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ドーン 平野啓一郎
近未来のSF小説ですが、その設定はかなり近くて今から20数年後の2036年頃となっています。それだけに現在のテクノロジーの延長線上にある新しいサービスや、近々起こると想定されている災害などが盛り込まれていてなかなかリアル感があります。
 
主人公は外科医出身の日本人宇宙飛行士でJAXAからNASAへ出向し無事火星探査から帰ってきた日本人と、もうひとり、アメリカの大統領選挙において不利な闘いを強いられている地味な民主党の候補をPRする広告会社のアメリカ人です。
 
その日本人宇宙飛行士は、外科医だった頃、東京で起きた大地震のため、幼児だった自分の子供を亡くしていますが、なにか先月に起きた東日本大震災を彷彿させるものがあります。もちろんこの小説のほうがずっと先に書かれています。
 
ストーリーは大きく分けて2つのことが同時に進行します。ひとつは火星探査の長い旅のあいだに起きたとんでもない話し。もうひとつが、アメリカ大統領選に絡み、火星着陸を無事成功させたことを政治的に利用しようとする与党共和党の弱点となる「混迷する東アフリカ」への軍事介入問題です。
 
この小説でも、先月読んだ「KATANA」と同様、2000年代のブッシュ大統領時代から始まったアメリカの軍隊や軍備の民間企業へのアウトソーシング化が触れられており、その行き着く先は?というのが焦点になっています。
 
日本人の作家が描くアメリカとアメリカ人をメインに配置したSFといえば、以前読んだ伊藤計劃著「虐殺器官」や、SFではないですが前述の服部真澄著「KATANA」がそれに近いものと言えます。そして結末も意外と似たようなところがあります。
 
20数年後の話しですから、生活などはそう大きく違うところはありませんが、ネット上で誰でもが創作することができる「Wikiノベル」、街角や店内に設置されている数多くの監視カメラをネットワーク化して利用する顔認識システム「散影」、顔の整形手術がより進み、いくつもの顔を持つことができる「可塑整形」など、現代のテクノロジーやシステムなどが進化した想像というか予想図が描かれています。
 
ちょっと面白かったのは、『…とりわけ昨年50周年記念として《ウィー・アー・ザ・ワールド》のリメイクの制作に参加した民主党支持のミュージシャンたちが、《ウィー・アー・ザ・ワールド アゲイン》コンサートに参加してからは、その差は顕著なものとなった。ライヴで放送されたこのステージでは、87歳で闘病中のブルース・スプリングスティーンが車椅子で登場し、…』なんていうのが出てきてニヤリとさせられます。1949年生まれのブルース・スプリングスティーンが2025年まで無事生きていられるかは微妙って感じでしょう。
 
 
前作「怪しいお仕事!」の続編で、前作と同様買ったのではなく会社の書棚にあったので暇つぶしに借りてきました。北尾トロ氏はフリーのライターで、面白そうなネタを週刊誌などに持ち込んで、それを自ら体験してそのレポートを書くというスタイルが多そうです。
 
出版は2006年ですから5年ほど前の文庫ですが、実際に体験して書いたのはさらにその2~3年前というところでしょう。
 
この書で実際に体験したり、関係者にインタビューした危ないお仕事とは、
・万引きバスター
・私立探偵
・警察マニア
・超能力開発セミナー講師
・フーゾク専門不動産屋
・ダッチワイフ製造業者
・新聞拡張団
などです。
 
読んで面白かったのは、新聞拡張団に実際に応募し、体験したレポートです。あとはテレビなどで時々レポートされたり、お笑い芸人が突撃レポートしたり、あるいは社会問題として事件が起きたりしますので、その仕事の内容はだいたい想像ができます。
 
その新聞拡張員というのは、その販売地区の配達員が昼間の暇な時間に営業として回っているのかと思っていたらどうもそうではないようです。もちろん配達員が営業しているケースもあるでしょうが「新聞拡張団」とあるように、全国にいくつもの拡張員を束ねている組織があって、各地の系列販売店からの依頼でその地区を回わり、片っ端から家を訪ねていく拡販専門部隊です。ベテランとなると月80万円近い収入の人もいるようです。
 
北尾氏はそのひとつのグループにアルバイトとして入社し、完全歩合制で契約を取っていく体験レポートを書くというものです。レポートの中にその仕組みが書かれていましたが、どう考えても拡張団へ支払う費用は月々2~3千円の新聞代ではペイしませんが、それにはちゃんと裏がありました。
 
ただ近年は特に若い人(共働きの夫婦も)は、あまり新聞を取らないので、この拡張員という仕事も末路をたどっているのだろうなと思ってしまいます。
 
私も時々自宅へ来る拡張員と話しをすることがありますが、人気プロ野球チームのチケットやビール券、洗剤をチラチラと見せながら、お試しで1ヶ月だけでも購読しませんか?という営業で、それはそれで案外コロッと「じゃぁ1カ月だけ」とか言う人もいるのでしょう。
 
あいにく私はパリーグのファンで、家ではアルコールは飲まず、洗濯は家人がやってくれるので、そのようなありきたりのサービスではまったく食指が動きませんでした。
 
 
美丘 (角川文庫) 石田衣良
日本テレビ系列で昨年放送されたドラマの原作小説で、よくあるパターンのお涙ちょうだい不治の病の少女との純愛小説で、片山恭一氏の「世界の中心で、愛をさけぶ」が地方の高校生カップルだったのに対し、こちらは都会の大学生カップルで、より大人の恋愛風景に振ってあるという感じです。
 
ま、それ以外にあまり感想も解説もありません。
 
 
アフガンの男 (角川文庫) 上・下 フレデリック・フォーサイス
ジェフリー・アーチャーと同様、当たり外れのない英国の作家です。ただ作品数は少なく、でも寝る間を惜しんで一気に読みたくなる作品を書いてくれます。ちなみに私はフォーサイスの本(翻訳本)はすべて読んでいますが、その半数は文庫ではなく単行本です。文庫になるまで待てなかったという意味です。
 
古くは実在した元ナチ高官の秘密組織を追い詰める「オデッサ・ファイル」や、映画で大ブレークした「ジャッカルの日」など、戦争、諜報、暗殺、政治、東西冷戦などに鋭く切り込み、徹底した取材と緻密なストーリーで読む人を引きつけます。
 
1996年に突然断筆宣言をして長くその作品を読むことができませんでしたが、8年後の2004年に「アヴェンジャー」など数作品を次々と発表、この「アフガンの男」は2008年に発刊され今年2011年に文庫化されたものです。
 
ストーリーはSIS(英国特殊部隊)を引退して、英国の田舎で古い農家を買い取り、余生を過ごすためゆっくりと自分で直していこうとしていたマイク・マーティン元大佐が、中東での戦闘などを買われ、しかもアフガン人の特徴を有していることから、オサマ・ビンラディンらが率いるアルカイダに潜入し、9.11に続く、謎の大規模テロの情報を掴んでいくというものです。
 
このマイク・マーティンという主人公、もちろん実在の人ではありませんが、どこかで聞いたような記憶がありました。読後に真山仁氏の解説文を読むと、同作家の小説「神の拳」(1994年)に登場していることが書かれていました。この小説の舞台はやはり中東で、サダム・フセイン率いるイラクがクエート侵攻をおこない、対する多国籍軍に多大な被害を及ぼすであろう新兵器「神の拳」を探り出して撃退するまでのストーリーで、非常に読み応えがありました。
 
相変わらずストーリーの切れ味は抜群なのですが、中東、アラブ界隈の地名や人名はとにかく覚えにくく、当然それに加えて米英両国のスパイマスター、中東問題専門家、コーラン研究家などが加わりますので、作中にはカタカナばかりが羅列されることになります。逆に読むなら一気に読んでしまわないと、あいだを置くと、誰と誰がどうだったのかがこんがらがってしまうということになります。
 
ハリウッド映画のようにすべてがハッピーエンドで終わるというものではありません。そして国際的には不合法な身代わりの不法入国でスパイ活動をするわけですから、その功績を表だって顕彰できるはずもなく、事実を知っているわずかな人達の思いと、改装中で残されたままの農家が、最後にジワリと涙を誘うことになります。




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