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太平洋戦争中に遠く離れた日独伊の三国同盟国いわゆる枢軸国同士で人的交流や技術供与、資源融通などをおこなうべく、様々な方法が考えられていました。
 
まず空路ですが、長距離輸送機を使い、ドイツから最短距離で、当時日本が支配をしていた満州まで一直線に飛んでくるのが一番手っ取り早く、制空権が確保できているあいだは、それがもっとも現実的だったのですが、ドイツとソビエトは戦争状態、日本とソビエトは不可侵条約を結んでいたことから、そのソビエトの上空を通過することは、ソビエトに日本が利敵行為をしたと見なされ、太平洋で手一杯のところに後ろのソ連からも攻められてはたまらないと、その案は日本側の強い反対で何度も却下されました。
 
空路では遠回りになりますがドイツ~イタリア~トルコ~シンガポール経由の南周りという方法もありましたが、こちらは英国が制空権を持つインド上空を通過する必要があり、リスクが大きく、また距離も長くなるのでほとんど実行されることはありませんでした。

一度日本がキ77という試作機でチャレンジしましたが、インド洋上空で行方不明となり、おそらく撃墜されたと思われます。
 
陸路はもっと難しく、実質的には中立条約を結んでいるソ連のシベリア鉄道を使う以外には方法はなく、そのシベリア鉄道もドイツと激しい戦争をしている中で、ソ連の日本人に対する監視は厳しく、ドイツとの交流を図れるルートではありません。
 
最後に残されたのが海路ですが、はやりインド洋には英国部隊が、大西洋に入ると英国やアメリカの部隊が待ちかまえており、それらを突破するには、無線を封鎖し、見つからないように海底に潜むことが出来る潜水艦しかありません。
 
潜水艦と言えば一般的には深く潜ったまま遠くまで航行ができるものと思われがちですが、それは戦後に登場した電力も酸素も海中にいながら作ることが出来る原子力潜水艦からです。

当時の潜水艦は他の艦船と同様海上に浮び、ディーゼルエンジンで発電をしながら航行します。

もし敵船や敵の航空機を発見したらすぐに潜って息をひそめ、電池でスクリューを駆動し、敵艦に攻撃ができるようならば攻撃をする、あるいは潜ったまま待ち伏せをして攻撃をするというのが普通の戦い方です。
 
つまり潜水艦でドイツを目指すというのは、日本の基地があったマレーシアやシンガポールから潜ったままアフリカ大陸をまわって2万キロの旅をするのではなく、通常の船のように海上を進み、敵の哨戒地域では夜だけ航行し、昼間はできるだけ潜って隠れているという長旅です。
 
海面ギリギリまで浮上し、潜ったままで艦内に外気を取り入れたり、動力源の電池を充電するためディーゼルエンジンを使うシュノーケル装置が付くのは、もう終戦に近い頃の話しです。この技術も戦争中にドイツから教わったもののようです。
 
前置きが長くなりましたが、そのようなたいへん難しい任務を実行した潜水艦乗りや、関係者に取材をして書き上げた実話のドキュメンタリーです。
 
ドイツの潜水艦と言えば有名なUボートですが、日本海軍の潜水艦は大型艦は「伊号」中型艦が「呂号」、小型艦が「波号」といろは順で区分され、それぞれに番号が付きます。Uボートは日本のように広大な太平洋で長期間作戦行動をする必要はなく、したがって大きさで言えば呂号クラスの中型の大きさになります。
 
日本の潜水艦技術は世界的に見ても決して劣っているわけではなく、特に「伊号」の中にはアメリカ本土の空襲を計画して攻撃用水上機が4機積める潜水空母と言えるようなものまでありました。
 
しかし攻撃力では連合国に勝っていても防御能力では他の日本の兵器と同様遅れていて、相手よりも早く敵を発見することができるレーダー技術は、決定的な差がありました。

これは日本軍にとって「攻撃は最大の防御なり」「先制必勝」精神で、攻撃兵器には多額の予算がつくものの、防御兵器については予算が付かないという結果です。

しかし潜水艦にとっては、敵が気づく前に潜行して隠れないと攻撃されてしまいますので、防御のためのレーダー技術の優劣が、生死を分ける一面を持っています。
 
ドイツから日本へ持ち帰るものはその最新レーダーや、ジェット戦闘機の設計図、4連装機関銃、精密工作機械などで、あとはドイツ留学中の技官など。

逆に日本や東南アジアからドイツへ運ぶのは錫、ゴム、金などの南方の天然資源が中心です。この交換する物品の差に、当時の日本と世界の技術格差にあらためて驚かされます。
 
当然ながらすべての航海がうまくいくわけではなく、最初に往復を成功させた伊号潜水艦は、実効支配していたシンガポール湾で、英国が撤退する際にばらまいていった機雷に蝕雷、沈没してしまったり、戦局が悪化するに従い、航海途中で発見されてインド洋や大西洋で撃沈するものが増えます。往復を終え日本本土までもう少しという南シナ海で、米潜水艦に待ち伏せされて沈没した艦もあります。
 
いよいよドイツ降伏が近くなり、Uボートが連合国に接収される前に、日本の要請でそれを日本へ運ぶためドイツ人乗組員が大西洋を南下していた際、ドイツ降伏の知らせが無電で入り、結局そのUボートは降伏しアメリカへ向かうことになります。

しかしそのUボートに同乗していた日本の技師は「生きて虜囚の辱を受けず」と、ドイツ語で艦長宛に丁寧なお礼の遺書を残し、艦内で自決する場面などはとてもつらい歴史のひとつです。

著者別読書感想(吉村昭)
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
「顔に降りかかる雨」は1993年に著者が初めてミステリー小説を書き、それがいきなり第39回江戸川乱歩賞を受賞し一躍その名を有名にした記念碑的な作品といえます。

私は著者の作品は過去に「水の眠り 灰の夢」と最近「東京島」を読んでいますが、特にこれといった特徴はない作品だなと思っていました。「OUT(1997年)」や直木賞を受賞した「柔らかな頬(1999年)」と着実に人気作家として駆け上がってきました。
 
しかしこのメジャーになる前の作品は、なかなかどうしてまだ新人の時に書いたと思えないほどできのよい作品だと思います。私が小説の中ではもっとも好きなジャンルである探偵ものの要素が含まれているためそう思うのかも知れません。
 
内容は夫を自殺で失い絶望の中にいた女性が、ある日突然大金を持って行方不明になった友人を、事件に巻き込まれながら探すというストーリーです。ちなみにこの主人公の女性は、その後シリーズ化されていくつかの小説に登場するようです。
 
今から18~9年前に書かれた小説ですから、様々な環境や行動様式に現在とはいろいろと違う点があるのが、読んでいてなかなか面白いです。

携帯電話は、まだ一部のビジネスマンぐらいしか持っていない時代で、FAXが頻繁に活用されていたり、個人情報保護にはさほどうるさくない時代でしたので、マンション管理人が容易に住人のことを喋ったり、部屋の鍵を貸したりします(それはいつの時代でもちょっとダメだろと思いますが)。

探偵も今の世の中になって、個人情報を調べるのはきっと大変になっているのでしょうけど、逆にネットで簡単に調べることができる場合もあるので、便利さと不便さはいってこいなのかも知れません。
 
最近の小説に多い複雑で怪奇であり得ないストーリーではなく、非常にシンプルで、女性作家らしく、安易な妄想がしばしば挟まれつつで、私はこういうシンプルな内容は嫌いじゃありません。

著者別読書感想(桐野夏生)
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
超氷河期に突入している就職活動で、JR東海、NTTDoCoMo、伊藤忠商事、東京海上日動火災保険など有名どころの大企業から内定をもらった人達の就職活動、特に事前準備や面接、インターンシップなどの経験談をインタビュー形式でまとめたものです。
 
これから就活へと踏み出す人には多少参考になるとは思いますが「要は企業それぞれに採用ポリシィがあり、就活する学生にもそれぞれ特徴や個性があるので、特に必勝パターンというものはない」というのが結論でしょう。あるとすれば、そのような大手企業には、学校ブランド(トップ5ぐらい)や海外生活経験が役立つことぐらいでしょう。
 
内定をもらった人の話しで必ずと言っていいほどよく出てくるのは「この会社の面接は他社と違って…」「ここの会社の人は他の会社の人と比べてずっと熱く…」という言葉があります。内定をもらい、入社した途端、インタビューを受けるときには、すっかりその会社の広報パーソンになりきっています。
 
これを読む学生さんが誤解してはいけない点として、このインタビューに登場する人達は、一般内定者の中から無作為に選ばれたわけではなく、企業が学生に向けて、その企業にとって一番宣伝になると思う人達を選び、質問される内容もその回答も準備された人達であると言うことをお忘れなく。だからまるで企業の広報担当者のような回答に終始することになります。
 
当然インタビュー中は、すぐそばに切れ者の人事担当者が控え、質問や回答に予定外のものがないか目を光らせ、原稿になってからも、自ら手を入れていると想像が出来ます。

したがって内容はすべてに当たり障りがなく、その企業のことや面接を過大に評価し、上記の「この会社は他社と違い…」という、誉め言葉ばかりの表現ばかりになってしまうわけです。そこのところを間違えなければ、いつ頃、なにを、どうやって、様々な難関をクリアしたのかなどは、右も左もわからない学生にとっては参考になることもあるでしょう。
 
これも何人もの人がインタビューで言っていましたが「入社して長く働きたいので、面接で自分を偽ったり、よく見せようとテクニックに走っても、あとで困るのは結局自分だ」というのは、まさにその通りです。

ところが現実的には、学生がうまく企業側を騙すなんてことは、まず不可能で(できると思っているならそれは単純な思い上がりというもの)、逆に企業側が学生を騙すケースの方がはるかに簡単で多いと言うことを知っておく必要があります。




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