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統計上の生産年齢人口とは15歳から64歳までの労働生産がおこなえる人口のことを指しますが、それに属さない人口は「従属人口」または「被扶養人口」と言います。

但し、現実的には15歳や16歳で労働生産に従事している人は、常識的に考えると極めて少数で、97%が高校以上へ進学し、さらに高校卒業後には56%が大学など高等教育へ進学しています。

それらを考えると実質的に生産に寄与する就業人口は20歳~65歳ぐらいなのかなと考えます。

その生産年齢人口が1990年頃から減り続けているというのは承知の事実ですが、出生率が現在のペース(1.4)のままとして、国立社会保障・人口問題研究所の予測データでは、2015年時点で7,728万人(総人口の61%)の生産年齢人口は、23年後の2040年には5,978万人(2015年比で77%、総人口の54%)、48年後の2065年には4,529万人(2015年比59%、総人口の51%)にまで減ります。



出生率がもっと下がるようなことがあれば、さらに減ることになりますし、逆に出生率が上がったり、外国人の日本への移住が進むとかすれば減少を和らげることもあります。

ただ総体的に生産年齢人口が減り続けていくことは、もう疑いのない事実で、しかも購買力が旺盛な生産年齢人口が減れば国内需要も減少し続けていくことは間違いないので、中長期で見た場合の国内景気の先行きは、暗いとしか言い様がありません。

現在の人不足(労働力不足)は、東京オリンピック需要や、政府と日銀の場当たり的な景気浮上策がとりあえず功を奏して起こっているもので、「生産年齢人口減少=国内需要減少」に歯止めが効く特効薬が見つかったわけでもなく、恒久的な対策が効を得たわけでもありません。

もっとも今の政治を担う多くの人や企業の中で経営を担っている人は、50年先というと生きていないか、もし生きていたとしてもその頃はもう現役ではないので、そんな先のことを言われても知らないよってことなのでしょう。

先ほど、出生率が上がると人口減少に歯止めがかかるかもと書きましたが、出生率が今以上に上がらないだろうと思えるのは、晩婚化と未婚率の上昇があります。

晩婚化で結婚しても子供を作らない夫婦や、未婚で子供を生まない女性が増えていることから、今後この出生率はフランスや北欧諸国のように大きく制度や社会が変わらない限り、上がっていくことはまずないと思われます。また離婚率も上がっていますが、婚姻期間が短い夫婦ほど出生率も低くなっているので、これも平均出生率低下の要因となります。

役所が出会いのパーティを開いたり、保育園を作れば子供が増えるという単純なものではありません。

そういうことをツラツラと考えていると、いま企業ができる労働者不足や国内需要減少対策は限られてきます。そのほとんどはすでに実施済みのものばかりです。

1)働いていない女性に働いてもらう
2)働いてないニートや引きこもりの人に働いてもらう
3)働いていない高齢者に働いてもらう
4)働いていない障がい者や療養中の人にも働いてもらう
5)働きの悪い人に効率を高めて働いてもらう
6)外国人を雇用する
7)AIに働いてもらう
8)外国に生産拠点や販路を移す

政府と国が進める働き方改革の狙いは1)~5)がメインでおこなわれ、今年から家政婦などの解禁を始め、外国人労働者受け入れ基準の緩和は順次進められています。

企業側はすでにAIを使った医療分野やマーケティング活動、コールセンター、タクシーの配車などで活用し、メーカーは国内を閉鎖して、海外に生産拠点と販売機能を設けています。

なにか夢も希望もない日本の経済ですが、こういう事態はある日一気に変わるわけでなく、緩やかにその時がやってくるわけで、それに向けての準備は、リスクをとってできるだけ早く手を打つのか、それとも先頭は切らずに、横並びで動くのか、リスクは取らずに先駆者の後追いをするのか、経営者の能力が試されることいなりそうです。

それにしても、政治家は票を取るために希望のない国の国民に対して「希望」という夢を与えるものなんですね。


【関連リンク】
1009 兼業禁止規程はいつ禁止されるか
828 後継者不足で廃業、倒産する企業
765 労働生産性はむやみに上げるもんじゃない
489 生産年齢人口の推移とは




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