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認知症とは後天的な脳の障害により、知能が低下した状態のことで、記憶・判断力の障害などが起こり、意識障害はないものの社会生活や対人関係に支障が出てしまう病気ですが、国内には2012年で400万人を越える認知症有病者がいると言われています。
2004年までは一般的に「ボケ」や「痴呆」などと呼ばれていた主に老化が原因の病気ですが、ガンの発症率と同様、日本人の高齢化が進み、医療の発達で寿命が延びたことにより目立ってくることになりました。
映画「恍惚の人」は1973年の映画(有吉佐和子氏の原作本は1972年刊)で、今から40年も前にこの問題を取り上げ、当時私は中学生で観ていませんが、大ヒットしていた記憶があります。
認知症有病者のうち99%は65才の高齢者で、わずかながら若年性認知症も見られます。
渡辺謙主演で映画にもなりましたが、荻原浩氏の小説「明日の記憶」で、初期は仕事で面会のアポイントをうっかり失念してしまうようなところから始まり、徐々にそれがひどくなって、仕事で外出中に自分がどこへ行こうとしていたのか?自分が今どこにいるのかさえわからなくなったり、最後には妻の顔までわからなくなる若年性認知症の恐ろしさが描かれていました。
さらに日常生活にはほとんど支障はないものの、認知症の前段階と言えるMCI(Mild Cognitive Impairment)と思われる人が380万人にのぼり、このMCIの中から毎年10~15%の人が認知症へと移行していくということです。
65才以上の高齢者は2010年でおよそ2900万人で、そのうち程度に差はありますが15%が認知症を患っていることになり、予備軍のMCIも含めると3割近い高齢者が認知症と無縁ではないということです。
その65才以上の人口、2012年ではすでに3000万人を越え、3079万人となりました。そして今後もまだまだ増え続け、もっとも多くなるのが今から27年後(現在38才の人が65才に達する時)の2040年頃で、65才以上人口は3868万人と予測されています。もちろん私もその一員で、認知症予備軍です。
もしそれまでに画期的な治療法や特効薬が出てこず、現在と同じ割合で認知症患者が増えていったとしたら、有病者数は2040年には580万人、MCIを含めると1100万人という人数に達し、その頃の日本の人口1億700万人の1割を越えてしまうことになります。全国民のおよそ1割に認知症またはその初期の疑いがみられるという、想像を絶する認知症国家になってしまう可能性があるのです。
そしてこの認知症、発症する率は年々減少ではなく、寿命の伸びとも関係あると思われますが、増加傾向にあるそうです。つまり27年後に580万人ではなく急増して700万人800万人という可能性もあるわけです。原因が特定されず特効薬や治療法がない以上そうなる可能性はあります。
そのことでなにが大変かと言えば、認知症が発症すると一人で生活をすることは様々な問題があり難しく、終始目を行き渡らせ、進行度によりますが食事や排便、入浴、洗濯、着せ替え、運動、散歩など身の回りの世話をするため、複数の家族や介護人を必要とします。もし600万人が認知症となると、それ以上の体力や技能がある家族または専門の介護人が必要ということです。
介護者が認知症患者から一時でも目を離してしまうとどういうことになるかという厳しい判決が先日出ました(現在控訴中)。今回は家族(長男と妻)が介護者でしたが、今後は特別養護老人ホームなど介護施設やそこの従業員への賠償責任も問われていくでしょう。
遺族に賠償命令 波紋呼ぶ 認知症男性、電車にはねられJR遅延
認知症の男性が電車にはねられたのは見守りを怠ったからだとして、電車の遅延の賠償金約720万円を遺族からJR東海に支払うように命じた判決が、名古屋地裁であった。(中略)家に併設する事務所出入り口のセンサー付きチャイムの電源を入れるなどの対策をせず、妻も目を離すなど注意義務を怠った… |
少子化や核家族が進んでいるなかで、家族に24時間365日ずっと世話をしてもらえる高齢者はそう多くはないでしょう。
またJR東海側にしてみると、認知症患者が原因で大きな被害を被った場合、安全に必要な措置を怠っていたという点はあるにせよ、なんらかの損害賠償を請求するのはビジネス上普通のことでしょう。
このような双方に被害を受けてしまう事例が今後ますます発生し社会問題化していくことは必至です。
高齢者の増加にともない、国の施策は在宅介護に向いてきていますが、それとは逆行するように介護施設の不足から老老介護、娘や息子が介護をするために仕事を辞めざるを得ないなど多くの課題があります。
それにしても認知症患者を適切に預かれる施設や介護人の数が圧倒的に足りません。安い公営の特別養護老後ホームは今でも数万名の待機者が出ています。それにも関わらず、今後毎年数十万名の入居希望者が新たに出てくる可能性もあります。
また例え施設を作っても、それを24時間態勢で健全に維持運営できるスタッフの確保ができるのか?と言う問題にも直面していくでしょう。経済成長三本の矢も結構ですが、こうした光りが当たりにくい医療・介護・福祉といった面での充実にも世界の先陣を切って取り組んでもらいたいものです。
認知症を患った人の特徴として、徘徊、幻覚、(被害)妄想、焦燥などがあります。それらが高じると夜中など監視が十分に行き届かない時に、こっそり外へ出掛けてしまったり、患者同士、または介護人や家族に対して暴力をふるったり、暴れるケースも起きてきます(現在既に起きています)。
つまりそういう暴力的な患者に対しては、老老介護や女性がひとりでおこなう在宅介護では無理があり、組織的かつ複数名であたらなければなりません。
う~ん、どうすればいいんでしょう?
私が子供の頃には、事実かどうかは知りませんが、精神病院の入院患者は「格子付きの部屋にずっと押し込められていて、暴れる患者は手足を拘束されてベッドに縛り付けられている」というイメージがありました。
「悪いことばかりしていると精神病院へ連れて行かれるよ!」は子供に対して絶大な脅し文句となりました。今はどこの病院や施設でも人権には最大限気を遣うようになり、そういう話しは噂にすら聞きません。
しかしこれからは団塊世代など元気で体力がある高齢者が一気に増えていき、その人達の1割以上が認知症を患い、徘徊や暴力的素行のある患者が増えていったとしたら、家族や介護人の安全、医療の経済性・効率性を考えると、決して望ましい形ではありませんが、「ずっと鎮静剤で大人しくさせておく」「部屋の中に軟禁しておく」という悪夢がおこなわれるようになるのかもしれません。
もし認知症患者に可能な限りの自由を与え、十分なケアと介護と監視をしていくとなると、少子化で若手の労働者が少なくなり、海外からの移民政策も遅々として進まない以上、例えば「任侠ヘルパー」じゃないですが、刑務所の受刑者全員に介護の技能を身につけさせて勤労させるようになるとか、仮出所の期間は強制的にその仕事に就かせるとか、高校生、大学生の授業や単位の一環として生徒・学生に介護ボランティアを義務づけるとか、早期に人工知能を持った介護ロボットの開発とか、患者に寄り添って異常や徘徊を24時間監視する介護犬の養成とか、限界集落になった町や村をそっくりまるごと県や市が買い取り、介護人と患者だけを集め、患者が勝手に徘徊しないように塀を張り巡らした「認知症村」を作るとかなどなど。
そのようなことをしなくてもいいように、原因の特定と画期的な認知症医療が早く見つかればいいのですが。
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自動車販売台数ランキングでは常にハイブリッド車が上位を占めるようになり、2013年4月の新車販売の中でハイブリッド車の割合(乗用車)は27%に達しています。
また一般新築住宅や新築マンションにおいても太陽光発電や燃料電池を利用した従来のエネルギーに頼らないクリーンとエコそれに省エネをうたい文句にした商品が大ブームです。
それらのブームにケチを付ける気は毛頭ありませんが、このように動力などエネルギーとして使うために必要な蓄電池、つまりバッテリーについて関心があるのと同時に大きな心配事があります。
それは1番目に蓄電池のリサイクルと廃物処理、それにかかるエネルギーとコスト、2番目に不法に廃棄されることにより環境悪化を引き起こすリスク、3番目に蓄電技術の進歩の遅さです。
日本でハイブリッド車が誕生して16年が過ぎました。ガソリン車やディーゼル車であれば10年ぐらいで細かな消耗品はともかく動力源(エンジン)そのものを補修する必要はありません。
しかしハイブリッド車の場合、インバーター(電力変換装置)は10~15年ぐらいで、バッテリーは早いもので5年おきの交換が必要となってくると言われています。
その交換コストはインバーター装置で40~50万円、バッテリーで15~20万円ほどが必要となります(一般的なハイブリッド車の場合)。
しかも普通のガソリン乗用車についているバッテリーのように、近所のカーショップで純正バッテリーの半額以下で売られている補修用バッテリーを買ってきて自分で交換するというわけにいきません。
つまり、EV車はもとより、ハイブリッド車の場合、10年を越えてくると車検代や細かな補修部品以外に、数十万円単位で部品交換の出費が必要となってくるわけです。そういうことって買う前にキチンと説明はおこなわれているのでしょうか。
住宅の発電の場合も同様で、大きな蓄電器を備え、「これで停電になっても我が家は安心」と思っていても、数年ごとに数十万円をかけて、バッテリーや付属装置を交換し続けなければ、当初の性能は保証されず、忘れていたりお金が惜しくてメンテを怠っていれば、いざ停電!という時にはとうにバッテリーの寿命が尽きていて役立たずという事態が予想されます。
これらの蓄電池、現在では、鉛蓄電池はもちろんのこと、ハイブリッド車に多く使われているニッケル水素や今後需要が高まるであろうリチウムイオン電池にしても有害物質を多く含み、その処理やリサイクルには技術と手間が必要で、それゆえコストがかさむというやっかいな代物です。そしてリサイクルをしても新品の性能は得られません。
決してなくならない金儲け主義の悪徳業者(正規ディーラーだからと言って油断できません)が「引き取って処理をする」と言って高額な処理料をとっておきながら、蓄電池を山中に投棄したり、造成地の地中に埋めてしまったりすることも考えられます。過去にもその類の事件はよく起きています。
以前、テレビの買い換えの際、大手量販店へ引き取ってもらった古いテレビの家電処理料を支払いましたが、その量販店が集めた廃棄家電を、丸投げしていた処理業者が処理せずに単に捨てていたことが後でわかり、処理料を顧客へ返却するということが起きました。大手だからキチンとやっているだろうと安心はできません。
下記のような事件は日常茶飯事に起きていますので、今後使用済み蓄電池が大量に出てきた際、不法に廃棄される可能性は十分に考えられます。
生コン不法投棄:背景に高い処理費用で下請けを圧迫(毎日新聞)
余った生コンクリートを不法投棄したとして、(中略)廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで逮捕された事件。背景には、工事現場で余った生コンの処理を巡って、元請けのゼネコンと下請けの生コン業者の間でルールを決めていないケースが多く、処理費用が立場の弱い下請けに押しつけられやすい現状がある。 |
使用済み乾電池2250個路上に廃棄 警備会社元課長ら逮捕(産経ニュース)
業務で使った大量の乾電池を不法投棄したとして、警視庁生活環境課は廃棄物処理法違反容疑で、警備会社「テイケイフォース」(東京都新宿区)北千住支社の元営業課長、××(35)=千葉県市川市東国分=ら2人を逮捕、法人としての同社を書類送検した。同課によると、いずれも容疑を認めている。 |
自治体や販売店で回収運動をおこなっている小型のボタン式電池の回収率は、わずか14%程度、国を挙げて回収に乗り出している携帯電話(電池含む)の回収率も20%程度と言われています。
今後大量に出てくるクルマや住宅用のバッテリーの回収率は数が少ないだけそれらよりずっと高くなるでしょうけど、100%になるとも思えません。下手をすると5~6割程度の回収率で、あとの5割が山や川や海に投棄されたり埋められてしまう可能性があります。
エコや環境問題にシビアになってきている日本でもそうなのですから、そうでない一部の輸出先では、普通に道路や空き地など子供の遊び場にも平気で廃棄され、その中身の有害物質が流れ出る可能性だってあります。
クルマや蓄電池を作る大企業はリサイクルに力を入れると言っていますが、それらを実際に回収し処理をおこなうのは、多くの場合下請けや孫請け会社です。
そしてそれが突然大量且つ急速に出てくると、処理が追いつかず、またリサイクル品の価格も急落し、リサイクルしても採算が取れない状態になる可能性があります。
すでに新車販売台数の30%近くがハイブリッド車となり、新築住宅や共同住宅で蓄電池を備える割合も急速に高まっているのです。
このように古くなった使用済み蓄電池が国内にあふれ出してくると、安い海外メーカーの製品なども含め、結局はそれらの処理に税金が投入されることになり、ハイブリッド車やEV車には今のように低公害車減税ではなく、廃物処理税を特別に課すなんてことが将来起きるかも知れません。
できれば公共の税金ではなく使用者責任と製造者責任の負担でお願いしたいものです。
蓄電池技術の進歩は他の分野の技術と比べるとまるで停止しているかのように遅れています。
将来、技術革新が進み、軽量コンパクトで、携帯電話なら本体の寿命と同じぐらいの5年、クルマ用なら少なくとも20年、住宅用なら30年は無交換で使え、著しい性能劣化は起こらず、爆発や発熱の危険性もなく安全に使用ができ、しかも廃棄やリサイクルしても環境負荷がかからないという優れた製品が出てくることを期待しています。
そういう蓄電技術が登場した時にはじめて、EVカーが世の中で認められ本領が発揮されるのではないでしょうか。
日本には歴史ある世界でもトップクラスの蓄電池メーカーが何社もありますので、過去の遺産に頼ってばかりでなく、新しい技術で世界のトップを走り、明るい未来を作ってもらいたいものです。
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超高齢化社会を迎えつつある今、国を挙げての研究と実験がおこなわれつつあるのが、高齢者の都市部から地方移住です。
そう言えば、過去にも国を挙げて南米やハワイ、満州など、政府主導の移民(棄民)政策が何度も繰り返されてきました。今度もまた真面目で善良な国民に対してだまし討ちのようなことが繰り返されるのでしょうか。
定年で仕事からリタイアした団塊世代を中心として、都市部やその郊外には65才以上高齢者が大きな群れをなして住んでいるのは何度も書いてきたとおりです。
そしてこの高齢者の群衆は増え続け、10年後には私も仲間入りしますが、今から約30年後の2042年頃にそのピークを迎えると言われています。
その高齢者の多くは元々都市部で生まれ育ったわけではなく、60~70年代の高度成長の波に乗り、地方から働くために争うように都会へと出てきた人達やその子供達で、そのまま出身地には帰らず都市部で家族を持ち根付いています。
都会での生活は、買い物や公共交通を使っての移動、文化芸術やスポーツなどエンタテーメントなど便利な面が多いものの、高齢者には不要な通勤交通網や、子育てのスペース、それに老後を迎える際に必要な介護人や老人向け住宅や施設の不足、人であふれかえり混雑する病院、若年齢層の失業者や不良外国人などによる環境や治安の悪化、そして築何十年を経過した古い住まいの使い勝手の悪さや老朽化など様々な問題が起きてきています。
国や自治体からすれば、賞味期限が切れて所得税や住民税、高額の消費税を払ってくれないばかりか、医療費や生活保護など社会保障費ばかりが増大する高齢者を都市部につなぎ止めておくよりも、その限られた生産性の高い都市部のスペースを、労働力となり、子供を作り育て、大量に消費し税金も払ってくれる若い人達のために有効に使いたいと考えても不思議ではありません。
一方では目立った産業がないので若者は出て行ってしまい、人口減ですっかり寂れてしまった地方では、昔景気のよかった時に国からばらまかれたお金で作った立派な公民館や小・中学校、健康ランドなどの公共施設があります。
ならばということで、都市部に住むバリヤフリーにもなっていない古い家やアパートに住む高齢者、それに何年も入居待ちが続いている公営老人ホームなどに住む高齢者達を、そうした土地も施設も余っている地方へ、なにか餌をぶらさげてさっさと移住させてしまえという動きが活発になっているわけです。
そこで問題になるのは、地方税や消費税。つまり現役時代には都市部の自治体に収めていた人が、引退して収入がなくなってから地方へ移住すると、地方には税収の恩恵はほとんどないのに、高齢者の医療費や介護費、生活保護費などの社会保障費用の負担を押しつけられてしまうことになります。
特に都会の自治体や行政が、地方に高齢者施設を作るとなると問題は大きくなります。
杉並区 南伊豆に特養 16年度にも開所(2013年5月28日東京新聞)
東京都杉並区が、伊豆半島の先端にある静岡県南伊豆町にある区有地に、特別養護老人ホーム(特養)を整備することになった。入所待ちの高齢者が増えているが、都内で用地確保が難しいためだ。厚生労働省によると、自治体が地域外に特養を設置するのは異例。試みが成功すれば全国に先駆けたモデルケースになる。隣接区も熱い視線を送る。 中略 最も問題だったのが介護保険料の自治体負担分の扱い。施設のある自治体が負担すべきものだが、静岡県や南伊豆町に負担してもらうわけにもいかず、県や町に費用負担を発生させないことで話がまとまった。 |
上記はモデルケースとしてとらえられているようですが、おそらく国や都市部の行政はこのスタイル(都市部の行政が地方に施設を提供してもらい補助金も出す)を積極的に進めていくことになるでしょう。
様々な研究やアンケートもおこなわれていて、総務省の「都市から地方への移住・交流の促進に関する調査報告書」では、地方移住へのネガティブな意見を打ち消そうと必死です。笑えるモノもあるので少し抜粋してみました。
「Q」がよくある質問で、「A」がそれに対する模範的回答です。いかにも頭のいい人が考えたお役所的な回答です。
Q:地方は公共交通機関が少なく生活が不便だ。買い物にしても商店が少なくて、欲しいものが商品が手に入りにくいのではないか。 A1:日用品の買い物は近所のスーパー等で不足はない。渋滞がないため車を使えば大型ショッピングセンター等へのアクセスも問題にならない場合が多い。仮に不足分があってもインターネット通販による補完が可能である。 A2:地方では車での移動が中心であり、特に町村では車がないと生活が困難な場合が多くなるが、車さえあれば生活利便性は確保できる。 →高齢者ドライバーの事故が急増している中で、高齢者にクルマを使わせることを前提にしているのには困ったものです。またクルマを使えない人は移住は無理と言っています。ネット通販を使えというのはもっともですが、都市部と違い当日・翌日配送がなかったり、送料が割高だったりします。高齢者が一番欲する食料品や食材の宅配等も、現状では都会ならではのサービスです。さらにネット環境は都市部と比べると選択の幅は少なく、高額で貧弱な可能性もあります。スマホや携帯電話の電波も、都市部では高速通信があり、通常電波ほぼ100%つながりますが、地方の山間部などでは、通常電波でさえまだつながらない地域も相当あります。 |
Q:(高齢で働く場合)地方では収入が減るだろうが、食べる分量は変わらないので食費は都会と大差なくかかってしまうのではないか。 A:小都市や町村では、野菜などを自ら栽培するほか、野菜や魚などを中心としたお裾分けの頻度が多く、トータルの食費はあまりかからない A:地方では耕作放棄地などを借りて自給自足の生活がしやすい。 →地方へ行けば働きたくとも仕事はなく、収入は年金と貯金または生活保護費という人がほとんどでしょう。それに都会では店が多く競争も激しいので安い食材を選んで買うことができますが、地方ではそう言うことができません。要は貧乏人は老いた身体にむち打って、畑を耕し慣れない自給自足の生活をしろということでしょうか。 |
Q:地方には音楽ホール等の文化施設や図書館などが少なくて、余暇活動や文化活動などがあまり楽しめなさそうだ。 A:都会にはない伝統文化に触れ、自ら担い手になることもできる。 A:地方は自然環境が近接しているので、地域で周遊的にレジャーに出かける機会が多く、費用も安い →映画や演劇、図書館など都会では当たり前の高齢者に向いたレジャーやサービスはないので、健康のために自然の中を勝手に歩き回れと、高齢者に。またその土地に縁もゆかりもないよそ者の人達が、その地域の伝統文化に馴染むのか?という問題は考えていません。 |
その他にも、地方の中では「よそ者扱い」で人間関係に苦労するのでは?という質問に、地方のほうが都会より人間関係は密接だから大丈夫的な回答ですが、それは新たに都会へ引っ越したときはそうかもしれませんが、すでに何十年も都会に住んでいて近所の人や知り合いが周囲にいっぱいいるのと比べると、新たに住む地方で人間関係がより密接とはとても思えません。
特に高齢になってから新たな人間関係を作っていくというのは想像以上に難易度が高そうです。
いい点としては、都市部で頻発している高齢者を狙うひったくりや強盗、訪問詐欺などは、不良外国人や若者が少ない分起きにくいでしょう(オレオレ詐欺は都会、地方関係なく起きています)。
でも逆に犯罪が起きても、都会のように犯人を特定する目撃者や監視カメラも少なく、今後それに気がついた犯罪者がこぞって地方の高齢者を狙ってこないとも限りません。
さて、上記の移住計画で都市部と地方の各行政、高齢者の三者がま~るく収まるのかというと、案外都市部の自治体側は冷たく、三菱総合研究所が全国の自治体に対してアンケート調査をおこなったところ、高齢者の受け入れを希望する自治体は全体の15.9%(135自治体)あったものの、送り出しを希望した自治体は全体のわずか5.2%(44自治体)だけという結果でした。
自治体が送り出すのに消極的な理由は「住民ニーズがない」というのが一番の理由だったそうですが、もうひとつには今後都市部においても人口が減少していく中で、個人資産のほとんどを持つ高齢者住民が移転して減ってしまうと、商店など経済活動にも影響し、そうなるとやがては役所の人員や予算も削減されてしまうという自らの職のリスクも考えてのことでしょう。
私のかつての職場で一緒だった少し年配の方は、仕事を引退されたあと、川崎市の住宅地にあった一戸建て住宅を売却し、そのお金で伊豆高原の別荘地に家を買って、夫婦共々移住されました。そうやって行政の世話にはならず、自ら地方へ移住する人も少なからずいるのでしょうが、それが主流になるとは思えません。
一般的な都市部に住む高齢者は、住み慣れた場所で、知った同年代の友人や知人が周りにいて、という環境からはなかなか離れられないのも事実で、実際に知り合いもいない地方移住を積極的にしたいと思っている人は、そう多くないと思われます。
例え若いときは田舎でのんびり過ごすことにあこがれている人も、自分が高齢になると身体の自由がきかなかったり、身近に信頼できる知人がいないと不安だったりと、なかなか今の住まいを離れられなくなるのです。
まだ高齢とは言えませんが、私の場合は、静かで空気の美味しい地方でゆっくりと余生を過ごしたく、ただ寒い地域は苦手なので、できれば和歌山や四国、九州辺りで、小さな農地付きの古民家に移住ができればいいなと考えているところです。
しかし老後の資金は3人の子供の教育費で底を尽いてしまったので、夢のままで終わりそうです。
もうあと10年早く生まれていれば、退職金や年金も満額もらえ、晴れて地方移住ができたのに残念です。
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2012年度末の「対外資産残高」が過去最高の296兆3150億円となり、これで22年連続して日本は世界一の債権国という状態が続いています。
自分自身は借金(住宅ローン)まみれですが、国はしっかりと貸し出す側にまわっていることを知ると、なんだか少し嬉しくもあり、自分はなにをやってんだと落ち込むこともありです。
ロバート・キヨサキ著「金持ち父さん、貧乏父さん」でも、お金持ちになるには「借りる側」ではなく、早く「貸す側」になることだというのが信念として貫かれていますが、将来にわたって、借りるリスクは大いにあっても貸し出すリスクはそう大きいものではありません。
この「対外資産残高」、わかりやすく言えば、日本(個人、企業、政府)が世界中に持っている様々な海外の資産(対外資産)から、海外の負債(対外負債)を引いたものですが、それが世界一多いということは、表面上は世界一の債権国、つまりはお金持ちの国ということになります。
なにかよくわからない人も、そのように聞けば悪い気はしませんが、私を含む一般的な庶民からすると、現実的にお金持ちとは縁遠く、対外資産というのがどうもピンときません。
ちなみに「対外資産残高」の多い1位はダントツで日本ですが、以下は2位が中国で150兆2875億円、3位がドイツで121兆8960億円となっています。
日本は2位の中国の2倍近い対外資産残高を持っているのですね。アメリカはというと、これがまた主要国としてはダントツの大赤字です。ちょっと意外でしょ。
ただ、個人資産に当てはめてみると、その年のある時点で赤字だからと言っても、それだけをみて貧乏な人かというと必ずしもそうとは言えず、例えば事業や不動産などで多額の借金をして投資をしていれば、今は赤字だけどもそれに見合う以上の資産、例えば将来上場する予定の企業の未公開株や、大規模な開発が直近にある駅前の土地を持っているかもしれません。
そういう将来性のある不動産や債券をいっぱい持っている人を貧乏とは言えません。
一般的な日本人の価値観としては、お金があればそれを貯蓄や投資にまわし、残高を赤字にするよりも、地道に銀行に預けておき、黒字にしたままチマチマと利子をもらうほうがいいという感覚ですが、世界を見ると必ずしもそれがいいと考える人ばかりではありません。
では対外資産にはどういうものがあるでしょうか?
日本政府がアメリカ国債を頼まれて(押しつけられて)買ったというニュースはよく聞きますが、こうした外国の国債や外国企業の債券を日本政府や日本企業、日本人個人が買ったものがそれにあたります。
また日本企業が中国に進出し工場を建て、工作機械や設備を購入し設置しています。これらも日本企業の海外資産です。さらに日本企業が外国企業をM&Aして傘下に収めた場合、その会社は日本の海外資産となります。
一方対外負債は、資産の逆で、外国企業が日本企業を買収したり、日本国債や日本企業の株を外国人が購入した場合などです。
なので国内の企業や不動産などに外国資本が投資をすればするほど対外負債は増えることになりますが、そのこと自体が必ずしも悪いことではないことはおわかりでしょう。
ざっくり分けると対外資産は「直接投資」「証券投資」「その他投資」「外貨準備」の4つに、対外負債は「直接投資」「証券投資」「その他投資」の3つに分けることができます。
では、ちょっと考えてみてください。
日本の製造業が海外に進出する話しはよく聞きますが、外国の製造業が日本に進出してくるという話しは滅多に聞きません。
先進国同士でもアメリカ企業に投資をしたり、アメリカに現地法人や研究所を作ることはよくあります。
しかし小売り業やサービス業はともかく、外国企業が日本にやってきて生産設備を作ったり研究所を開設するという話しは極めて稀です。
そう考えると、日本は海外投資をするばかりで、逆に日本国内へ投資をしてくれる外国企業は少なく、日本は買う一方(資産)で、買われることはなく(負債)、したがって意図してというよりかは構造的に大きく黒字になってしまうというのが実態のようです。
したがって、この対外資産が圧倒的に対外負債より多いということが、本当に喜んでいていいのかちょっと複雑なところがあります。
下記のグラフはブルーの棒グラフは財が資産残高推移で、右肩上がりで順調な伸びを示しています。これはこれで決して悪いことではありません。
しかし折れ線グラフは対外直接投資の資産と対外直接投資の負債の推移です。もちろん上にある茶色の線が対外資産(日本が外国へ直接投資した資産額)で、緑線は対外負債(外国が日本に直接投資をした負債)を現します。
この対外資産と対外負債はかなりの差がありますが、近年その差がますます拡大しているように見えます。
それはどういうことかと言うと、外国から見ると「日本は投資するに値せず」ということで、外国資本は日本を避けて、おそらく中国やシンガポール、中東などへ投資を積極的におこなっているのではないかと推定できます。
そりゃ長引く不況やデフレで経済が疲弊し、さらに今後は超高齢化社会を迎える国よりも、成長著しく若々しい国へ投資する方が誰が見ても理にかなっているからです。
もし外国企業が、元気のない日本企業を買収して再建してくれたり、日本国内に研究・開発拠点や生産拠点を次々と作ってくれると、日本人の雇用も増え、経済も活性化してくるでしょうが、よくご存じの通りそうはなっていません。
この資産と負債の折れ線グラフによく似たものがあります。それは来日する外国人数と外国へ出掛ける日本人数の推移です。
つまり外国に出掛ける日本人と来日する外国人の数はおよそ2~2.5倍ぐらいの差があり、圧倒的に日本人が外国へ出掛ける人の数が多いです。
観光やビジネスにおいて、日本から外国へいくことは多くても、その逆は極めて少ないということで、対外資産残高と負債の関係とうまく合致しているようです。
元々日本人は世界一の貯蓄率を誇ると言うぐらいローリスクローリターンの地道な銀行貯金や、さらに利子すら付かないタンス預金が大好きな国民ですから、国と国の収支バランスをみても同じような結果となるのでしょう。それが面白いところです。
多くの学者や政治家が、グローバル化に合わせて日本も変わらなきゃと言いますし、それは日本が再び鎖国でもしない限り、間違ってはいません。
猪瀬直樹東京都知事が、日本のビジネスタイムを2時間早めて、金融マーケットを東京-ロンドン-ニューヨークの3地点の必ずどこかが開いている状態にしては?という提案がありました。
当然そう言うアイデアは他国に真似のできない日本の地政学上の特性を生かしたひとつのアイデアでしょう。
ただし始業を2時間早めるのは金融機関(銀行・証券)と金融庁だけにしておいて、あとは関係ないのでいまのままでもいいような気がします。通勤時間帯の分散にもなっていいことです。
今後不活性化が顕著になりそうな日本経済をもっと活性化したいのならば、例えば外国の製薬会社などバイオテクノロジーの大規模な研究所を税制面や環境面で優遇し、国内へ積極的に誘致し、そこに多国籍の研究者や日本の若い研究者を送り込むような政策が必要です。
そうすれば付随して日本人の新たな雇用も生まれるでしょうし、高齢化社会の中で需要の高い医療の発展にもなります。
しかし現状では優秀な研究者はヨーロッパやシンガポールやアメリカなどに集まり逆に日本の技術者も外国企業や外国の学生のために働くという形になっています。
なぜそういうことになってしまったかと言えば、
(1)日本に外国企業が拠点を設けるのに税制など有利な点がない
(2)様々な既得権益者を守る規制や法律が複雑にあり外国企業が進出しにくい
(3)東大派閥など学術分野において古い制度や慣習があり、新参者を受け入れない体質がある
(4)労働者の多くは製造業向けの教育を施され現代の企業に向かない(例えば英語ができないとか論理的思考がうまくないとか)
(5)80年代のバブル以降、土地代や労働賃金、生活費が高い
(6)図抜けた世界のトップクラスの学校がなく才能も平凡
などでしょうか。
外国企業が日本国内に研究所や生産設備、流通拠点などの投資をすることは、対外資産から言えば負債となりますが、そういう負債なら不況の続く国内において本来歓迎すべきではないでしょうか?
でも木を見て森を見ない人は、対外資産が大きく黒字だということだけを見て喜びますが、それは必ずしも正しくはありません。
世界から日本を見た場合、人や企業同士の交流はあまりなく、余った金をいくらでもすぐに貸し出してくれる単なる高利貸しか金満家という国になってしまっているのではないでしょうか?
そうだとすれば、いずれは「金の切れ目は縁の切れ目」となってしまうかもしれません。
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結婚しない(できない)男女の問題があると同時に、せっかく結婚しても離婚する夫婦の数も相変わらず高水準を維持しています。
国民生活白書によると離婚率とは千人あたりの離婚した件数の割合で現しますが、過去に離婚率がもっとも高かったのは2002年の2.3で、この年の離婚件数は289,836組でした。
つまりこの年は、50組(100名)の夫婦のうち約11組(23名)が離婚しているという勘定になります。およそ2割強のカップルが離婚しているということで、事象が2割を超えるともう社会的に普通のことととして珍しくもありません。
厚生労働省平成23年(2011)人口動態統計の年間推計より抜粋しグラフ化
ただ2002年以降の離婚率は、概ね横ばいか下がっていて大震災のあった2011年は1.86と2.0を割りますが、グラフにはありませんが、最新の2012年は1.88とまたやや上昇する気配があります。
都道府県別でみると離婚率の高いのは、沖縄県、大阪府、北海道、福岡、宮崎がベスト5で、低いのは富山県、新潟県、福井県、島根県、石川県。離婚率の高い県は大都市もあれば地方もあり、あまり特徴がありません。
逆に低いところはベスト5のうち4県が北陸という特徴があり、さらに島根県も含めると日本海側ばかりということになります(2010年データ)。
一方、千人あたりの婚姻率は、2011年には過去最低の5.3で、40年前の1971年の10.5と比較するとおよそ半分に下がっています。
婚姻率と離婚率には因果関係はなさそうですが、離婚率の上昇傾向よりも婚姻率の低下傾向のほうがずっと強そうで問題も深刻です。
都道府県別に見ると、婚姻率が低いのは、秋田県、青森県、岩手県、高知県、山形県で、逆に高いのは東京都、沖縄県、愛知県、神奈川県、大阪府となっています。
意外に思ったのは保守的な地方のほうが婚姻率は高そうに思いますが、沖縄県以外では大都市部の婚姻率の高さが目立ちます。
仕事や進学のために大都市に若者が集まるから婚姻率が高いのでしょうか。沖縄は婚姻率も高いけど離婚率も高いというのはなぜでしょうね。熱しやすく冷めやすい?
世の中にはまだまだ「結婚して一人前」とか、「家を継ぐための結婚」とか、結婚する本人達以外のところで儀式を求められることが多いのですが、案外すでに双方が生活力(経済力)をもつカップルにとっては、結婚という形式にこだわらない同居生活が進んでいるようにも思えます。
売れっ子で生活力のある女優や女性歌手など芸能人では、以前からそうした内縁関係を持つ「事実上の夫婦」は多く、過去の話やすでに婚姻届を出した人もいますが、萬田久子や高岡早紀、都はるみ、夏木マリ、浅野ゆう子、坂口良子、吉田美和、ヨーコ・オノもそうですね。また子供ができてから入籍するカップルも、それまで同居生活をしていれば内縁関係または事実婚と言ってもいいでしょう。
現在では結婚してから産む(嫡出子、婚内子)のと、未婚で父親の認知のないままで産む(非摘出子、婚外子)のとでは、以前あった戸籍上の差別(区分)はなくなりましたが、社会的ないわれのない差別や、法定相続などではまだ不利益な条件が残っています。今後はそうした不平等な権利は改正されたり、なくなっていく方向へ進んでいくのでしょう。
そうしてカップルが結婚をして、法律上の籍を入れるメリットがなくなれば、制度としての結婚はますます減り、統計上の婚姻率はもっと下がることになりそうです。特に夫婦とも働いていて、子供は作らないというカップルや、中高年同士のカップルにとっては、わざわざ籍を入れる必要性もありません。
家同士の親戚を集めての結婚式や披露宴に多額の費用を使うぐらいなら、そのお金で二人でゆっくり南の島へ行って楽しんでくるというカップルが増えてもまったく不思議ではありません。
そして国としても、従来は世帯ごと扶養家族ごと、基本的には婚姻関係にある家族単位で、税金や社会保障、各種補助金などの制度を設計・運用をしてきましたので、それを個人ごとにあらためるなど実態に合わせて法整備も変えていく必要に迫られるでしょう。
日本も地方に住む跡取り息子は無理としても、都市部に住むカップルにとっては、事実婚(籍を入れない同居)が急速に進み、欧州、特に北欧並みの事実婚が全体の半数近くを占めるようになるのもそう遠くないかも知れません。
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