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求人倍率とは1つの求人に対して何人の求職希望者がいるかという指標(求人数/求職者)ですが、一般的には求職者より求人数のほうが多い(1.0に近いかそれ以上)と経済に活気があり景気がよいと判断できます。

その中で、有効求人倍率が先の1月で3ヶ月連続上昇となり、ようやく5年前のリーマンショック以前の水準(0.85)に戻りました(2月も横ばいで0.85)。

求人倍率には(1)新規求人倍率と(2)有効求人倍率の二つがよく使われますが、違いは(1)の新規求人倍率は計測する月に新たに入る求人と求職者だけに限定した割合ですが、(2)の有効求人倍率は前月から繰り越された(決まらなかった)求人や求職者を含むトータルの割合ということになります。

(1)の新規求人倍率は季節要因や一時的な求人要請(震災復興や大きなイベントなど)などにも影響されやすいので、一般的に(2)の有効求人倍率を見るほうが景気動向の参考になります。

また(1)(2)とも新規の学卒者は含まず、統計では求人・求職者ともパートを含むか含まないかのデータに分かれます。つまり非正規雇用を含むと1.0を超えていても、正規社員の求人/求職者が1.0を下回っていると安定した雇用状況と言えないかもしれません。

1972年から2013年の42年間の1月度分有効求人倍率(パート含む・パート含まない)の推移グラフです。

kyujinbairitsu1.jpg

有効求人倍率が1.0を上回るというのは稀なケースで、過去42年間のうちパート(非正規雇用)を除くと計5年間(1973~74年、1990~92年)だけで、パートを含めても9年間です。

1973~74年の時は、その前年の1972年に首相に指名された田中角栄氏が、列島改造論をぶち上げ、公共事業期待など内需拡大路線へ大きく舵を切った影響が大きかった頃で、1990年は不動産バブル絶頂の時期でした。

職安へ求人を出している多くは人気のない業種や職種、条件で、例えば介護・看護職、販売職、飲食業は年中人不足で、保険や不動産のインセンティブ制の勤務条件の求人はいつも募集しています。

それらの賑やかし求人?を含めると、いつも求人難で求職数を上回っていそうな気がするのですが、上記のように統計からすると1.0を上回ることは滅多になく、ちょっと不思議な感じがします。

求人、特に正社員採用の場合、景気上昇とリアルタイムに連動しているとは言えず、数ヶ月から数年遅れて「儲かったから人を新たに入れよう」「今期は忙しかったから、来期は多めに採用しよう」となるので、時差が発生します。

また地域によっても大きな格差があり、1月の有効求人倍率で見ると復興需要が多い宮城県の1.25に対し、沖縄県は0.46倍と3倍の開きがあります。

労働力人口が漸減している現在なら、65才を越す団塊世代の退職者補充により求人数が増えていっても不思議ではないのですが、それ以上に景気の先行きが不透明で正規社員の採用を抑制し、その代わりにパートなど非正規雇用が中心となっているのでしょう。

あと民主党政権だった3年間はボロカスに言われていますが、2009年夏に政権交代し、まだ自民党とリーマンショックの尻ぬぐいをしていた翌年の2010年までは有効求人倍率が大きく下がり続けたものの、2年目の2011年以降は、東日本大震災の影響がどれほどあったかは不明ですが、大きく改善しV字回復を果たしています。

今後アベノミクスとやらの効果で、有効求人倍率が1.0に近づくことを期待されますが、逆にTPP参加や消費税アップなどの影響により民主党政権が大きく改善させた2011年以降の求人の勢いをそぐようなことだけは避けてもらいたいものです。

もうひとつ完全失業者率というのは全労働者数に対し仕事を求めている(実際に求職活動をおこなっている)人の数の割合で、これも景気を判断する上でよく使われますが、特に国際比較をする場合には、各国での統計の取り方に違いがあったり、国や政治の恣意性が加わる要素もあり、今ひとつ信用がおけなかったりします。

なので、米国が7.9%、ユーロ圏11.9%で日本が4.2%(いずれも2013年1月値)だから「日本がずっと景気がいい」と短絡的には判断ができません。

例えば、日本の統計では「実際に就職活動をおこなっている」というのは、ほぼ雇用保険を受給するために職安を通じ、あるいは職安と関係を持ちながら就職活動をしている人にほぼ限定されます。

雇用保険も切れて、職安とのつながりが薄れ、独力で就職活動をおこなっている人や、本来正社員として就職したいけどいったん生活のためにやむなくパートで働いたり、家業や家事手伝いをしながら就職活動をおこなっている人などは統計上求職者とカウントされません。

そうした潜在的な求職者を統計に加えるとおそらく日本の失業率は数%上昇すると見られています。

これが政治的に活用されるとどうなるかと言うと、政権が代わり景気がよくなったと見せかけようと、厚労省に命じ全国の職安に対して「求職者の基準を厳しく精査せよ」とハッパをかけたとします。

各地の職安ではなかなか就職が決まらない求職者に対して「真剣に職探しをしていないので求職者ではない」と判断し、求職者の統計数から除外され、その結果失業率を押し下げるということができてしまうわけです。

「そんなことあるわけない」と思っている幸せな人も多いと思いますが、厚労省の出先機関の各都道府県労働局、さらにその下にある職業安定所の職員が、誰の顔を見て仕事をしているかを考えれば明かです。

どれだけ求職者のことを考え、役に立ったかというのが評価基準ではなく、上司やさらにその上が期待する数字を出せるかが評価となる以上、恣意的なことがおこなわれても不思議ではありません。一方、民間の就職斡旋業者は就職が決まらなければ1円にもなりませんから、求職者と求人企業のマッチングを必死になって考えます。そこが大きく違う点で公営職安の限界です。

15歳以上の人口の中から、家事、通学、リタイア(定年など)、療養中などの働けない人口を差し引いたものが「労働力人口」で、それが総人口に占める割合「労働力人口比」と、「労働力人口」の中から職は探しているけど働いていない失業中の人を差し引いた「就業者数」が総人口に占める割合「就業率」、それに一般的によく使われる「労働力人口」に占める失業者の割合「完全失業率」を1972年から40年間の推移をグラフにしたのが下記です。

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1990年以降「労働力人口比」も「就業率」も大きく下がってきていますが、これは進学率特に高等教育への就学率の上昇、さらには引退した高齢者の増加によるものと考えられます。

つまり1970年代は全国民のうち約63%以上の人が働いていたのに対し、2012年には56%の人しか働いていないということです。

1970年代は専業主婦が当たり前だった時代で、現在は共働きが普通となっているのに関わらず「就業率」が減少しているというのも不思議な実感です。

それでも総人口が増えていれば、「就業率」が下がったとしても就業者の人数(実数)はあまり変わらないのでは?と考えられるので、「労働力人口」「就業者数」をグラフにしてみました。

sitsugyousyasuu.jpg

確かに1998年までは「労働力人口」は増え続けてきましたので、「就業者数」も1990年頃までは順調に増えてきました。ところがその後は緩やかに下降し続けています。

しかも2000年以降「労働力人口」に比べて「就業者数」の下がり方が顕著で、その差分は「失業者数」ということになります。

1973年には労働力人口は5326万人、就業者数5259万名、失業者数68万名だったのが、2012年には労働力人口は6555万名(+1229万名)、就業者数6270万名(+1011万名)、失業者数285万名(+217万名)という状況で、やはり「労働力人口」も「就業者」も率では落ちているものの実数では増えていることがわかります。

過去に労働力人口がもっとも多かったのは、1998年で6793万名、就業者数がもっとも多いのは1997年の6557万名、失業者がもっとも多かったのは2002年で359万名となっています。

少子化は変わらないまま、団塊世代が65歳を過ぎて続々と引退をしていき、今後この労働力人口減少傾向は団塊ジュニア世代が引退する二十数年ぐらいまで続きそうです。

とすると、日本の景気(主として消費活動)はどうなるか?

短期的にはともかく、中長期的で見る限り、国内消費は間違いなく冷え込んでいくことは誰にでもわかりそうです。


 【関連リンク】
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