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相変わらず国内において、一番よく売れている車種と言えば、ホンダの軽自動車N-BOXのようですが、軽を除く乗用車では、トヨタのアクアやプリウスが他を圧倒していて、ハイブリッドカーで先行したトヨタ強し!ってところです。

その最強トヨタも、やや迷走気味な経営戦略に「EVシフト」があります。

昨年頃から、ヨーロッパを中心に自動車メーカーや、国レベルの方針として、環境問題から内燃機関の縮小、廃止、電気自動車(EV)の推進をテーマに掲げた発表が増えてきています。

一例を挙げておくと
フランス フランス政府が、ガソリンやディーゼル燃料で走る自動車の販売を2040年までに全廃する計画を発表した。2040年以降は、電気自動車などクリーンエネルギーを使った自動車のみ販売を認める。パリ市は2030年までに全てのガソリン車とディーゼル車を市内から追放することを計画している、と明らかにした。
英国 2040年以降、ディーゼル車とガソリン車の販売を禁止すると発表する見通し。
ノルウェー ノルウェーは2025年までにすべての車を電気自動車に切り替えることを掲げた。ノルウェーでは現在新車販売の2割近くを電気自動車が占めている。
中国 中国政府は2019年に中国国内で販売する販売台数の10%以上をEV(電気自動車)など新エネルギー車にすることを自動車メーカーに義務付ける法律を発表。
インド インド政府は国内で販売する自動車を2030年までに全て電気自動車に限定するとの野心的な政策を明らかにした。
ボルボ ボルボは1972年の創業から手掛けてきたガソリン車の生産を段階的に廃止し、2019年以降に発売するすべての車種をEVやハイブリッド車にすると発表。
GM 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は、2023年までに、電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)を少なくとも20車種投入し、電動化を加速させる。
BMW 2020年までにはEVの量産を開始、2025年までには全12車種が揃う。
フォルクスワーゲン 2025年までにグループ全体で80車種以上の電動化モデルを設定すると宣言。さらにフォルクスワーゲン・ブランドだけでも2025年までに23車種のEVを送り出す予定。
ダイムラーベンツ 独ダイムラーは米で電気自動車(EV)を生産するためアラバマ州の工場に10億ドル(約1100億円)を投資すると発表した。2020年代の初めに「メルセデス・ベンツ」の多目的スポーツ車(SUV)型のEVを量産するほか、電池の新工場も建設する。欧州と中国とあわせた3極体制とし、EVシフトを加速する。ダイムラーは2022年までに全ての車種でEVもしくはハイブリッド車を選べるようにする計画
ホンダ ホンダは2030年に4輪車販売の3分の2をハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、EVといった電動車にする目標。ホンダの八郷隆弘社長は平成32年(2020年)に日本で電気自動車(EV)を発売する方針を表明。

こうしたEVシフトは、環境先進国の北欧や、急速なエネルギー需要や環境汚染に課題を抱えている中国やインドがより進んでいます。

それと同時に中国やインドなどは、競争が激しく、技術やノウハウ面で後れを取っているガソリン車ではなく、始まったばかりで競争優位に立てる可能性があるEVシフトに国策として取り組むという事情もあります。

なので、北欧メーカーはもちろん、世界最大の自動車需要国中国への輸出が多いドイツ車が真っ先にEVシフトの波に巻き込まれています。

日本の自動車メーカーは、北米向け輸出が圧倒的に多く、中国への輸出は微々たるものなので、ドイツ車ほど深刻になっていません。

そのドイツの頭が痛いとところは、日本より国内産業の中に占める自動車産業の比率が高く、それにともない雇用も多いわけですが、複雑で部品点数の多い内燃機関のエンジン、トランスミッションのクルマから、バッテリーとモーターの完成品を調達して組み立てればよいだけのクルマへの転換は、雇用に大きな影響が出てしまうということです。

EVシフトは、現在のところ、やや情緒的、感情的な面もありますが、内燃機関では日本やドイツに太刀打ちできない中国が一気に進める中で、否応なく輸出がメインを占める日本のメーカーもやがて巻き込まれていくことになります。

では、EVが内燃機関エンジンを上回るようになるのはいつか?と言うことですが、富士経済のレポート「2017年版HEV、EV関連市場徹底分析調査」では、今から17年後の2035年という予想を立てています。

ですが、これはEVとHV、PHVだけを並べて、その中でEVがHVやPHVを追い抜くとした年代で、他の一般的なエンジンを積む自動車数全体との対比が出ていないのでよくわかりません。

そのレポートでは、2035年の予測で、全世界の自動車販売台数のうちEVが630万台ハイブリッド458万台プラグインハイブリッド540万台となっています。
※現時点でWEBに公開されている資料は「2016年版HEV、EV関連市場徹底分析調査

全世界の年間4輪車生産台数はおよそ9500万台(2016年日本自動車工業会調べ)ですので、17年後もそれと同水準だと仮定したら、上記の2035年のEV等1628万台以外の約7800万台は今と同じガソリン車やディーゼル車ってことなのでしょうかね。そうだとするとEV、HV、PHVを全部足しても年間生産数の17%にしか達しません。そんなに低い感じですか?

もしかして、EVだ!と騒いでいるのは一部の先進国や人口が多い途上国だけの話しで、自動車の需要の8割以上を占めるその他の国では、まだまだ安くて頑丈で燃料補給が容易な内燃機関上等!ってことなのでしょうかね?

最近では個人用の乗用車の耐久性は15年ぐらいは普通ですので、それを考慮すれば、日本において、右を向いても左を向いてもEVが走っているという光景は、少なくとも30~40年間は見られそうもありません。

上記の試算、なにか誤解や大きな勘違いしてたらごめんなさい。

私個人的にはEVやHVはまったく欲しくないなぁ~って感じで、どうしてもガソリンが手に入れにくくなったりすれば仕方ないですが、それでなくてもあと何年クルマに乗れるかわからない年齢なので、今のところはガソリン車のままで幕を閉じたいと思っています。


【関連リンク】
1153 気になる自動車運転マナー
1124 国内自動車販売台数や耐用年数推移など
994 自動運転の未来
975 自動車の分類「セグメント」とはなにか?
891 昨年の自動車販売データ
661 乗用車の平均車齢と平均使用年数



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前に「限界集落」について書いたのは2013年5月ですから、あれから5年が経ちました。

地方が限界集落化していく 2013/5/11(土)

おさらいをしておくと、高齢化と少子化のため過疎化が進み、共同体(集落)の機能維持が限界に達している状態の市町村を一般的に「限界集落」と呼んでいます。その基準は「人口の50%以上が65歳以上の高齢者」となっています。

その限界集落の一歩手前の「準限界集落」の基準は「人口の50%以上が55歳以上」で、現在はまだ維持できているものの、跡継ぎの確保が難しくなってやがて限界集落へ向かっている状態です。

さらに限界集落の先には「危機的集落」と言って「人口の70%以上が65歳以上の高齢者」で、集落の機能維持が極限に達している状態です。

「限界集落」等の言い方は役所では使われてなく、基準は違いますが「過疎地域等条件不利地域」と言う言い方で、国交省等で定期的に調査がおこなわれています。

平成27年度(2015年度)過疎地域等条件不利地域における集落の現況把握調査(国土交通省、総務省)

調査は1,042の市町村に対しておこなわれ(全国の市町村数はおよそ1700)、その中で「過疎」が614(59%)、「みなし過疎」30(3%)、「一部過疎」151(14%)、「非過疎」247(24%)となっています。

ここで言う「過疎」「みなし過疎」「一部過疎」「非過疎」は、過疎地域自立促進特別措置法で定められていますが、とっても細かくてややこしいので説明は省きます。興味があればリンクを貼っておきますので見てください。2条と33条です。

地域ブロック別で見ると、「北海道」と「沖縄」の「過疎」が突出していて、それぞれにある市町村数のうち88.3%、88.9%となっています。次に九州圏の67.1%、四国圏の63.8%、東北圏の58.5%となっています。

もちろんこれは市町村数ごとの比率で、人口比(住民数比)ではありません。例えば北海道圏で言えば、非過疎の札幌市も1つ、人口が数十名の過疎の集落も同じ1つとしてカウントされています。

なので、実感としては湧きにくいのですが、日本にある市町村のうち、人口の多いところは別として、過疎化はかなり進んでいるものと思われます。

ただ、過疎=限界集落ということではなく、過疎に該当する集落でも8割以上が、機能の低下は起こるものの、当面は維持できるという回答になっています。ちょっと意外ですが、希望的観測も含まれていそうです。

過疎化して起きる問題について聞いたところ、複数回答で、

・空き家の増加 82.90%
・商店・スーパー等の閉鎖 64.00%
・耕作放棄地の増大 71.60%
・住宅の荒廃(老朽家屋の増加) 62.30%
・働き口の減少 68.60%
・獣害・病虫害の発生 61.90%
・公共交通の利便性低下 51.30%

となっています。


過疎地域だけでなく、すでに都市部郊外でも起きていることですね。

過疎地域の問題をコンパクトシティで解決しようと何年も前から動いている自治体があります。

まずまず、うまくいったところもあれば、失敗したところもあるようです。

うまくいかない理由を見ると、たいていは役人の浅知恵で、大きな予算を得るため大きな絵を描き、見積もりを大きくしたものの、結果は計画の半分にも至らず、財政が悪化して赤字を垂れ流すというようなことになります。その多くは税金が使われています。

あとは、東日本大震災でもよくわかりますが、高齢者は慣れ親しんだ、あるいは先祖代々の土地を離れることを強く嫌がることなど、コストと効率ばかりを取り上げて、人の感情や郷愁、歴史を無視した人間味のない手法をとっていたりすることです。

特に高齢者の場合、すでに年金生活者ですので、収入が得やすいという理由では都市部に住む必要もありません。

例え土壌が汚染されていようが、何百年に1回津波に襲われようと、そこに住みたい、作物を作り続けたいと願うのがその土地に根ざしてきた人達です。

広い土地があり自給自足で間に合っている人達に、スーパーが近くにあって、病院もあるけど、鉄筋の狭いアパートの部屋を用意したから移住してと言ったところで心は動かないでしょう。

そういう人達を動かすだけの大きなメリットや感情面のサポートがないと、今後もコンパクトシティ構想は壁にぶつかることでしょう。

あとは限界集落や準限界集落において、新たなビジネスを起こすことで、移住者を増やし、活性化するという対策があります。

都会には、地方に憧れる人は一定数いますが、「仕事がない」「遊ぶところがない」「同世代の人がいない」「子供の教育が心配」「価値観が違いすぎる」など、様々な障壁があり、なかなか都会から移住者を呼び込むことは難しいのが現状でしょう。

小説やドラマ、映画では、林業や農業にスポットライトをあて、若い男女がハッピーに働くものが多くありますが、現実はずっと厳しいものでしょう。

ただ、日本経済は、中国などアジア諸国の競争により、工業製品作りと輸出は一段と減っていくことになり、世界の市場で勝負できるのは、高品質な木材や安全かつ美味しい農産品になっていくかも知れません。

案外、いまそうした限界集落や過疎地域に目を向けて、20年先、30年先の次世代の農業、林業、水産業を狙っている人こそ、日本の救世主であり、成功者になれるのかもしれません。

   

【関連リンク】
1154 地方の可能性と限界
1089 プチ移住という選択
1053 空き家問題を考える
999 覚悟の地方移住か都市部で介護難民か
733 高齢者の地方移住はこれからも進むか
719 道の駅は次の段階へ進めるか
711 地方が限界集落化していく




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1210
名脇役として活躍されていた左とん平氏が2月に亡くなりました。ドラマや映画でみることは減っていたのですが、最近では冠婚葬祭の「セレマ」や「さがみ典礼」という葬儀会社のテレビコマーシャルで印象に残っています。

テレビや新聞の広告では、高齢化社会を反映してか、それともテレビや新聞という旧媒体のメイン視聴者、読者が高齢者ばかりということなのか、葬儀やお墓の広告が盛んです。

私も還暦を過ぎて、そろそろ終活の準備を考えなくちゃいけないお年頃になってきたわけですが、その中でも悩ましいのがお墓のこと。

遠く離れた実家のあるところには先祖代々、親も入っているお墓がありますが、独立した次男坊の私は、厳密に言えばそこには入れず、別途お墓を新しく作らなければなりません。

ま、実家を継いだ長男も「一緒に入ればいい」と言ってくれているし、最近はそうした古いしきたりなんぞ関係なしと言ってしまえばその通りですが、もし私の子供達がお墓参りなんぞしてくれることがあれば、子供達にとっては縁も薄く遠い場所にあるお墓じゃ不便この上なく、さらにその子供達が、将来終活するときに、親が入っているとは言え、その遠いお墓に入ることを潔しとせず、困ってしまうかなぁっといろいろ考えてしまいます。

さて、お墓と言うか霊園の話しですが、大きく分けて公営霊園と民間霊園があります。

公営霊園は、名の通り、市や町が運営する霊園ですが、費用は安くて良いのですが、数が少なく、また利用条件などもあり、さらに競争倍率が半端なく高いということで、ほとんど無理目です。

民間霊園は、盛んに広告が出ていますが、すぐに購入できる代わりに、費用は相当高く、墓石は指定の石材店で購入する条件(霊園に利益の一部を落とすため割高)や、さらに年間維持管理費などの名目で、購入後もずっと支払い義務が課せられます。

また公営でも民間でも最近は個人のお墓という形式ではなく、共同供養、共同埋葬という形があり、子供に負担をかけたくないという人や、子供がいない人にとっては便利なものもあります。

その他にも都市部では、ビルの中の納骨堂が流行っていたりと、様々な墓地の形態が増えていて、選択の幅が拡がるのはいいことでしょう。

 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

いま戦後から3年間に生まれた団塊世代は69~71歳で、今はまだ元気いっぱいですが、あと10~20年もすると彼らの墓地が一斉に必要となり、バブルの頃のマンション需要のように激しい争奪戦と高騰が予想されます。

ざっくり言えば、現在年間死亡者数が150万人程度で推移しているのが、20年後には年間200万人近くが亡くなります。そりゃー、次々と海や宇宙にでも散骨しなければ、日本国中が墓地だらけになってしまいそうです。

すぐその後に続く我々の世代は、消耗しきった荒れた墓地のなれの果て?の姿に唖然とし、墓地や納骨堂を運営している民間会社は、それまでの右肩上がりから急速にしぼんでいく需要で倒産が相次ぐような事態に遭遇しそうです。

団塊世代は、元々地方に実家や先祖代々のお墓がある人が多く、後先のことを考えなければ、実家を継いでいる兄弟や親戚に頼んで、そこへ入れてもらうというのが一番効率的かも知れませんが、何十年もお参りしてないお墓に入るというのには抵抗を感じる人が多いでしょう。

すでに墓地やお墓にこだわる人も減ってきたため、やはり今後は子供がいたとしても都市部に近い場所の共同墓地のような形になっていくのでしょうか。

お墓の手入れなどで子供の手を煩わせることもなく、また年間維持費や、墓地を運営するお寺さんへお布施や寄付を求められることもないので、合理的に考えるとそれが最適かなと思います。

信心深い人や、他人と一緒に埋葬は嫌とか、中には夫や姑と一緒のお墓は嫌という夫婦などもいると聞きますので、その人の価値観と使える資産によって墓地選びはいろいろと変わってくるのでしょうね。

子供にしてみれば、新しく親のお墓を作るとなると、その分、遺産としてもらえるはずだった現金が減り、さらに今後ずっと維持費などの費用がかかってくるわけですから、例え遺言されていても微妙でしょう。

個人的には、油臭いビルの中の納骨堂だけは嫌で、それなら自然の中に散骨してもらうか、樹木葬など共同墓地に納めてもらうかを希望したいところです。


【関連リンク】
896 多死社会と葬儀ビジネス
880 高倉健さんを偲び映画の思い出など
738 日本人の年齢別死因は
689 自分の終焉をどう演出するか
523 あゝ無情な家族が続々



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1209
国会では働き方改革の話しと言えば、「裁量労働制の職種拡大」というテーマが主ですが、それはさておき、今回はすでに導入されてからかなり時間が経っている限定正社員についての話しです。

限定正社員とは、働く地域限定の(1)勤務地限定正社員、仕事内容が限定される(2)職務限定正社員、そして勤務時間を限定する(3)勤務時間限定正社員の3つが主な限定条件となっています。

まだ大手や中堅企業ぐらいしか取り入れられていない制度ですが、働き方改革の旗の下、また人手不足で採用が困難になってくる中小企業にも今後は普及していきそうです。

限定正社員制度を取り入れている企業の中では、(2)の職務限定を取り入れているのが9割を占めていて、次に(1)の勤務地限定が4割程度、(3)の勤務時間限定は1~2割ということです。(※複数の限定を取り入れている企業があるので合計すると10割を超える)

本来こうした限定正社員は、多様な働き方を推進し、期間が決まっていた非正規雇用から、期間の定めのない正規社員への転換を図ることと、従来のゼネラリスト志向が強い正社員採用から、スペシャリスト的な働き方をしたい人の採用を促して労働生産性を上げていこうとする目的があります。

しかし現実的に職務限定で多そうなのは、小売店などの販売員やレジ係、工場の作業員など、従来はパートやアルバイトに任せていた単純軽作業の業務のようです。

つまり従来大量にパートやアルバイトの非正規労働者を採用していた大手企業は、国の方針に逆らうわけにはいかず、かと言って企業にとっては人件費の負担は大きく、それをうまくかわすため、その人達を正社員化する代わりに、無限定の正社員と給与、職務、時間などの条件によって格差を設けるために作られた制度って感じがします。

したがって業績不振などによってスーパーなど小売店や工場を閉鎖したときに、容易に解雇して閉鎖がしやすい(職務や地域が変わってしまう)手法をとっているように見えます。

それら、限定正社員の解雇については、まだほとんど判例がないので不明ですが、一般的に考えて限定がない正社員よりは解雇できない要件が少なく比較的容易に解雇ができることになるでしょう。

国もこうした従来非正規雇用だった労働者の正規化をなにがなんでも推進する法整備を進めていますので、現在の大企業だけでなく、やがては中小企業においても、限定社員向けの就業規則制定や、給与制度など様々な対応がこれから求められていくことになりそうです。

多くのパート、アルバイト、契約社員を使っている(使わざるを得ない)企業は、今後、労基局や職安から様々な正社員化への圧力がかかりそうで、覚悟しておいた方が良さそうです。

これに対して、遅れがちなのが、派遣労働者の正規社員化です。

「雇い止め・派遣切り」 リーマン氷河期世代を直撃する(BUSINESS INSIDER)

2018年問題と言われていますが、2013年に改正された労働契約法により、同一勤務で5年経過すると常用雇用とみなされる問題です。

もっとも派遣を無期雇用の社員の代わりに使おうとすること自体、間違った使い方をしているとも言えますが、派遣労働者側にとってその多くの人が仕方なく派遣で働いている「不本意派遣」ではなく、派遣という働き方を好んで選んでいるにかかわらず、せっかく慣れている仕事なのに、仕事を奪われてしまうという事態を引き起こします。

厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査2010年」の調査では、非正規社員に非正規雇用を選んだ理由を聞いて、不本意雇用と思える「正社員として働ける先がなかった」と答えた人は22.5%で、それよりも多かったのは「自分の都合の良い時間で働けるから」38.8%、「家計の補助、学費を得たかった」33.2%、「通勤時間が短い」25.2%、「家事と両立」24.5%となっています。

平成29年の総務省「労働力調査」では非正規雇用者の不本意雇用は14.3%となっています。

派遣労働者に限っての調査(2013年日本人材派遣協会)では、派遣労働者の15.1%が正社員を希望(≒不本意雇用)となっていますが、いずれも少数派と言えます。

もっとも大きくマスコミが取り上げるのは、好んで非正規雇用で生き生きと働いている人ではなく、社会により強いインパクトがあり、取材する安定した正規社員のマスコミ関係者が優越感に浸れる「不本意で派遣」+「5年を前に派遣切りに遭った」という人ばかりなので、派遣労働者はそうした人が主流なのか?って世間に誤解を与えてしまいます。いつものことですけどね。

この2018年問題では、リーマンショック直後の2008年「年越し派遣村」のようなものがまたできるのじゃないか?っていう報道がありましたが、過去の「派遣村」に派遣労働者で派遣切りに遭った人がどのぐらいいたのか知っていてそういうことを言っているのでしょうかね?

少なくともテレビに映し出されていた人達のほとんどは、取材のためにホームレスをかき集めてきたとしか思えない男性高齢者ばかりだったように見受けられますし、現地へ手伝いに行った当時日本新党の田中康夫氏も語っていました。

一種バラエティ番組と似たようなもので、そうした派遣村は主催者のパフォーマンスであり、売名行為に乗っかっているに過ぎません。主催者代表はその後テレビなどに引っ張りだこで、まんまと成功したわけですけどね。


【関連リンク】
1068 個人事業主の中でもフリーランスとしての働き方
1055 働き方と社会構造
1010 不本意な非正規雇用とその実態
944 派遣法改正について様々な見解
926 在宅派遣就労が拡がる可能性はある?
717 非正規から正規雇用への転換策




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1208
その癖、嫌われます (幻冬舎新書) 竹内一郎

2005年に「人は見た目が9割」でミリオンセラーをぶっ飛ばし、それだけで印税収入が1億円近く(実際は所得税等税金があるのでそのまま収入ではないが)という大ヒットを持つ著者の2012年の新書です。

当時、新書では「タイトルに数字を入れると大ヒット」と言われていて、上記のミリオンセラーもその通りとなりました。他には「99・9%は仮説」「若者はなぜ3年で辞めるのか? 」「7つの習慣」「新版 年収300万円時代を生き抜く経済学」などもベストセラーとなっています。

誰でも七癖と言ってなにかしら癖を持っていそうですが、他人に迷惑をかけていても、それに気がつかないというのが本人のみという残念な性格のものです。

私自身、この本を読んで、「あぁ~なにげなく仕事中にため息をついているなぁ~」とか、話しをしても「嫌いな人とは目を合わせないようにしているなぁ」とか、「夏場の外勤の時には、(中年の)汗臭さ満載だったなぁ~」と、反省するところがいくつも出てきます。

過去に他人がやって嫌だったことは「食事でペチャペチャと音をたてる人との食事」「鼻水をすすり続ける人との会議」「しゃべる合間合間に必ず『あの~』と入れるプレゼン発表」「夏場にせわしなくハンカチでパタパタと顔をあおぐ女性」「満員電車で、身動きがとれない中で、鼻くそをずっとほじっている男性と、枝毛?の手入れに余念のない女性」「不必要にPCのキーボードをパンパン強く叩く人」などなど。

人の癖で困るのは、それを注意すると、相手が注意した人に敵愾心を持つことです。

癖を指摘されて「感謝をされる」ということは皆無でしょう。だって、その人にとって癖は、自覚がなくやっていない(と思い込んでいる)ことだからです。指摘されると猛烈に恥ずかしく、その相手に攻撃されたと敵意を感じます。

また同時に人に癖を指摘されることは、自分はなにも悪いことをしていないのに、いきなり難癖を付けられ、恥をかかされたということでしょう。そりゃ腹を立てます。

だから敵を作りたくないと思う多くの人は、他人の癖に対して注意ができません。見て見ぬふりするのが一番だと悟っています。

この新書でも、そうした癖を注意する方法などが書かれていますが、それはどうかな?って思ってしまうほど、対処が難しいものです。

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失われたミカドの秘紋 エルサレムからヤマトへ「漢字」がすべてを語りだす!(祥伝社文庫) 加治 将一

2008年に「舞い降りた天皇―初代天皇「X」は、どこから来たのか」を書いた著者の、天皇関連第二弾の2010年単行本刊、2014年に文庫版刊の長編歴史小説です。

感想は主人公が天皇の祖先の推理や中国の歴代皇帝の人種などに触れて、警察からも中国警察からも付け狙われるという微妙な問題を多く含んでいるのと、特に何度も出てきますが秘密主義で自分たちの利益を守るだけと宮内庁を攻撃しているところが、小説と言うより私怨を強く感じられる文章になっています。

端的に言うと、古代に進んだ文明をもったエジプトやユダヤから、陸続きのユーラシアを旅して中国へ、そして朝鮮半島や日本へもその係累が住み着き、強力な武器で土着民を支配し、やがて王朝を作っていったという流れです。

特に、古くからある漢字の意味や発音がユダヤ語と親和性が高いことなどから、漢字が生まれた中国を含み元々土着していた漢民族や大和民族はではなく、西方からやってきた異民族がその根っこにはあるのだとする言説を主人公に推理させています。

小説の出来としては少々読みづらく、変なエンタメ精神などどうでもいいので、もっと端的に整理して書いてくれたら読者も増えるのだろうになと思います。

多くの古代の名前や都市名等が次々と出てきて、その関連性や時代背景が専門家の論文ではなく、ほとんど予備知識がない人が読む小説としては、ただ混乱を与えるだけでしょう。

しかし個人的にはこういう古代歴史推理小説は嫌いでなく、高木彬光氏の小説「邪馬台国の秘密」や「成吉思汗の秘密」「古代天皇の秘密」などはコンパクトにまとめられ、ロマンもあって楽しめました。

また著者が主人公に言わせているように、日本の全国に散らばっている古墳など、宮内庁が許可をしない場所を徹底的に発掘調査すれば、歴史の謎や天皇をはじめとする有力者のこと、そのDNAを調べてどこから来た人種とか判明し、古代ロマンが拡がっていくのにって思いますが、知らぬが仏、空想していられるときが幸せなのかもしれません。あるいは知られて困るようななにかを隠しておきたいのかも知れません。

★★☆


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盲目の予言者 ローレンス・ブロック

1988年刊で原題は「Random Walk」(直訳すると「不規則な歩行」)の小説で、著者の有名なシリーズ「マット・スカダー・シリーズ」「泥棒バーニイ・シリーズ」「殺し屋ケラー・シリーズ」「快盗タナー・シリーズ」のどれにも属さない単独の長編です。

この小説は文庫化がされてなく、単行本でもすでに絶版となっていて、ブックオフあたりにもまず出てこないので、今回はAmazonのマーケットプレイスで入手しました。

高倉健主演の映画「あなたへ」(2012年)のように、主人公がひたすら旅をするロードムービーと言われる映画がありますが、こちらはそういう言葉があるのかどうか知りませんがロード小説と言えます。

バーテンダーの主人公は、ある時、意識の中で「歩け」という天の言葉を聞き、それに従うべく、仕事を辞めて、マイカーも売り、銀行からお金を下ろし、アメリカ西海岸からひたすら陸地を目的もなく東に向かって歩き続けます。

いくつもの州を超えて歩くうちに、ひとり、またひとりと同行する人が増えていきますが、その中に、目が見えなくなったシングルマザーで精神カウンセラーがまだ幼い息子と一緒に加わります。タイトルにある「盲目の予言者」とはこの人のことを指しています。

一緒に単に歩くようになると、不思議な現象が次々と起きていきます。例えば高齢で歩くことができなかった老婆が杖もなしで歩けるようになったり、癌に罹って余命わずかだった女性が劇的に回復したり、大人で抜けた歯が新たに生えてきたり。

ま、そのあたりはなにかファンタジー小説か、宗教教本のようですが、なにか閉塞感に追いやられて苦しんでいるアメリカ都会人にとってはそうした神秘的な癒やしに憧れている気もわかります。

特に最後までこれと言った転結があるわけではありませんが、同時進行で100人もの女性を殺めた凶悪な殺人者がその行進に加わったことで、自らの犯罪を告白し自戒していくなど、できすぎというかやりすぎって感じもします。

★★☆


 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

追伸 (文春文庫) 真保裕一

2007年に単行本、2010年に文庫版が発刊された、往復書簡中心の長編小説です。

こうした男女間で往復書簡のやりとりがそのまま小説となる手法は何度か見かけますが、個人的にはあまり好きではないです。

というのも、本来手紙というのは私的な文章で、それを小説に仕立て上げるには、読者にもわかりやすくするためそこに無理が生じます。

「よく知った男女間で、手紙においてそんなまどろっこしい言い回しや説明は普通ないだろう?」っていう記述が、これでもかって感じで続きますから、しらけてくる場合が多いのです。

なので、これは手紙ではなく、単にストーリーの説明文なんだと思い込んで読み進めていくことになり、それだったら、なにも手紙の風体をとらなくてもいいんじゃないか?って思ってしまいます。

著者の作品は好きで、これまで17作品を読んできましたが、割と多作な作家さんですので、いろいろと趣向を変えた作品をということなのでしょうけど、こればかりはあまり成功したとは思えません。

ストーリーは、ギリシャに単身赴任中の夫と日本にいる妻との往復書簡で、妻から一方的に離婚届が送られた夫が、なぜ妻がそういう思いに至ったかを考え、その妻の母親がなにかを隠してきたことや、やがて判明してくる妻の祖父母について不思議だった過去が、祖父母が交わしていた書簡で明らかになっていくという内容です。なので夫婦の往復書簡の中に、祖父母が取り交わしていた往復書簡があるというややこしさです。

最後もこの主人公たる夫婦がこの先どうなっていくのか、消化不良のままなんとなく終わってしまい、結局なにが言いたかったのか、よくわからないままで終わってしまいました。私の読解力不足かな。

★☆☆


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