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本屋大賞というのがあって、毎年書店員さんの投票で作品が表彰されています。私は読者の感性や消費者マインドをよく知っている書店員さんの書評を、他の週刊誌・新聞の書評やプロが選ぶ文学賞よりもずっと信用していますので、この本屋大賞は購入する本の参考になります。

しかし残念ながらこの大賞に選ばれるのは、その年に刊行された主として単行本ですから、発表後すぐに買うことは財政上無理なので、人から借りられる場合を除き、文庫化されるまで待つことになります。中には1年以上経っても文庫化されないものもあり、悲しいけれどそういう本は物覚えも悪くなってきたこともありサラッと忘れてしまうことにしています。なので、購入する本は1年以上前の受賞作が中心ということになります。

ちなみに2007年から2011年までのベスト10はこんな感じです。
2011年 作品名 著者 発刊 文庫化 読了
1 謎解きはディナーのあとで 東川篤哉 小学館 × ×
2 ふがいない僕は空を見た 窪美澄 新潮社 × ×
3 ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦 角川書店 × ×
4 錨を上げよ 百田尚樹 講談社 × ×
5 シューマンの指 奥泉光 講談社 × ×
6 叫びと祈り 梓崎優 東京創元社 × ×
7 悪の教典 貴志祐介 文藝春秋 × ×
8 神様のカルテ2 夏川草介 小学館 × ×
9 キケン 有川浩 新潮社 × ×
10 ストーリー・セラー 有川浩 新潮社 × ×

2010年 作品名 著者 発刊 文庫化 読了
1 天地明察 冲方丁 角川書店 × ×
2 神様のカルテ 夏川草介 小学館 ×
3 横道世之介 吉田修一 毎日新聞社 × ×
4 神去なあなあ日常 三浦しをん 徳間書店 × ×
5 猫を抱いて象と泳ぐ 小川洋子 文藝春秋 × ×
6 ヘヴン 川上未映子 講談社 × ×
7 船に乗れ! 藤谷治 ジャイブ ×
8 植物図鑑 有川浩 角川書店 × ×
9 新参者 東野圭吾 講談社 × ×
10 1Q84 村上春樹 新潮社 ×
直木賞:中島京子「小さいおうち」、木内昇「漂砂のうたう」、道尾秀介「月と蟹」
芥川賞:赤染晶子「乙女の密告」、朝吹真理子「きことわ」、西村賢太「苦役列車」
野間文芸賞:村田喜代子 「故郷のわが家」

2009年 作品名 著者 発刊 文庫化 読了
1 告白 湊かなえ 双葉社
2 のぼうの城 和田竜 小学館
3 ジョーカー・ゲーム 柳広司 角川書店
4 テンペスト 池上永一 角川書店 ×
5 ボックス! 百田尚樹 太田出版
6 新世界より 貴志祐介 講談社 ×
7 出星前夜 飯嶋和一 小学館 × ×
8 悼む人 天童荒太 文藝春秋 ×
9 流星の絆 東野圭吾 講談社 ×
10 モダンタイムス 伊坂幸太郎 講談社 × ×
直木賞:北村薫「鷺と雪」、佐々木譲「廃墟に乞う」、白石一文「ほかならぬ人へ」
芥川賞:磯崎憲一郎「終の住処」
野間文芸賞:奥泉光 「神器 軍艦『橿原』殺人事件」

2008年 作品名 著者 発刊 文庫化 読了
1 ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎 新潮社 ×
2 サクリファイス 近藤史恵 新潮社 ×
3 有頂天家族 森見登美彦 幻冬舎 ×
4 悪人 吉田修一 朝日新聞社
5 映画篇 金城一紀 集英社 ×
6 八日目の蝉 角田光代 中央公論新社 ×
7 赤朽葉家の伝説 桜庭一樹 東京創元社 ×
8 鹿男あをによし 万城目学 幻冬舎 ×
9 私の男 桜庭一樹 文藝春秋 ×
10 カシオペアの丘で 重松清 講談社
直木賞:井上荒野「切羽へ」、天童荒太「悼む人」、山本兼一「利休にたずねよ
芥川賞:楊逸「時が滲む朝」、津村記久子「ポトスライムの舟」
野間文芸賞:町田康 「宿屋めぐり」

2007年 作品名 著者 発刊 文庫化 読了
1 一瞬の風になれ 佐藤多佳子 講談社 ×
2 夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦 角川書店 ×
3 風が強く吹いている 三浦しをん 新潮社 ×
4 終末のフール 伊坂幸太郎 集英社
5 図書館戦争 有川浩 メディアワークス ×
6 鴨川ホルモー 万城目学 産業編集センター
7 ミーナの行進 小川洋子 中央公論新社 ×
8 陰日向に咲く 劇団ひとり 幻冬舎
9 失われた町 三崎亜記 集英社 ×
10 名もなき毒 宮部みゆき 幻冬舎 ×
直木賞:松井今朝子「吉原手引草」、桜庭一樹「私の男」
芥川賞:諏訪哲史「アサッテの人」、川上未映子「乳と卵」
野間文芸賞:佐伯一麦 「ノルゲ Norge」

本屋大賞は第二次投票以後のベスト10しか一般向けには公表されていませんが、実はここには上がっていない11位以下の、一部の書店員さんが熱く推奨する本があります。私的にはその本こそ知りたいなと思うのですが、残念ながらネット上ではオープンにされず、「本の雑誌 増刊 本屋大賞」を書店で買ってくれという流れになっています。このご時世にまったくせこいことです。

所詮書籍を売るための宣伝が目的である雑誌を高い金を出してまでわざわざ買うことはありません。無料で読める書評なんて世の中に星の数ほどあるわけで、本のPR誌ごときにお金を出すぐらいなら、一冊でも多く著者の収入につながる本を買います。

ここ何十年と、年間100冊ぐらいは読んでいますが、それにしても本屋大賞ベスト10に入った本は自分でも意外ですがあまり読んでいないことに気がつきました。2010年以前のものはすでに文庫化されている本が多く、多くは書店で平積みされていて、タイトルを見れば表紙のデザインまで思い浮かんできます。しかしなぜ買わないかというと、書店では実際には手にとって文庫のカバー裏にある簡単な紹介文を必ず読んで買うか買わないかを決めるので、そこではねられたものが多いと思われます。

それゆえに文庫の裏表紙の紹介やあらすじは、いかに読みたくなるように編集者の腕の見せ所でもありますが、実はあまり重要視されていないような気もします。もしかすると書評や各賞よりも、売れ行きに影響するさらに重要なポイントなのかも知れないのですが、そのようなことは現場の人はあまり知らないのでしょうけどね。逆に目立つようにど派手な色遣いの帯や、その帯に書かれた「○○氏推奨」の大きな文字はかえってイメージが悪い(下品な感じ)のですが、必ずある一定の割合で存在します。

逆に多くの文庫本の本文の最後に書かれている解説は、私に限って言えば、本文より先に読んだことが一度もないので、そこに「書店でこの解説を読んでいる人は間違いなく面白いのですぐに買いなさい」とか「これ以上書くとネタバレするから」とかあるのはまったく意味のないことです。

長年書店で文庫本を物色するのを趣味としてますが、解説をじっくり読んでいる人を見掛けたことがないのですが、そのような人が実際にいるのかどうかは不明です。しかしわざわざこのような常套句を解説に書くのはやめてもらいたいものです。少なくとも解説に面白くない本に「この本は駄作なので買わない方がいい」と本音が書かれることはないので、それをもって買うか買わないかの参考にはなりません。


   

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