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2011年も後半に入ってからこういうお題で書くのは気が引けますが、佐々木俊尚氏著「2011年新聞・テレビ消滅」は2009年の発刊当初にはタイトルを見て衝撃を受けた人も多かったのではないかと思います。新書を売るための作戦勝ちということですが、私もすぐ買って読んだクチです。

同様に蜷川真夫氏の「ネットの炎上力」でも新聞・テレビなどの旧メディアの劣化について述べられていますが、それは蜷川氏自身が旧メディアと決別し、新しくネットメディアを立ち上げたという経歴から、そうあって欲しいという願望があるのは仕方がありません。

世の中には時代の先を行く(と本人は思っている)人達と、後からついていく人達、そしてついていかずずっと保守的に自分の殻を守り続ける人がいます。その時代の先頭を走っている人からすると、周囲に追随する人達しか見えないのだと思いますが、実はそれよりも遙かに多くの追随しない人達がいるものなのです。

1990年代初頭には携帯電話が不動産会社のオヤジ連中から、一般のビジネスマンへと普及し始めました。まだこの頃は高くて会社が与えてくれないと個人が購入するには相当の勇気と投資が必要でした。やがて、90年代後半になると価格も下がり社会人を中心に一気に拡がっていきます。

21世紀になった今、携帯電話を持っていない人は極めて少なくなりましたが、それでも別にお金に困っているわけでもなく、世間と一切縁を断っているわけでもなく、不要だからと携帯電話を持たない人は、まだかなりの割合で存在しています。総務省統計局の2009年の全国消費実態調査によると全体の普及率は約88%、年代別では60代70%、70代以上は35%程度です。

また携帯電話を持っているからと言って、60歳以上の高齢者がそれでニュースや最新情報を得ているとは考えにくく(目が悪くて小さな画面では読みにくい)、仲間や家族との電話またはメール連絡用と考えるのが無難でしょう。

特に団塊世代以上(65歳以上)の高齢者だけをとってみると、各社から簡単操作で文字の大きな高齢者モデルがいくつも出しているにもかかわらず、持っているのはその半数程度です。まだ持っていない人が多いからメーカーやキャリアも必死になってそう言う人向けにテレビや新聞で宣伝しているのです。

新聞、テレビの安定した顧客の多くはその高齢者です。若い人はネットやスマホ含む携帯から得られるニュースや情報で十分と新聞を買わず、また昼も夜も忙しく働いているのでテレビを見る時間も限られているでしょう。しかし定年後ずっと自宅に居ることになる高齢者は、じっくりと新聞を読み、読み終わるとテレビを見るしか他にやることはないのです。

その65歳以上人口は2010年には約3000万人(国民の1/4)、10年後の2020年には3600万人、20年後の2030年には3670万人(国民の1/3)です。この高齢者の増加は2040年まで続くことが予測されています(国立社会保障・人口問題研究所の推定データ)。そう新聞・テレビのメイン顧客は、少子化で減り続ける子供達や外へ出て働くことが増えてきた女性相手ではなく、顧客となるのは今後30年間増え続けていく高齢者なのです。

つまり新聞・テレビが2011年どころか10年後にもなくならない1番目の理由は、主要な顧客たる高齢者は減らず、逆に増えていくから安泰です。

次にメディアとしての存在意義です。

ネットの情報では「もうマスメディアの役割は終わった」「マスコミは偏向報道をするものだ」「新聞社やテレビ局はもうビジネスモデルとして成り立たない」とか言われてきました。地デジ化による巨額設備負担に耐えきれない地方のテレビ局もあると聞きます。そしてネット広告が増えたことで、テレビや新聞広告の価値が大きく落ちてきたとも言われています。

細部を見ていくと、一部は確かにそのような傾向、事象は起きているかも知れませんが、ここ数年のあいだにネット広告がテレビ・新聞広告にすべて取って代わるとことはまったく現実的ではありません。若い人が新聞を読まないから、テレビを見なくなったから、終わりと決めつけるのはあまりにも乱暴すぎます。

まだまだ新聞・テレビの影響力は日本では絶大で、京大入試問題で「yahoo!質問箱」が、尖閣諸島漁船衝突事件では「YouTube」が、それぞれ国民の認知が一気に拡がったのは、テレビや新聞で一斉に取り上げらたからです。自分(=60歳以下)が知っているから世の中の人も(高齢者層含め)みんな知っていると勘違いしてはいけません。

高齢者は一般的に自分で新しいことを考えたり、斬新な意見を述べたりするのが苦手です。そこでテレビや新聞によく登場する識者と言われる人気者のキャスターや学者、評論家の意見を聞いて、その人(または意見)が好きか嫌いという単純な判断を好みます。ややこしい議論やなぜそうなのかという論理は好みません。そのようななんでもシンプルに信じてくれる高齢者を相手にマスメディアが存在していると考えるとわかりやすくなるでしょう。

最近テレビでやけにクイズ番組が多いと気がつきませんか?あれは高齢者が見て「若い芸能人には難しいクイズ問題が、高齢者には易々と答えがわかり気分をよくしてもらう」と言うことなのです。また家族で一緒に見ている時、子供や孫より先に答えを披露することで「おじいちゃんすごい!」と尊敬されるであろうということまで計算した問題が作成されています。

だからそのような雑学を含めもっと知りたい欲求に応えるため、新聞・テレビは消えるどころか、これからずっと先までわかりやすい番組や記事の提供を必要とされ続けるのです。子供向けにわかりやすくニュースを解説する池上彰氏が突然ブレークしたのも、実は池上氏(61歳)と同世代以上の高齢者が一番望んでいたからではないかと密かに思っています。

そして最後の3つめの理由は、

選挙へ行って市会議員や県会議員、国会議員を決めるのも、人口構成と投票率からして高齢者が主体となっています。つまり世の中の仕組みや主たる方向性を左右するのは高齢者達です。

もし仮に大新聞社の経営が行き詰まり、経営者が廃刊したいと言い出すと、それを過去何十年と楽しみにしていた高齢者がムクリと立ち上がり、自分達が当選させた政治家や人脈を使って、一時的に救済する方向で世の中を動かすことになるでしょう。ただ今は人口も減りつつあり、供給過剰すぎるので、一部の弱小新聞社が大手と提携または合併するなどが、ここ10年のうちに再編があるかも知れません。しかし歴史ある大新聞社は今後も盤石です。

ちなみに世界の新聞発行部数を見ると、日本の新聞社がなんと世界の上位5位までを占めています。
World’s 100 Largest Newspapers(2007年)部数の単位は千
読売新聞(Japan) 14,067
朝日新聞(Japan) 12,121
毎日新聞(Japan) 5,587
日本経済新聞(Japan) 4,635
中日新聞(Japan) 4,512
Bild (Germany) 3,867
産経新聞(Japan) 2,757
Canako Xiaoxi (China) 2,627
People’s Daily (China) 2,509
10 東京スポーツ(Japan) 2,425

これを見てもわかるとおり、もはや新聞は日本の国家的な大文化遺産となっているのです。日本の世帯数はひとり世帯がもっとも多く約5000万ですが、読売、朝日、毎日、日経、中日、産経の合計で4400万部。地方にはそれぞれ地方新聞(北海道新聞116万部、西日本新聞84万部、中国新聞65万部、神戸新聞58万部、東京新聞55万部、京都新聞50万部など)がありますので軽く日本の世帯数を軽く超える発行部数を誇っています(公表部数が?という噂もありますが)。

国から免許をもらっているテレビ局のキー局にしても、放送免許を与えた国のメンツがかかっていますから、経営危機だからという理由だけで総務省が簡単につぶすわけがありません。官僚達の権益は隅々にまで拡がり、それに関わる中小零細企業も多く、例えば経営母体を変えるなどして(今でも楽天などは飛びつくでしょう)生き延びさせることは確実です。

結果的に新聞・テレビは、一部のフリージャーナリストがつぶしたい、消滅させたいといくら強く願っても、それはありえないことなのです。



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