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michi1.jpg以前、限界集落など過疎化が進んだところでは、商店やガソリンスタンドなど生活に必要な店が次々と撤退し、その地域で人が住むのはたいへんで、その対策として、物流拠点を兼ねる特殊なコンビニ展開が必要だと書いた「小売ビジネスはどこへいくのか」がありますが、もうひとつ地方で成功事例が多い「道の駅」について書いてみます。

道の駅は私もクルマで遠出をする際には必ずといっていいほど利用する便利な施設です。

クルマに「全国SA・PA 道の駅ガイド」を積んでいて、コースを決める際にトイレ休憩や、お土産購入などで寄るために参考にしているのと、その近くを通るときはカーナビが教えてくれるので特に用がなくても寄ってみたりします。

その道の駅は1993年4月に当時の建設省が旗を振り103駅を登録したのが最初ですが、それから今年でちょうど20年、2013年4月現在では約10倍の1004カ所に増えています。

私がまだ学生だった1970年代には道の駅という名称はなく、似たような施設のことは単なるドライブインとか休憩所と呼んでいました。

道の駅に登録するためには、下記のような条件を備えなければなりません。

・24時間利用可能な一定数の駐車スペース、トイレ
・24時間利用可能な電話、情報提供施設を備えた施設
・防災拠点としての機能(断水時でも使用可能なトイレ、非常食・飲料水の備蓄、停電時の非常用電源の確保等)


michi2.jpgあとこれは知らなかったのですが、民間企業が勝手に作れるものではなく、自治体や第三セクターなど公的団体などによる設置や管理が必要のようです。

この点は損失や経済環境の変化などに影響されず、継続して標準的なサービスが提供できるというメリットと、役人が関わり続けることで、運営業者や関連団体への天下り先を確保されてしまうというデメリットがあります。

元々は高速道路におけるサービスエリアやパーキングの機能とイメージで、増えつつあるマイカー旅客のために主要な国道沿いなどに休憩施設を設置していこうというものですが、開設当初から比べて現在ではその役割も大きく変わってきています。

道の駅は駐車場として使える広い場所さえあれば、どこでもオープンが可能です。

つまり過疎の地域で土地だけはいっぱい余っているというところに設置するには最適で、目的はどうであれ、そこに人を集めることができれば自ずと飲食や土産ものなど需要が出てきます。

現在道の駅全体での売上は年間約3500億円ということですから、1駅平均すると年間3.5億円、1日平均100万円近い売上があります。

都会にある平均的なコンビニの1店舗の売り上げがおよそ1日4~50万円ですから、高額な駅前の一等地でなく、タダみたいな土地でその2倍以上の売り上げがあります。

道の駅にどれぐらいの人が集まるかというと、年間で5億人が利用しているとのこと。

東京駅(JR、地下鉄、バスなど)の年間利用者がおよそ4億人ですからそれよりも多い人が全国の道の駅に集まっています。1駅平均すると年50万人が利用している勘定になります。

20年前のできた頃の道の駅は、それこそ愛想もなく、閑散とした建物の中にトイレと自販機、あとはその地域の観光案内のしょぼいチラシが置いてあるぐらいでしたが、最近の道の駅はそれをうまく活用して商売熱心で活気にあふれています。

michi3.jpg午前中に行くと、道の駅が地元の人達の憩いの場となっていたり、早朝に刈り取った野菜や果物を軽トラで次々と運び込まれてくる姿がよく見られます。

遠くの地域から時間をかけて運ばれ、大きさや長さが揃えられスーパーの売り場に並んでいるものとは違い、いかにもみずみずしく新鮮で購買意欲がかき立てられます。

それ以外にもご当地名産品を使ったソフトクリームやラーメンなど、トイレ休憩だけのつもりがついつい買い物や飲食をしてしまいます。

そしてこの道の駅、20年で数が10倍に増えたにも関わらず、登録が抹消されたのはわずか2カ所だけという超優良事業です。

役所主導のハコモノ行政は無駄と失敗の象徴と思われがちですが、少なくともこの道の駅は、利用者や地元業者など誰からも喜ばれ、しかもうまくいっている稀少な成功例でしょう。どれほどの税金がそこに使われているのかは不明ですが。

道の駅は過疎化する町を活性化するにも役立っています。例えば最近よく目立つ野菜や地元の加工食品などの直売所とともに、レストランや日帰り温泉施設、ドッグラン、バーベキュー場、広い芝生の多目的場などを設置しているところもあり、24時間営業のため交代制で、少なく見ても2~300人の新たな雇用が生まれています。

さらにお土産品などを納入する農家や漁業者、地場の工場従業員も、流通コストや卸売り業者のマージンが不要となるので収入が増え、地方に住む人にとって大きな収入源となります。

私が考えるのは、この地方にある道の駅にさらに物資の共同流通拠点(郵便、宅配の共同物流センター)を設置し、高齢者が多くなった個別の家への配達を効率化するため共同でおこない、さらには、スーパー・コンビニ機能、介護サービスや役所の一部の機能、ATMなど金融機関機能、ガソリンスタンドの併設などをして、高齢者がわざわざ遠くの大きな町へ出掛けなくてもよい仕組みを作ることです。毎日でなくとも週に数日開業する診療所や薬局、学習塾を併設してもいいでしょう。

今までは地方の道の駅と言えば都会からやってくる利用者のための施設、サービスであったものが、これからは地元の特に遠くまで出掛けるのが不自由な高齢者にも活用される拠点となれば、過疎化した地方でも多少は住みやすくなるのではないかなと考えています。


 【関連リンク】 
 711 日本が限界集落化していく 
 706 高齢化社会の行方
 702 アマゾンジャパンは国内の小売り業を破壊するか?
 669 ネット人口の正しい統計 
 667 減りゆくガソリンスタンドが生き残る道

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