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神様のカルテ 3 (小学館文庫) 夏川草介

松本市に実在している365日24時間オープンの地域基幹病院をモデルとし、そこの病院に勤務する若い内科医が主人公の小説です。

前作「神様のカルテ」(2009年)、「神様のカルテ2」(2010年)ともかなりハイレベルで満足度が高く、今回の3作目(2011年)も2014年2月に文庫化されたと同時に買ってきて読みました。ちなみに著者は現役の内科医です。

この小説のいいところは、人間関係や医療の話しだけでなく、実在する美しい信州の名所旧跡がところどころに登場し、紀行もの小説としても読めることにあります。それと今回は長野産のリンゴの品種もいろいろと出てきたりします。そのうち著者は長野県から表彰されるかも知れません。

原作は映画化もされ第1作目は櫻井翔、宮崎あおい主演で2011年に公開、第2作目は今月21日から公開されますが、上記の美しい自然や名所がうまく物語のアクセントになっていることを期待しています。

ただこの3作目はまだ映画化されるかどうかわかりませんが、もしされるとなると心配なことがひとつあります。

主人公の妻役でプロ写真家という設定の宮崎あおい。彼女はオリンパスのカメラのCMに出ていて映画の中でも1作目ではオリンパスの(当時の)最高峰モデルカメラOM-4を使っていましたが、この原作3作目では主人公が妻にドイツ製の高級カメラ「ライカM9-P」をプレゼントされ、大喜びするというシーンがあります。

果たしてそのスポンサー(映画にスポンサードしているかは不明)に背を向ける場面は使えるのでしょうか?しかしM9-Pってすでに生産終了していますが、当時定価81万9千円ですって、めちゃ高なんですねぇ。

宮崎あおいを全面的にイメージガールとして使っているオリンパスとしては困るでしょうねぇ。ここでスポンサーや映画監督の太っ腹なところを見せられるか、著者がオリンパスと脚本家、映画監督に放った意地悪な矢のような気もします。

物語はさすがに3作目となるとちょっとマンネリ気味になってきましたが、地域医療に尽くす医者や看護師達、松本に暮らす人々、前編で亡くなった内科医の代わりにやってきた風変わりなベテラン女医、同期で仲のいい外科医が大学病院へ異動、主人公が住む昔は旅館だったシェアハウス「御嶽荘」の面々との変わらぬやりとりなど、主人公の周りで起きる日々の出来事が綴られています。

今回の3では、真夏の7月におこなわれる「深志神社の天神祭」、12月下旬から2月にかけておこなわれる松本市の隣の上田市鹿教湯温泉の「氷灯ろう夢祈願」、同じく寒い冬におこなわれる「国宝松本城 氷彫フェスティバル」、風光明媚な場所にあり由緒のある長野県大町市の「国宝 仁科神明宮」などが登場します。どこも一度は実際に足を運んで見に行きたいなと思わせるものです。

そして第1作目で悲しい別れをした「御嶽荘」に住む通称「学士殿」がこの3作目で、本当の学士殿となって再び御嶽荘に戻ってきたのは、唐突でもあり、最後に心が温まるという設定です。


卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV) デイヴィッド ベニオフ

2010年に単行本、2011年に文庫化され、Twitterで評判の高かった作品として名前が挙がっていた作品です。この著者はデビュー作「25時」という小説が2002年に映画化され有名になりましたが、これもたいへんユニークな作品でいずれ読みたいと思っています。

物語は風変わりなタイトル通りの内容で、主人公の祖父がソ連に住んでいた時に、ドイツ人を二人殺したことがあると知り、その時の話しを聞かせてくれと頼み、祖父が今まで決して明かさなかった過去を孫に聞かせるというものです。

主人公の祖父はソ連の第二の都市レニングラード(現サンクトペテルブルク)出身で、少年時代に第二次世界大戦が始まり、街はドイツ軍から攻撃を受けて包囲されました。これが後に有名となる「レニングラード包囲戦」で、およそ900日(2年4ヶ月)の間、食料など支援物資が届かない窮乏の中、餓死者など100万人とも言われる多くの犠牲を払いながらも堪え忍びました。

そこで来襲するドイツの爆撃機などの監視をしていた少年時代の祖父は、同じ少年少女の仲間達とパラシュートで降下してくるすでに事切れたドイツ兵を見つけ、そのドイツ兵が持っていた装備を略奪していたところ、運悪く警備中の兵士に見つかり、少年だけが逃げ遅れて捕まり、残忍非道で有名なソビエトの秘密警察へ連行されます。

そこで少年は所属している連隊から離れ、女の家に遊びに行っていたところを捕まり、少年と同じように秘密警察へ連行された若いソ連兵と出会います。

略奪行為と軍からの脱走ですので、通常ならばすぐに銃殺されてもおかしくないところ、二人とも秘密警察の大佐から呼び出され「来週、娘の結婚式に豪華なケーキを作りたいのだが卵がないのでそれを調達してくれば許してやる」という話しになり、独ソが互いににらみ合っているさなか二人は卵探しの旅に出るというストーリーです。

前述のように街はドイツ軍に包囲されていて、まともな食料がない中で、二人の卵探しは難航します。食料は配給制となっていて、闇でなんの肉かわからないようなものが売られている状態です。人肉喰いはいても卵などはどこにもなく、二人は仕方なく戦前までは養鶏場があったドイツ軍の占領地域へと入っていきます。

そしてドイツ軍が接収した農家に若い女性が囲われる売春宿があり、そこで起きた脱走を試みた女性の無惨な最期の話しを聞いて、怒りに燃えた二人は無謀にも拳銃一丁でドイツ兵と戦おうと待ちかまえていたところ、ドイツ軍に抵抗するパルチザンの狙撃兵が売春宿にやってきたドイツ兵を先に射殺します。

そのパルチザンと一緒にドイツ軍の追っ手から逃げようとしますが、やがて追い詰められ、ドイツ軍の捕虜となり、さらに卵は無事に手にはいるのか!?っていうのが最大の見せ場で、まぁ祖父は生き延びているわけですから、結果は見えているものの、その過程を十分に楽しめる話しです。

そして物語の最初からつながっている一番最後のオチにグッときます。


シューカツ! (文春文庫) 石田衣良

2008年に単行本、2011年に文庫化されたタイトル通り大学生の就職活動にまつわる真面目なライトノベルです。

早稲田大学と思われる大学の3年生6人が、人気が高く競争率の高いマスコミ企業へ入社するため就活チームを組んで、様々なノウハウを提供しながら取り組む姿を描いています。

大学生がこれを読んだからといって、就職活動がうまくいくというものではないでしょうけど、おそらくこれはもう就職活動が終わった人に対しては、「現在の就職活動ってこんな感じになっているんだ」と学生の苦悩を伝え、これから就職活動をする人には、「みんなが不安に押しつぶされそうになりながら必死にもがいている。あなただけが苦しんでいるわけではないよ」と気持ちを楽にさせる意味合いがあるのかなぁと。

ただこの小説に登場してくるのは、私立でも一流といわれる大学で、しかも友人達にも恵まれ、部活やアルバイトなど青春を明るく謳歌している人達ばかりで、目指す目標も一段と高く、そうではない多くの一般の人には、読んでいると頭に来たり、あきらめが先に立ったりしてあまり参考にはならないかなぁと。

しかしこれに出てくる優秀な学生達が目指すのが、今や凋落激しいマスコミ業界(テレビ局や出版社、新聞社)っていうのは、なんだか違和感がありありなのですが、それでもなぜか学生には今(書かれた2008年当時)も大人気なんですね。入社できたとしても、一番自由に本領が発揮できる二十年後に、それらの業界がどうなっているかを考えたことがあるのか?ってマスコミを目指す人に聞いてみたい気がします。

もちろん卒業後最初に就職するのは大企業に越したことはありませんが、この小説を二十年後にブックオフで見つけて読んだ若い人から、「へぇ、あの頃の学生って出版社やテレビ局にあこがれていたんだ。笑えるね」って言われている可能性が高いように思います。

いまから30年ぐらい前には就職人気企業で常にトップクラスだった航空会社や家電メーカーが、やがて倒産したり、何度も繰り返して社員を退職させる大リストラをおこなっているように、企業は栄枯盛衰していくものです。

せめてひとりぐらいは、現在の不人気業界ながら、自分が一番活躍できる30年後のことを考えると、この業界に入っておくのがベストという気骨のあるギャンブラーキャラがいてもよさそうに思いながら読んでいたら、最後の最後で、就活メンバーの中で一番有能な男性が大手新聞社の内定を蹴って、いきなりフリーで仕事をしていこうと決断するのは、いかにも早稲田の学生らしいなぁとちょっと見直しました。やっぱそうでなくっちゃね。


迷惑メールやって良いこと悪いこと 須藤慎一

パソコンやスマホでは欠かせない電子メールですが、その送られてくるメールには数多くのスパム(迷惑メール)が含まれています。そしてそれにはいくつもの罠や仕掛けが施されているというごく当たり前のリテラシー教育本です。

ネットの初心者にとっては決して当たり前ではないのかもしれませんのでこういう解説書も必要なのでしょう。とは言え、本の中身はネット中級者以上向けの言葉で書かれていますので、内容と文章表現がちょっとアンバランスな気もします。

騙されちゃいけないと頭ではわかっていながらも、それでも騙される人が後を絶たないオレオレ詐欺の例を見るまでもなく、「怪しいメールに返事を出さない」ということがわかっていても、知人の名前や有名芸能人の名前でメールが送られてくると、すっかり信用してしまうような人がいるわけで、騙す方と騙されないようにする側との知恵比べはいたちごっこで、今後も永遠に続いていくのでしょう。

ある程度のIT知識を持っている人ならあえて読む必要はないぐらいの話しですが、現在よくある騙しのテクニックがいくつも書かれているので、どういう人が騙されやすいのか、自分の親や子供にどう注意をしておけばいいのかなど参考にはなります。

迷惑メールがなくならないのは、それに引っかかる人が確実にいるからで、あとはその引っかけ率を高めていくというのがオレオレ詐欺が巧妙化していくのと同様、迷惑メール送信者が知恵を絞って考えることです。それをもっと善良なことで社会のためになることに使ってくれるといいのですが。

その内容には、なにかに当選したというような「美味しい話し」だけでなく、「生まれたばかりの子供に心臓移植が必要で助けて欲しい」というような人の同情や社会貢献につけ込むようなものまであるようです。

あとメールアドレスだけでなく、趣味や年齢、性別などの個人情報を入手すれば、より適確なスパムを送ることが出来、そのためには、豪華賞品が当たる懸賞などを利用して、そこに様々な個人情報を入力をさせるケースが多いと言うことです。まるで大手企業が新商品紹介のためにやっているかのように見せかけたプレゼントやモニター企画にはこの不況時にはつい引っかかってしまいそうです。

有名企業が運営する懸賞だと安心していたら、そこに入力した個人情報は、別の企業へ提供することが小さく書かれていたなど、よくあるパターンです。そして賞品が当たらないというのも、先日懸賞品の水増しが明らかになった有名中堅出版社の例があるように決して珍しくはありません。

とにかく、怪しいメールは開かない、知らないサイトには登録しない、必要に応じてメールアドレスを使い分ける(フリーのメールアドレスを取っておき、重要なところ以外はそれを使い、迷惑メールが増えたらメールごと削除してしまうとか)など、初心者向けのポイントがわかりやすく書かれていました。


【関連リンク】
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