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1709
証明写真個人的に今年は、普通自動車免許と小型船舶操縦免許の更新をしなければならない年です。

そこで、その両方の準備のため、申請に必要な証明写真を撮っておこうと思ってサイズを調べたところ、自動車免許証はタテ3cm×ヨコ2.4cm、小型船舶はタテ4.5cm×ヨコ3.5cmと大きく違っているので、うまく2種類のサイズが同時に撮れる証明写真機ってあるのかな?と調べてもドンピシャ2種類にマッチする組み合わせはありません。
※自動車免許の写真は自分で撮って持参するところと更新場所で撮影するところがあります

そう言えば、以前、マイナンバーカードを申請するときには、小型船舶と同じタテ4.5cm×ヨコ3.5cmで、その時の写真がまだ残っているなぁと思い出しましたが、数年前に撮影したのでそれは使えません(半年以内に撮影したものと指定がある)。

20年ほど前にリストラで退職し、雇用保険を申請するときには、タテ3cm×ヨコ2.5cmの写真が必要で、同時に必要となる再就職活動のための履歴書に貼る写真のサイズはタテ4cm×ヨコ3cmで、上記の免許証二つとも違っています。

さらにもっと以前、25年ほど前にパスポートの申請をしたときは、小型船舶やマイナンバーカード申請と同じタテ4.5cm×ヨコ3.5cmでしたが、1992年以前にパスポートを取得したときには、サイズは忘れましたがもっと大きな写真が必要でした。

それ以外にも、入社した会社の社員証(入館証兼用)のIDカードに使う写真が必要でしたが、その時のサイズは忘れました。

いったいこの証明写真というのはなぜこれほどサイズに統一性がなくバラバラなのでしょうか?それによって誰に利益やメリットがあるのでしょうか?

昭和の時代ならば、提出した写真をそのままサイズの違う証明書(証)に貼り付けて割り印を押したものが使われていたため、例えばパスポート用の写真は大きく、自動車免許証用は小さいとサイズが違うのも理解できました。

しかし、現在の証明書(証)のほとんどは、写真をそのまま貼るのではなく、偽造防止のためスキャンして読み取った画像を多少縮小など加工して証明書(証)などに印刷したものが使われます。

つまり、それらは証明写真のサイズにこだわる必要性はないのです。

現在、使われている主な証明写真が必要な書類に添付するサイズ表を作っておきます。

タテ3cm × ヨコ2.4cm   タテ4.5cm × ヨコ3.5cm
自動車運転免許証(普通・中型) マイナンバーカード
実用英語技能検定(受験) 船舶免許証
アマチュア無線技士免許(申請) パスポート
電気通信主任技術者(受験) 司法試験(受験)
ボイラー技士免許(申請) 気象予報士免許(受験)
衛生管理者免許(申請) 宅地建物取引士資格試験
雇用保険受給(申請) 国外運転免許(申請)
ガス溶接作業主任者 総合旅行業務取扱管理者試験 
工事担当者 社会保険労務士(受験)
インテリアコーディネーター 電気主任技術者(受験)
測量士・測量士補(受験)
タテ3cm × ヨコ2.5cm 一級建築士
雇用保険受給(申請) 二級建築士
木造建築士
タテ3cm × ヨコ3cm 土木施行管理技士
秘書技能検定(1級、準1級)  管工事施工管理技士
建築物環境衛生管理技術者
タテ4cm × ヨコ3cm 珠算能力検定受検(1級)
履歴書(標準的なもの)  技術士・技術士補試験
情報処理技術者免許(受験) 中小企業診断士(受験)
身体障害者(申請) 税理士(受験)
電気工事士免状交付 弁理士(受験)
在留カード交付(申請) 危険物取扱者試験・免状
国家公務員試験 1 種・2 種・3 種  公害防止管理者
大学センター試験 車両系建設機械運転技能者
宅地建物取引業(申請) (東京都) 水路測量技術検定試験
防火管理者受講(申請) (場所による) 消防設備士試験・免状
職業訓練指導員 理容師・美容師国家試験(受験) 
日本語教育能力検定 不動産鑑定士試験(受験)
漢字検定 インテリアプランナー(受験)
行政書士 カラーコーディネーター検定
1 級・2 級建築経理士 通訳案内士
3 級・4 級建設業務経理士 ファイナンシャルプランナー
ソムリエ (本人確認用) taspo申込
TOEIC
インテリアプランナー (登録申請) タテ5cm × ヨコ5cm
計量士 司法書士(受験) 
東京都立高校入学願書用 土地家屋調査士(受験)
タテ6cm × ヨコ4cm
医師国家試験
看護師試験
管理栄養士試験
歯科衛生士試験
薬剤師試験
理学療法士試験
タテ6cm × ヨコ4.5cm
自動車整備士技能検定 

なんと8種類ものサイズがあります。アホちゃうか。中には受検時の証明写真と登録申請時に提出する写真とでサイズが違うものまであります。

ざっくり見ると、役所ごとにサイズが違う傾向があり、昭和からまだ続いている縦割り行政の弊害とも言えます。資格など公益法人が主体となるものも、その法人を管轄する役所ごとに違うという影響があります。

例えば、タテ3cm×ヨコ2.4cmサイズは厚労省の旧労働省管轄の資格、タテ4.5cm×ヨコ3.5cmサイズは国交省管轄、タテ4cm×ヨコ3cmサイズは文科省管轄、タテ6cm×ヨコ4cmサイズは厚労省の旧厚生省管轄など。

こうしたところも、(意味のない)認め印が押されてないと、どんな申請も役所で受け付けてもらえなかった手続きと同じで、以前からそうだったというだけで、思考停止に陥り、非効率、非生産的で面倒な証明写真の不統一なサイズではないでしょうか。

もっと言えば、証明写真を用意するのは一般庶民で、用意させるのはお上やお上の関連団体だったりするので、お上には逆らえないという江戸時代から続く官尊民卑の一環で、お上が決めたことをなにも考えずにただ民は守っていれば良いという上意下達の習慣が残っているのでしょう。

上記のようにスキャンした写真を使うのであれば大きさは関係ないですし、直接貼り付けている受験票なども事務処理を機械化(IT化)すれば、仰々しく写真を貼り付けた受験票を机の上に置くのではなく、試験官がタブレットに入れた受験者の画像を見て替え玉受験をチェックするなど、対応はいくらでもありそうです。

それができないのは、役所で手続きをするときに意味のない認め印を必要としていたのと同様、過去からの慣例を踏襲するしか能がない無能な事務担当者と、それには気づかず、気がついていても面倒なので放置しているその無能な上司の事情でしょう。

政治家主導で役所の申請から、認め印が不要になったのと同様に、証明写真のサイズも、管轄省庁ごとにサイズが分かれていたり、受験用と証明書用でサイズが違ったりするのを統一してもらいたいものです。

こうした写真付きの証明書(証)は公的機関や公的法人が発行するものが多いので、民間主導ではなく、政治主導で行政を動かし、まず公的な申請に要する証明写真から統一していく必要があるでしょう。

証明写真を統一したひとつのサイズにすることぐらい、やる気のある政治のリーダーが役人に指示すれば明日からでもできそうです。

【関連リンク】
742 それでも日本の解雇規制は緩すぎる
694 履歴書の中の嘘はすぐバレる
623 古い写真を整理してみてわかったこと


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1708
新聞の発行部数の低下が止まりません。新聞の発行部数がピークだった1987年の5377万部から、昨年2022年は3085万部へ57%まで下がってきました。

そのピークだった1987年と言うと、昭和62年、国内では国鉄が民営化され、ノーベル生理学・医学賞に利根川進氏が受賞、西武ライオンズが2年連続で日本一に輝き、レコード大賞は近藤真彦の「愚か者」でした。海外では中国で天安門事件が起き、大韓航空機の爆破事件が起きました。

2000年から2022年までの新聞発行部数と1世帯あたりの部数は下記の通りです。データ出典は「一般社団法人日本新聞協会」です。

合計 前年比 一般紙  スポーツ紙  1世帯あたり
部数
 2000年   53,708,831  47,401,669 6,307,162 1.13
2001年 53,680,753 -28,078 47,559,052 6,121,701 1.12
2002年 53,198,444 -482,309 47,390,027 5,808,417 1.09
2003年 52,874,959 -323,485 47,282,645 5,592,314 1.07
2004年 53,021,564 146,605 47,469,987 5,551,577 1.06
2005年 52,568,032 -453,532 47,189,832 5,378,200 1.04
2006年 52,310,478 -257,554 47,056,527 5,253,951 1.02
2007年 52,028,671 -281,807 46,963,136 5,065,535 1.01
2008年 51,491,409 -537,262 46,563,681 4,927,728 0.98
2009年 50,352,831  -1,138,578 45,659,885 4,692,946 0.95
2010年 49,321,840 -1,030,991 44,906,720 4,415,120 0.92
2011年 48,345,304 -976,536 44,091,335 4,253,969 0.90
2012年 47,777,913 -567,391 43,723,161 4,054,752 0.88
2013年 46,999,468 -778,445 43,126,352 3,873,116 0.86
2014年 45,362,672 -1,636,796 41,687,125 3,675,547 0.83
2015年 44,246,688 -1,115,984 40,691,869 3,554,819 0.80
2016年 43,276,147 -970,541 39,821,106 3,455,041 0.78
2017年 42,128,189 -1,147,958 38,763,641 3,364,548 0.75
2018年 39,901,576 -2,226,613 36,823,021 3,078,555 0.70
2019年 37,811,248 -2,090,328 34,877,964 2,933,284 0.66
2020年 35,091,944 -2,719,304 32,454,796 2,637,148 0.61
2021年 33,027,135 -2,064,809 30,657,153 2,369,982 0.57
2022年 30,846,631 -2,180,504 28,694,915 2,151,716 0.53

新聞発行部数推移

私は現役時代は日経新聞と一般紙の2紙を購読していましたが、途中から1紙に減らし、リタイアしてからもその1紙の購読を続けています。

しかし、ニュースは速報性のあるテレビやネットで見られるのと、以前なら仕事に関係ありそうな記事や、コミュニケーションに必要な基礎知識を得るために熱心に新聞を読んでいたのに対し、今はサラッと上滑りして読むぐらいになっていて、さらに家族も読んでいるようには思えないので、果たして高いコスト(月4,400円)かけて購読を続ける価値があるのかどうか最近疑問に思っています。

また、新聞とはなんの関係もありませんが、全国の書店数も年々減少を続けています。

書店数推移グラフ

2000年には21,500店あった書店は、2020年には11,000店と20年で約半分まで減少してしまいました。

私が現役時代には、都市部で外勤の仕事が長かったので、ちょっとした息抜きや、雨の日の避難先として大型書店は大活躍していました。およそ2日に1度は書店に立ち寄っていたかも知れません。もちろん立ち読みだけでなく、小説や雑誌なども購入していました。

思えば、新聞と書店には共通点があり、それは情報の俯瞰ができることです。

新聞は言うまでもなく、アナログな文字や図、写真で構成されていて、広い紙面に様々な情報がギュッと詰め込まれています。その中から、詳しく知りたいことや知っておくべきことをすぐに読んで知識としてためておくことができます。

その新聞には自分の興味とは直接関係がない情報もあふれていますが、俯瞰することでそれらも自然と目に入ってきます。それは自分とは違う意見の人の話しを聞くのと同じで、決して心地よさはないですが、知識を深め、その延長線で人間としての幅を拡げるのには有効だと思います。

ネットニュースでは、速報性と話題性がある情報だけが一覧で出てきますが、詳しく読むためには何度かクリックをして自ら求めて探し出して読みます。特にスマホの画面は小さいので、表示できる文字数や情報量がかなり制限されるので、俯瞰して見るというのは大きな新聞紙だからこそできることです。

書店でも大型書店の場合、新聞と同様、広い店内で様々なジャンルの書籍や雑誌、週刊誌、専門書などが、中には平積みで積み上げられていたりして、さらに手書きのPOPやポスターが飾られていて、それらを大きく俯瞰することで、今はなにが流行っているのか?なにが話題になっているのか?知っておくべきことは?などを俯瞰して得ることができます。

私が書店へ行く時は、なにか目的の書籍を買うために行くのではなく、そこでたまたま見つけた面白そうな小説や、店員さんのお勧め(手書きPOPにその魅力が書かれている)の書籍、興味もった雑誌などをパラパラとみて買うための場合がほとんどです。

世の中から、新聞と書店が消えていくことで、好き嫌いや興味のあるなしにかかわらず、幅広い様々な情報を俯瞰して眺めるという機会が減ってきます。

その結果、自分が見たいものだけを見て、知りたいことだけを知る、さらにSNSでは自分と趣味趣向や意見が合う人達とだけコミュニケーションをとることで、近視眼的、自己中心的な考え方がまん延し醸造されていきます。

それを憂うことは単に老人の繰り言なのでしょうか。

【関連リンク】
1532 書店の役割は変わっていけるのか?
1501 活字離れは事実か?
1434 新聞の発行部数推移など




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1707
長流の畔 流転の海 第八部(新潮文庫) 宮本輝
野の春 流転の海 第九部(新潮文庫) 宮本輝


最初にこの自伝的小説シリーズを買って読んだのは、「流転の海(シリーズ第1巻)」の文庫が発刊された直後の1994年7月でした。その時にはこれほどの長編になるとは知りませんでした。

それ以降、4~5年間隔(後半は2~3年間隔)で、続編が登場してきましたが、さすがに4年ほど経つと前のストーリーや登場人物を忘れてしまっていることが多く、何度かさらっとおさらいをしながら読み続けてきました。

著者の父親と母親を主人公とした一代記で、終戦直後に大阪にやってきた愛媛出身の男が、まだ焼け跡と闇市が広がる中で大望をいだき、商売を一から始めます。そしてその男が50歳になったときに子供が生まれ、それが著者の分身としてその後ずっと登場します。

自伝的な小説は、長いものも短いものも様々ありますが、ほとんどが1冊で終わるものが多いようです。

長編の大河ドラマ的な小説では、五木寛之著の「青春の門」(1970年~)や、伊集院静著「海峡」(1991年~)、白川道著「病葉流れて」(1998年~)「新・病葉流れて」、花村萬月著「百万遍」(2003年~)の各シリーズも面白く読みました。

そうした自伝小説の場合は、たいていは自分が語り手や主人公となりますが、この「流転の海」では上記に書いたように、両親が主役で、著者自身は脇役に甘んじています。

自分が主人公でないだけに、より客観的に両親の人生を描くことができ、深みを感じます。

さて、この八部と九部では、主人公(両親)の晩年が描かれていて、特に最終巻の残りページが少なくなっていくにつれ、想像はつきますが、最後はどういう結末になるのだろうか、無事では終わらないだろうな、、、と、涙腺が緩んできます。

著者もこの長編小説で、最後まで書けるのか?という葛藤があったそうですが、この小説の主人公(著者の父親がモデル)の最期と同じ年齢の70歳を過ぎても意気軒昂で、さらに凄みを増した筆力で、一読者としては感動の内にこの30年近くかかった小説を懐かしく振り返りつつ無事読み終えることができました。

★★★

流転の海シリーズ一覧 ( )は単行本発刊年
1「流転の海」(1984年)
2「地の星 (流転の海 第二部)」(1992年)
3「血脈の火(流転の海 第三部)」(1996年)
4「天の夜曲(流転の海 第四部)」(2002年)
5「花の回廊(流転の海 第五部)」(2007年)
6「慈雨の音(流転の海 第六部)」(2011年)
7「満月の道(流転の海 第七部)」(2014年)
8「長流の畔(流転の海 第八部)」(2016年)
9「野の春(流転の海 第九部)」(2018年)

著者別読書感想(宮本輝)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

新老人の思想(幻冬舎新書) 五木寛之

日刊ゲンダイに連載していたエッセイの中から高齢化と死生観についてのテーマでまとめた新書で、2013年に発刊されました。執筆当時、著者は81歳で、ちょうど日本人男性の平均寿命と同じでした。出版時から10年が経ち2023年現在90歳の著者はご健在です。

タイトルの「新老人」とは、20歳ぐらいまでの若者を第1階級、生産年齢を第2階級、そしてそれ以降の高齢者は第3階級と分けて、その第3階級の人達の多く、一般市井の老人を新老人としています。

その新老人が国民の3~4割を占めるようになっていくこれからの日本の数十年は、世界でも大いに注目される実験場となっています。

というのは、マスメディアでよく出てくる高齢者は、「百歳過ぎてもこんなに元気!」「90歳で現役で仕事」など、特殊な極めて珍しいケースばかりを登場させることに著者自身違和感を感じています。

実態は100歳を超える高齢者のうちおよそ8割は認知症に罹っていたり、寝たきりの状態だったりするので、そうした標準的な高齢者の実態は滅多に報道されることはありません。

なので、新老人は自然に委ねて年齢に応じた生き方、死に方をしたほうが良いという提案です。

また、年金や医療費補助など社会保障の制度が、若者が高齢者を支えるという昭和の考え方から早く脱し、各階級ごとに支え合う仕組みを作らなければ持ちこたえられないのは自明の理で、そのためにも新老人達は子供や孫世代に頼るのではなく、自分で自分の健康、生活、生死を選択しなければならないと主張します。

著者自身当時81歳で、すでに裕福な上に、まだ小説を書き、エッセイを書き、各地の講演会に出掛けるなど、かなり活発な活動をされていて、一般的な年金だけで暮らしている81歳とは異なるような気がしますが、それはともかく、もう年金に頼った老後というのは期待できないという話しはかなり真実味があります。

お金のある老人は、なにをしてもいいけれど、そうでなければ、若い人に迷惑や負担をかけないよう、健康に気をつけて質素につつましく老人らしく暮らしていくことを勧められているようです。

お金もないのに、暴走老人と呼ばれる横柄で暴力的な高齢者が増えてきている事への反感かも知れません。

★★★

著者別読書感想(五木寛之)

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三日間の幸福(メディアワークス文庫) 三秋縋

著者の作品はこれが最初です。難しい読み方ですが「みあき すがる」と読みます。当初は2ちゃんねるに書いていた作品を元にした小説で作家デビューをして、今回の作品も同様だとあとで知りました。

携帯小説とかライトノベルだなぁって思って読み始めましたが、中身はその通りの漫画やアニメファンに向きそうなファンタジー小説となっています。

主人公は20歳の大学生ですが、生きる気力もなくなり、よく行く古書店のオヤジやCDショップの店員に勧められて、残りの寿命を買い取ってくれるところがあるということを知り、話しを聞くつもりでフラフラと立ち寄り、結果的に残り30年の寿命を1年1万円、計30万円で買い取ってもらうことになり、3ヶ月後に死ぬ選択をします。

そうした設定自体が漫画の世界ですが、例えば身体はまだ動くけど突然末期の癌などで余命があと数ヶ月と宣告されたと考えると、その時、人はどういう考えをして行動をするかという想像が楽しめます。

しかも、この主人公の元には、逃げ出したり、捨て鉢になって他人に迷惑をかけないよう、他人からは見えない幽霊のような存在の監視員(若い女性)がついて回ります。このあたりも、男性が描く理想の恋愛対象が都合良く目の前に現れて絡んでくる漫画の世界です。

漫画の世界と言っても、最近はメジャーの大谷選手がよく「漫画のような活躍ぶり」と言われるように、リアリティと、ハチャメチャなフィクションの境が曖昧になってきていることからもわかるように、幼稚とか意味不明とか不満があるわけではなく、それなりに楽しく読めました。しかし酸いも甘いもたっぷりと経験してきた還暦過ぎのオッサン(私)が読むのはキツイかも。

タイトルの「三日間の幸福」とは、最後になってその意味がわかる仕組みで、ちょっと意外な結末で、これはよく考えられていました。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

あたらしい家族(集英社文庫) 佐川光晴

2005年に「家族芝居」として単行本が出版された後、2015年に改題し文庫化された小説です。一見すると最初にプロローグがあり、長編小説のような構成に見えますが、実質的には連作短篇集です。

それぞれの短編は「プロローグ」「子どものしあわせ」「弔いのあと」「婆さんたちの閑話」「お嫁さんがやってくる」「エピローグ」となっています。

主人公は、医師を目指して浪人中の身で、実家の北海道を離れ、東京にいる叔父が運営している高齢者グループホーム?のアパートに下宿してきます。

この叔父が変わっていて、北大在学中に劇団に入り、そこの先輩女子とともに役者に専念するため大学をやめますが、芽が出ず、また結婚して子どもが生まれますが、離婚し、叔父は東京へ出てきてプロダクションに属して役者を続けます。

その叔父が下宿していたアパートには以前は学生が住んでいましたが、今は身寄りがなかったりワケありの高齢女性ばかりが住んでいて、元の家主が亡くなる前に、その叔父に後を託されNPO法人を作って高齢女性たちに住まいを提供しています。

さらに、父親が逃げた暴力団関係者の日本人、母親は麻薬中毒で刑務所に収監中という幼い子ども二人もそのアパートで受け入れることになります。

高齢者が多いので、やがては順に亡くなっていくことになるのは自明の理ですが、現代の高齢化社会の問題点を突きながらもコミカルな軽めの構成となっています。

タイトルから、きっとこうなるんだろうなぁという思いは裏切られることなく、若者と高齢者がそれぞれできることをやり、明るくまるで家族のような共同生活をしていくという、少し救われる気がする、もうすぐそこまで来ている近未来です。

★★☆

【関連リンク】
 3月前半の読書 大いなる遺産、人生にはやらなくていいことがある、闇の底、空中庭園
 2月後半の読書 未来を見る力、カタストロフ・マニア、慈雨、ブルーアウト
 2月前半の読書 幽界森娘異聞、保険ぎらい、ホテル・ニューハンプシャー、A2Z


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1706
ウォーキング何度か書いていますが、2016年に人工股関節置換手術をおこないそのリハビリのために始めたウォーキングは、ビジネスから身を引いてからも日課として毎日テクテク歩いています。

そのウォーキングですが、当初から1日6千歩を基本としていて、2017年から歩数計アプリでカウントしてデータを管理しています。

この6千歩は、手術直後に杖をついてゆっくり歩くと、およそ1時間歩くことで達成できる歩数でした。60分で6000歩ですから、時速にするとおよそ3.5km/hぐらいです。

数ヶ月後に杖もなくサクサクと歩けるようになってからは、大股で6000歩はおよそ45分ぐらいで歩けるようになりましたが、時間ではなく、6千歩を歩くことを自分に課していました。

用事があってウォーキングできないときや、午前中に雨が降り続くときは中止しますので、その代わりに歩ける時は6000歩以上歩くことも珍しくありません。つまり「1ヶ月間トータルで1日平均6000歩以上歩く」というのを目標としています。

私が独自に決めたその6千歩ルールの根拠は特になかったのですが、後付けながら根拠となりそうな記事を先日見つけました。

長寿効果、1日5000~7000歩で十分?歩数と死亡リスクの関連分析―早大など(2023年02月20日 時事通信)
歩くことで得られる長寿効果は、高齢者では1日5000~7000歩で頭打ちになるとの調査結果を、早稲田大の渡辺大輝助教らの研究チームが20日までにまとめた。1日1時間程度の歩行に該当するが、これが最適な長さという。

つまり、4年間の追跡調査で、「1日4000歩以下では早死にする可能性が高くなり、6000歩だと比較的長く健康でいられるが、7000歩以上歩いても6000歩以上の効果はあまりない」ということです。なにか面白い調査です。

また、
心身機能が衰える「フレイル」が見られる場合、5000歩未満では歩数と死亡リスクの関連はほとんど見られなかった。5000歩を超えるとリスクが大きく減る上、7000歩を超えても歩いた分だけ減少した。

このフレイルという言葉は初めて知りましたが、医学用語で「frailty(フレイルティー:虚弱)」のことで、病気ではないけど老化で筋力や心身の活力が弱まり、まもなく介護が必要となりそうな状態(健康と要介護の中間)を指します。

老化で心身が弱っていても1日5000歩以上歩くと死亡のリスクが大きく低減するというのは、ウォーキングをしている高齢者にとっては励みになるレポートです。

厚労省のデータでは2019年の健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38歳となっています。65歳の平均寿命(65+平均余命)は男性が84.8歳、女性が89.6歳ですから、要介護状態で過ごさざるを得ないのはおよそ男性が12年間、女性が14年間ということになります。

少しでも健康寿命を延ばし、要介護状態を短くするためにも、6千歩のウォーキングが効果的だということが、今まではなんの根拠もなかった歩数でしたが、科学的なデータで実証されたことで、現在日々続けているウォーキングにもより一層やる気が出てきました。

【関連リンク】
1668 私の健康習慣 その2(ウォーキングとストレッチ)
1621 歩数計データ5年間の中間決算
1132 歩数計とともに




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1705
BMWミニ昨年2022年1年間の輸入車統計が出ていましたので、10年前と比べるとどう変わったのか?というのを調べてみました。以前、車種別(車名別)でのランキングを調べたことがありましたが、今回はメーカー別です。

また、あまり見たことがない、輸入車の国別(製造場所ではなく企業ごとの国別)比率も調べてみました。

2020年以降は、コロナ禍や、世界的な半導体不足、さらにはロシアのウクライナ侵攻によってサプライチェーンにも異変が生じていることも輸入車に影響しているかもと興味を持っていました。

まずは、昨年2022年と、10年前の2012年の1年間のメーカー別輸入車台数ベスト30の一覧です。

2022年と2012年、メーカー別輸入車台数ベスト30
2022年   2012年
1 Mercedes-Benz  52,359 VW  56,188
2 VW 32,226 Nissan 42,410
3 BMW 30,887 Mercedes-Benz 41,901
4 Nissan 26,901 BMW 41,102
5 Audi 20,750 Audi 24,163
6 BMW MINI 19,208 BMW MINI 16,212
7 Volvo 16,166 Volvo 13,878
8 Jeep 9,478 Mitsubishi 12,764
9 Renault 8,615 Fiat 5,667
10 Peugeot 8,552 Peugeot 5,649
11 Porsche 7,193 Jeep 4,977
12 Fiat 5,758 Porsche 4,661
13 Citroen 4,878 Toyota 4,660
14 Land Rover 4,487 Alfa Romeo 4,452
15 Mazda 3,778 Citroen 3,795
16 ABARTH 2,646 Ford 3,543
17 Mitsubishi 2,606 Renault 3,108
18 Honda 2,139 Land Rover 1,771
19 Alfa Romeo 1,627 smart 1,401
20 Ferrari 1,424 Chevrolet 1,150
21 Maserati 1,240 Suzuki 1,028
22 Suzuki 1,173 Jaguar 1,014
23 Jaguar 1,015 Dodge 930
24 Cadillac 829 Chrysler 777
25 DS 790 Cadillac 735
26 Chevrolet 705 Ferrari 517
27 Toyota 692 Maserati 311
28 Bentley 651 Lotus 262
29 Lamborghini 571 Bentley 216
30 Hyundai 518 Honda 185
データ出典:JAIA 日本自動車輸入組合

日本への輸入車(メーカー別)と言えば統計データがある30年以上前からフォルクスワーゲン(VW)が常に圧倒していましたが、2015年に初めてメルセデスベンツがVWを抜き、その後はずっと首位をキープし続けています。

高級車が多く1台当たりの単価が高いメルセデスベンツですが、一番良く売れているというのは意外です。というか、低価格の小型車が多い他のメーカーのマーケティング戦略が弱すぎるのかも知れません。

メルセデスベンツは10年前との比較では10,458台増やし(2割増)、一方、VWは10年前から23,962台減らして(4割減)います。

海外で生産して国内に輸入した日産のクルマは、10年前から15,509台(58%減)減らしていますが、これは海外生産分を減らし国内生産を増やしただけとも考えられるのであまり比較にはなりません。

メーカー別ではなく、車名別では2016年からトップを続けているBMWミニは、約3,000台増やし(15%増)ていますが、その親会社のBMWはメルセデスベンツとは対照的に10,215台も減らし(33%減)ています。

なかなか、各社それぞれ凸凹があり、一概にコロナ禍や半導体不足の理由付けは難しそうです。

  ◇   ◇   ◇

次に、日本国内に入ってくる輸入車(日本メーカー含む)の国別比率を2022年と2012年、比較できるように二つのグラフを作ってみました。車両の製造(組み立て)国ではなく、メーカー(企業)の本拠とする国別です。

国別輸入車台数比率(データ出典:JAIA 日本自動車輸入組合)
2022年
国別輸入車台数比率2022

2012年
国別輸入車台数比率2012

想像はしていましたが、10年前も現在もドイツ車が圧倒的な過半数を占めているのがよくわかります。しかしその比率が10年前と比較すると61.8%→58.5%と3.3%下がっています。

大きく変化があったのは、日本メーカーの輸入車が20.3%→13.2%と7.1%減、フランス車は4%増、英国車が1.3%増、イタリア車も1.3%増加、スウェーデン車が1.2%増加となっています。

そしてこの中でその他が0.7%→3.2%と大きく2.5%増えていますが、これはアメリカのメーカーテスラの影響があります。

テスラは販売(輸入)台数が未公表で、メーカー別には入ってこず、中韓のメーカーなどのクルマとともに「その他」として一緒にくくられています。

しかし判明した情報では、2014年の国内導入開始以来、2022年初め頃までの8年間の販売台数合計は約11,000台で、1年平均は1,375台という少なさです。

テスラは新たな廉価モデルが加わり、年々増加しているのはわかりますが、それでも年間数千台というところで、イタリア車全体が年間約1万台、その中で高価なフェラーリが年間1,500台ぐらいなので、それらと比べてもまだまだ少数派と言えそうです。

BYD ATTO3これからみてわかるのは、「日本メーカーは海外生産からの輸入から、国内生産へと舵を切っている?」「韓国や中国のクルマが今後増えていきそうな予感」「テスラは注目度が高くよく売れていそうだけど、実は極めて少数」といったところでしょうか。

特にEVに関して言えば、日本車は完全に出遅れていて、欧米の完成度の高いEVはもちろん、中国など新興国のEVも安さと今の保守的な日本車と違い、1980年代の日本車のような勢いとユニークな仕様を武器に今後充実してきそうです。

中華製EVはコスパ最強だった!! 乗って分かったATTO3の魅力大暴露(ベストカーweb)
販売開始が目前に迫った中国BYD製EV「ATTO3」。一回の充電で485kmを走るという性能と充実の装備、そしてコストパフォーマンスの高さが注目を集めている。自動車のEV化がいまだ緩やかな日本に一石を投じる存在となり得るのか?

輸入車ランキングでは現在「その他」に含まれている中国製や韓国製の車が、数年後には堂々上位に上がってきてもなんら不思議ではないばかりか、おそらく10数年後にはそうなっている気がします。

【関連リンク】
1645 BMWミニの勢いとVWゴルフの落日
1524 2020年自動車(メーカー別、ブランド別、輸入車)販売台数
1197 2017年の乗用車販売台数に思うこと


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