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リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~ HomePage https://restrer.sakura.ne.jp/
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ニワトリは一度だけ飛べる(朝日文庫) 重松清

2002年から2003年に週刊朝日に連載されていた小説で、2019年にその文庫版が発刊されました。

主人公は妻と子がいて買ったマンションのローンを抱えている中年男性ですが、勤務する会社に新しく入ってきたやり手の営業本部長から無情にもリストラ部屋行きを命じられます。

しかし家族を守るためには勤務する大企業を辞めるわけにはいかず、また妻にもそのことが言えず、悶々とします。

同時に成績優秀で昇進もトップを走っていた同期の男性と、大阪支店から風変わりな後輩の男性と計3名がリストラ部屋に配属されます。

リストラ部屋では、ひたすら読まれることはない「社内業務改善」の案を考えたり、過去の社員名簿のデータ化などをやらされ続け、過去には何人もそれで辞めています。

そこへ主人公の男性に謎のメールが届き、そのタイトルが「ニワトリは一度だけ飛べる」というもので、読むと意味不明ながらも、営業本部長やその取り巻き達のリストラ対象者への思惑などを教えてくれるようになります。

またそのメールの送り主は、主人公に昔助けられたことがあり、今度は自分が助ける番だと言うことを書いてきますが、その助けたり人に親切をしたという記憶がまったくなく、不審半分ながら、同じリストラ部屋の仲間と一緒に会社と戦うようになります。

リストラという深刻で暗くなるテーマですが、コミカルな要素を加え、また「オズの魔法使い」の登場人物を、この小説の登場人物に当てはめて教訓的な話しになっているのが面白いです。

リタイヤして早3年、すでにビジネスの現場の記憶がすっかりなくなってしまっていますが、こうしたビジネスの現場を描いた小説を読むと、懐かしくもあり、二度とその世界はご免だとか、いろいろと感情が湧いてきます。

★★☆

著者別読書感想(重松清)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

もう年はとれない(創元推理文庫) ダニエル・フリードマン

2012年に著者のデビュー作品として本作品が出版されると一気に人気が沸騰し、その後シリーズ化されることになり、2023年時点で、「もう過去はいらない」(2014年)、「もう耳は貸さない」(2020年)の3作品が出ています。

このシリーズ第1作の日本語翻訳版(文庫)は2014年の出版です。原題は「Don't Ever Get Old」でほぼ直訳が日本語のタイトルです。

タイトルからわかるように、主人公は87歳の元殺人課刑事で、現役時代には12人の犯罪者を射殺した派手な活躍で有名だった刑事ですが、現在は目も耳も悪くなり、クルマの運転も自粛し、老人性認知症の初期症状があり、脳梗塞防止のために抗凝血剤を処方されているかなり弱った老人です。

しかしラッキーストライクのタバコは手放せず、病院でも教会でもレストランでもすぐにタバコに火をつけ注意され、若いときに第二次世界大戦で従軍したときアイゼンハワー将軍に言われた生き延びる教訓をずっと実践するために引退後もS&Wのマグナム357マグナムをいつも手元に置いています。

わかりやすくひと言で言えば「87歳と老いたダーティーハリー」といった感じです。そうした風変わりな主人公のミステリー&ハードボイルド?小説です。

助手的な役割としては孫の大学生が、高齢の主人公が使えないスマホやネットを駆使して様々にサポートしてくれます。

ストーリーは主人公が大戦でドイツ軍の捕虜となった時に、ユダヤ系ということで収容所で瀕死の重傷を負わせた元親衛隊の将校が、敗戦が決まるとユダヤ人から巻き上げた大量の金塊を持って逃走し、現在はアメリカで名前を変えて暮らしていいることを病気で死ぬ寸前の戦友から聞かされます。

その元ナチの将校を探し、持ち逃げした金塊を奪おうと、亡くなった戦友の家族や、話しを聞いてカジノでの借金を返そうとたくらむ神父、そしてイスラエルの離散民省の役人など、様々な怪しげな人間が主人公に群がってきます。

果たしてナチの将校を見つけて借りを返せるか?持ち逃げした金塊の行方は?そしてその過程で悲惨な殺人が起き、その犯行を主人公の孫になすりつけようとしている悪人は誰か?などスリル満点でした。

アメリカでも、ベビーブーマー世代のほとんどが第一線から引退していて、こうした高齢者が主役でヒーローの小説やエンタメが流行ってきているのでしょう。

ちなみにアメリカ人の平均寿命は、日本人の平均寿命より7歳以上短い77.3歳(2020年)で、この主人公の87歳というのは平均からするとかなりの高齢者ということになります。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

冷血(上)(下)(新潮文庫) 高村薫

「冷血」というタイトルを見たときに、まず9年前に読んだ有名なトルーマン・カポーティの1966年のノンフィクション「冷血」(原題:In Cold Blood)をまず思い起こしましたが、その作品を意識した小説となっていました。

警察や事件ものの名手である著者がカポーティの「冷血」を読み、果たして同名のこちらの小説(フィクション)ではどういう内容と味付けがされるのかに興味がありました。

2014年1月前半の読書と感想、書評(冷血)

初出は2010年からサンデー毎日に連載され(その時のタイトルは「新冷血」)、2012年に単行本、2018年に文庫化されています。

30過ぎの前科持ちの男性二人がネットのいわゆる「闇バイト募集広告」で知り合い、ATMやコンビニを襲い、それらの勢いのまま医者の夫婦と子どもが住む一軒家がクリスマス期間中には留守になるという情報を得たことで、空き巣を働くため深夜に侵入したところ、家族が在宅していたため家族4人を撲殺し、キャッシュカードや貴金属を盗み逃亡します。

そこに出てくるのが「マークスの山」や「レディ・ジョーカー」で活躍した警視庁刑事の合田雄一郎です。

二人の犯人は、やがて捕まりますが、その供述が「わからない」「覚えていない」「知らない」など、犯行の原因や動機、殺意、計画性など、調べようとする警察や検事を混乱させます。しかもふざけているとか、意図してなにかを隠しているようでもありません。

そうした行きがかり上で家族4人を撲殺するという重犯罪を犯した犯人と言うことで、その調べが延々と続き、さらにその周囲の人物への聞き込みや子供の頃の家庭環境、精神医の分析など次々と出てきて、そうした事実を積み上げた上での心理的な話しをずっと読み続けるのは結構な忍耐が必要でした。

なにかモデルになった同じような犯行があったのだろうか?と思いましたが、近年で私の知る限りではそうした犯罪はありません。幼い子どもを含む一家4人が惨殺された2000年12月に起きた世田谷一家殺人事件の犯人が捕まっていたら、それがモデル?とも思えますが、そちらは単独犯でまだ犯人は捕まっていません。

結局、最後までその行動や深層は謎ですが、犯行自体は揺るがず判決が下されることになります。

刑事が1受刑者に長い間手紙のやりとりをしたり、差し入れをしたりすることはありそうに思えませんが、なぜかこの主人公の刑事はこの犯罪者に興味を持ったまま頭の片隅に残し続けます。

しかしこの著者、「とまれ」という言葉が大好きで、この小説にも10数カ所出てきます。「とまれ」は、「ともあれ」の変形で「いずれにせよ」や「ともかく」という意味ですが、文章の最初に「とまれ」が連発されるのはちょっと読んでいて気になるところです。

★★☆

著者別読書感想(高村薫)

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旅行業界グラグラ日誌(朝日新書) 梅村達

著者は1953年生まれということなので、今年には70歳の古希を迎えておられるのでリタイアされているとは思いますが、本書とその前に出版された「派遣添乗員ヘトヘト日記」(2020年)の2冊を出発点として、今後は文筆活動をされるのかも知れません。

本著は、前作で書けなかったことや、さらにコロナ禍が襲ってからの旅行業界について、2021年に出版された新書です。

著者は様々な仕事を経験した後、派遣添乗員として勤務をし、国内はもとより、海外の旅行添乗員として活躍されています(いました)。

個人的には、学校や勤務先の会社の団体旅行で、添乗員さんにお世話になったことはありますが、個人旅行においては30数年前に新婚旅行で行ったアメリカ西海岸の移動で、現地ガイドさんにお世話になったぐらいで、あとは利用したことはありません。

社会人になってから、旅行はマイカーを使うことが多く、したがって自分でルートや時間、観光場所などを決めることをおこなってきました。添乗員さんがいることで、そうした手間や必要な知識を詰め込む手間が省けるメリットはわかりますが、団体行動があまり馴染まず、自由でいたいというわがままから、個人的に添乗員さんとの思い出や絡むということは過去にありません。

そうした自分にはほとんど馴染みがない添乗員さんの内緒話は興味を引きました。

昭和の時代は、一般の人には観光旅行と言えば団体旅行が中心でしたが、やがて平成の頃から小グループや個人旅行が増えてきます。

いまだに地方の温泉地や観光地の旅館などへ行くと、団体客向けに最適化されたホテルや旅館が多く、宴会場がメインにデーンと構えていたり、お互いの部屋が行き来しやすいようになっている構造のところが多く、ひとりで泊まろうとすると結構戸惑います。

一方、添乗員が寄りそう旅行は、地元観光地、土産物屋、旅行会社などの多くの利害関係者が有象無象に関わるパック旅行で、便利で比較的安く(安く思える)、私のように「計画を立てるところからが旅行」と思わない人にはたいへん便利なものでしょう。

しかし団体行動が原則ゆえ、様々なトラブルや人間関係があり、そうしたことも含めて楽しめる人にとっては面白そうです。

★☆☆

【関連リンク】
 5月後半の読書 贖罪の街(上)(下)、ストロベリーライフ、最澄と空海、王国
 5月前半の読書 ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン、ゲーム・メーカー 沈黙の侵略者、漂流、JR上野駅公園口
 4月後半の読書 ひなた、宝島(上)(下)、パレートの誤算、権現の踊り子


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