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大政奉還で江戸時代が終わり、天皇が京都を出て東京に居を定めて以降、法的にはなんの定めもありませんが、日本の首都はなんとなく東京ということになっています。

その後東京は政治・経済の中心地として栄え、人が多く集まることで、文化や学問も東京に集中し、ここに一極集中というなにかと便利でもありながら、生活者にとっては不便を強いることも多い、世界の中でも異例の巨大都市を作り上げてきました。

安倍晋三首相が10月の参院予算委員会で答弁に答える形で、首都機能移転構想について「地方創生を考える上で、東京一極集中の是正は重要な課題だ」と述べ、前向きな姿勢を示しました。

過去にも何度となく東京の一極集中を緩和し、また防災リスクをなくすため首都機能を移転してはどうかという話しが浮かんでは消えていました。

首都機能の移転とは、
1)天皇の皇居を移転
2)国会や政府機能の移転
3)中央行政・司法機関の移転
などがごっちゃになっていることがありますが、概ね話題としてあがるのは、2)と3)が多いのではないでしょうか。

1)の皇居移転は、東京周辺の環境の悪化や、首都圏大規模災害時や凶悪テロからの予防と安全対策を考えてとも言われてきましたが、その後環境は改善し、政治的、宗教的な凶悪テロ活動が沈静化している現在では、あまり移転する理由はなさそうです。

したがってここでは2)と3)について少し話を進めるとして、かなり真剣に検討されたのが今から20~30年前のバブル景気の頃で、東京の中心部にある政府や国の機関を地方に移転させ、その跡地をバブルで膨らんでいる三菱地所や森ビルなどに売れば、地方にかなり広大で豪華な新首都の建設が可能だとまことしやかに語られていました。

世界を見ると、政治と経済の中心地を分けている国は結構多く、アメリカのワシントンとニューヨーク、ドイツのベルリンとフランクフルト、カナダのオタワとトロント、オーストラリアのキャンベラとシドニー、オランダのデンハーグとアムステルダム、インドのニューデリーとムンバイ・デリー、ブラジルのブラジリアとサンパウロなどがあります。

東京と同様に政治と経済の中心が同じ都市にあるのは、英国のロンドンやフランスのパリ、ロシアのモスクワ、イタリアのローマ、中国の北京、韓国のソウルなど。

国内の首都移転の議論では、阪神大震災や東北大震災を経験し、それらの規模の震災が東京で発生した場合、経済はもちろんのこと、政治も同時にストップしてしまうリスクが高いと言われています。

確かに人口減少時代に入ったとはいえ、東京はまだ人口が増え続け、古い木造の過密した住宅や、狭くて曲がりくねった道路など、防災に適していない場所が多く、また人口過密ゆえ、もし大事が起きると避難する場所や経路が少なく、そしてなにより生活インフラや流通機能が失われ、生き延びるための水や食料、燃料などがすぐに尽きてしまい3千万人以上と言われる首都圏の住人が想像を絶する大混乱に陥ることになります。

首都圏はほとんど被害がなかった東日本大震災の時ですら、ガソリン不足は深刻で、お米やミネラルウォーターも品不足が何週間も続きました。もし道路などインフラが寸断され物流が停まり、電気やガス、水道が使えなくなった、もう阿鼻叫喚の地獄絵図です。

そうした混乱の中でも、政府や行政の首都機能が混乱した現場から離れた場所にあり、機能が維持できれば、まだ緊急事態の対応が速やかにできそうです。

首都移転の必要性はそうした自然災害が多い日本の事情が最大の理由ですが、それ以外に、寂れていく地方の活性化という問題も合わせて考えることが可能です。

つまり新しい首都を地方へ移転することで、移転先やその周辺では巨大な経済圏が生まれます。移転により転居する公務員とその家族の住居はもとより、交通網や飛行場などのインフラ整備、国の外郭団体や公共事業関連企業などの移転や新設など巨大な新たな需要が発生します。

そんな予算はどこにある?また子供達に借金をつけ回すのか?って心配する人が出てくるでしょう。

移転の費用は確かにバブルの頃なら国会や霞ヶ関の国有地、一等地に建つ議員や公務員宿舎などを払い下げることである程度まかなえたでしょうけど、都心とはいえ大きく下落した今ではそれだけでは十分とは言えません。しかし同時に地方で買うことになる新しい土地もバブルの頃よりもずっと安く(国有地や公有地ならタダ)済みますので、現在でもそれを新首都建設の中心財源として考えることは可能です。

そして東京に首都機能がいずれなくなるとわかっても、東京の中心地の土地が今よりもそうは暴落しないでしょう。投資が必要なら、昔マンハッタンのビルをジャパンマネーで買いまくったように、今度はチャイナマネーをうまく使えばいいのです。

さて最近といってももう15年ほど前ですが、政府から委託を受けた有識者が提案した「国会等移転審議会答申」というものがあります。

これは、国の三権の中枢機能である国会・内閣・中央省庁及び最高裁判所の地方への移転を構想したもので、かなり長いもので全部は読んでいませんが、その中でも多くの人の関心が一番高い「移転先候補地」について簡単に書いておきます。

もちろん当時、新聞等でも報道はされていましたが、15年も経ってもうすっかり忘れてしまっている人も多いでしょう(私も忘れてました)。

ただこの答申は上記の通り1999年に出されたもので、東日本大震災やその後の原発事故に関しては当然ながら考慮されていません。しかしこの候補地選定において、東日本大震災が大きく影響するかというとそれはありません。

で、まず移転先候補地としてあげられたのは、
1)宮城
2)栃木・福島
3)茨城
4)岐阜・愛知
5)静岡・愛知
6)三重・畿央
の6地域です。



その6地域のメリット・デメリットを重み付けで総合評価した上位2つが、
1)栃木・福島353点
2)岐阜・愛知340点
です。

使われた総合評価とは、例えば「外国や経済の中心地東京とのアクセスの容易さ」とか、「地震や火山災害の安全性」、「水供給の安定性」、「地形の良好性」「景観、環境」など、首都として相応しい多くの評価点からなります。

また「土地の取得のしやすさ(国有地が多いとか土地利用密度の高低)」などもポイントとして加算されます。2011年の原発事故のあとの現在ならそれに「電力供給の安定性」とか「原発に重大事故が起きても避難地域にならない場所」とか加わりそうです。

候補地となった栃木・福島地域とは具体的にはどこかと言うと「栃木県の那須地域と福島県の阿武隈地域にまたがる地域」で、那須塩原市と白河市にかけてのイメージでしょうか。昨年その近くをクルマで走りましたが、山間地域で土地の利用度は低いように感じました。温泉地やスキー場が近く、リゾート地としては申し分ないのですが、新しく使える平坦な場所がどれほどあるのかなって気もします。

次点となった岐阜・愛知地区は、多治見市、土岐市から瀬戸市、豊田市にかけての場所と思われます。こちらは濃尾平野の一角とその周辺の山や高原地域が多く、なんとなく新首都のイメージが作れそうです。また本州の大動脈が交わる位置でもあり、東京や東海、関西、北陸地域へのアクセスもいいところで、リニアが通れば新首都駅ができ、東京まで1時間かからず行くことができそうです。昔1年だけ名古屋に住んでいたとき、どこにいくのにも便利な場所だなって思った記憶があります。

ただこのエリアは大都市名古屋に近く、別の目的のひとつである「地方の活性化」というにはあまり役立ちそうもなく、また東南海地震の震源地や、その他多くの活断層からも近いという懸念点が指摘されています。

その他にも、総合評価はそれほど高くはないものの、茨城地区の常陸那珂市周辺、三重地区の鈴鹿から四日市、畿央地区は京都・奈良・三重県の府県境などが候補に挙がっています。それぞれに一長一短あり、選定の基準の優先度が例えばコスト面とすれば、土地代が安く、国有地・公有地、または大企業の工場跡地などが多い地域ほど有利になったりします。

で、私感ですが、この候補地が発表された後、東日本大震災が起き、東北復興ということも合わせて考えれば、15年前に一番評価の高かった栃木・福島地区案が一番相応しいかなと思います。そうすれば、エリアは離れていますが、津波と原発事故で大きな打撃を受けた福島県民や東北の経済界のためになりそうです。

と、書いてきてなんですが、この首都機能移転計画は、おそらく今後ずっと絵に描いた餅のままで、実現することはないでしょう。

理由は、
1)霞ヶ関の官僚達が全員反対し、政治家は官僚を敵に回すと失脚することを知っている
2)首都移転よりその代案的な道州制の勢いが強まっている
3)財政悪化で巨大公共事業を始めることができない
4)ひとつの政権や党の長期政権・安定多数が長く続かない
5)やがて東京の人口減が始まり、移転の優先度が低くなる
などでしょうか。

特に1)が大きく、今の官僚には逆らえない自民党政権では絶対に不可能で、政権が改革派に変わったとしても、その基盤が安定するには何年、何十年もかかり、こうした官僚には嫌われ、しかも選挙で票にはつながらない大プロジェクトに関わっている余裕はないでしょう。

もし過去に首都機能移転ができたとしたら、比較的政権が安定していた中曽根首相か、小泉首相の頃だったでしょうけど、もう今は少しの失点でも与野党が入れ替わる可能性がある不安定な時代で、こうした長期的なプロジェクトを安定して推進できる器量をもった(逆の言い方をすれば独裁的な)強いリーダーは出てこないでしょう。

もし今後首都機能移転ができるとしたら、、、

それは首都直下型地震が起きて、東京が壊滅状態になったときです。その時には当然ながら東京では住民の生活と経済活動の復興が急がれ、国や政府機関は一時周辺地域へ移されるでしょう。そして間近で地獄を見た東京に戻るなら、もっと安全で快適な場所へ移ろうという官僚や政治家の機運が高まる可能性があります。


【関連図書】
     

首都崩壊 高嶋 哲夫
日本史の謎は「地形」で解ける 竹村 公太郎
世界の首都移転―遷都で読み解く国家戦略 山口 広文
道州制で日本はこう変わる ~都道府県がなくなる日~ 田村 秀


【関連リンク】
816 2050年に向けてのグランドデザイン
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
715 人口減少と鉄道路線廃止
711 地方が限界集落化していく
617 人口減少と年金受給者増加
583 人口が減るのもいいんじゃない
489 生産年齢人口の推移とは
425 棄民政策は日本の伝統か
345 労働力人口から見る日本経済の今後とは





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