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村上海賊の娘 (新潮文庫)(1)(2)(3)(4) 和田竜

2013年に単行本が、2016年に文庫が発刊された、長編時代小説です。

好きな作家さんで、他のすべての長編小説「小太郎の左腕」、「忍びの国」、「のぼうの城」を過去に読んでいます。

織田信長や豊臣秀吉、毛利元就など戦国時代の英雄を語るときに、必ずと言っていいほど脇役として出てくる瀬戸内海に出没していた一大勢力の村上海賊が主人公です。

織田信長が天下統一に向けて着々と地盤を固めつつある頃、比叡山を焼き払い神仏を破壊する信長に反旗を翻す大坂(石山)本願寺との戦争において、村上海賊が大きく関わってきます。

信長と大坂本願寺の戦を静観していた中国地方の大名毛利家に、大坂本願寺が信長包囲網の中で唯一残されている海路で食糧の救援を依頼しますが、毛利家としては、いずれ衝突することが見えている信長の敵に救援物資を送り、北の上杉謙信とともに信長包囲網を築くのがいいのか、それとも強大な信長の意向に従って静観するべきか迷います。

そんな中、食糧を海路で運ぶことになれば絶大な海上勢力を持つ村上海賊の全面的な支援と協力が必要ということで、三家に分かれている村上海賊の内、因島村上家と来島村上家の二家はすでに毛利家の家臣団に組み込まれ問題ないものの、もっとも強大な能島村上氏は、過去に毛利水軍に攻められたこともあり、簡単に毛利家には従ってくれません。

その能島村上家の長女(姫)が主人公ですが、姫が海上で偶然助けた一向宗の農民達が乗る船で、農民達の願いを聞き入れ、単独で農民衆を率いて大坂へ向かい、そこで信長軍と大坂本願寺の戦に巻き込まれていきます。

面白いのは、その長女が、彫りの深い西洋人ぽい顔立ちだったので、当時の一般的な価値判断で言えば醜女と言われていたのが、すでに西洋人が多く出入りしていた堺などがある泉州地域に行くと、見目麗しいと評されること。

そして様々な思惑が交差しながらも、大坂石山寺へ食糧を海上輸送することになり、いよいよ毛利側の村上海賊と織田信長側の泉州海賊が河内の海で激突します。

大型の安宅船と中型の関船、小型の小早が入り交じり、村上海賊の新兵器焙烙玉など戦国時代の海戦の話しが長々と続きます。ちょっとその辺はかったるいかも。

それはともかく、信長や顕如、小早川隆景はもちろんのこと、和歌山の雑賀衆鉄砲隊で有名な鈴木孫一など実在人物も数多く登場し、今まで余り語られてこなかった戦国史の一ページが展開されなかなかスペクタクル満載です。

こういう内容は文字で読むよりは見た方がずっと派手で迫力があるでしょうから、そのうち映画化されるかもしれませんね。

★★☆

著者別読書感想(和田竜)

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京都ぎらい (朝日新書) 井上章一

元々は建築史など学術の人ですが、それ以外の著作物も多い著者さんで、私と同年代と言うこともあり、書いてあることに、いちいちごもっとも~と思う点がいくつもありました。

ただ私はそこまでしつこい粘着質ではないなーと、学者先生との違いを実感するのでした。

この新書は2015年に発刊されたもので、タイトル通り、京都市出身の著者がなぜ京都を嫌いになったのかということが、延々と綴られています。

京都と言ってもそこは歴史のある街なので、今でも洛中(中心部)と洛外(それ以外)の地域差はあり、洛中で生まれ育った人にとっては、同じ京都市内であっても洛外へ引っ越すなんて都落ちもいいところで、心情的に許されないことです。

親子3代に渡って江戸に住んで江戸っ子と言いますが、京都の場合は千年の歴史があるだけにたった3代というわけではなく、もっとずっと古くからの慣習や変なプライドが残っていてやっかいです。

そこには当然洛中生まれというブランドが、それ以外の地域住民への差別が綿々と先祖代々引き継がれてきているわけですね。

でもそのあたりの事情や機微は京都の人でしかわからないことかも知れません。日本国中で言えばたった数十万人、たぶん全人口の0.2%ほどの洛中の人に皮肉を言われたからと言って、そんな大げさに反応する必要などなく、逆に馬鹿にして大笑いしていればいいだけのこと。

それにしても、こういう嫌みを言われた、皮肉っぽく言われたと繰り返し恨み節が出てきて、学者というのは面倒なことに極度の粘着質なのだなぁとつくづく思います。それぐらい粘ってひとつのことを追い求める精神力が学者として必要な能力なのでしょうけど。

★☆☆

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眼球綺譚 (角川文庫) 綾辻行人

1995年単行本、1999年と2009年に別々の出版社にて文庫化されたホラー短編集です。

収録されている作品は、「再生」「呼子池の怪魚」「特別料理」「バースデー・プレゼント」「鉄橋」「人形」「眼球綺譚」の七編です。

なかなか味わい深い短編が多く、忙しいさなかにさらっと読むのではなく、腰を据えて夜中でひとりジックリと味わいたいものです。暑い夏の夜でも背筋がゾワッとして涼めます。

著者の作品は、過去に「Another」「奇面館の殺人」「最後の記憶」「深泥丘奇談」の4作品を読んでいますが、いずれもたいへんわくわくドキドキで面白かった記憶が残っています。

短編の中の「人形」は、著述業の主人公が、同じく作家の嫁(著者夫婦と同じ設定)が仕事で海外へ行くと言うので、その間久しぶりに親に顔を見せに実家へ帰った時に起きた出来事で、実家の犬の散歩をしていたら、犬がどこからかのっぺらぼうの人形を咥えて戻ってきます。

翌日、鏡を見るといつも見慣れた黒子がなくなっていることに気がつき、はたと気づいて人形を見るとそちらに黒子ができている。

そして次は指紋が、耳が、口が、、、と、、、思っただけで背筋がゾクゾクします。

短編集のタイトルにもなっている「眼球綺譚」は、目をくりぬかれた殺人事件と、古くからあって今は廃墟となっている洋館と、シュチュエーション自体が気持ち悪さ全開の短編ですが、この著者には珍しく?ちょっとエロティックなシーンもも登場します。

★★☆

著者別読書感想(綾辻行人)

【関連リンク】
 8月前半の読書 ドグラ・マグラ、11 eleven、「子供を殺してください」という親たち
 7月後半の読書 蛇行する月、みっともない老い方、天空の蜂、夏美のホタル
 7月前半の読書 シャンタラム、老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路、昨夜のカレー、明日のパン

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