお金が必要となります。

最初から50代で収入が下がると知っていたならば、あらかじめその分を計画的に貯金しておくこともできますが、40代になって急に「年功序列は廃止です、明日からは実力主義の成果主義なのでよろしく」と言われたいまの50代はとてもつらい目に遭っています。

そのような50代に対し「もらいすぎだろ?」「解雇規制などなくして上からきっちまえ」と言われるのは「おい、ちょっと待て」となるわけです。

そして、いま解雇規制をなくしてしまうと、若く元気でしかも優秀な人にとってはあと数年から十数年は天下をとれるでしょうけれど、当然自分達も年齢を重ねることによって、もっと若くて元気で優秀な人達に追い出されるという悲哀を迎えることになります。

しかしそういうことは人生でもっとも華やかな我が世の春を迎えている今の若い人には考えたくもないし、また考えられないことでしょう。

もし「オレは優秀だから将来もずっと追い出されることはない」「オレなら追い出される前に独立して成功する」と安易に思っているならば、まったく笑止千万です。そのような根拠もない、何十分の一か何百分の一の可能性に賭けるほど愚かなことはありません。

誰も20年先、30年先の社会や経済の状況なんて想定できるわけがありません。

私は現在の「年功+成果報酬」のスタイルは悪くないと思っています。それは日本の社会がまだ大企業中心で転職や起業することが少数派で異端であるという社会だからです。

もし40代50代が経験や人脈を生かして個人事業主や零細企業が簡単に作れ、一度や二度失敗しても一家離散や個人破産するようなことがなく、やる気さえあれば何度でもやり直しが効く社会に変われば、その時は完全成果報酬制度も大いにアリでしょう。

ところが、一般的には大会社に勤めていることがその人のステータスであり、福利厚生も退職金も年金も、細かなところでは住宅ローン金利までも大企業従業員(や公務員)が優位になっている以上、それを捨てて積極的に外へ飛び出す人は少ないはずです。

そのような大企業中心経済から脱皮していくことが、今後日本経済を変えていく方向性であって、単に今の中高年を非難してもなんの解決にもならないというお話です。



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