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家族の言い訳 (双葉文庫) 森浩美

著者の森浩美氏は1960年生まれで秋元康氏と縁が深い放送作家や作詞家でもあり、ミュージカルの脚本や小説も手がける多彩な人です。名前から想像すると女性に思えますが男性です。

この文庫に収録されている8編の短編小説はいずれも家族がテーマになっています。

生活に疲れ小さな我が子を連れて親子心中するために死に場所を探して旅をしていたところ、子供が発熱してしまい、知らない土地で病院へ行き、その町の民宿へ泊まったところ、そこの女将さんに暖かなもてなしを受けて生きる勇気をもらうという定番の話しながらほのぼのとする「ホタルの熱」。

プライベートでは投資用マンションをいくつも持っているやり手の雑誌編集者でありながら、婚期を逃してしまった女性。以前仕事で「才能がないからこの仕事はやめたほうがいい」とダメだししたフリーの女性ライターと街でばったり出会い、いまは逆の立場になっていることに愕然とする「カレーの匂い」。この話しはもう一つ最後にオチがありますがネタバレするので。

その他に特に印象に残ったのでは子供の時に母親に捨てられて、それ以来会わずにシングルマザーと家庭を築いたものの、自分の子供を育てることに恐怖を感じている男性。その男性と一緒になった女性が一肌脱ぐ「イブのクレヨン」など。

いずれもなかなか味わい深い短編ですが、「家族の言い訳」というより「結婚の言い訳」のほうが近いかも。そして結婚って本当にいいものなのか?というのは微妙で、この小説からはなんとも言えない気怠さが伝わってきます。


夜行観覧車 湊かなえ

2009年7月に島根で起きた中学2年生が医者の父親を殺害した事件など、いくつかの事件をモチーフにしていますが、読んでいくにつれ、湊かなえ流の「なぜ?」「どうして?」という謎が深まっていきます。

大ヒットした実質的なデビュー作品の「告白」でもそうでしたが、特に誰が主人公というわけではなく(映画では松島奈々子が主演でひとりだけ目立ってましたが、小説ではそうでもなかった)、複数の登場人物が次々と自分の視点で語り、行動していくスタイルは最近の流行なのでしょう。いったい誰に感情移入していいのかわからないので、困ってしまいます。

登場人物のそれぞれの語りから、家族の中に抱えいる問題や、古くから住んでいる住人と新しい住人との葛藤、エリート一家とそれにあこがれる隣人、受験で志望校に落ちた子供のストレス、暇でお節介な近所の高齢者など、どこにでもありそうな設定に身近な雰囲気が漂います。テーマの取り方などはちょっと宮部みゆきっぽい感じではありますね。

そして「告白」ほどの衝撃のラストではなく、さもありなん程度の決着が最後のオチとなっています。このような家族を扱った物語ではあまり衝撃的で無慈悲なラストというのは現実的ではなく難しいのでしょう。

あとなぜこのようなタイトルになったのかはわかりませんが、もしかすると「よその家をこそっとのぞき見する人達」という意味を込めてのことかも知れません。


輪廻の山―京の味覚事件ファイル (光文社文庫) 大石直紀

「京の味覚事件ファイル」と副題がついていて、聖護院かぶら、筍、ひろうす、賀茂茄子、白味噌など京都独特の野菜や食材が絡む殺人事件の謎を、転勤で東京から初めて京都へやってきた若い夫婦がライトな感覚で解いていきます。

著者の大石直紀氏は私とほぼ同年の1958年静岡県生まれ、1993年に日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた「パレスチナから来た少女」でデビューした作家さんで、私が読むのはこれが初めてです。

学生時代には関西に住んでいたらしいのですが、特に京都や料理とはあまり縁がなさそうに思え、どうしてこのような京料理の作品を書く気になったのかは謎です。もしかすると歌でも小説でも京都と名がつけば売れるっていうジンクスでもあるのでしょうかね?

しかし単なる観光案内やうんちく話しだけではなく、意外と知られていない京都の食材の由来や、それらを使った料理法なども書かれていて、京料理に興味のある人ならうんちく程度ですが役立ちそうです。

ミステリー自体は、本格的なミステリーファンには簡単すぎるトリックが多く、謎解きを楽しむというほどのものではありません。元々そうした本格的推理小説ファンに向けたものではないのでしょう。軽く気分転換を兼ねて仕事で疲れた頭を癒すのにはお手頃な作品です。


図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫) 有川浩

この「図書館戦争」(2006年2月発刊)はその後、「図書館内乱」(2006年9月)、「図書館危機」(2007年2月)、「図書館革命」(2007年11月)とシリーズ化される原点の作品です。また漫画やテレビアニメ、劇場アニメ(2012年6月封切り)にも拡がり一種ブームとなった作品(参考:wikipedia)ですが、残念ながら50を過ぎたおじさんはいままでそれらとの接点がなく、まったく基礎知識がありません。

内容はSFで、近未来の日本で著作物の検閲がますます激しくなり、それから言論と表現の自由を守ろうとする図書隊が図書館法を元にして「図書館の自由に関する宣言」を法制化し武装していくという、アニメには最適な荒唐無稽な小説です。

主人公は高校時代に陸上をやっていた活発で背の高い女性。この女性が子供の頃に書店で買いたい本を取り上げられそうになったとき、図書館側に助けられ、それ以来自分も図書隊になろうと思い、そして厳しい試験をクリアして実現したところから始まります。

不良図書を排除しようとする側(メディア良化委員会良化特務機関)と、それを必死に命をかけて守ろうとする図書館隊防衛部図書特殊部隊とで争いが続きます。世界では宗教や国土や民族などの戦争や殺し合いがひっきりなしに起きている中で、日本は平和なんだなぁと思い知らされるかもしれません。やはりこれは想像力に欠陥をきたしている50過ぎたロートルが読む本ではありませんでした。


その日のまえに (文春文庫) 重松清

7つの短編からなるこの本は2005年に発刊、2008年に文庫化されています。また2008年には大林宣彦監督で映画化もされていますが、緩いつながりしかないそれぞれの短編をまとめて映画化ってのもまたすごいですね。やはり映画化された佐藤泰志氏の短編集「海炭市叙景」も同じような感じですが、映画ではいったいどうなっているのか一度見てみたいものです。

収録されているのは、「ひこうき雲」「朝日のあたる家」「潮騒」「ヒア・カムズ・ザ・サン」「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」。最後の3編はひとつの物語と言ってもいいかもしれません。

重松氏の小説の特徴としては、話しの中に主人公の子供の頃の情景がふんだんに取り入れられ、その後大人になった自分と同級生との再会や回想があります。この短編の中にもそういったものが多く、40歳以上の人にとっては懐かしく甘酸っぱい思い出に浸ることができます。

そして泣かせる小説には必ずといっていいほど、若くして病気で亡くなってしまう人が登場します。突然亡くなる交通事故などではなく、その多くはガンや白血病といったジワジワと時間が経つにつれて弱り、そして亡くなる病気です。

小説の中には頻繁に登場しますが、実際の世の中にはそういう病気で亡くなる若い人は、そう多くないと思いますが、作家の中ではひとつの定番となってしまっているのでしょう。

重松清氏の小説はやっぱり長編をジックリと読みたいものです。


純情 (光文社文庫) 小川 竜生

著者の小川竜生(おがわたつお)氏は1952年生まれ、ラジオでのパーソナリティもつとめる大阪在住の小説家でしたが、2003年に51歳で急逝されています。この作品は、1996年に発刊された「極道ソクラテス」から改題されて2005年に文庫化されたものです。

小説の舞台は大阪は西成。コテコテの大阪、しかも一匹狼、天涯孤独、イタリア人と日本人のハーフでフリーの極道が主役です。

阪神淡路大震災が起きてまもなく、震災でインド人の父親を亡くしたルビーが、ボランティアで知り合った大阪西成にある教会に住み込んで働いています。その女性に一目惚れした主人公の極道ソクラテスが日曜礼拝に通って勝手に自分で歌詞を作って賛美歌を歌うところがなんとも言えません。

しかしその女性にある日ヤクザっぽい取り立て屋がやってきて父親の借金を返すか、それとも神戸に戻って働くようにせまってきます。ソクラテスの幼なじみでもあった警官が調べようとしたとき、その取り立て屋に刺されて重傷を負います。

わずかな借金のことでわざわざ幹部が出てきたり、警察と悶着を起こすなど疑問に思ったソクラテスがルビーのために大阪、神戸で大活躍をするっていうのがあらすじです。

ちなみにこの「極道ソクラテス」は1996年に大仁田厚主演で映画化もされていますがDVDは出ていないようです。





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