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1910
過去にも何度か人口問題についての話を書いてきました。前に書いてから8年ほどが経ったのであらためてデータを更新して書いてみます。

まずは今年2026年1月1日時点の人口(総務省人口動態調査)は、1億1973万6483人で、1984年以来、42年ぶりに1億2千万人を割ることになりました。日本に住む外国人は増加していて、それと合わせると1億2376万7642人になります。

人口が減少し始めたのは2009年からで、毎年出生数を上回る死亡者数で数十万人ずつ減少していますが、直近の2025年からは91万6744人も減少しています。

この1年間で減少した91万人はと言えば、佐賀県(81万人)、山梨県(80万人)、福井県(76万人)などの県民人口より多く、北九州市(90万人)、堺市(80万人)、浜松市(76万人)の大都市の市民数などを上回っています。

つまり今の日本では毎年、佐賀県や山梨県クラス、北九州市と同等の人口が消滅(減少)している勘定になります。

この調子だと、いつまでも47都道府県という自治体運営は効率的とは言えず、市町村の合併と同様に都道府県の合併もそろそろ検討するか、道州制の議論を始めても良さそうです。

例えば鳥取県(55万人)と島根県(67万人)が合併しても、その人口は122万人で、岩手県(121万人)や青森県(123万人)の人口と並ぶ規模で、それでも十分とは言えないでしょう。

同様に高知県(69万人)と徳島県(72万人)が合併して141万人で、滋賀県(141万人)と同等の規模の県になるということです。ただそうすると四国ではなく三国になってしまいますが、、、

人口減少率でみると今年で0.76%の減少ですから、それだけでは統計的にはそれほど大きなインパクトがあるというわけではありませんが、それが17年間継続し、今後も減少し続けるのが最大の問題です。

下のグラフは、2026年1月時点の「5歳刻みの年齢別人口」です。グリーンは幼児や児童、学生など労働人口に入らない層、ブルーはいわゆる労働力人口(15歳以上の生産年齢ではない)に近い年齢層(20歳~65歳)、グレイは65歳以上の高齢者を表しています。

人口動態グラフ1

少し前までは、団塊世代(70代後半)が最も多い人口層でしたが、現在ではそのジュニアたち団塊ジュニア世代の50~54歳の層が群を抜いて多くなっています。次いで55~60歳です。

グリーンの年代は、団塊ジュニア世代の1/3まで減っています。今後大量に移民を受け入れるとか、3人以上の子供がいる世帯からは所得税や市民税、相続税、健康保険料を免除するとかでない限り、今後子供が増加するということはまず考えられず、その低空飛行状態のまま年齢を重ねていき、その少ない層が結婚して子供ができるのはさらに少なく超低空飛行が繰り返されていくことになるのでしょう。

なのにほとんどの議員や政府は飽きもせずに「成長政策」という夢物語を繰り返すばかりで、その具体策はというと陳腐な机上の愚論ばかりです。

逆にもっと賢い縮小政策を叫べば、おそらく選挙では勝てないというジレンマもあり、そうせざるを得ないのでしょうけど、せめて高齢者が寿命を全うするときに「よい人生だった」と言える社会を目指してほしいものです。

次に総人口に占める65歳以上の人口の長期(1950年~2050年)推移です。もちろん2030年以降は想定値です。

出典は2020年までは国勢調査、2025年は総務省の人口推計、2030年以降は2023年の国立社会保障・人口問題研究所の中位推定値を利用しています。

人口動態グラフ2

高度成長期の1950~1960年頃はわずか5%だった65歳以上人口は、1985年には10%、2005年に20%と着実に増えていき、2030年には30%を超え、2050年には37%まで増える見込みです。

もしかすると2050年までの24年間に、ガンの克服やISP細胞による画期的な臓器修復医療などが発達すれば、もっと高齢化率が高くなっているかもしれません。逆に高齢化率が下がる要因としては、新型ウィルス、火山噴火や洪水などの大規模な災害、戦火というぐらいしか考えられません。

人の寿命が伸びてきたのは様々な要因がありますが、それにしても人は簡単に死ねなくなってきました。

以前なら老衰で自宅で自然に亡くなっていった人も、今は病院へ運び込まれると身体中にチューブを張り巡らされ、生きているのか死んでいるのかわからないような中途半端な状態でも生きながらえさせられます。

そうやって高齢者が増えてきて、以前にはあった様々な高齢者向けの優遇策、例えば公営バスや電車の無料パスや、施設の高齢者割引といった特典が多くの自治体でなくなってきました。

敬老の日には毎年恒例の行事で、自治体や役所がおこなっていた100歳の記念品贈呈なども、あまりにも人数が増えたことでしれっと取りやめになったところが増えたと聞きます。

もっとも60代後半(社会通念では高齢者)だからと言って電車やバスのシルバーシートに座っていたら、松葉づえでも持っていない限り周囲から白い目で見られることは必至です。もちろん若い人が座っていてその前に立っていても席を譲られることはありません。

もう「敬老」という言葉はカレンダー以外では死語になっていて、老人を敬うという古くからの儒教の教えは綺麗になくなり、逆に老害や社会保障費や医療費の負担が増える元凶で金食い虫という目で見られてしまいます。高齢者にとって生きにくくなりました。

その一方で高齢者をターゲットとするビジネスは盛んです。

新聞のチラシには墓地の販売は毎回複数枚入っていて、そのほかでは弱った足腰のための怪しげな健康薬品や食品、豪華クルーズ旅行、有料老人ホームなどの案内ばかりです。

なにより増えているのが高齢者を狙った詐欺で、高齢者ビジネスの中では群を抜いて多くのマネーが動いています。

ニュースなどでよく報道されている、詐欺電話ひとつで数百万円、数千万円をポンと渡せるというのは預貯金が多い高齢者以外ないでしょうけど、そういう人達はいったいどれだけのすぐに動かせる資産を持っているの?と不思議に思ってしまいます。

人口動態調査から飛躍していろいろと書いてきましたが、こうなるというのは専門家や一部の有識者は30年ぐらい前からわかっていたことで、現在の高齢者も、なにもしてこなかった責任の一端を担っています。

今頃、人気を集めたいだけの人達が「成長戦略」「積極財政」「強い経済」を叫んでも、この人口減少と高齢化社会に対して、焼け石に水でしょう。

【関連リンク】
 縮小経済と進むべき道
 驚くことに日本の労働力人口は今でも増えている
 生産年齢人口

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1909
夢の終わりとそのつづき(創元推理文庫) 樋口有介

夢の終わりとそのつづき
著者の作品を読むのはこれが初めてですが、本作品は、単行本の「ろくでなし」(1997年)を大幅に改稿・改題した作品で、2007年に文庫化されたものです。

著者は1950年群馬県生まれで、大学を中退後に様々な仕事を経験した後、作家活動にはいった方で、1988年に「ぼくと、ぼくらの夏」でデビューしています。

その後は、中年探偵や、青春もの、時代小説などのシリーズなど多数の作品があり、その中の「柚木草平シリーズ」はテレビドラマ化されています。

デビュー作がサントリーミステリー大賞読者賞を受賞し、1990年には「風少女」が直木賞の候補になりましたが受賞は逃し、その後は大きな賞とは縁がありません。そして2021年に自宅で亡くなっています。

本作品は、単行本では元々独立した作品でしたが、主人公そのものを変更して「柚木草平シリーズ」に後から加えられています。

この小説の書き出しが妙に引き込まれるように素晴らしく、最後のほうでその意味がチラッとでてきますので、ちょっと引用しておきます。


「自分が入るための着グルミというやつがあったら、さぞ便利だろう。女の匂いに頭も混乱せず、瞳孔も開かず顔も赤くならず、硬質な仮面に守られて淡泊に人生をやり過ごす。そうやって青春を懐古し、土手に寝そべっていつまでも田舎の汽車を眺めている。青い空と白い雲はワンセット、日差しを受けて水トンボが青く舞い、そよ風が色濃くコスモスの花粉を飛ばしてくる。俺は自分の着グルミのなかで寝返りをうち、社会からの隔絶に心地よく欠伸する。風も日射しも遠ざかっていく汽車も、すべてが他人事。青春も人生も他人事で、嬉しくても悲しくても、俺の神経は茫洋と仮定のなかを浮遊する。」

主人公は曰くのある事件をきっかけに刑事を退職した元刑事で、離婚した後、決まった仕事をせずに、毎日飲んだくれて、女を口説く毎日を送っていますが、ある日、絶世の美女wが自宅兼事務所にやってきて、ある家から出てくる男を1週間尾行し、誰と会ってなにをしたかを教えて欲しいと頼まれます。その報酬は100万円です。

そういうまずあり得そうもない話から始まるだけに、ストーリーにはあまりリアリティはないですが、さらに、エイリアンだ、製薬会社の人体実験だ、ロシアから来たスパイなど様々な謎が展開していきます。

ま、どうってことない話ですが、ハードボイルドタッチで、周囲には美女ばかりが登場し、エンタメ向きの小説と言うことにしておきましょう。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

クリスマスのフロスト(創元推理文庫) R・D・ウィングフィールド

クリスマスのフロスト
著者は1928年生まれ(2007年死去)の英国の作家さんで、「フロスト警部シリーズ」が有名です。そのフロスト警部シリーズの第1作目がこの作品で、1984年(日本語訳版は1994年)に出版されています。

本作品の原題は「Frost at Christmas」で、1984年の出版となっていますが、1970年に同小説を書いた後、出版社へ持ち込んだもののその時は出版を断られてしまいます。

その後、同じ警部を主人公として書いたラジオ劇がヒットし、過去に書いた小説の本作品が浮上し出版されたという事情があるそうです。

ストーリーは、英国のロンドンから100km以上離れた田舎町の警察署に勤務する警部が主人公で、娼婦の娘が行方不明になり、それを調べていくうちに、他の事件にも同時に関わっていくという内容です。

この主人公は、いわゆるハードボイルドでもなく、清廉潔白な警察官でもなく、あまりにも平凡で、ポカや間違いをしょうっちゅう犯し、上司の署長命令はろくに聞かず、事務処理が苦手で、現代の感覚なら確実にセクハラオヤジという女好きで、さらに強引な違法捜査もお構いなしという曰く付きです。

しかし過去に犯人逮捕の際に撃たれ重傷を負った過去があり、最高栄誉のジョージ十字勲章を授与されていて、周囲の同僚達からは慕われています。

そんな一見ドジとも思える警部が、不眠不休の行き当たりばったりで事件を引っかき回しているうちに、真実が見えてくると言う流れです。

さらにネタバレになりますが、クライマックスでは、犯人に撃たれ、病院の手術室で生きるか死ぬかの境をさまよったままで終わります。

なので、決して鋭い推理や、犯人との行き詰まる駆け引き、派手なアクション、不死身の主人公などを期待すると肩すかしを喰らいます。また主人公の周囲の他の登場人物は、出世願望が強いとか手癖が悪いとかなど、それぞれにひと癖があってわかりやすい面もあります。

それでも、犯行の設定や動機などには無理がなく、そこそこリアリティがあって楽しめます。

★★☆

◇著者別読書感想(R・D・ウィングフィールド)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

世界を変えた10冊の本(文春文庫) 池上彰

世界を変えた10冊の本
2010年から2011年に女性向けの雑誌CREAに連載されたものをまとめ、2011年に単行本、2014年に文庫化されています。

なぜ女性誌に連載?と不思議に思ったら、あとがきに書かれていましたが、文藝春秋の女性編集者から出版を依頼されていながらずるずると延ばし延ばしになっていたところ、その編集者から「書き下ろしを待っているといつまで経っても本にならないから」と、雑誌に毎月お勧めの1冊を取り上げて連載することになり、10ヶ月経って1冊の本が出来上がったということだそうです。

私はこの10冊はいずれも読んでいませんが、女性向け雑誌ということもあり、宗教や経済にあまり詳しくない人が読んでもわかりやすく、ごくごく簡単ながら要約もされていますので助かります。

著者が独断で選んだというのは、
「アンネの日記」 アンネ・フランク著
「聖書」 
「コーラン」 
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」 マックス・ウェーバー著
「資本論」 マルクス、エンゲルス著
「イスラーム原理主義の「道しるべ」」 サイイド・クトゥブ著
「沈黙の春」 レイチェル・カーソン著
「種の起源」 チャールズ・ダーウィン著
「雇用・利子および貨幣の一般理論」 ケインズ著
「資本主義と自由」 ミルトン・フリードマン著
の10冊です。

世界を変えた10冊ということで、人種差別や政治、思想、宗教、環境、経済などが話題の中心になっています。

大学生が専門性を学ぶときに読む書籍が多く、一般人にはあまり馴染みがない書籍ばかりという感じもしますが、その中では「アンネの日記」や「沈黙の春」は一般書籍としてベストセラーでもあり、なじみ深いものでしょう。

最後のふたつの著者、ケインズとフリードマンの同世代の経済学者としての対立の話は読んでいてもなかなか興味のわく内容でした。

★★☆

◇著者別読書感想(池上彰)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

悪と仮面のルール(講談社文庫) 中村文則

悪と仮面のルール
2010年に単行本、2013年に文庫化された長編のクライムノベルです。2018年には中村哲平監督、玉木宏主演で映画が製作されています。

名古屋の裕福な家に生まれ育った主人公男性の、子供時代と現在が序盤は交互に展開していきますが、子供時代に異常な父親を殺害することで、その後にも影響が及んでいきます。

「悪」を描くことが多い作家さんで、それも一流のワルが多いですが、これも一種の「嫌ミス」にあたるのかも知れません。ミステリーと言えるほどの謎や展開はありませんけど。

主人公が別人になりたくて、整形手術を受けますが、顔や耳の形を変えても声や仕草、クセ、体臭、雰囲気などは変えようがなく、その辺りは無視されているのは小説とは言え残念です。

つまり、過去の主人公や、顔をその人物に変えてなりすました他人のことをよく知っている人達と近くで話をしても、それが同一人物、あるいは別人だとまったく気づかれないというところ。

また細かいようですが、外国で行方不明になった日本人の身元と顔を主人公が闇組織から買い取りますが、その人物が帰国したという入国証明を偽造したのかも不明です。その人物の名前と顔のパスポートを持っていることから、そうした点はクリアされていると考えるべきですが、口で言うほどは簡単ではなさそうです。

諸々、突っ込みどころは豊富ですが、それはともかく、こうしたユニークなストーリーを創作できる能力にはただただ尊敬しています。

★★☆

◇著者別読書感想(中村文則)

【関連リンク】
 9月前半 本質を見抜く「考え方」、祈りのカルテ、黒牢城、まだ見ぬ敵はそこにいる
 8月後半 もののふ戦記、磯田道史と日本史を語ろう、煙が目にしみる、泥棒は哲学で解決する
 8月前半 鬼火、心にナイフをしのばせて、母の待つ里、怖い絵 死と乙女篇

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1908
情報処理先日、犯罪組織含む様々なところへ高額で個人情報を売買するあこぎな名簿屋の商売をしている男を主人公とする浜田文人著の小説「ザ・ヒート」を読みました。

そう言えば、今でも毎日のようにうっかりミスで個人情報が流出したり、サーバハッキングで個人情報を含む様々な情報流出がニュースで流れています。

最近では、一番セキュリティに対して厳重であるはずのデジタル庁のシステムから24万件以上のメールアドレスなどが流出しました。

個人情報24.6万人分漏えいか デジタル庁運用システムに不正アクセス(2026年9月11日 時事通信社)
各府省庁に同庁が提供するコンピューターネットワークシステムに外部から不正アクセスがあり、氏名やメールアドレスなど政府職員ら24万6000人分の個人情報が漏えいした可能性があると発表した。

またドコモが無断で利用者の個人情報を通販大手Amazonへ提供していたということも起きています。

個人情報34万人分を無断提供 ドコモ、アマゾンに(2026年9月16日 共同通信社)
NTTドコモは16日、利用者約34万人分の電話番号や通信プランなどの個人情報を米アマゾン・コムの日本法人に無断で提供していたと明らかにした。

しかしニュースになるのは、相当多量な件数や大企業の話だけで、実態はどうなっているのか?と思って少し調べてみました。

ただ調べるといっても、個人情報流出が公表されているものだけで、それも「最大○千件」とか、「不正アクセスされ流出した可能性がある」、また「現在調査中のため件数は不明」だったり、「データの入ったPCを紛失したが中身が流出したかは不明」など、流出件数はかなりあやふやなものも多いというのが実感です。

こうした公表している企業や団体はコンプライアンスがしっかりしていてまだ良心的とも言え、実際には、流出元が個人情報の管理をしておらず、認知していない、あるいは認知していても、隠して公表していないものが、この公表される件数の数倍あるのではないかと思われます。

その根拠は、資本金1千万円以上の企業数はおよそ70万社ほどありますが、個人情報を扱う基本的なルールを定めているプライバシーマークを取得している付与事業者数は17,724社(2026年8月)で、わずか2.5%に過ぎません。

すべての事業所が個人情報を扱っているわけではないですが、それにしても2~3%の企業や事業所以外では個人情報の管理がどうなっているかはかなり怪しいと言えます。

個人情報の流出を積極的に公表しているのがプライバシーマークを取得している事業所だと仮定すれば、その39倍の隠れた流出があると推定できます。

2026年8月に公表されたもので、個人情報流出件数が判明しているものだけを表にしてみました。データの出典先は「セキュリティ対策Lab」です。

流出元 公表日 流出数
虫退治ドットコム 8月26日 15
KDDIウェブコミュニケーションズ 8月26日 1,250,543
アフラック生命保険 8月25日 220,000
教育ソフトウェア 8月24日 4,627
ジェックス 8月24日 77,619
VOISING 8月21日 170,000
ウェブライフ 8月21日 7,425
コタ 8月21日 55,408
サカタのタネ 8月20日 40,000
KDDI 8月20日 12,230,000
さくらインターネット 8月19日 1,360,563
KBC学園 8月19日 2,471
RingCentral 8月19日 1,600,000
ロジックベイン 8月19日 97,000
マクドナルドなど9社 8月19日 3,640,000
加賀ソルネット 8月18日 165,587
チャーム 8月17日 230,000
東京ガスネットワーク 8月14日 20,000
ナイス 8月12日 2,400
tl;dv 8月12日 180,000
デジタル庁 8月12日 150
科学技術振興機構 8月12日 16,000
イノベーション 8月10日 62,691
徳島県 8月10日 460,000
東海大学 8月7日 274
フラウ・インターナショナル 8月7日 3,560
東芝テック 8月6日 382,123
共同通信社 8月6日 6,000
宇都宮病院 8月5日 196
M&Sフードサービス 8月5日 1,030
中部電力 8月5日 74,100
講談社 8月4日 553
Hacobu 8月3日 50,384
アスクル 8月3日 600,000
Eストアー 8月3日 8,853,839
2026年8月 合計 31,864,558

8月1ヶ月間に公表された個人情報流出件数は、約3千万件です。公表時点では流出件数不明というのも多くあったので、実態はもっと多くなります。

2026年8月が特別多かったということでなく、毎月コンスタントにそれぐらいの個人情報流出事故は起きています。

大きいのはKDDIの1200万件や、Eストアーの880万件などですが、デジタル庁や徳島県など公的機関からの流出もあります。

1ヶ月で3000万件の流出ならば、年間では3億6千万件の個人情報流出が起きているということになります。

つまり日本の人口が1億2千万人として、日本人ひとりひとりの個人情報が、最低でも1年間(毎年)に3回(箇所)以上流出していると考えられます。

最近は、なにをするにしても、個人情報の提出を求められます。例えばネットでニュース記事を読むためには会員登録をしなければ読めず、企業へ商品やサービスの問い合わせをするときにも必要以上の個人情報の入力を求められます。

特に、無料のサービスやアプリ、ポイ活、プレゼント応募などで気軽に登録したり応募すると、そうした個人情報がどこへ流れるかは覚悟する必要があります。

合法的な個人情報の利用や流用もあれば、違法で収集したり、流出した情報を活用する人達もいるわけで、今の社会で個人情報を守るというのは表向きのことだけで、実際は相当にひどい扱いをされていると思わなくてはなりません。

本来なら、必要に応じて集めた個人情報は、その必要の役目を終えたら収集した側の責任としてはすぐに消去することが求められますが、実際にはそのまま何年かは保持されたままで置いておかれるというのが実態でしょう。

つまり、個人情報は広く知られている、漏れている、犯罪者にも渡っているという前提で考えておく必要がありそうです。

さらにそうした流出した個人情報と、SNSなどで自ら公表している名前やニックネームなども容易に結びつけられ、それが複数のデータ、氏名、性別、年齢、住居、勤務先、銀行口座、趣味・趣向、購入履歴、財産などが明らかになっていきます。

もしパスワードを使い回しをしていれば、どこか一箇所で流出してしまうと、次々とそれを悪用されてしまうと言うことにもなります。

それが匿名・流動型犯罪グループに渡れば、どこへ行けば容易に金を得られるか、家族構成はどうかなど知られてしまいます。

人や企業が信じられないという社会は息苦しく、居心地が悪いですが、これだけ多くの個人情報漏洩事故が起き、それを悪用する輩が跋扈していている限り、仕方がないことなのでしょう。

まずは、少しでも余分な個人情報を入力しないようにすることや、入力する場合は相手がどういう素性(会社規模やプライバシーポリシィ、プライバシーマークの有無など)などを確認する最低限の意識が必要でしょう。

始末に悪いのは、通販などでは配送先などの必要から個人情報の入力が必須になりますが、その通販会社の会社情報が虚偽で、有名店のなりすましだったりして相手を信用させるなど手が込んでいることもあるのでより注意が必要です。

【関連リンク】
1807 個人情報漏洩は止まらない
723 個人情報保護も大事だと思うが
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1907
本質を見抜く「考え方」(サンマーク出版) 中西輝政

本質を見抜く「考え方」 
著者は京都大学の教授で、国際政治学者として、自民党政権の裏方や日本会議などで活躍してきた政治思想的には保守系の学者さんです。

本著は、2007年に単行本、2009年、2011年に文庫が出版されています。

なかなか良いことが書かれているようですが、どうも例え話がうまくつながらず、そのせいもあって記憶に残らないというのが残念です。

読み終わった後に「いったいなにを言いたかったのだろう?」というのが感想でしかありません。

読む人が、著者の政治思想と近い人なら、共感を持って「うん、そうそう」とうなずける内容なのかも知れませんが、私には「なに言っているのかよくわからない・・・」という印象です。

しかし著者が英国に留学していたことがよほど自慢で嬉しかったのでしょう、本著の中で100回ぐらい自慢気に書かれています。

英国の政治というと、ジェフリー・アーチャーの小説によく出てきますが、そんなに自慢できる素晴らしいものではないように思いますが、著者にとっては英国の政治がすべて、それだけで完結してしまっているようです。

どうせ外国在住自慢をするなら、高野秀行著「恋するソマリア」に登場するような、日本人には縁遠そうな国の話だと意外性があって大いに興味がわき称賛するところですが、今でも中東で火種が尽きない原因を作り出した英国の「三枚舌外交」や、最近ではEU離脱による「ブレグジットの失敗」など、まともな国は決して見習ってはいけない政治を称賛されても、どうだかなぁと思ってしまいます。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

祈りのカルテ(角川文庫) 知念実希人

祈りのカルテ
2018年に単行本、2021年に文庫化されている連作短篇集です。6月に読んだ「祈りのカルテ 再会のセラピー」と読む順序が後先になってしまいましたが、こちらが先に出ています。

◇6月前半の読書と感想、書評(祈りのカルテ 再会のセラピー)

主人公は、様々な診療科を回って経験を積む初期臨床研修中の新米医師で、そこで起きる様々な問題に持ち前の勘を働かせ、謎を解いていくというミステリー小説です。

心身とも不安定でかたくなになった患者の心を開かせて話を聞き出し、そこから推理を働かせて、見えない問題を解決していくというお馴染みのパターンですが、医療に関わる人達の苦労などが垣間見えて面白く読めます。

今回は、研修中に週一回は割り当てられる救急部での話、次に外科、そして皮膚科、小児科、循環器内科と続いていきます。

そして2年間の初期臨床研修が終わり、いよいよ専門を決める時がやってきますが、果たして主人公はどの科(医局)を選ぶのか、、、

★★☆

◇著者別読書感想(知念実希人)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

黒牢城(角川文庫) 米澤穂信

黒牢城
2021年に単行本、2024年に文庫化された歴史小説ですが、連作短篇集風の作りになっています。

第166回直木三十五賞を受賞し、さらに第22回本格ミステリ大賞(小説部門)、第12回山田風太郎賞を受賞、「このミステリーがすごい!」2022年版国内編第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」2021年国内部門第1位、「ミステリが読みたい!」2022年版国内篇第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2022年国内ランキング第1位など、小説部門の賞やトップを総なめにした作品です。

また今年2026年には、黒沢清監督、本木雅弘、菅田将暉、吉高由里子などの出演で映画が製作され公開されています。

著者の作品すべてを読んだわけではありませんが、おそらく戦国時代の武将をテーマにしたミステリー小説は初めてのチャレンジだったのではないかと思います。

内容は、戦国時代ファンなら誰でも知っている、荒木村重が織田信長に謀反を起こし、大阪伊丹にあった有岡城で抵抗したという史実が舞台となっています。

木下藤吉郎や明智光秀らとともに、織田信長の家臣団の中で重鎮にまでなっていた荒木村重ですが、大阪本願寺と組むことで信長に反旗を翻すこととなり、本願寺や、中国地方の大大名毛利勢、和歌山の鉄砲集団雑賀衆などと反織田勢力グループを作ります。

しかし、圧倒的な兵力を持つ織田勢に対し、頼りにしていた毛利勢(毛利輝元を中心とする中国勢)は動かず、本願寺も周囲を織田勢に完全包囲され、村重が立てこもっていた有岡城も一進一退で時だけが過ぎていくことになります。

そこへ和議を勧めにやってきた黒田官兵衛を殺すのではなくまた帰すのでもなく、地下牢へ閉じ込めたことから、織田信長には「官兵衛が裏切って荒木についた」と見なされます。

ここまでは概ね史実通りですが、その後、有岡城で起きる様々な殺人や奇異なことについて、城内に動揺が広がり、村重が他に心から相談できる相手がいないことから、地下牢につながれた官兵衛に愚痴を言うがごとく相談し、事件を解決していくという流れです。

主役は城を抜け出し妻子や家臣を見殺しにしたことで後年「天下一の卑怯者」と言われた荒木村重ですが、本来村重は戦国時代に実力で下克上を成し遂げた有能な武将です。

映画では村重に本木雅弘、準主役の黒田官兵衛を菅田将暉が演じています。実力派俳優陣を揃えていますが、残念ながらいまいち大きな評判にはならなかったようです。

有岡城内で起きた様々な事件はフィクションですけど、その他、登場人物などは概ね実在し、史実に忠実で、最後は村重が城を脱出した後、有岡城は内部から崩壊し、織田勢に攻略されてしまい、黒田官兵衛は救い出され、村重の家族や家臣団は斬首されます。

なぜ村重は卑怯者と言われることをわかっていながら城を抜け出すことになったのか?それが官兵衛の発案だった?とかは諸説あるでしょうけど、最後まで面白く読めました。

★★★

◇著者別読書感想(米澤穂信)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

まだ見ぬ敵はそこにいる-ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班-(ハーパーBOOKS) ジェフリー・アーチャー

まだ見ぬ敵はそこにいる
原題は「Hidden in Plain Sight」で、直訳すると「目の前にあるのに気がつかない」で、日本語的に言うと「灯台もと暗し」という意味があります。2020年に英語版が出版され、日本語翻訳版は2021年に出版されています。

「ロンドン警視庁ウィリアム・ウォーウィック」シリーズの、「レンブラントをとり返せ-ロンドン警視庁美術骨董捜査班-」に次ぐ第2作品目です。

◇2022年12月前半の読書と感想、書評(レンブラントをとり返せ)

ちなみにこの主人公、ウィリアム・ウォーウィックは、2010年代に書かれた「クリフトン年代記」シリーズに登場した警察官で、それからスピンオフしてできあがった警察官の成功物語とも言えます。

順番が入れ替わりましたが、第1作目は4年前、第3作目「悪しき正義をつかまえろ-ロンドン警視庁内務監察特別捜査班-」を2年前に既に読んでいますが、物語は、過去の経緯を引きずっていくので、できれば順番に読んでいくことをお勧めします。

既に読んだ第3作目からすでに、4作目「運命の時計が回るとき-ロンドン警視庁未解決殺人事件特別捜査班-」(2021年)、5作目「狙われた英国の薔薇-ロンドン警視庁王室警護本部-」(2024年)、6作目「消えた王冠は誰の手に-ロンドン警視庁王室警護本部-」(2025年)が出版済みです。

第1作では美術品などの捜査に活躍を見せて、その後ずっとバットマンシリーズのジョーカー同様、典型的な悪役として主人公を悩ますことになる故買屋とのスリルある攻防がありました。

今回の第2作目では、その故買屋との関係とともに、麻薬取り締まり捜査班へ異動し、英国でコカインなど麻薬の製造と販売を一手におこなっている大物麻薬王を探し出して一網打尽にするというミッションが与えられます。

また主人公の恋人だった美術館員の彼女とは無事に結婚し新婚旅行にも出掛け子供も生まれます。

そうした故買屋や麻薬王との攻防、そしてプライベートのこと、さらには同僚刑事の不正を見逃すかどうかなど、様々な要素が詰まっていて面白く読めますが、著者の小説ではほとんどがそうですが、予定調和というか驚きはなく、やや物足りなさも感じられます。

★★☆

◇著者別読書感想(ジェフリー・アーチャー)

【関連リンク】
 8月後半 もののふ戦記、磯田道史と日本史を語ろう、煙が目にしみる、泥棒は哲学で解決する
 8月前半 鬼火(上)(下)、心にナイフをしのばせて、母の待つ里、怖い絵 死と乙女篇
 7月後半 O・ヘンリーミステリー傑作選、白夜を旅する人々、手鎖心中、破船

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1906
スリー・キングス(原題:Three Kings) 1999年(日本公開2000年) 米
監督 デヴィッド・O・ラッセル
出演者 ジョージ・クルーニー、マーク・ウォールバーグ、アイス・キューブ

スリー・キングス
1990年、イラクがクエートに侵攻し、多国籍軍がイラクに軍事介入した湾岸戦争で、休戦協定が成立直後のまだ不安定な頃の話として描かれています。

当時イラク国内では、米軍を中心とする多国籍軍、フセイン率いるイラク軍、反政府勢力の3者がそれぞれに地域を実質支配しているという状態です。

多国籍軍(米軍)の兵士達が、ある捕虜が隠し持っていた地図を見つけ、それがフセインが隠した財産ではないかと判断し、その地図に書かれた場所へ上官の許可なく入り込んでいきます。

その場所では、反政府軍のリーダーが政府軍に捕まっていて、また住民に残虐な行為がおこなわれていたことから、救い出すとともに、金塊を発見して持ち出すことに成功します。

しかしその後イラク政府軍に攻撃され、仲間のひとりが連れ去られ、その仲間を助けるために、反政府グループの民間人達を隣国のイランへ逃がしてやることを条件に反政府勢力の協力を得ることにします。

いずれも軍務規律に違反する行為ですが、ちょうど米国のテレビクルーが来ていたことを利用して円満に解決していきます。

監督自身は湾岸戦争に批判的な方らしいのですが、エンタメ映画らしく、ご都合主義でちょっとふざけたような場面もあり、シリアスさはありません。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

荒野のストレンジャー(原題:High Plains Drifter) 1973年 米
監督 クリント・イーストウッド
出演者 クリント・イーストウッド、ヴァーナ・ブルーム

荒野のストレンジャー
日本語タイトルからわかるとおり、西部劇です。原題を直訳すると「高原の放浪者」。

ある訳ありの西部の町に流れ者のカウボーイがやってきて、その町で用心棒をやっている3人の男たちが不審なよそ者にちょっかいをだしたところ、一瞬でやられてしまいます。

しかしシェリフはもとより、町の有力者からはおとがめがなく、逆に、その腕を見込んで、町の用心棒をやってくれないかと頼まれます。

というのも、3年前に、その町の用心棒をやっていた3人の男を裏切って、町が告発して刑務所に送った過去がアリ、その3人の男たちが仕返しに町へ戻ってくることがわかっていたためです。

町の有力者から、何でも言うことを聞くからと懇願され、用心棒役を引き受け、復讐にやってくる男たちを迎え撃つために町民に武器を取らせ、訓練をはじめます。

しかしその流れ者は、好き放題をして、人妻を寝取ったり、商売の邪魔をしたりすることから、一部の町民から恨みを買い、狙われることになります。

やがて、3人の釈放された男たちがその町へやってきますが、流れ者はその直前に姿を消して、、、

果たしてその流れ者の正体は?というところが最後まで謎として残りますが、言いたいことはよくわかる内容でした。

★★☆

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グラディエーター(原題:Gladiator) 2000年 米
監督 リドリー・スコット
出演者 ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、コニー・ニールセン

グラディエーター
2000年のアカデミー賞、およびゴールデングローブ賞で作品賞を受賞した作品です。

日本人にはほとんど馴染みがないというか学校では教わらない、ローマ帝国末期の周辺国との戦闘や、権力争い、そしてタイトルになっている「グラディエーター=剣闘士」の、見世物となっていた死を賭けた闘いなどを描いています。

主人公は、平民出身ながら勇敢で多くの功績をあげて、ローマ帝国皇帝にまで絶大な信頼をされていた将軍です。

皇帝は、自分の息子には皇帝を継ぐだけの器量や正義感などがないことを理解していて、この将軍にあとを任せたいと思いますが、それを知った息子は自分の親の皇帝を殺害し、自らが皇帝を継ぐことを宣言します。

そして邪魔になった将軍を殺害しようとしますが失敗し、代わりに家族を惨殺します。それに絶望しショックを受けた将軍は行き倒れになりますが、奴隷商人に救われ、その後、命を賭けて戦う剣闘士として売られていきます。

やがて、ローマのコロッセウムで、奴隷の剣闘士と、ローマ皇帝とが再び相まみえることになり、、、

と、まぁ、都合良く復讐劇のエンタメ映画で、ハッピーエンドには終わらないですが、大掛かりなセットや多くの兵士など、お金は凄くかかっていそうな迫力のある良い映画でした。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

望み 2020年 「望み」製作委員会
監督 堤幸彦 出演者 堤真一、石田ゆり子、岡田健史(水上恒司)

望み
原作は雫井脩介氏の長編ミステリー小説で、この小説は3年前に読んでいました。

ハラハラドキドキは良かったのですが、家族の葛藤や家庭が壊れていく姿、悪い噂が広がっての嫌がらせなどの内容がしつこいぐらいに延々と続くところが私の評価が低かった小説です。

◇2023年7月後半の読書と感想、書評(望み)

高校生の息子が、サッカー練習中の事故で足を怪我して、好きだったサッカーを続けることができず、モヤモヤとした時間を過ごすようになっています。

そしてある日息子の同級生が何者かに殺されるという事件が起き、同時に息子とは連絡が取れず行方不明となります。

果たして息子は加害者なのか?それとも被害者としてすでに殺されているのか?というストーリーですが、親としては、例え加害者だったとしても生きていて欲しいという願いと、友人を殺した加害者の親という立場に耐えられるか?という葛藤に悩まされます。

こうした社会派ミステリーという小説は多く、そこに登場するマスコミは、無責任な突撃取材をし、無遠慮な質問をぶつけていきます。

またそれに乗っかって、ネット上だけでなく実際の自宅へも様々な嫌がらせがおこなわれていく社会は本当に健全なのか?ということを考えさせられます。

★★☆

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ヴィレッジ 2023年 「ヴィレッジ」製作委員会
監督 藤井道人 出演者 横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル

ヴィレッジ
同名のアメリカ映画(2004年公開)があり、それがホラーものなので、それのリメーク作品かと勝手に思っていたら全然違っていました。

しかしタイトル通り、地方の村が舞台で、そこのゴミ処理場で働く青年が主人公です。

その主人公の父親は、ゴミ処理場建設反対運動をおこなっていて、殺人事件を起こしたあとに自殺した過去があります。

ゴミ処理場を誘致した村の顔役の村長や、そのどら息子、東京から戻ってきた幼なじみの女性、村を出て刑事になっている村長の弟、ゴミ処理場へ不法投棄する地元のヤクザなど、様々な思惑や差別が交差していきます。

しかし、どうもこの映画が何を言いたいのか、最後までよくわかりませんでした。

単純に「人殺しの子供は、同様に人殺しになる」という根拠のない差別的なことを言いたいのか?と思ってしまいます。

もちろん、アイドル俳優主演映画だけに、そうではないでしょうけど、それ以外にどう解釈しろというのか混乱してしまいました。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

薔薇の素顔(原題: Color of Night) 1994年 米
監督 リチャード・ラッシュ 出演者 ブルース・ウィリス、ジェーン・マーチ

薔薇の素顔
その年の最低映画を選ぶ「ゴールデンラズベリー賞」で最低作品賞と最悪男優賞を受賞してしまった残念な作品ですが、内容はそう悪くないものでした。

内容は、精神科医と多くの精神障害患者とのスリラーサスペンスといったものですが、小説にしても映画にしても、精神異常者であれば、常軌を逸するなにをしてもおかしくはないでしょ?という風潮があるのはどうも気分的にスッキリしません。

とにかくニューヨークで精神科医だった主人公が、目の前で自分の患者が飛び降り自殺をしたことで、目に異常が起きてしまい、しばらく保養を兼ねてロサンジェルスで精神科を経営している友人のところへやってきます。

しかしその友人が、自分の患者に命を狙われていると話した後に、惨殺され、警察から、精神科医と友人の死ということから捜査の手伝いを求められるという流れです。

こうしたスリラー映画には欠かせない精神異常者や多重人格者、子供の頃の不幸な出来事や虐待など、よくあるパターンですが、小説ではうまくごまかせそうなところも映画では苦心することになります。

同じブルース・ウィリス主演で、精神異常ではなくこれまた実写映画では表現の難しそうな超常現象で描いた「シックス・センス」(1999年)のほうがずっとまともでした。

ちなみにこの映画では過激なラブシーンが有名だったそうですが、テレビ放映ではその全部がカットされていました。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

フェノミナン(原題:Phenomenon) 1996年 米(日本公開1997年)
監督 ジョン・タートルトーブ 出演者 ジョン・トラボルタ、キーラ・セジウィック

フェノミナン
アイドル俳優をメインに据えたファンタジー恋愛映画です。ファンタジーというのは、主人公にだけ、ある日突然与えられた超能力というところがよくあるパターンでどうもピンときません。

ま、自動車工場で油まみれになりながら平凡な日々を送っている青年が、美しいシングルマザーに恋い焦がれ、一生懸命に告白していくところは健気で応援したくなります。

そして37歳の誕生パーティの夜、空から不思議な光に包まれ、その時から特殊な能力、念力や地震予知、暗号解読、語学などで周囲を驚かせます。

それは脳に出来た腫瘍のためと判明しますが、その特殊能力を調べたい政府の情報部門から協力を要請されたり、FBIに拘置されますが、そこから脱出し、残り少ない時間を過ごすため好きだった彼女の元へ向かいます。

と、まぁありふれた恋愛映画でしたが、映画の最初と最後に流れるエリック・クラプトンとベイビーフェイスの歌「チェンジ・ザ・ワールド」だけは素晴らしいです。

★☆☆

【関連リンク】
2026年5~6月にみた映画 愛と哀しみの旅路(1990年)、東京暗黒街・竹の家(1955年)、トラフィック(2000年)、トゥモロー・ワールド(2006年)、アウトロー(2005年)、劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~(2023年)、去り行く男(1956年)

2026年3~4月にみた映画 フォードvsフェラーリ(2019年)、裸の拍車(1953年)、陸軍中野学校(1966年)、荒野に生きる(1971年)、女相続人(1949年)、プロフェッショナル(1966年)、ドライブ・イン・マンハッタン(2023年))

2026年1~2月にみた映画 奇跡のシンフォニー(2007年)、新解釈・三國志(2020年)、スターゲイト(1994年)、99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE(2021年)、閉ざされた森 (2003年)、キャメラを止めるな!(2022年)


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