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私は生まれてから大学卒業までのおよそ22年間は関西の某都市に暮らしていました。父親も母親も、そして祖父祖母も関西の生まれ育ちだったそうなので、根っからの関西人と言ってもいいでしょう。

しかし大学を卒業後、社会人になってからはすぐに東京で働くことになり、それ以来数年間は名古屋や大阪で暮らすことはありましたが、ほとんどは関東で暮らしています。すでに関西で生活していた期間よりも関東で生活している期間のほうが長くなっています。

最初に関東に出てきたときに食べ物の味の違いは感じましたが、でもそこは若さ故「質(味)より量」を求めていましたので、あまり気になりませんでした。関西では考えられない食べ物の代表格の「真っ黒なだし汁の中にコロッケを浮かべたコロッケそば」なども、空腹には勝てないので普通に美味しく食べていました。

また「カレーにはウスターソースが必須」と思っていましたが、関東のカレー屋さんにそういうものは置いてなく、しかもカレーに入れる肉と言えばビーフ以外には考えられない関西に対し、関東ではポーク、ビーフ、エビなどとわざわざメーンの具を区分して表示していることに違和感を感じつつ、別にポークでもエビでも安くて量さえあれば不満はありません。

20120609_20100320_049.jpg一般的に関西ではうどん、関東ではそばがそれぞれ代表する和風の麺料理になりますが、「たぬき」など同じ呼び方でも具材など中身は違っていて混乱が起きます。いまでも関西風うどんの透き通ったダシ汁が好みですが、関東風の醤油の味しかしない真っ黒けのダシ汁でも慣れてしまって美味しくいただくことができます。ただ関西ではあまり食べる機会のなかった「ざるそば」は、いまいち美味しいと思ったことがなく、好んで食べたいとは思いません。だから夏場でも蕎麦を食べるときは熱々のものを食べます。

すき焼きの作り方にも違いがあり、関西風はまず脂身でしっかりとすき焼き鍋に馴染ませ、牛肉を醤油と砂糖で味付けをし、焦げ付かない程度に水を加え、牛肉からしみ出したうまみで野菜や焼き豆腐に味を染みこませます。

家では関西風のすき焼きですから、関東風のすき焼きを食べる機会は外食で食べるときしかないのですが、割り下(最初この意味がわからなかった)でグツグツと煮る方式も、実際に食べてみて、悪くはないなと思っています。

20120609_20090530_34.jpg先般読んだ山本一力氏の小説「あかね空 」では、京都で修行を積んだ豆腐職人が江戸にやってきて商売を始めるのですが、京都のつるんとしたなめらかな「絹ごし豆腐」が、江戸では当たり前の歯ごたえがあってゴツゴツした「もめん豆腐」に慣れた庶民にはなかなか受け入れてもらえず苦労する場面が出てきました。

わかりやすく言えば「肉体労働をしない公家や貴族、僧侶が多い京都で流行るもの」と「江戸城を守る侍や土木工事が多く肉体労働者が多く集まる江戸で食に求められるもの」が根本的に違うという歴史的な要求からくるものです。

また大阪も江戸よりはずっと古くから開けていて、堺を中心に外国からの輸入品も多く集まっていたので、食に関してどん欲さが違っています。大阪では島田紳助著の「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する 」とは違いますが、まずい店やケチな店は必ず淘汰される運命にあります。しかし江戸というか東京は人口が多くて競争になりにくいせいか、まずくて量の少ない店でもなんとかやっていけます。

私が関東に出てきて食に関してわかったのは「大阪はどこの店でも安くてうまい」に対して「東京では店に当たり外れがあり、高ければそれなりに美味しいものが食べられる」です。おそらく世界の中でも東京ほどお金さえ持っていれば、いくらでも世界中の美味い料理が食べられる都市はないでしょう。あとはNYぐらいかな、行ったことはないけど。

最後にウスターソースについてですが、関東の食卓では一般的にソースといえば中濃ソースかトンカツソースが多くて滅多にウスターソースを見掛けません。それに対して関西ではソースといえばウスターソースがデフォで、揚げ物やカレーはもちろんチャーハンやサラダ、生野菜にまでかけて食べる人が普通にいます。

その味が懐かしくなって数年前から通販でちょっと高めのスパイスウスターソースの業務用ボトルを買って、トンカツでもカレーでもボテサラでもそのウスターソースで味付けして食べています。子供の頃、親に「胃ガンになるからそんなにいっぱいかけちゃダメ」といつも言われて不満だったので、いまはその反動なのか、誰にはばかることなくソースをじゃぶじゃぶとかけて食べています。

S&B スパイスソースウスター 1L (業務用)
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S&B スパイスソースウスター170ml
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