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自分が子供だった頃は不登校の生徒はほとんどいなかったと思っていますが、当時まったく不登校生徒がいなかったと断言できるほどの情報通、事情通だったわけではありません。

不登校=いじめとは限りませんが、もっともケースとして多いのは、いじめや仲間からの疎外感から不登校になるというケースが多そうです。

私自身も、小・中学生の頃にいじめの加害者側だったこともあり(今さらながら深く反省してます)、また中学生の一時期はいじめの標的となり被害者として両方の経験があります。

それでも不登校になったという同級生は周囲に知る限りいませんでしたし、一時期陰湿ないじめに遭っていた時の自分も、学校を休むと言うことは考えたこともありませんでした。

不登校の生徒数は増加傾向にあるということですが、この統計数値が難しいのは、従来は不登校と認定されなかったような原因が不明な欠席から、不登校を容認する社会の変化で、不登校と認定されやすくなるなど変化してきたとか、いろいろと理由はありそうです。

不登校が過去最多、5年連続増加の原因とは (Yahoo!ニュース)
文科省は10月25日、2017年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題」の速報値を発表
それによると、小・中学校における不登校児童生徒数は14万4031人(前年度比1万348人増)と、統計開始以降、初めて14万人に達し、過去最多を更新しました。
学校種別に見ていくと、小学校は3万5032人(同4584人増)、中学校は10万8999人(同5764人増)と、どちらも5000人前後増えています。

不登校児童生徒数の推移


不登校児童生徒の割合推移(千人当たりの不登校児童生徒数)


グラフ引用は文部科学省初等中等教育局児童生徒課「平成 29 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」より

少子化で生徒の数は減っているのに不登校の生徒数は増えているということで、全生徒数に対する不登校の割合は、2017年度で小学生0.54%、中学生3.25%となっているそうです。

ざっくり言うと小学生185人のうち1人、中学生31人のうち1人が不登校ということになります。中学生は1クラスの生徒数の平均は30~40人でしょうから、少なくともクラスに1人以上の不登校者がいるという、その割合が驚くほど高いのがわかります。

上記の記事にも、不登校が増えている原因についてあれこれ仮説が述べられていますが、書かれているとおり、原因はなにか大きな主因があるわけでなく、個々の事情や理由があるのでしょう。

上記文科省のデータでは、不登校に至る本人の主たる要因としては、
・「不安」の傾向がある。
・「無気力」の傾向がある。
・「学校における人間関係」に課題を抱えている。

で、この要因の中の「不安」と「人間関係」にいじめの要素が含まれているそうです。

一般的に考えても「いじめによって不登校になる」というのが多いのはなんとなくわかります。

例えいじめの実態がなくとも、不登校の子供自身が、「友達ができない(いない)」「同級生の目が気になる」「先生に恥をかかされた」など、本人がいじめられたと感じてしまっているケースもありそうです。

また、「人より勉強が遅れている」とか「授業について行けない」など、自分の怠慢や責任を他人へ転嫁して不登校になってしまうということもありそうです。

学習能力にも当然個人差があるのと、家庭環境によって学習の支援(塾や家庭教師など)がどこまで得られているのかということもあり、授業について行けるとか、理解度が低いというのはわからなくはないです。

それでなくても、教師は生徒を指導したり生徒と直接関われる時間がどんどんと減っていて、十分なフォローやサポートができなくなっているので、こうした問題が増えていくのではないかなと思います。

それに加え、不登校や、引きこもりの要因には家庭や保護者、そして学校側の問題も考えられます。

学校側は基本的なしつけは家庭や保護者側の責任だと言い、保護者はいじめに遭うのは学校や教師の責任だと言い、お互いに原因をなすりつけ合うことばかりが増えているような気がします。

教師の仕事については下記の記事にも問題指摘されています。

【先生の明日】志望者が6年連続で減少、他人事ではない教員の長時間労働「教育問題ではなく社会問題」(神奈川新聞、Yahoo!ニュース)
「なり手の減少が続けば、当然教育の質は下がっていく。一番影響を受けるのは子供であり、その親。つまり教員の長時間労働は、教育問題ではなく社会問題だ」と警鐘を鳴らす。

原因が特定できないだけに、これと言った解決策も難しいでしょうけど、ひとつの案としては、前から言っていますが、これだけ仕事をリタイアして暇を持て余す高齢者が増えているのですから、そうした高齢者をボランティアとして小学校が(無給か交通費ぐらいの支給で)雇い入れ、教師のサポート(教材の作成や準備、事務作業など)、放課後の補習学習やクラブ活動の監督、監修などで利用すれば、教師の時間にも余裕が生まれ、生徒との関係が深まり、不登校になる前にその芽を摘み取ることができると思うのですが、なかなか保守的で頭カチカチの教育委員会とかが邪魔をして教育改革って進みません。

人口が高齢化するって悪い面ばかりを言われますけど、社会経験が豊富で、性格も丸くなった身元が確実な元気な高齢者に、短時間ずつシェアしながら小中学校で働いてもらい、社会奉仕と生きがいを与えることができるのも高齢化社会故のことなのです。


【関連リンク】
1162 不登校と自殺
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一般的に高齢者という65歳以上の数は史上最高を更新し続け、2018年は3557万人(2018年9月15日総省統計局推定)で、全人口に占める割合は29.5%です。

日本の総人口はこの1年間で約27万人減っていますが、65歳以上高齢者数は44万人が増加しています。つまり64歳未満の人数が27万+44万=この1年間で71万人減っているわけです。

1年間で全人口が減少した27万人というと、下関市(268千人)や函館市(266千人)と同じ人口が毎年減っているのに対し、増えている高齢者は、長崎市(430千人)や金沢市(466千人)の人口規模です。

高齢者の塊が揺るがないのは、特に現在70歳~72歳になる団塊世代の影響が大きいのですが、まだこの世代は老け込んだり寝たきりという人は少なく、割と活発に外へ出掛けていく人が多そうです。

ちょっとした観光地や、テレビや新聞(もはやテレビと新聞は高齢者のためだけにあります)などで紹介された名所、旧跡では、デイバッグと高級カメラを抱えたこの世代と思える人が山盛り状態ですし、その他にも美術館や博物館など、安く、できれば無料で時間を過ごせる場所が人気です。

年金生活者がほとんどですので、大型テーマパークのように出費がかさむようなところへは孫を連れて行くような時以外では滅多にありません。

新しい元号や新札に取り上げられt人物にゆかりのある場所へ押しかけたり、NHK大河ドラマなどに出てきたお城や名刹を訪れるのもこうした元気な高齢者がその多くを占めています。

観光地だけでなく、ビジネス街においても、地味な服装にデイバッグ姿をした高齢者の姿をよく見かけます。

きっと昔に馴染んだビジネス街に久しぶりにやって来て、旧友と待ち合わせて親睦を深めたり懐かしく付近をブラブラと散歩をされているのでしょう。

基本は年金生活ですので、できるだけお金を使わず、かといって家に引きこもらず暇を潰すには、そうしたお金のかからない場所へブラブラと出歩くというのが一番なのでしょう。

そう言えば、勢古浩爾氏の著作「定年後のリアル」で、定年になった団塊世代の著者は、妻に負担をかけないよう?に、ほぼ毎日朝から公園へ出掛け、そこで本を読んだり書き物をして、昼は買ってきたパンを食べたり、近所へ食べに行ったりすると書かれていました。

ビジネス街や通勤電車の中に幼児を連れた働く母親がいる景色も決して珍しくなくなってきて、周囲の理解も進んできましたが、今はそれに加え、どうも働いてはいなさそうなカジュアルな格好の高齢者が、ビジネス街のカフェに集まってワイワイと騒いでいたり、昼間から酒盛りして赤い顔で夕方の満員電車の中で「こっちは老人なんだから席を譲れよ」とばかりに迫ってくるのは困ったものです。

でも、この人達ってどうしてみんな同じ格好しているのでしょうかね?



地味な色の服に黒っぽいデイバッグというかリュックサック姿で、安っぽいウォーキングシューズに暑い日には帽子も必須です。

この画一性は、この世代に染みついた習性なのでしょうか。

確かに子供の頃から、他人と同じ事が、同じようにできることが最大の美徳とされた時代でした。

あるいは、単に高齢者の数が多いので、単にそれが目立つだけってことでしょうか。わかりません。

若いときにカローラやサニーに乗り、高度成長期にはスカイラインや白いマークIIに乗り、今はプリウスやノートに乗っている世代とも言えます。

若いときには写真部やワンゲル部でカメラや山登りが趣味だったり、当時は高くて買えなかった高級カメラと高級レンズを、今は買えるようになって、趣味としているとか、なんとなくですが画一化されたイメージがつきまといます。

そういう自分もあと1年ぐらいでビジネスの世界からリタイアし、彼らの仲間入りをすることになりそうですが、昔から群れるのは性に合わず、若作りと言われても地味な服装は嫌いなので、なにかまた違った遊び方、時間の潰し方を考えなくちゃって思ってます。


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1259 40歳から50歳にかけては人生後半のスタート準備
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687 旺盛な高齢者の労働意欲は善か悪か




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1332
子供の頃には「どうしてこんな木材のカンナくずのようなものを大人や猫ちゃんは有り難がって食べるのだろう?」って思ってましたが、自分が大人になってからは、「これこそ日本人の繊細な味覚を作り出してきた究極の食品なのではないか?」と思い始めています。

鰹節で思い出すのは、子供の頃に家には削り器があって、カチカチの堅い鰹節をカンナで削るように削っていました。でもお店で売っているようなふんわりとした削り節にはならず、荒削りというか木くずにしか見えませんでした。

食品や調理法の多くが大陸から伝わってきたものが多い中で、鰹節は、純然とした日本独自の食品で、その歴史はそれほど古いものではないようです。また世界一硬い食品としてギネス認定もされているそうです。

Wikipediaによると、5世紀頃には保存できる食品として干しカツオが作られていて、飛鳥時代(6世紀)には干した魚(堅魚)が献上品として登場しています。

現在の鰹節に近いものはずっと後の西暦1400年代後半(13世紀後半)、室町時代に「花鰹」という文字が登場、これが文献として鰹節が出てくる最初と思われるそうです(諸説あり)。

一般的に使われるようになったのは江戸時代のことで、鰹が捕れる地域各地で競って製造され、土佐節・薩摩節・伊豆節という地名がついた名産品が生まれました。

江戸時代を描いた時代小説、高田郁著の「みをつくし料理帖」にも、鰹節の話しがネタ的に登場します。現在のように冷蔵技術がない時代ですから、こうした魚が腐らない保存方法が重宝されていたのでしょう。

そして輸送の途中でできてしまう黴さえも、それを利用すれば水分を抜くために利用できることが経験でわかってくるなどして、鰹節の製造法が確立していきます。

天然の健康食品として見られがちな鰹節ですが、実は健康リスクとして「発癌性など人体に有害」な物質が含まれているそうです。

それは燻煙に使用する煙(煤)とタールや、魚に含まれる油脂が燃焼するときにできる煙に由来するもので、輸入規制が厳しい海外輸出用には、それらをできるだけ取り除く手法がとられているとか。

50年ほど前の私が子供の頃には、自宅で削る以外で鰹節と言えば、大きな袋にいっぱい入った出汁取り用というイメージが強かったのですが、いつの頃からか、小袋に分けられた鰹節パックが登場してきて、食品に直接まぶす身近な調味料となってきました。

最近のことですが、テレビを見ていたら「鰹節パックを冷や奴などに使うとかなり余ってしまうが、あの量は変えられないのか?」という疑問に対し、ヤマキだったかにんべんだったか忘れましたが、製造元の話しでは「山盛りにいっぱいかけて全部食べきってください」との返答でした。

メーカーとしては、いっぱい消費してもらうことが望ましいでしょうけど、大きなお好み焼きとかならともかく、普通は小鉢の冷や奴が全部隠れてしまうぐらいにいっぱいは使いませんよね、、、

鰹節から抽出する出汁は、和風料理の定番ですが、一般的な外国人にとって、あの出汁の味というのはどうなのでしょう?

どうしてもフレンチやイタリアン、その他中華や東南アジアの味付けと比べると味にインパクトさが欠け、薄く繊細だけに、その善し悪しがわかる人って、外国人なら舌の肥えた一流シェフなどごく少ないような気もします。

和食が世界遺産にも登録され、今は珍しがって日本の料理を評価してくれますが、和食の味が世界に定着するには、そうした微妙な薄味や隠し味がわかる人が増えていかない限り、なかなか定着はしていかないのだろうと思っています。


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1229 米の生産量減少に歯止めはかかるか)
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1331
以前より若い人の引きこもりやニートよりも深刻だと言われながら、誰もがそれに目を背け続けてきた中高年の引きこもり問題で、先般、内閣府が初めて調査を行い、全国で推定61万人いるという発表がありました。

“中高年ひきこもり61万人”に警鐘…「人は、どの世代でも、どの世代からでもひきこもる」(FNN PRIME)
内閣府は3月29日、40~64歳のひきこもりの人が全国で61万3000人いるとの推計値を公表した。中高年対象の調査は今回が初めてで、2015年度の調査で推計した15~39歳の54万1000人を上回った。

「中高年引きこもり」調査結果の衝撃、放置された人々の痛ましい声(ダイヤモンドオンライン)
内閣府が3月29日に公表した、40~64歳の「ひきこもり中高年者」の数が推計約61万3000人に上ったという調査結果は話題を呼んだ。厚労相が「新しい社会的問題だ」との見解を示すなど、その波紋が広がっている。

私も過去に何度かニートや引きこもりについて記事を書いてきましたが、35歳以上の引きこもりデータがなく、モヤッとしたところがありました。

1111 ギャンブル依存対策もいいけど、引きこもり中年問題もね
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内閣府の調査では40歳以上のひきこもりは61万人というデータですが、これはサンプル抽出し、アンケートのような調査票に記入してもらう形式でしょうから、世間体を気にして正直に書かない人(家族)も多そうで、実態はもっと多く、「100万人は超えているのでは?」という、中年引きこもりの人達を支援しているNPOの話しもあります。

どうしてそうなったかなどもいろいろ分析されていますが、同時に
・どのような支援が効果的か情報を共有する
・新たに増えないようにする対策
など、国が本気で取り組んでいくべき事柄でしょう。

現在の40代、50代は、親が70代の団塊世代というパターンが多く、その団塊世代がまだ元気なあいだは、親の貯金や年金で過ごせても、あと10年、20年して親が亡くなると収入がなくなってしまいます。これはいま8050問題と言われています。

引きこもりの本人も高齢になり、もしその気があっても新たに働くことができず、しかも今まで働いてこなかったので無年金者だったり、極めて少額だったりすることが考えられます。

結局はそうした人は生活保護に頼らざるを得なくなり、それでなくても生活に必要な道路や橋の補修費も出せないほど財政難の地方自治体は深刻な影響を及ぼしそうです。

真面目に40年以上必死に働き、税金や年金を支払ってきた人達からすれば、そういう人のために、税金を使われ、年金が減らされることに嫌悪を感じる人もいるでしょう。

現在はそうした引きこもり者に対するサポートや支援は、NPOが中心に行っていますが、それにも限度があり、強制力を持つ公的な機関が目を背けずに対応していくべきです。

また狭い1地域だけで解決できるような問題ではなく、広域な範囲で考えていくべき事のような気もします。

また同時に引きこもり者の支援のためには働ける場を提供するために民間企業の手も借りる必要があり、特殊技術が不要で、さらに人と接する機会が少なくマイペースでおこなえるような、例えば農業や畜産業など、自転車などでラストワンマイルの配達をおこなう仕事、あるいはネットを通じての在宅ワークなど、いくつか選択ができる環境を提供していくことも必要でしょう。

そうした引きこもり者を受け入れる企業や団体に対しては、なんらかの補助も必要です。補助金ってその財源はどうするんだ!という声に対しては、「生活保護にかかる費用と比べると安いもの」と答えればよいのです。

あるいは、無収入者が「自暴自棄となって犯罪を犯し、刑務所に収監する社会的な影響と負担を考えれば安いもの」と考えるべきでしょう。

仕事をリタイアした人達に、引きこもりの人が社会に出て働くサポートをする仕事を新たに作っても良いでしょう。社会のためになるならと、ボランティアで協力してくれる元気な高齢者だっていそうです。

ここまで来てしまってからでは画期的な解決法なんてありませんし、個人個人によってその解決法も違ってくるでしょう。

でも、今までのように社会が無責任な放置をしておくことが許されない状態に来ていることは確かです。

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1330
光のない海 (集英社文庫) 白石一文

2015年に単行本、2018年に文庫化された長編小説です。

著者の作品は割とお気に入りで、調べたら過去に直木賞受賞作の「ほかならぬ人へ」(2009年)や、山本周五郎賞の「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」(2009年)など17作品を読んでいますが、最近はご無沙汰していて、2016年に読んで以来、3年ぶりに読みました。

2012年4月上旬の読書「ほかならぬ人へ」

2013年7月前半の読書「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」

以前、横山秀夫著の「出口のない海」を読んでいたので、タイトルが似た名前だけにそういうイメージというか先入観がありましたが、まったく違うものでした。

主人公は中堅の建設資材販売会社の社長を務めていますが、離婚して独身です。

昔、ある販売員から買った壺が割れてしまい、そこからつながっていく不思議な(って言うかあり得なそうな)縁、自分が社長になったこれまた不思議な縁、会社の寮をまかせていた老夫婦がうけた凄まじい過去、その他にも主人公の上司と浮気をして出て行った妻との関係、幼なじみというか父親役だった若い経営者との関係など、とにかく盛りすぎってほど理由(ワケ)が盛られています。

その中でも自分を社長まで引き上げてくれた、女性経営者の存在が大きく、大きな年齢差を超えての密やかな恋愛というのが大きなテーマともなっています。

小説的には宮本輝氏の小説?って思うような、ちょっとした雑学が方々にちりばめられていて、まったく読んでいて飽きない小説です。

ただひとつの小説の中に、非現実的に、人の性悪なところをいろいろと盛り込みすぎって感じはゆがめません。面白かったですけどね。

★★☆

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地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書) 増田寛也

新書大賞を受賞した2014年刊の新書で、著者は建設省を辞めて1995年から岩手県知事を3期務め、その後日本創成会議座長なども歴任された官僚上がりの政治家です。最近では2016年に東京都知事選に出て小池百合子氏に敗れています。

本書の要点は、本ブログでも時々書いてきたり、すでに学者先生方が、すでに述べていたりしていることでもありますが、

「少子化が進んで日本は大変なことになる」
「すでに手遅れではあるが、未来は絶望的ではない」
「少子化を止めるには地方の雇用の場が重要」
「東京一極集中の限界が近い」
「20歳から40歳までの若い女性をいかに地方につなぎとめるか」
「複数の子供を産みやすい環境をどう整備していくか」
「限界集落と消滅可能性都市にできること」
「地方再生リーダーの養成」

などがテーマで、ポイントでしょうか。

私が書いてきた中にもこのようなものがあります。

1211 過疎と限界集落の行方とコンパクトシティ
1156 空き家バンクの無能ぶりと空き家に思う
1154 地方の可能性と限界
1053 空き家問題を考える

統計データを主にして、藻谷浩介氏(「里山資本主義」著)、小泉進次郎氏(衆議院議員)、須田善明氏(女川町長)、樋口美雄氏などとの対談を通じ、人口減少問題に警鐘を鳴らしています。

人間とは恐ろしいもので、いきなり2040年の推定人口構成を見せられると愕然となりますが、それが毎日の延長線上だと、なんとかなるさとばかりに、容認しちゃうところがあります。

都合の悪いことは忘れてしまうと言うのも、人間が生きていく上での能力なのかもしれません。

筆者にしてもいまの大物の学者や経営者は、60代を過ぎて、せいぜい長くてもあと20年ぐらいしか生きないわけで、「そんな自分がいなくなる先のことまで構っていられるか!」というのが本音で、政治家に至っては、暗い話題や、負担増になる話しばかりすれば落選するので、あえてこうした話題を避けようとします。

そうした中で、2019年現在67歳の著者が、口角泡を飛ばす勢いでこうした問題を広く提言するのは、多少自己主張が強いとは言え、善良な方だと思います。

そして今が歴史となった未来に、どうしてこの時代に動けなかったのか?というような歴史番組が作られたとき、「こういう意見も少数ながらあった」というようになるのでしょうか。

★★☆

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家守綺譚 (新潮文庫) 梨木香歩

2004年に単行本、2006年に文庫化された連作短編集です。私と同世代といってよいベテランの作家さんですが、元々は児童文学や絵本といった分野で有名な方です。

過去には著者の小説としてはデビュー作品にあたる「西の魔女が死んだ」(1994年)を読んでいます。

2014年9月後半の読書「西の魔女が死んだ」

主人公は小説家を目指しコツコツと文章を書く仕事をしていますが、琵琶湖でボート練習中に亡くなった大学時代の友人の実家の留守番役として、古い大きな家に住んでいる独身男性です。

時代の設定は、およそ100年前というから、大正時代でしょうか。

舞台というか住まいの近くに琵琶湖疎水があると出てきますので、滋賀と京都の境目付近ってところでしょう。

そこの家に住んでいると、亡くなった友人の幽霊や、肉に誘われそのまま飼い犬となった不思議な野良犬、池に住むカッパや人魚、ツルツルで気持ちよくなでていると懸想されたサルスベリの木など、物の怪の世界です。

西岸良平氏の漫画「鎌倉ものがたり」や、それを原作とした映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」の京都版と言ったところでしょうか。

著者自身がそうした滋賀と京都の間の疎水の流れる近く在住らしいので、そうした不思議な創作が湧いてくるのでしょう。

そう言えば、村上春樹氏の小説にも「東京奇譚集」というのがありずっと昔に読んだ記憶があります。調べたら2007年に文庫が発売されてすぐ買ったものの、しばらく積読状態で、読了したのは2009年と、今からちょうど10年前でした。

その他にも奇譚(綺譚)と名のつく小説で過去に読んだものは、浅田次郎著「草原からの使者 沙高樓奇譚」、綾辻行人著「眼球綺譚」です。

★★☆

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芥川症 (新潮文庫) 久坂部 羊

ユーモアたっぷりに芥川龍之介の小説をモチーフにした短編集です。もちろん著者の本職でもある医療との関わりがある内容が多く、笑いながらも怖くなってくること請け負いです。

2014年に単行本、2017年に文庫化されています。

短編のタイトルはそれぞれ、「病院の中」「他生門」「耳」「クモの意図」「極楽変」「バナナ粥」「或利口の一生」となっていて、どこかで聞いた名前ばかりとなっています。

「藪の中」→「病院の中」
「羅生門」→「他生門」
「鼻」→「「耳」
「蜘蛛の糸」→「クモの意図」
「地獄変」→「極楽変」
「芋粥」→「バナナ粥」
「或阿呆の一生」→「或利口の一生」
※前が芥川龍之介作の小説でそれをモチーフに作られて言います

著者の小説やエッセイを読むと、「医療に過大な期待はするな」というニュアンスが含まれていることが多くあります。

つまり医者も普通の人間ですから、期待以上のことを求めるのもいけないし、患者は神様ではないので、ほどほどの治療や投薬で我慢するべきだという考え方です。

エッセイの「日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか」(2007年)でも、国内での自然な老衰という死に方が減り、本人の意思とは無関係に、闇雲に生き長らえさせるために高年齢でも高度な医療(=高額医療)が駆使され、その結果、意識も戻らないまま脳死や内臓の不全等で死亡するというむなしさなどが綴られていました。

2017年2月後半の読書「日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか」

そうした実態を普段から目の当たりにする仕事ゆえ、わかることもあるでしょう。

時々書くのですけど、若くて健康な人に「もしかの時、延命治療を受けたいか?」と聞くとだいたいは「受けたくない」と答えるのに対し、余命間もない重病人に同じ質問をするとほとんどが「受けたい」と答える人間の弱さというか、立場の違いによって考え方も変わってしまうことが、人間的で自然なことでもあります。

とりあえずは、こうしたユーモアをもって、医療と人生について考えてみるのが良いのかもしれません。

★★☆

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バカ売れ法則大全 行列研究所

2017年に発刊された単行本で、ネットメディアの「ITmedia ビジネスオンライン」で取材がされたものをまとめたものです。

この景気停滞(減衰?)の中でも売れに売れている商品やサービスを取り上げ、なぜ売れる?を簡単に解説しています。

その数なんと54例ということで、読んでいるとなんでも売れるんじゃないのか?と、途中で感覚が麻痺してきます。

それぞれにワケがあったり、ラッキーだったりしていますが、最初から大当たりすると思って出たものはほとんどなさそうです。

現在は老いも若きも「雇われない働き方」を志向する人が増えてきているようなので、一種、独立してから「成功する秘訣」みたいな感じで読まれているのかな?と思いました。

でも実際に読んでみて、これは事業の参考にはなることはないな~と。

つまり過去形で、「こうした幸運があった」とか「その時に風が吹いた」みたいな話しが多く、そうした数多くの新商品やサービスの中で、たまたまうまくいった(現在のところいっている)ものの紹介であって、それが数年後の今でも通用するとも、人気が10年間持続するとかはどうも思えません。

一発アイデアやひらめき、それを実際に商品やサービスとしてモノにした行動力などは評価しますが、その後の継続とコモディティ化こそ事業の最大の難関であり、それがうまくいったときに、「さすが!」と言えるのでしょう。

もしこの本の著者がその気があれば、10年後とか20年後に同じ素材がその後どうなったか?というのを調べて書くと面白いかも。栄枯盛衰がわかり、何勝(その時も大ヒット)何敗(なくなった)何引き分け(かろうじて生き残っている)だった!みたいな展開が期待できそうです。

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過去に上場企業の役員とリストラ解雇で就職浪人の経験がある、紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
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