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ネット通販を利用した人の多くが使ったことがあると思われる楽天とAmazonですが、国内ではネット通販の2強と言われています。

しかし同じネット通販でも両社のビジネスモデルは大きく違っていて、楽天はネット上の仮想空間に市場を作り上げ、そのインフラを小売店に提供し、家賃や成功報酬を大家に支払ってもらう楽天モデルに対し、Amazonは一部小売業者に軒下貸しもおこなっていますが、基本は自社が直販するネット直販モデルです。その両社の決定的な違いが物流において出てきます。

楽天で商品を買うと、販売した店舗(小売業者)から商品が届けられます。つまり売買契約がおこなわれると、あとは店舗と購入者の関係で、販売代金の決済こそ楽天のシステムを使いますが、物流や配送は各店舗ごとに異なります。

Amazonは国内に11カ所の物流拠点(でっかいハイテク倉庫でAmazonでは「フルフィルメントセンター」という名称)を自社で持ち、大量の在庫を抱えておき、注文が入ると即座に出庫し、まとめて運送業者に委託して配送を行います。よく考えるとこの仕組みは日本でも巨大な卸売業者が全国にある小売店へ商品を卸していた仕組みなのですが、Amazonはそれを小売店相手の卸売りではなく、ネットを利用して個人や法人へ直接販売する仕組みを構築したわけです。

最近は楽天もその弱点を補うため、Amazonと同様、巨大な物流倉庫を建設し、共同配送の仕組みを作ろうとしていますが、多くの小売店とパートナー契約を結ぶ楽天モデルがどこまでAmazonの流通革命に迫れるのかはわかりません。

そう考えると古くからやっているテレビ通販の最大手「ジャパネットたかた」はAmazonと共通する直販モデルで、旧来からの電話やFAXで注文を受けるか(現在はネットでも注文がうけられる)、ネットだけで受けるかの違いです。

でもジャパネットの場合は、テレビや新聞チラシに巨額の宣伝広告費を使い、24時間態勢で人が電話で対応し、代金も配送者が現金を受け取ることができる旧式の非効率な仕組みで、Amazonのように宣伝広告費はほとんど使わず、受注も代金決済も購入者がすべて必要な情報を入力してくれて、クレジットカードで引き落としされ(代金決済方法は他にも様々な選択ができます)、その顧客が入力したデータが在庫確認~出荷指示~配送まで一気に利用できてしまうシステムとでは販売コストが相当違ってくるでしょう。その販売コストは当然商品に乗っかってきますので、両社の値引率や利益率はまったく勝負にはなりません。

もちろんネットが使えない、使いたくないという層(主として高齢者)や、設置から配線、初期設定まで含めたトータルサポートを希望する人には、ジャパネットスタイルは有効で、購買心理は値引率の大きさだけで決まるわけではありません。

そしてジャパネットの売り方を見ていて気がつくのは、商品単体ではなく、複数の商品をいくつも組み合わせたセット価格で値段がつけられていることです。これは商品個々の値引額を表面化させないようメーカーに配慮したものであると同時に、商品単品で値段の比較をされると勝負にならないからでしょう。しかし上記のように設置・配線など様々な人件費がかかるサポートを含めての料金差と考えると驚異的な安さだという人もいますから、今のところは十分にそれで差別化ができています。

しかし人件費も賃借料も安い地方だったのが、コスト増につながる東京の真ん中に大きなコールセンターやスタジオまで作り、それを嬉しそうに芸能人とテレビCMで自慢しているようでは、これから先のビジネスはちょっと?と言わざるを得ません。見るからに余計なコストが増え、それが販売価格に上乗せされると見えてしまいます。

Amazonは配送においても他の通販会社を圧倒しています。運送業者と提携し、おそらく膨大な数の年間配送個数を複数の業者にコミットし、集荷の負担をAmazonのオートメ化された巨大な物流拠点で効率よくおこなう代わりに、配送料金の大幅値引を引き出すことによって、Amazon直販商品のほとんどは配送料が無料としました。

数百円の商品ですら配送料を無料にすることは国内の通販会社ではどこもできなかった新しいビジネスモデルで、当然ながら配送料を考えると赤字になる商品もあるはずですが、全体で損を出さないモデルを作り上げてきたことが偉大です(2013年3月現在、一部の低価格商品は「あわせ買い」により2,500円以上で無料)。

そのAmazonですが、今まで日本国内での売上は公表してこなかったのですが、昨年2012年の売上を初めて公表しました。その額は7300億円です。仮に20歳以上の人口が1億人とすると、20歳以上の日本人全員が7,300円分をAmazonから購入したという規模感です。さらに2011年のネット普及率は79%、その中で商品・サービス購入経験者は60%とされていますのでネット通販利用者数は約6千万人(1億27千万人×0.79×0.6)です。法人での購入は無視すると、ネット通販利用者1名平均で約1万2千円の買い物をAmazonでしたことになります。

ネット上の仮想店舗のインフラを提供する楽天は日本の制度で言うと「サービス業」のくくりになっていますが、Amazonの場合どちらかと言えば「サービス業」に近い「小売り業」の範疇に入るのではと思われます。

実際小売業とサービス業のどちらにはいるのか不明なので両方に当てはめ、Amazon(日本国内分)が日本の上場企業の売上高と比べてどのぐらいの位置にいるかというランキングが下記の表です。

amazon2012.jpg

驚くべきことに小売業としては合併・統合を繰り返し巨大化してきたスーパー、デパート、量販店と渡り合い11位です。楽天と同じようにサービス業としてみると楽天が6位、ヤフーが15位に入っている中で、電通、博報堂の広告代理店に次いで堂々3位というポジションです。

ただし楽天は上記にも書いたようにAmazonとは違い小売店からの出店料が売上の大半ですから、もしその楽天に出店している小売店の販売総額を足した流通総額で比較すると1兆4千億円となり、Amazonジャパンの販売総額(≒流通総額)の約二倍となる規模です。

小売業の売上トップはイオンで、その後をセブン&アイが追っています。これが国内小売業の2強。あとは大差なくヤマダ電機、三越伊勢丹、ユニーと続きます。どちらかといえば落ち目になってきているデパート、スーパーの中にあって、Amazonがツートップの2社はともかくその他上位の小売店に追いつき追い越す日もそう遠くなさそうです。参考までに非上場のヨドバシカメラの売上高は約6700億円ですので、すでに追い抜き、同じく非上場のジャパネットタカタは約1531億円なのですでに大差がついています。

上記のことから国内小売店勢がAmazonを目の敵にするのもわかります。

「Kindle店頭販売、なぜヤマダはダメでビックはOK?」
「…一部の量販店が、特にAmazonを名指しして抵抗し始めた。その急先鋒がヤマダ電機だ。まず飛び出したのは、Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」シリーズを一部量販店が取り扱わないと表明したというニュースだった。」「もう1つ、20日付で入ってきたのが、「Amazon価格」に対し、量販店業界側から苦情が出ているというニュースだった。」

「打倒アマゾン!ヤマダ電機、気迫のO2O」
「ヤマダ電機は、ネットとリアル店舗の融合、O2O(オンライン・ツー・オフライン)に向けて、本格的にアクセルを踏み込んだ。目的はただひとつ。ネット通販企業に勝つためにほかならない。」

「ヨドバシカメラが書籍を当日無料配送 来年2月から、アマゾンに対抗」
家電量販大手のヨドバシカメラは来年2月から、インターネットで注文を受けた書籍の当日無料配送サービスを始める。取り扱う書籍数は大型書店並みの70万タイトルで、ネット通販最大手の米アマゾン・ドット・コムに対抗する。

と、主として顧客が奪われていることを実感している家電量販店からAmazonは敵視されています。しかしAmazonで販売されているのは家電ばかりではなく、当初は書籍がメインでしたが、現在は化粧品からファッション、日用品、家具、食品までかなり幅広く、言ってみれば大型書店と古書店、スーパー、家電量販店、ホームセンター、家具店、ファッション専門店などがワンフロアに入っているようなものです。なのでネットを使うユーザーにとってはこの上なく便利ですが、量販店を含み様々な業種の小売店にとっては大きな驚異となっているハズです。

そしてこのアマゾンジャパンで取り扱われている商品のほとんどは、生産国はともかく、販売会社は国内ブランドのものです。そこで思うのは「なぜこのビジネスが日本の資本で先にできなかったのか?」です。それがいま一番日本経済や企業の根深い問題です。

おそらく日本の商習慣に前例がないこと、様々な規制やルールの縛り、卸売り業者との軋轢、同業社とのしがらみ、巨額の先行投資、取り扱いメーカーからの圧力などできない要因があったのでしょう。それよりもそれら多くの困難に勇敢に立ち向かおうとするビジネスリーダーがいなかったことが最大の要因かもしれません。

過去には日本へ外資系のデパートやスーパーが何度もやってきましたが、その多くは失敗しています。大型店舗の小売業で成功しているのは店舗数は少ないですが、トイザラス、コストコ、IKEAぐらいじゃないでしょうか。

Amazonが日本進出後まもない頃は、それら外資系小売店と同じように、日本の消費者には受け入れられず、すぐに尻尾巻いて撤退するのではと関係者の多くは高をくくっていたのではないでしょうか。それとも最初は書籍やCDの通販がメインだったので、小売業はまるで相手にしていなかったのかもしれません。

しかしAmazonは書籍から日用品やファッション、家電、食品と次々扱いを増やしていき、容赦なく国内の各小売業者を粉砕していきます。まもなく国内小売りのトップ10入りするところまできています。果たして日本の小売業界の多くは、法人税を日本には納税しない米国企業Amazonの軍門に下ってしまうのか心配なところです。


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