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ローレンス・ブロック傑作集〈3〉夜明けの光の中に (ハヤカワ・ミステリ文庫) ローレンス・ブロック

1993年に発刊された3作目となる短編小説集で、著者が創り出したキャラクターの探偵マット・スカダーや泥棒バーニイ、殺し屋ケラーなど20編が収録されています。

前の短編集2作品も同様ですが、出来の良い作品とそうでない作品の差が大きくて、ワクワクする短編もあれば、あくびが止まらない駄作も混じり、無理して20作も入れなくてもよかったのでは?と思ってしまいます。

しかし私はその良作のひとつ、1993年に読んだ「おかしなことを聞くね ローレンス・ブロック傑作集1 (ハヤカワ・ミステリ文庫)」(1983年)を読んで、マット・スカダーのファンとなりました。

元アル中探偵マット・スカダーに惚れる 2017/5/20(土)

短編それぞれのタイトルを書いておくと、

(1)夜明けの光の中に(2)夢のクリーヴランド(3)男がなさねばならぬこと(4)名前はソルジャー(5)魂の治療法(6)エイレングラフの選択(7)胡桃の木(8)泥棒はプレスリーを訪問する(9)交歓の報酬(10)死にたがった男(11)慈悲深い死の天使(12)タルサ体験(13)いつかテディ・ベアを(14)思い出のかけら(15)ヒリアードの儀式(16)エイレングラフの秘薬(17)フロント・ガラスの虫のように(18)自由への一撃(19)どんな気分?(20)バットマンを救え

(1)と(11)と(20)がスカダー、(8)がバーニー、(4)がケリーの短編作品です。

また、前の短編集(傑作集)でお馴染みとなった、手段を選ばず必ず無罪を勝ち取る弁護士エイレングラフはこの短編集でも(6)と(16)に登場します。(6)では、女中が見ている前で、資産持ちの夫を自分の拳銃で撃ち殺した妻を無罪にしてしまう敏腕ぶりには大笑いできます。

(11)の「慈悲深い死の天使」(The Merciful Angel of Death)は、著者の長編作品の中に「慈悲深い死」(Out on the Cutting Edge 1989年)というのがあって、それとの関連を想像していましたが、原題を見れば明らかで、まったく関係のない作品です。なぜ長編の「Out on the Cutting Edge」が「慈悲深い死」という超訳タイトルになったのかは不明です。

それぞれの短編小説を読んで思わずニタリとできるのは、やはりスカダーにしろ、バーニーにしろ、ケラーにしろ、エイレングラフにしろ、主人公の特徴をある程度知っておく必要があるでしょう。

お手軽な短編から入って、気に入った主人公の長編を買って読むというのもアリですが、マット・スカダーシリーズは、主人公にそれなりの歴史があるので、やはり初期の作品「八百万の死にざま」(1982年)あたりを先にたしなんでおいてから読むとグッと楽しさが増します。

★★☆


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山猫の夏 (講談社文庫)(上)(下) 船戸与一

 
著者は多くの小説を書き、2000年には「虹の谷の五月」(2000年刊)で、直木賞を受賞されていますが、惜しくも2015年に71歳で亡くなられた作家さんです。

調べてみるとまだご健在だった2005年に「金門島流離譚」(2004年刊、文庫は2007年刊)という小説を読んでいます。次は今さら感がありますが直木賞受賞作品を読んでみたいです。

この著書は、1984年に単行本、1987年に文庫化され、吉川英治文学新人賞などを受賞した著者の初期の作品で「虹の谷の五月」や「砂のクロニクル」とともに、著者の代表作と言われている作品です。

主人公は日本人ですが、舞台はブラジルです。叔父を頼ってブラジルへ渡った日本人が、亡くなった叔父の妻がやっているバーを手伝っているところに、山猫と名乗る日本人が現れます。

そこはブラジルでもサンパウロのような大都会ではなく、長くいがみ合う二つの名門家が対立している地方の小さな町で、両家をゆるがす大騒動が起きたために、ならず者の助っ人を呼び寄せ、戦闘態勢に入ろうとしています。

山猫はその二つの名門家同士で徹底的につぶし合わせ、さらに武器の横流しなどで儲けていた警察や軍部も関わらせて、漁夫の利を得ようとするわけですが、なにか黒澤明監督、三船敏郎主演の映画「用心棒」をちょっと彷彿させますね。

なぜその山猫という日本人がブラジルに移住したのかなど、日本とブラジルの関係、ブラジルに移住した日本人達の苦難の歴史などもわかる興味深い小説です。

★★☆


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人間の分際 (幻冬舎新書) 曾野綾子

2015年刊の新書で、過去に著者が書いてきた短文をカテゴリー別に寄せ集めしたようなものです。

通常「分際」の使い方としては「学生の分際で~」と言うように、あまり肯定的、良心的なことばではなく、否定的に使われることが多そうです。

言葉の意味は、 (1)身分の程。身の程。ぶん。 「子供の-で生意気なことを言う」(2)それぞれの人や物に応じた程度。また,物事の程度や状況。 (Weblio辞書)ということで、タイトルの「人間の分際」とは、「それぞれ人は自分の身の程を知るべし」と言ったところでしょうか。

自分の身の程以上に無理をして、背伸びをしてつまずいたり、病んでしまったり、家族や他人に迷惑をかけたりすることって割とありそうです。

さすがに亀の甲より年の功ということで、御年86歳ますます意気軒昂な著者の過去の発言の集大成とも言える、暴走しがちな若い人(著者からすれば60歳でも若い人になる)に対する戒め本ってところでしょうか。

★☆☆


【関連リンク】
 1月後半の読書 ビター・ブラッド、ちょっと今から仕事やめてくる、リバース、23区格差
 リス天管理人が2017年に読んだベスト書籍 2018/1/13(土)
 1月前半の読書 楽園のカンヴァス、星宿海への道、エンドロール、僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか
 12月前半の読書 鯛ノ記、ハードラック、下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ/祖母の恋文、マンション格差
 11月後半の読書 死都日本、天国旅行、湖水に消える、体を壊す10大食品添加物
 11月前半の読書 ブラックボックス、老後に本当はいくら必要か、夢を売る男、ふくわらい
 10月前半の読書 秘められた貌、ウルトラ・ダラー、創造力なき日本、海の見える街
 9月後半の読書 象の墓場、ナイト&シャドウ、美しい家、お別れの音、偽悪のすすめ
 9月前半の読書 危険なささやき、会社の品格、男の勘ちがい、安土城の幽霊




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1199
銭湯と言うと、子供の頃(50年前)はまだ町のあちこちに高い煙突とともにありましたが、内風呂の普及で右肩下がりで減り続けてきたのは当然のことです。



しかし座して死を待つのではなく、様々な趣向を凝らせたエンタメ満載の温浴施設として、あるいは高齢化社会に向けた常連客の憩いの場として生き残っている銭湯も多そうです。

しかし実際はというと、私の知り合いにも銭湯の息子がふたりいましたが、その息子達は親の跡を継がず、早々に賃貸マンションに建て替えてしまったり、コンビニを経営したりと業種の転換が多そうという実感です。

一般公衆浴場数推移(出典:厚生労働省)


このグラフを見ると、1989年(平成元年)から2016年(平成28年)の28年間で8,328軒が減っています。1年平均にすると約300軒の減少ですから、下記のタイトルにあるように1日1軒の廃業というのも大げさではありません。
 
廃業1日1軒、生まれ変わる銭湯 文化の拠点や料理店に
廃業した銭湯の大半は取り壊され、マンションなどになっている。一方、別の用途で再出発する銭湯もある。

個人的に言うと、日帰り温泉などの温浴施設は別として、近所の銭湯へ行ったのは、この10年で2回だけ。今の住まいへ引っ越してきてから25年ほど経ちますが、その25年間で先の2回を含めても4回ほどです。

その4回とも、湯沸かし器が故障したり、浴槽のリフォーム工事で使えなかっりした時です。

銭湯のような広いお風呂は好きなんですが、生まれたときから内湯に慣れていて、さらに周囲に他人が大勢いると、ゆっくりリラックスができない性分で、せっかくの風呂タイムなのに、どうも落ち着かないというのが積極的に行かない最大の理由です。本当は足を伸ばして入れる大きなお風呂は魅力的なんですけどね、、、

その代わりというのも変ですが、天然温泉などが売りの温浴施設には毎年数回は出掛けています。

こちらも混雑していることが多いので、ゆっくりはできませんが、それぞれの泉質の温泉が心地よいのと、ちょっとしたドライブ中の休憩に持ってこいということもあります。

温泉については2年前にこういう記事を書いています。

泉質による温泉健康法 2016/3/5(土)

日本は火山列島ということもあり、先月の草津白根山噴火など数年ごとに火山の被害が出ますが、その火山のおかげで全国各地で良い温泉に恵まれています。

温泉がない都道府県はなく、一番多い長野県で5000以上、一番少ない沖縄県でも約50の温泉が湧き出ています。

それぞれの温泉は特長を生かして観光客や常連客の誘致に熱心なところもありますが、すでに廃業が進む温泉旅館等も増えつつあります。

これからは外国人観光客をどれだけ温泉観光地に呼び込めるかが、成否の大きな分かれ目になりそうです。

ただ従来の日本人のように、温泉につかることだけを目的とした外国人観光客は少なそうなので、プラス外国人ウケしそうななにかを見つけて、例えばスポーツ+温泉とか、絶景+温泉、お寺の修行+温泉、忍者体験+温泉など、アイデアを尽くさなければならないでしょう。

私はというと、仕事を引退した後の楽しみの一つには、ラーメン食べ歩きより健康的な、各地の温泉巡りをしたいというのが、映画「最高の人生の見つけ方」に出てきた棺桶リスト(The Bucket List)に1行入っています。

そして気に入った温泉がある場所の近所に終の棲家をこしらえるというのが夢ですが、それはちょっとあまりにも敷居が高そうです。


【関連リンク】
1005 泉質による温泉健康法
788 浴室のユニットバス化リフォーム工事完了
771 続:浴室のユニットバスへのリフォーム前編
600 地熱発電大国への第一歩を踏み出したか?
565 冬はやっぱり温泉でしょう




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1198
2016年に右側の股関節を人工股関節に、翌2017年には左側の股関節を人工股関節に置換しました。

【過去の記事】
1175 人工股関節手術のその後とまとめ
1150 人工股関節全置換手術とVIP舛添要一さん
1146 人工股関節置換手術1年検診
1137 人工股関節、人工膝関節の寿命と再置換
1109 人工股関節全置換手術その後
1047 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(4)
1046 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(3)
1037 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(2)
1033 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)

先月は、左側(2017年秋手術)の3ヶ月目の検査と検診があり、X線、CT撮影、リハビリ運動テスト、医師診断がありました。

基本はいずれも問題がなく、順調に推移していますが、一昨年の右側の手術後は特に痛みもなく、術後1ヶ月後ぐらいからは、杖は持たずにスムーズに歩けたのですが、昨年の左側の手術後は、手術した側の筋肉や関節付近に痛みが残り、しかも術後すぐからではなく、1ヶ月ぐらい経過してから痛みが増してきて、家の中でもなにかにつかまり歩きしないと歩けないほど。

痛み止めの薬(ロキソプロフェン錠)をもらっていたので、1日1回、毎朝飲んでいましたが、たいして改善にはつながりません。

これはちょっと異常か?と思って、術後1ヶ月検診の時に主治医に話しをしましたが、特に血液検査やX線では異常はなく、術跡付近が少し腫れていて血が溜まった状態にあり、それが悪さをしているようなことでした。

その後、腫れが引き、痛みも少しずつ軽くなっていきましたが、それでも3ヶ月経ったでも、まだ寝起き直後や、しばらく座っていたあとの動き出しの時は、痛くて体重をかけられず、寝るときも、圧をかけたり動かすと痛むので左側を下にして寝ることができませんでした。

3ヶ月検診の時にリハビリの理学療法士に、この状態のことを聞くと、「人工股関節置換手術のあと、まったく痛みがでない場合と、しばらく痛みをともなう場合がある。」「痛みが出る場合は、普通で半年ぐらい、長いと1年近く痛むことがある」とのこと。どうも私だけの異常症状でないみたいで少し安心です。

あとは長く変形性股関節症で運動不足になっていたこともあり、筋力回復のため昨年の2月から始めているウォーキングを欠かさないよう、目標を持って歩くことに努めています。

手術のあとしばらくの期間を除き、ずっと歩いてきた成果で、今はバランスを崩すことがなく、早足で、上り坂でも途中で休まずに1時間以上歩けるようになりました。

医者に「そろそろゴルフを始めたい」と聞いてみたところ、しばし考えた後、「ま、手術後3ヶ月経ったのでいいでしょう」とお墨付きもいただけました。

と、言ってもいきなり山岳コースや難コースに挑戦するつもりもなく、しばらくは打ちっぱなしで身体をほぐし、真っ直ぐに飛ぶようになれば、河川敷の平坦なコースでも出てみようかなと思っています。

筋力は使わないとすぐに落ちてしまいます。リハビリ室でも、おそらく今まで歩けていた人でも、手術後しばらく筋力を使っていないと、理学療法士に支えられて「さぁ、歩きましょう」と何度も促されても、「ダメ、無理」と言って一歩も歩かない、歩くのを拒否する患者さんがいました。

怖がって使わなければどんどん筋力は落ちていくばかりなので、それをわかっている理学療法士は少し無理をしてでも歩かせようとするのですが、高齢者はなかなか頑固で手こずっていました。

そういう意味からも、人工股関節の耐久性と再置換のことを考え、高齢になるまで待ってから人工股関節にするより、まだ筋力が残っているうちに替えてしまったほうが、早く治してまたサクサク歩きたいと、リハビリに前向きになれて良いのかも知れませんね。

日本では年間4万例、世界では年間100万例もあると言われている人工股関節置換手術ですから、決して珍しいものではなく、その技術の進歩はめざましいものがあります。

若くして人工股関節にした場合、その術後20数年後に再置換の必要がでてきたとしても、今から10年前の手術と、現在おこなわれている最新の手術とで相当の開きがあるのと同様、その頃には、現在では考えられないほどの術式やインプラントの進歩が見られているでしょう。手術入院が2~3日になっていても不思議とは思えません。

もちろん再置換の必要がないよう、人工股関節を大事に使っていくのが理想ですが、だからと言って、運動や旅行などを控えたりするのではせっかく歩く痛みから解放されたのにもったいない限りです。

私は、今はまだ手術後の痛みがあるので、行動に制限がありますが、少しずつ行動範囲を拡げて、仕事はもちろん、スポーツや旅行にも出掛けたいと思っています。


【関連リンク】
1175 人工股関節手術のその後とまとめ
1137 人工股関節、人工膝関節の寿命と再置換
1033 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)




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1197
2017年1~12月の1年間の国内自動車販売ブランド別(車名)が出ていたので簡単に書いておきます。

このデータは日本自動車販売協会連合会のデータなので、輸入車や軽自動車は含まれません。販売台数だけで言えば、4輪車トップは3年連続で軽自動車のホンダN-BOXで、その2017年販売台数は21万8千台となっています。

 ■2017年国内自動車販売ブランド別トップ10
順位 ブランド通称名 ブランド名 台数 前年比
1 プリウス トヨタ 160,912 64.8
2 ノート 日産 138,905 135.6
3 アクア トヨタ 131,615 78.2
4 C-HR トヨタ 117,299 2,519.8
5 フリード ホンダ 104,405 200
6 フィット ホンダ 97,939 92.7
7 シエンタ トヨタ 96,847 77
8 ヴィッツ トヨタ 90,248 125.5
9 ヴォクシー トヨタ 86,772 94.5
10 セレナ 日産 84,433 114.9

上位10台のうち、トヨタが6台で過半数を占め圧勝が続いています。ホンダと日産がそれぞれ2台。トップのプリウスは平均して毎日441台が売れている計算になります。なにか凄いですね。コンビニ突っ込んでいる事故の写真が、いつもプリウスなのもわかります。

少し幅を拡げて上位30台を見ても、そのうちトヨタ車が16台と過半数を占めています。続いてホンダが5台、日産とマツダが3台と1強多弱状態です。

上位30位までのトヨタ車合計は124万台、およそ1日に3400台の新車が売れていることになります。2位のホンダは34万台で、台数では3倍以上の差が付いています。

普通に見ていると、トヨタもホンダも日産も同じように新聞やテレビで広告がおこなわれ、主要路を走ればディーラーの看板があり、それほど大きな差が付いているとは思えないのですが、これがいまの実態です。

上位にランキングされるのは、通常モデルチェンジの時期等で、毎年変化があるのが普通です。しかし2013年から5年間の上位3台をみると、ほとんど変わり映えしません。

2013年 アクア、プリウス、フィット
2014年 アクア、フィット、プリウス
2015年 アクア、プリウス、フィット
2016年 プリウス、アクア、シエンタ
2017年 プリウス、ノート、アクア

この5年間で毎年上位3台の中にアクアとプリウスが常に入っています。モデルチェンジ(プリウスは2015年にフルモデルチェンジ)や、モデル末期(アクアは2011年発売開始で7年目)とかも関係なしって強さです。昨年2016年にいたっては上位3台ともトヨタ車が占めました。

2017年2位のノートは、2016年後半にモデルチェンジし、その年の11月には1986年のサニー以来、実に30年ぶりとなる月間販売台数1位を獲得しました。その勢いが2017年も続き、ライバルアクアをわずか7千台とは言え僅差で抑えての2位はちょっとした異例のことです。

日産の不正検査事件が発覚して公表されたのが2017年10月で、それがもう数ヶ月早く表面化していたら、この年のノートの年間2位はなかったかもしれません。公表のタイミングが絶妙でした。

年間10位までの車種カテゴリーを見ていくと、上位は比較的安い小型5ドアハッチバックやミニバンタイプが占めていますが、中でも意外なのが2017年の4位に入ったトヨタのC-HRです。

C-HRは2016年後半に登場したトヨタの新型コンパクトSUVで、年間11万7千台(ほぼ1ヶ月1万台)を売り大ヒットしています。発売当時に設定されていた月間目標台数は6千台でした。

こうしたSUVが月間1万台近くコンスタントに売れるとはトヨタも想像していなかったのではないでしょうか?

個人的な想像ですが、ミニバンやセダン、ステーションワゴンに飽きた層が、比較的安価に設定され、格好がよく?て、しかも燃費の良いハイブリッドもあり、荷物もいっぱい積めるこのコンパクトSUVに飛びついたのではないかと思われます。

今までトヨタにはRAV4(3代目)やハリアーというSUVもありましたが、2リッター以上のエンジンを積む高級車の部類でした。もっともわずか1.2リッターエンジンからあるとは言え、がたいが大きく3ナンバーサイズのC-HRは個人的には日本市場的に言ってコンパクトだとは思いません。

2014年は総合順位で7位、2015年は9位、2016年は8位に食い込み、3年連続SUVナンバーワン!と唄っていたホンダのヴェゼルは今回15位とやや低迷しました。

5年前の2013年に登場したモデル末期のヴェゼルと、最新のC-HRとを比べるのも気の毒ですが、当初からC-HRは評判が良かったヴェゼル潰しとかヴェゼルキラーと言われていて、それが見事にはまった形です。

いまホンダへ行って「本音言うとC-HRを買おうと思っているけど、一応ヴェゼルも見に来ました」って言えば、そりゃーとてつもなく優遇されたよい条件(値引き等)が出てくるかもしれません。

一方、半自動運転機能が自慢のプロパイロットを装備し、満を持して華々しく登場した今まで売れ筋だったコンパクトミニバンの代表格日産セレナは、なんとか10位にランキングされていますが、月間目標販売台数8000台に対し、月平均7000台ちょっと、10%以上目標を下回る結果となっています。

ようやく猫も杓子もミニバン一色だった日本の風景が変わりつつある分水嶺にあるのかも知れません。

欧米や世界一の自動車大国中国でも、日本独自のやたらと広くて不要な細々とした装備ばかりのミニバンはまったく振り向きもされませんが、SUVの人気は世界的な流行で、各自動車メーカーが力を入れています。

昨年2017年は日産やスバルの不正検査問題などがあり、またホンダ車のタカタ製エアバッグリコール問題など、ややトヨタに風が吹いたということがあったかも知れませんが、それにしても販売台数にこれほどの差が付いているとは思いませんでした。

もっとも、日本の自動車メーカーは、国内の需要はせいぜい世界全体の10~20%程度で、大半は海外での生産・販売で利益を得ています。最近では三菱のミラージュやスズキのバレーノなど、海外で生産をして日本へ輸入販売している日本メーカーのクルマも珍しくなくなってきました。

したがって、国内の販売台数云々だけで、メーカーの強弱を決めつけるのは正しくはないということを最後に付け加えておきます。


【関連リンク】
1124 国内自動車販売台数や耐用年数推移など
975 自動車の分類「セグメント」とはなにか?
864 衝突安全性テストについて
863 マイカーを軽自動車に買い換え
661 
乗用車の平均車齢と平均使用年数




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1196
ビター・ブラッド (幻冬舎文庫) 雫井脩介

映画にもなって大ヒットした「犯人に告ぐ」などの著者で、2007年単行本、2010年に文庫化された警察長編小説です。2014年には佐藤健の主演で「ビター・ブラッド 最悪で最強の、親子刑事(デカ)。」というタイトルでテレビドラマ化されています。

ま、よくある刑事ドラマものと言えばその通りで、設定は、子供時代に両親が離婚し、父親は出て行き、母親は失踪してしまい、父方の祖父母に育てられ、その後警視庁に入庁し刑事になった新人が主人公で、離婚して家を出ていった父親が同じ警視庁勤めというややこしい関係です。

そう言えば映画「犯人に告ぐ」も、豊川悦司扮する風変わりな刑事が主役のドラマでしたね。「犯人に告ぐ」は劇場型犯罪で、誘拐犯と刑事の息詰まるシリアスなドラマでしたが、こちらは刑事のあだ名が捜査一課長管理官には「タコ坊主」とか、吐く息が臭いので「スカンク」とか、コミカルな部分もあります。

タイトルは、主人公の祖夫、離婚して別居した父親と3世代続けて警官となった血筋と、その父親は子供だった時に子育てをせずに離婚して出て行ったことで、険悪なムードが漂っていることから、直訳すれば「苦い血筋」となったのでしょう。

ま、すぐにテレビドラマ化されるぐらいにエンタメ性を重視した作品で、ちょっと現実味が乏しく感じるのは仕方ありません。

離婚後に行方不明となったままの主人公の母親については結局未解決のままなので、またそのうち続編が書かれるのかもしれませんね。

犯人に告ぐ」(2004年)が11年ぶりに続編の「犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼」(2015年)が出ていますので、やはり11年ぶりの今年あたりに「ビター・ブラッド2」が出てきそうな予感がします。外れたらゴメン。

★★☆


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ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫) 北川恵海

メディアワークス社主催の第21回電撃小説大賞で「メディアワークス文庫賞」を受賞した作品で2015年に発刊されました。また2017年には成島出監督、福士蒼汰、工藤阿須加などの出演で映画も製作されています。

こうした出版社主催の懸賞金付き小説募集は、先般読んだ百田尚樹氏の「夢を売る男」のように、応募者に対してうまく言いくるめ、自主出版で稼ごうとするものか?ってうがった見方をしてしまいますが、そうでなくても、この作品は、万に一つの大当たり!っていうヒット作となって、出版社も半信半疑ってことではないでしょうか。しかし読んでみると確かによくできた作品だと思います。

ライトノベルで、普通の人なら2時間もあれば軽く読めてしまうでしょう。それぐらいが1回に集中できる時間なので、ちょっと気分転換に丁度いいって感じで、内容も合わせて若い人の心をつかんだのかも知れません。

ストーリーは、ブラック企業に勤める主人公が心身とも疲れ果て、駅のホームでフラフラと今にも線路に飛び込みそうだったところ、小学校の同級生だったという男性に腕をつかまれ、そのまま居酒屋へ連れて行かれて親友となっていきます。

その後、親友のアドバイスなどもあり、仕事が順調に進み始めたところ、大きな失敗をしてしまい、再び追い詰められて自殺を考えるようになっていきます。

と、同時に、その同級生だったという友人のことを調べると、3年前に自殺して亡くなっていることがわかり、いったい友人は誰なのか?なぜ自分の前に現れたのか調べ始めます。

決して幽霊とか異次元の話しとかではなく、読んでいると、よく気が付く人なら先にわかってきますが、最後のエンディングでは、ありきたりとは言え、グッとくる場面が残されていますので、お楽しみに。

★★☆


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リバース (講談社文庫) 湊かなえ

2015年に単行本、2017年に文庫本が出ています。「リバース」というタイトルの小説は意外と多く、五十嵐貴久氏相場英雄氏石田衣良氏(既読)北國浩二氏も出していてちょっと混乱します。

また似たタイトルでたいへん印象深かった「北村薫氏の「リセット」」を以前読んだことがあるので、シリーズ続編か?と最初タイトルを見たとき思いました。

なんと言っても映画にもなったあの「告白」の著者の作品だけに、このまま終わるわけはないなぁって思いつつ、終盤を迎え、あぁ、なるほどーと最後の最後で深い謎が解けてしまうという展開です。でも本当にそれが原因だっかどうかはわからず、ちょっと設定に無理があるような気も。

ストーリーは、コーヒーを豆から自分で煎れて飲むのが唯一の趣味という、地味な若い独身男性が主人公で、馴染みにしているコーヒー専門店で若い女性と知り合います。

付き合いだしてまもなく、女性の職場に「(主人公の男性は)殺人者だ」という手紙が届き、主人公にとっては唯一身に覚えがある、3年前に一緒に旅行中だった友人が、クルマの事故で亡くなった話しを女性にします。

同様にその時一緒に旅行へ行っていた大学の元ゼミ仲間のところへも、嫌がらせが入り、誰がそのようなことをしているのか、主人公の男性が調べていくという流れです。

死亡事故が起きたのは偶然か必然か、また原因を作ったのは誰かなど、3年前に起きた事故のあらましが徐々に明らかになってきますが、悪意のない行動や親切が裏目に出ることを上質なミステリーに仕上げています。

そうした交通事故が大きな謎になっていますが、私から言わせると、例え、他の誰かから求められたとしても、ハンドルを握って運転していた者が、自損事故を起こせば100%その運転手の責任、以上!で終わってしまいますが、それだけではミステリー小説にならないのでしょうね。

★★☆


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23区格差 (中公新書ラクレ 542) 池田利道

2015年に発刊された新書で、著者は一般社団法人東京23区研究所所長という肩書きの方です。この本を知ったのはいまは終了しましたがBSテレビ番組の「久米書店」に著者が出演されていて、その時の話しが妙に印象深かったことを覚えています。

さらにこの続編とも言える「23区大逆転」が2017年に発刊されていて、これだけで食っている?って訳ではないでしょうけど、東京23区の専門家であり、また地方再生コンサルなど人口減少社会においては貴重なお仕事なのかも知れません。

さて内容ですが、あまり知られていない23区の特徴や住人のことが書かれていて、私自身は23区内には住んでいませんが、なかなか興味深いです。

例えば、港区に住む人の所得は平均で904万円に対し、足立区に住む人の平均所得は323万円とおよそ3倍もの差があるとか、人口密度が一番高い豊島区(2010年)、中野区(1990年~2005年)は、ぶっちぎりで全国一人口密度が高い市区町村だとか。さらに豊島区は性差(男性/女性)が最も高く、男余りの区だとか。

大卒者の割合は千代田区が53.4%と最高で、足立区は19.9%と最低とか、交通事故発生密度が高いのは渋谷区で93.8件/km2、低いのは大田区の33.5件/km2、刑法犯発生密度で高いのはご想像通り新宿区の495.7件/km2、低いのは大田区の130.0件/km2。

大地震被害想定で建物の全壊率が最も高いのは荒川区の18.7%、低いのは練馬区の1.3%
、同死者発生密度の高いのは墨田区の48.4%、低いのは板橋区の2.5%。

2000~2010年で0歳から6歳までの幼児は全国平均で10.6%減っているが、東京23区では6.9%増加している。

ひとり暮らし世帯の比率が低いのは葛飾区で、高齢者のひとり暮らし比率が低いのは江戸川区、つまり下町のほうが家族で住んでいる割合が高い。もっとも他区には多くの大学があって、その学生がひとりで住んでいるという事情もある。

20年以上定住している人の割合が高いのは1位北区、2位台東区、3位葛飾区、低いのは中央区、港区、世田谷区となっています。これは一度住みつくと、気に入って永住しやすい環境にあると好意的にとらえるか、逆に住民の新陳代謝がなく、高齢化が進み、寂れてしまうと悲観的にとるか微妙なところ。

そういった様々な統計データを元に、日本の縮図が学べ、これから23区内に不動産を買おうと思っている人や、23区を走る沿線の状況が今後どのように変わっていくかなどを知ることができ、役に立ちます。


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