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メジャーベースボールとビーンボール 2012/5/26(土)

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メジャーリーグの試合を見ていると、時々出くわすのがビーンボール(正確には故意ではない場合「hit by pitch」故意の場合「brush-back ball」または「beanball」)。日本では死球のことです。日本でも死球を巡っては両チームが飛び出してエキサイトする場面がありますが、メジャーの場合は、それだけではなく、必ずといっていいほど後で仕返しが待っています。

例えばチームの四番に当ててしまった場合、それが故意であるかどうかは別として、相手チームの四番に当てて返すという返礼が待っています。これはプロといえども怖い。

日本のプロ野球でもこのような仕返しで当てるというのはなくはありませんが、そこはやはり日本人の礼儀正しさというか真面目さがあり、投手が当ててしまった後、申し訳なさそうに帽子をとって軽く頭を下げれば、その後問題になることはまずありません。

しかしメジャーでは相手に当ててしまった場合、投手はそれが故意であるかないにかかわらず絶対に謝るような態度は見せません。逆に「あれぐらい避けろよ、ボケ!」ぐらいの態度です。世界中からトップ選手が集まってきて、それこそ食うか食われるかの厳しい世界ですから、自尊心も高く、そして相手に油断や隙、弱みを見せてはいけないのでしょう。

中には気の弱い投手や、わざとビーンボールを投げるのを嫌がる投手もいるでしょうけど、そこはチームとしての態度を明確にしておく必要性から、誰かに命ぜられるまでもなく「やられたらやり返す」というのが暗黙のルールとなってしまっているようです。ま、アメリカ人らしいと言えばその通りです。

ダルビッシュも6試合を投げて死球は3個出しています。以前テレビで見ていたら、ダルビッシュが当てた後、明らかにその仕返しと思える死球を味方チームの選手が受けてました。いやマジで怖いですね。アメリカンリーグは指名打者制なので当てたピッチャーが当てられることはありませんが、それでもチームメイトに申し訳ない気持ちになるでしょう。その時は故意とは判定されなかったようですが、見ていると明らかにダルビッシュが当てた場所と同じ場所に当てにいってました。

しかし最近はこれを潔しとせず、なにか伏線ががあって故意に当てたと判断されると、処分が下されます。開幕してから2ヶ月の間に3回処分がおこなわれています(2012/5/9現在)。

ハメルズが故意死球で出場停止
米大リーグ機構は7日、フィリーズのハメルズ投手が6日のナショナルズ戦の1回にハーパー外野手に与えた死球が故意であったとして、5試合の出場停止と罰金の処分を科した。

ゴメス、故意死球で出場停止処分
米大リーグ機構は18日、インディアンスのゴメスが14日のロイヤルズ戦で記録した死球が故意だとして、5試合の出場停止と罰金の処分を科した。

ヒメネスに5試合の出場停止処分
米大リーグ機構は2日、インディアンスの右腕ヒメネスが1日のロッキーズ戦で故意に死球を与えたとして、5試合の出場停止と罰金の処分を科した。

投手に5試合の出場停止なら軽いものですね。せいぜい次の登板がローテーションから1~2日遅れるだけのことです。おそらく罰金もチームメイトがカンパしてくれるのでしょう。

いっそ故意と認められると出場停止を15試合ぐらいにすれば、登板機会が大きく減ってしまうことで自身のキャリアや来期の年俸にも影響し、仕返しが減ると思うのですが、そうしないのは、おそらくエンタテーメント性を追求するメジャー機構は、ある程度「目には目を」の仕返しという常套手段は、やむなしと認めているような気がします。

死球で受けた怪我が元で野球生命を絶たれてしまった選手も過去にはいて、プロ野球では水谷実雄、高橋慶彦、竹之内雅史など、それ以外にも長期戦線離脱を余儀なくされたり、顔面や頭部に受けた死球の恐怖から踏み込めなくなってしまう選手もいるそうです。メジャー選手のことはわかりませんが、その歴史から言っても、その荒っぽさから言っても日本よりずっと多く死球に泣いた選手がいると思われます。

もちろんメジャーでわざと当てる時は、足や腰、背中などを狙い、致命傷になる恐れのある頭部に投げないよう注意するものの、それでもあの固いボールを150km/h近いスピードでぶつけられると、身体を鍛えていたところで、めちゃくちゃ痛いでしょう。そんな痛い思いをして四球と同じ一塁をもらったところで、うれしくはありません。

いっそ死球はテイクワンベースではなく、テイクツーベースかスリーベースぐらいに厳罰化すれば、わざと相手に得点のチャンスを与えることはしなくなるのではと思いますが、どうなのでしょう。そうすると今度は逆にバッターが当たるのを覚悟して大きく踏み込めて有利になり、内角近くをえぐってくるきわどいボールにわざと当たりにいく選手も現れ、真剣勝負の醍醐味が薄れてしまうかもしれませんね。





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