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自宅もすでに25年を過ぎて、あちこちに傷みが目立つようになってきましたので、リフォームのことが気になり始めています。

我が家では、屋根と外壁を17年前に補修&塗り直し、13年前にキッチン水回りの修繕、4年前に浴室や洗面所のリフォームを行っています。

788 浴室のユニットバス化リフォーム工事完了
508 洗面化粧台をDIYで交換 その2工事編

屋根と外壁の2回目の補修&塗り直し、居間や廊下の床の張り替え、トイレ(1階と2階とも)ユニットの交換がそろそろ必要となってきています。

最近は新築の広告よりもリフォームの広告が目立つようになってきたのも、1980年代~90年代にかけて大量に建てられた一戸建てが、一斉にリフォームが必要なほど老朽化を迎えていることからでしょう。

それと旧耐震基準(1981年以前)の建物の対策も急がれます。

そこで新聞チラシに入っていた「屋根と外壁 夏のメンテナンス講座」と銘打った「一般社団法人 市民住まい向上委員会」というところが主催する、ちょっと怪しげな無料セミナーへ怖いものみたさで参加してきました。

なにが怪しげかというと、この一般社団法人、ネットでググってみれば、いろいろと出てきますが、簡単に言えば特定のリフォーム会社が会員(スポンサー)となって設立しているようで、そこの元社員がこの社団法人の代表を務め、こうしたリフォームセミナーを全国各地で開催しています。

そしてそのセミナーで集まってきた参加者こそ、リフォーム会社の最大の見込み客だということです。

つまり、リフォームしたい客を集めて、そこから一本釣りで注文をとろうというのがミエミエなのです。

でも同じくネットで、「たいへん役立った」とか「リフォームの見積もりは複数の業者からとるようにと言われ、特定の業者だけに誘導するようなことはなかった」と、参加者を囲い込むだけがこのセミナーの目的ではなさそうと、好意的な意見も多数ありました。

この仕組みで上手いなと思うのは、セミナーが、地域の役所とか合同庁舎とか(の中にある貸し会議室)で開催されています。したがってチラシには大きく「開催場所:○○区役所」とか「市民プラザ」とか書けるわけです。

それは一見すると、行政が行う「市民講座」と錯覚しそうで、ぼんやりと生きている人に安心という誤解を与える効果があります。チコちゃんに怒られます。

そういうことを知りながら、なぜ参加するのか?
タダほど高くつものはないぞ!

確かにそうなのですが、リフォームや屋根の補修というのは、私のように一般の人にとっては馴染みがなく、知識もないも同然です。

セミナーの裏に何かがあったとしても、リフォームのことについて教えてくれるなら、それが特定業者への誘導目的であっても、そうということを知っていれば良いではないですか?

で、そういう理解の元で、参加してきたわけです。

休日の役所はひっそりとしていて、ほとんど無人状態です。暗い廊下を進むと会議室の前には係員さんがいて、事前予約した人のチェックをし、小冊子を渡されて席に着きます。

そしてセミナーの中身はというと、意外というと失礼ですが、なかなか良かったです、いや正直に。

当たり前ですが、バックに業者がついていることはカケラも漂わすこともなく、講師のしゃべりも手慣れたもので、リフォームする時のいくつかの注意点やポイントを素人にわかりやすく教えてくれます。

例えば、屋根の塗装で手抜きされることが多いスレート瓦の縁切りについて知っておくようにとか、外壁のサイディングで直張りか通気工法の違いで塗装に向き不向きがあるという話しとか。

業者選びの際に、塗料の種類や使用量の見積もりの見方(手抜きの見抜き方)、作業工程表からわかる塗装の乾燥時間など。普通はこうしたことって素人は知りませんよね。知る必要がどこまであるのかってこともありますが。

実際に役に立つのかどうかはわかりませんが、依頼する業者に、例えば「塗料はなにをどれぐらい使う予定か?」と聞くだけで、「この施主は下手に手抜きするとバレるかも」と思わせることができ、その後の対応が違うかもしれませんね。

そして新聞折り込みによく入っている広告では、屋根や外壁塗装の料金設定が、塗る屋根と外壁の面積単位ではなく、誰もが知っている建坪数で見積もられる不思議とかの話しも面白かったです。必ずしも建坪と外壁面積は比例しませんからね。

その時には、実際によく新聞に入っていたりポスティングされている業者のチラシを見せて「こういう外壁面積ではなく建坪で金額が決まるいい加減な見積もりは信用できますか?」と、格安広告に対して一矢を浴びせます。

さらに、建物の経年劣化を事前に写真や動画に撮って説明を受けるインスペクション(調査・検査)の重要性など、素人の発注者が喜びそうな(逆に請負業者が面倒に思う)役に立つ話が聞けました。

おそらくこのセミナーのバックにいるスポンサーのリフォーム企業は、そのあたり(外壁面積算出して見積もり+インスペクション)を、セミナー講師が言うとおりにおこない、他の安い業者と差別化をし、客に信用させるのでしょう。そっかぁ、なんとなく見えてきたぞ~。

そしていよいよセミナーが終わり、最後に「セミナー参加者によく業者の紹介を頼まれるから」という理由をつけて、「セミナー参加者だけに外壁面積を算出し、さらに実地検分し、経年劣化を調べビデオ撮影を無料でしてあげます」と。

まさに、ここがこの無料セミナーの最大のポイントでしょう。

しかし、もちろんそれは決して脅したり強制したり、サクラが集団心理をあおったりするようなものではなく、冷静によければどうぞという感じで、人の良さそうな参加者は、戸惑いつつも割と希望しているようでした。

そりゃ、「タダでそこまでしてくれるというのには、なにかワケがあるな」って誰でもわかりますが、それでも急を要している人ならこのチャンス?に飛びつくでしょう。

セミナーの参加者は30人ぐらいでしたが、そのうちの2/3ぐらいの人が、上記の外壁面積算出と簡易なインスペクション(検査とDVD撮影)を申し込んでいる感じでしたので、見込み客獲得法としては悪くない感じです。

こうしたセミナーでは、申し込みをリードするサクラ(仕込まれた参加者)がいて、積極的な質問や、真っ先に調査を申し込む人がいても不思議ではありませんが、今回そうした人はいなかったように思います。

講師は「調査の依頼をしても、その業者に工事を頼む必要はありませんから」と、言っていましたが、検査後にキッパリ断れる勇気があるかどうかは別として、リフォームを考えている人は背中を押してくれる良い機会かもしれません。

検査をすると、そりゃ、ひどく悪いところを強調し「このままだと中が腐ってしまうので、すぐに対処した方が良いですよ」とか、リフォームをあおりまくることは間違いないでしょう。検査だけ何社にも依頼するような人はまずいないでしょうから、言ったのも勝ちです。

社団法人を作り、そのスポンサーとなり、会場費、広告宣伝費をかけて無料セミナーを実施し、その参加者の家を無料で現地調査して、そこでつかんだ魚は簡単には逃がしてくれないでしょう。そうでなければこうしたお金も手間もかかるセミナーなど行いませんから。

 私?

セミナー修了後、なにも申し込まず、速やかに撤収してきました。

但し個人情報は申込時に渡していますので、それがいずれDMや訪問営業につながってくるのかもしれません。


【関連リンク】
1227 今の低い住宅ローン金利が羨ましい世代
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用
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もう1年後のこの時期には新しい元号(○○元年)となっています。会社の書類などでも、西暦と複数の元号が混ざり合っていて、これがまた面倒なことこの上ありません。

新元号については様々な決まりがあり、また勝手な憶測が流れています。

・過去に元号として使われていない
・書きやすく、読みやすいこと
・俗用されてなく、商標登録などされていない
・漢字2文字で簡単に書けること
・略称のアルファベットがM(明治)、T(大正)、S(昭和)、H(平成)以外
・アルファベットで「I(アイ)」や「O(オー)」も数字と間違えやすいので使われない
・最近の元号と同じ漢字は間違えやすいので使わない
・出典や意味がわかりやすい

などいくつか考えられる条件がありますが、過去の元号候補で結局その時は使われなかったものが、再び候補となり選ばれることが確率的に65%程度あったそうで、明治も大正も平成も過去に候補となったことがあります。

恐らくですが、ネットやマスコミで噂されるような元号はまず外されるはずで、こうした予想とかに一切出てきていない意外性のある漢字二文字が選ばれるのでしょう。

但し過去の候補はそれなりに由緒正しいものなので、それから選ばれる可能性は否定できず、その中からとすると、少なくとも、M:マ行、T:タ行、S:サ行、H:ハ行で始まる元号や、中国の都市名など俗称的なものを省くと、かなり絞り込めます。

昭和、平成に決まった際に他に候補に挙がったものから上記の条件を満たしているのは、「元化(GENKA)」のみと言うことになります。すでに元化を商標登録している人とかもいそうです。

う~む、、、いまいちか。

ネットを見ていると、ア行の「安」を使った「安久」とか「安永」「安始」とかを挙げる人が多いようです。意味としてはなんとなくわかりやすいですね。

その他ネットで調べてみると、
ア行「安延」「安化」「安長」「安仁」「永太」「永明」「永光」「永安」「永化」「永徳」
カ行「感永」「希栄」「建和」「建安」「弘徳」「弘保」「弘栄」「弘福」「弘永」「光文」
ザ行「仁福」「寿安」
バ行「文承」「文弘」
ワ行「和永」

下馬評では「安」か「永」か「弘」が最初の1文字と予想している人が多そうです。

意外とナ行とヤ行の元号候補がありませんでした。この辺りが大穴かも知れません。

ネットでの候補を見ていて、一番笑ったのは「苦節」でした。「苦節10年」とか語呂が良さそう~

新元号の発表時期については現在のところ決まっていないらしく、2019年2月におこなわれる「天皇陛下の即位30年を祝う記念式典」の後という見方が有力のようです。

カレンダー業界は、来年はもう西暦表記メインでしか対応できず、その他、公的機関に多いですが、元号で様々な書類や証明書などを発行している機関は、5月1日の切り替えまでの準備期間が短いと大変でしょうね。

それでなくても、2020年までは人手不足が深刻ですから、元号の変更作業は、天皇やそれに紐付く元号に歴史的にあまり良い感情を持っていない中国やベトナムなどの業者に丸投げするという変な構図になりかねませんね。


【関連リンク】
1094 元号の話し
1101 除け祈願
998 天皇陛下の外国訪問
870 首都移転は実現可能か



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1235
今から4年前に書いた「後継者不足で廃業、倒産する企業 2014/6/21(土)」という記事に関して、その後の状況というか補足を書いておきます。

いや、上記は4年前に書いた記事ですけど、我ながらよく書けていて、いまさらなにか新しいことを追加で書けるのか?という疑問もありますが、事業継続問題について興味がある分野だけにその動きに関心があります。

と、いうのも先日みたNHKのバラエティ的番組で「あなたも社長になれる!」的な話しがあり、これは会社というか事業譲渡がネットで気軽におこなわれていて、その中には、前の記事にも書いたとおり、後継者不足のため、事業が続けられなくなり、それを他人に事業譲渡するというパターンが増えているというもの。

少し前の朝日新聞にも、
廃業予備軍「127万社」の衝撃 後継ぎ不足、企業3割(朝日新聞2018年4月1日)
経済産業省によると、この20年で中小企業の経営者の年齢分布は47歳から66歳へ高齢化。2020年ごろには数十万人の「団塊の世代」の経営者が引退時期 (中略) 経営者が60歳以上で後継者が決まっていない中小企業は、日本企業の3分の1にあたる127万社に達する。事業が続けられず廃業する企業の半分は黒字とされ、25年ごろまでに650万人分の雇用と22兆円分の国内総生産(GDP)が失われる可能性がある。

いよいよ日本経済を裏側で支えてきた中小零細企業が後継者不在でバタバタとつぶれたり廃業したりする時代に突入しています。

帝国データバンクの調査では高齢化が急速に進む四国4県で、「2013年に休業、廃業、解散した事業が1000件を超え、倒産件数の6.4倍になっている」ということです。

そうした後継者がいない中小零細企業に「会社を売りませんか?」と片っ端に声をかけて「For Sale」の看板を貼っていくのが事業譲渡仲介会社(以下仲介会社)の役割です。

仲介会社は、仲介料(成功報酬)と、その事業が新しい経営者の元で軌道に乗るまでのコンサルや支援(有料)などが主な収入源と思われます。

ひと昔だと事業の売買は「M&Aビジネス」として、銀行や証券会社、大手経営コンサルタント会社と言った、信用のあるファイナンス系、コンサル系企業が担っていましたが、現在では新興のネットビジネスとして様変わりしているようです。

ネットを使って、中古品のオークションか、転職マッチングサイトのように、企業や事業を簡単にしかもお手頃な値段で売買する仕組みができていて、これに「鶏口牛後」とばかりに若者や脱サラしたいサラリーマン、定年前後の中高年、まだまだ元気で意気盛んな高齢者にウケているそうです。

一例ですけど、こんな会社が載っています。
アンドビズ株式会社
埼玉県 イタリアンレストラン 譲渡希望価格: 2,500 千円
東京都 (休眠中)農産物の生産・販売 譲渡希望価格: 応相談
愛知県 名古屋 栄・錦のスタイリッシュダイニングバー 譲渡希望価格: 3,000 千円
大阪府 訪問介護事業 譲渡希望価格: 3,000 千円
大阪府 らーめん 先代が屋台から始めた60年以上続くラーメンのレシピ 譲渡希望価格: 3,000 千円
全地域 マグネットシートの販売 譲渡希望価格: 2,500 千円

先日のNHKの取材では、沖縄にあるサーフショップが売りに出されているのをみて、サーフィンが趣味の番組スタッフが「俺、買おうかな、、、」って、収録中に思わずつぶやいていました。

社会全体に閉塞感がある中で、なにかきっかけがあればキャリアチェンジしたい人も多そうです。

黒字ですでに実績がある会社(事業)を譲り受けるのに、安いものなら100万円とか200万円とかその程度ですから、つい「自分でもできそう」って思ってしまいますね。決してそう甘いものでもないと思いますけど。

新たな借金さえしてなければ、万一潰しても被害はその先の投資分だけです。事業を興すときに借金をして大いにつぎ込み、結果うまくいかずに倒産して自己破産に追い込まれるようなこともありません。

通常、起業するなら自分でイチから事業計画書を書いて、資金を集めたり銀行から借りてきて、会社を登記して、サイト立ち上げて、パンフレット作って、営業して回ってと、手間も時間もかかりますが、すでに売上の実績がある事業の経営を引き継ぐわけですから、継続していく難しさはあるものの、失敗するリスクはかなり減らせるでしょう。

そんな美味しい話しが?って思いますが、欲の突っ張った高齢者がよく引っかかる「黙って投資するだけで、寝てても何倍にもなる」という投資詐欺と違って、今の日本には、優れたビジネスモデルやアイデアがあっても、わずかな収益のために手間をかけて淡々と実行してくれる人がいないという状態なので、一概に疑う話しばかりではないでしょう。

頭のよい人はもっと大きく儲かる効率のよいビジネスへ移っていきますから、そうした人が見切りをつけた仕事ってことにもなりますが、それが儲からない仕事というわけでもなさそうです。。

もちろん、中には将来性がない仕事もあるでしょうし、経営者が代わることでそれまでの人脈がリセットされてしまい、取引が続かなくなり、業績が急速に悪化してしまうことも考えられます。それは買う事業の将来性や、経営環境を見誤った人の自己責任です。

そして従業員がいるような事業はそれなりに責任が重くなりますので、こうしてネットで売買される会社の多くは経営者ひとりか、せいぜいアルバイトが数名程度で行える事業が多いのも特徴です。

仲介会社としても、購入者のリスクを減らすために、例えば旧経営者にも引き続き支援をしてもらうため、株を少し持ってもらったり、非常勤役員になってもらったりと、双方にメリットが出るような売買契約の仕組みなど工夫が必要でしょうね。

いずれにしても、私の感覚では、事業に真剣に取り組めば、数年間、自分のお小遣い程度の収入を得るならばそう難しいことではなく、そのきっかけとして、自分が得意な分野で個人事業を始めるも良し、得意ではないけれど、すでに会社組織になっている事業を買うも良しです。

小遣い程度じゃ嫌だ、金持ちになりたい、上場企業を目指す!というのなら、これは何年も苦労に苦労を重ねた後、運と才能に恵まれ、何千人、何万人にひとりがやっと成功するというぐらいにたいへんなことでしょう。


【関連リンク】
1169 定年起業
1068 個人事業主の中でもフリーランスとしての働き方
828 後継者不足で廃業、倒産する企業
826 脱サラ起業ができる人、できない人
743 出版社不況の現状
627 起業するのは難しくないが、引き際が難しい




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1234
フェルマーの最終定理 (新潮文庫) サイモン・シン

17世紀に数学者フェルマーが残した「3以上の自然数nについて、xn(xのn乗)+yn(yのn乗)=zn(zのn乗となる自然数の組(x,y,z)は存在しない」という定理について、フェルマーが「証明できるけど余白がないので書かない」とした証明を、360年後にやってのけた数学者アンドリュー・ワイルズのノンフィクションドラマです。

なにか難しそうで最初はためらわれましたが、多くの先駆者達のお勧め本に上がっていましたので、思い切って買ってきて読んでみました。

この文庫は2006年刊ですが、先の2000年に「フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで」という単行本が出ています。

数学者とはまったく縁がなくその論理思考は知りませんが、以前読んだ小川洋子著「博士の愛した数式」やその映画で、数学者のおかしな行動や思考については興味がありました。

こちらの著書では、ピタゴラスやアルキメデスなど小学校で習う天才数学者が歩んできた数論から始まり、世界的な数学者が次々と登場してきます。

その中でも17世紀に生まれ、裁判官をしながら数式解明に情熱を燃やし、ある数式の解は存在しないことを解明したが、余白がないので書かないと残していたフランスのピエール・ド・フェルマーについての話しが長く続きます。

その解明に向けてとにかく、約数、素数、完全数ぐらいまではともかく、無理数、過剰数、不足数、べき数、有理数、虚数、楕円方程式、モジュラー形式、4次元、5次元など次々と初めて聞くことばが出てきて混乱します。

しかし著者は素人にもわかるようにといちいち説明を入れてくれていますが、ベースにほとんど知識がない文系人間だけに、一度読んでも数ページ先に出てくると「あれ?なんだっけ?」って行ったり来たりすることになり、なかなか先へ進まないもどかしさがあります。

この300年以上解明されなかった最終定理には、「谷山-志村予想」と言われる整数論で、日本人数学者も関わっていることに驚きました。まったく普通の日本人には馴染みがないでしょうから。

こうした数論が、果たして現実の社会にどれだけ役立つのか?という疑問は一般の人と同様に持ち合わせていますが、それを言ったら、芸術家が作る作品や音楽、エンタテナーとしてのプロスポーツなどと同様、人類の能力を極限まで高めていくものという理解をしてもいいのではないかなと読んで思った次第です。

それにしても、普段ライトな小説慣れしていることもあってか、こうした難しいドキュメンタリー小説は肩が凝ってしまいます。

★★☆


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ロマンス (文春文庫) 柳広司

2011年に単行本、2013年に文庫化された昭和初期の華族社会にまつわるミステリー小説です。

実は、単行本が出てまもなく購入し、2012年に一度読んで、感想も書いています。

9月後半の読書 2012/10/3(水)「ロマンス」

ありゃりゃです。今回は文庫本を読み始めてすぐに、アレ?これ知っているぞと気がつきました。

少し前にダブって読んでいた石持浅海著「月の扉」は読み進めても気がつきませんでしたが、こちらは印象がまだ強く残っていました。

って、買うときに気がつけよ!ってことで、老化現象と思われても仕方ありません。

昭和初期の華族が幅をきかせていた時代に、両親を事故で亡くした異色の華族青年が主人公で、謎だらけの殺人事件に遭遇し、その謎を解き明かしていくという内容です。

太平洋戦争前の、陸軍、特高、共産党シンパ、華族など、一般庶民には関わりのない特殊な世界ですが、テンポ良く意外な結末で、読者を引きつけてくれます。


★★☆


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ヘヴン (講談社文庫) 川上未映子

2009年に発刊、2012年に文庫化された小説です。2008年に「乳と卵(らん)」で芥川賞を受賞されている作家さんですが、著者の作品を読むのは今回が初めてです。

主題は中学生のイジメ問題を中心にして物事の善悪を考えさせようとするほろ苦い内容です。

ただ、底が浅いというか、ステレオタイプというか、あまり深くは洞察せずに、著者が思ったまま感じたまま、サクッと書いたなって感じを受ける、お手軽携帯小説って感じがします。

こうした今現実に普通に起きているテーマを用いる場合、もう少し小説として考えさせられる内容にするとかできなかったのかな~と思わずにいられません。

それでは売れないからね、て言われてしまうとそうなのですけどね。

★☆☆


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雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ) 城平京

著者の作品では2年前に「名探偵に薔薇を」を読んでいます。その時の私の評価はあまり高くありませんでしたが、、、

9月後半の読書と感想、書評(名探偵に薔薇を)2016/9/28(水)

こちらの作品もタイトルからして、若向けの携帯小説っぽいなぁ~と思いつつ、ネットの読者の評価は高かったので購入してみました。

2016年に文庫(書き下ろし?)で発刊されています。発刊は講談社タイガという珍しいレーベルで、なぜ講談社文庫ではないのか不明です。

内容は、相撲好きの両親に育てられた男子中学生が両親を事故で失い、田舎町で刑事をやっている叔父とその親(祖父)に引き取られ、転校してくるところから始まります。

その町では相撲が人気で、なんとカエルを神と崇め、相撲を奉納するというハチャメチャな展開。

主人公の少年は両親の影響もあり、小柄で不向きながらも相撲道場に10年も通い、それなりに相撲のことは知り尽くしています。

日本書紀によって「相撲」という言葉が初めて登場し、現在では土俵の上は女人禁制となっているものの、最初に記述された相撲は男性職人の手を狂わせるために仕組まれた女相撲だったとか、相撲の歴史や、様々な技など知らなかったことも散りばめられ、相撲ファンならずとも、気軽に読めるお手軽なファンタジー&ミステリーファンなら面白く読めるかも。

平安時代から鎌倉時代の作と言われる鳥獣戯画にもウサギを投げ飛ばすカエルの絵が描かれていましたが、カエルと相撲はなにか相性が良いのかも知れません。

★★☆


【関連リンク】
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1233
前に運転免許証の取得推移について書いたのが2011年12月ですから、7年半ぶりに更新版を書いておきます。

運転免許証の取得推移と乗用車保有台数推移を並べてみる(2011-12-01)

さすがに7年半前と比べると、運転免許証の取得者は、2008年以降続く人口減少、少子化、高齢者の免許返納、若者のクルマ離れなどの影響で、2017年では減少に転じていると、書く前までは確信していました。それがどのぐらいの勢いで減ってきているのか興味がありました。

ところが調べてみると意外や意外、伸び率は低くなっているものの、2017年現在、実数(取得者数)はまだ増加し続けているのですね。



運転免許取得者数は、2017年は前年2016年と比べて5万人、10年前の2007年と比べて230万人も増えています。驚きました。

運転免許証取得者を男女別で見ると、男性の取得者数は2009年をピークにして微減が続いていますが、女性は過去一度も下がることはなく上がり続けています。


※黄色は前年から減少、緑は過去最高
※元データの出典はいずれも警察庁運転免許統計より

つまり、男性の免許取得者は2009年に飽和状態に達し、新たな取得者よりも、返納したり更新しない人の数が新たな取得者数を上回り、さらに今後は若年層の人口減少で急速に下がり続けていくことになるでしょう。

一方、女性の免許取得者はまだ飽和状態には達してないようで、毎年男女計の総数が増えているのは女性の免許取得者増によるものです。

免許取得者の男女比率は1970年の時点では男性82%、女性18%と圧倒的に男性が多かったのが、2017年は男性55%、女性45%とかなり接近してきています。

女性の免許保有率が高まっているのは、元々低かった取得者割合が、女性の社会進出や、公共交通機関が少ない地方での生活に必要で、男性と変わらないぐらいに増えてきているということなのでしょう。

今は人手不足が深刻なバスやトラックなどの運転手も、女性の進出が進められているようで、環境さえ整えば、女性の働く場が広がっていいことです。

女性が長寿だからと言って男性よりも保有者が増えるかというと、それは違い、さすがに高齢者の免許保有にはリスクが高く、一定の年齢で免許証返納が進むでしょうから、男女間で寿命の長さと免許証保有率には今後ともあまり関係しないように思われます。

先日には90歳のお婆ちゃんが運転するクルマが歩行者をはねるという悲惨な事故がありました。90歳でも普通に運転をしているというのには驚きましたが、地方へ行くとそれが80、90の高齢者が軽トラで走っている姿は別に珍しくないという現状もあります。

上記の事故を起こした高齢者の家族は、「もう運転をやめたら?」と何度も言っていたそうですが、ただそれを言うだけではダメで、例えば優秀な自動ブレーキや誤発進抑制がついた安全なクルマに乗り換えさせる(買ってあげる?)とかしないとダメでしょうね。

国や自治体、警察も「免許証返納しよう!」ばかり言ってないで、高齢者の事故を減らしたいなら、高齢者が買い換える安全なクルマには一定の補助金を出すなど考えるべきです。

100歳のタクシードライバーがもしいれば、微笑ましいニュースにはなるでしょうけど、それに乗りたいと思う人はそう多くはいないでしょう。

女性の免許取得者もまもなく飽和状態に近づきつつあるということで、最終的に男女比が50:50になるかどうかはわかりませんが、このまま女性の免許取得者が男性を追い越し、今後さらに伸び続けていくこともなさそうです。

2017年の日本の人口は1億2653万人ですから、運転免許取得者総数8200万人は全人口の65%にあたります。

バイクの免許等は16歳以上から取得ができますが、仮に18歳以上人口(1億400万人)で運転免許取得者総数を割ると79%、免許が取れる人の約8割の人がすでになんらかの運転免許を持っていることになります。

免許証を持っていない2割の中には、様々な理由で取得していない人もいるでしょうけど、高齢者で、以前は持っていたけど返納したとか、乗らないので更新しなかったという人達が多く含まれていると考えると、免許が取得できる人口の8割まで来ているということは、もう飽和状態になっていると思われます。

しかし毎年120万人が新たに18歳になり、増えることはわかっていますから、この新たな運転免許参入者の奪い合いが運転免許ビジネスでは続くことになります。

日本の運転免許証を取得する費用(一般的に自動車教習所費用)は世界で見ても特に高額で、規制の中でのぬるま湯体質と、国土交通省、公安委員会、警察などの利権の温床ともなっているためとも言えます。金融や製造業のように激しい国際競争にさらされることもありません。

そうしたことからすれば、人口減少という今まで経験しなかったアゲンストの風を受けて、運転免許ビジネス(主として自動車教習所)の自由化や規制緩和をして、利権を壊していっても良いのではないでしょうか。

このままでは自動車学校など自動車免許ビジネスに明るい未来はやって来ないでしょう。


【関連リンク】
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