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証言拒否 リンカーン弁護士(講談社文庫)(上)(下) マイクル・コナリー

刑事弁護士 "ミッキー・ハラー" シリーズ」の第四作目です。コナリーと言えば「ハリー・ボッシュシリーズ」ですが、精力的な作家さんで、このハラーシリーズの他、新聞記者ジャック・マカヴォイや、刑事レネイ・バラードなどを主役とした作品もあり、多岐にわたっています。

またそれぞれのシリーズの中に、別のシリーズの主役や脇役までがチラッと登場したりしますので、なかなか油断できません。

このミッキー・ハラーシリーズにもハリー・ボッシュが出てきますが、実は二人は異母兄弟だったというのが途中の作品で明らかになります。

それはともかく、このシリーズも4作目となり、当然ながら裁判シーンが多く、ちょっと飽きてきたかなと思います。

刑事だと、犯罪者との派手な対決シーンなど要素がいくらでも作れますが、その点、弁護士や検事が主役となると場外乱闘は添え物で、メインディッシュは法廷と言うことになってしまいます。

今回は、住宅ローン返済が滞り、自宅を差し押さえされそうになった女性が銀行相手に抗議活動を展開しますが、その銀行の融資担当者が何者かに殺されてしまい、その女性が容疑者として逮捕され、その女性の弁護士としてハラーが活躍奮闘するというもの。

何度も危機に陥りますが、最後は予定調和で裁判に勝利しますが、それだけでは終わらず、、、ミステリー要素が含まれているので、明かすわけには行きません。

ボッシュシリーズは、続く限り読みたいと思いますが、こちらのシリーズはもういいかなと思った第4作目でした。

★★☆

著者別読書感想(マイクル・コナリー)

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コンビニ人間 (文春文庫) 村田沙耶香

2016年の芥川賞受賞作です。自身のコンビニでのアルバイト経験を生かした長編小説で、主人公も(おそらく)自我を一部投影したような女性です。

自分で考えて行動することができなくなった主人公が、マニュアル通りに毎日同じことを繰り返すことを求められるコンビニ店員の仕事を天職とばかりに日々淡々と生活していきますが、あるとき、バイトに来ていた社会に適応できそうもない自己中に凝り固まった変人に救いを求めて飛び出してしまいます。

どうも意味不明で、小説とは言え、このようにぶっ飛んだ話しにはどうも共感もリアリティも感じられません。

脱力系というか、よくわからない心理描写ですが、それは私自身が、40年間口八丁で無から有を生じさせる働き蜂だったからかも知れません。

知らない異次元な世界を垣間見せてもらったというぐらいしか、感想はないかな、、、

★☆☆

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官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪 牧野洋

2012年ということで9年前に発刊された単行本(ソフトカバー)です。タイトルからわかるとおり、官僚制度と報道が癒着している現状を憂う日本のジャーナリズムの問題を指摘するものです。

政財界含め、仲間のジャーナリスト達も敵に回す可能性があるだけに覚悟のいる出版で、そうした立派な行動は大いに評価しまた尊敬に値するものです。

著者は日本経済新聞社及びその関連に24年間勤務をしていて、その巨大新聞社の裏も表も知った上での提言ですが、よく長期間その立場にいながら、それに染まらずにいれたなぁというのが驚きでもあります。

というのも、2~3年その業界にいただけで、まるでその業界のオーソリティとでも言わんばかりにその業界のことをあれこれ書くような人も多い中、どっぷりと浸かっての告発とまでは言えないまでも、今のやり方じゃやがてダメになるということを断言されています。

ただ残念ながら鼻につくのが、「自分は、日本人はほとんどいないアメリカの難関コロンビア大学大学院のジャーナリズムスクール卒業生だ!」という優越感にしたる自慢話が1冊の中に10回ぐらい出てきたり、アメリカの次々とリストラされる新聞社が凄く優れているという話し。

世界の中で発行部数が軒並み上位を占める日本の新聞社の報道姿勢はダメで、次々つぶれたり買収されたり、大規模に記者がリストラされるアメリカの新聞社が優秀というのは、それってあまりにもジャーナリストの勝手よがり過ぎないか?って気もします。

著者はアメリカ流の調査報道に力点を置くべきと何度も何度も繰り返しますが、それがジャーナリストの理想とは言え、それで飯が食えないのなら、そのやり方は、経済性から言えば間違っているとも言えます。

じゃぁ損得無視で、あくまで金食い虫の調査報道に力を入れるのが正しいと言うなら、国営にするか?ということになってしまいますが、それでは調査報道からもっとも遠い共産国家の国営新聞になってしまいます。

普遍のこととして、新聞社や雑誌社では、営業と編集のあいだでもめるということがあります。うまくそのバランスを考えずに報道姿勢だけ理想を追求するというのは、それこそ、理想郷、お花畑の中の話しです。

本著にも出てきますが、最近の政治や公務員のスクープ報道は、新聞ではなく文春や新潮など雑誌からのものが目立ちます。

これは新聞記者が政府高官や官僚のリークや発表だけを記事にしていて、また記者クラブの弊害から持ちつ持たれつの関係から脱却できないからというもの。

新聞社よ、恥を知れ!って思いがしますが、本著にも書かれていますが、スクープの後追い記事を別の媒体が掲載する場合は、必ず最初にスクープした媒体名を敬意をもって引用か出典先のように記載することを義務づけるようにすると、骨のあるジャーナリスト達がもっと発憤するような気もします。

あとは、なにがスクープとして重要か?という話しには納得がいきました。つまり後日発表される内容を数日早く聞いて(リークされて)スクープ!というのは意味がなく、本来なら隠されて世の中には出てこないことを丁寧に探し出して報道することが本来のスクープなのだということ。

まぁ、いろいろ書きましたが、ネットの普及と、新聞や週刊誌が好きで購読してくれる今の中高年がやがて減ってくれば、自然に日本の新聞や週刊誌はアメリカの後を追って衰退していくことになるのは間違いなさそうです。

ネット媒体に、その理想の調査報道を核とするジャーナリズムがまかなえるか?というと、それも経済合理性、効率性ばかりを考えるネット事業の常で難しく、また寄付行為の文化がない日本でのNPOでのジャーナリズムも考えにくく、、今のところ打つ手なしと思えてきます。

せめて著者はじめ,、しがらみの少ないフリーのジャーナリストに期待するしかないのかなぁ。

★★☆

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レプリカたちの夜(新潮文庫) 一條次郎

思わずタイトルにひかれてジャケ買いしたミステリー?小説で、2016年単行本、2018年に文庫化されました。この著者の作品を読むのは今回が初めてです。

新潮ミステリー大賞受賞作だそうですから、代表してミステリー小説と言って良いのでしょうけど、内容はホラー?ファンタジー?SF?とも思えるものです。

あらすじを書けと言われても、解説文でも「あらすじ紹介は難しい」と書いてあったとおり、私などには絶対に難しくて書けません。

主人公は、絶滅していく動物のレプリカ(模造人形)を作る工場で生産管理部に勤務する男性です。

そしてその主人公の語りで始まりますが、出だしは「シロクマを目撃したのは、夜中の十二時過ぎだった。」です。

まるで「国境の長いトンネルを抜けると雪国であつた」と同じように、つかみはOKでしょう。

とにかくライトノベルスのようにスイスイ読めていけるのですが、内容や状況に理解不能のことが多すぎて、最後までなにがなんだかよくわからないというのが感想です。

そうそう、これはアニメにすると良さそうと思いました。巨匠の大友克洋氏がアニメ化してくれたら、ぜひに見たいと思うような作品と言うことにしておきます。

★☆☆

【関連リンク】
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