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これは1日平均にすると毎日480頭の犬猫が殺されていることになります。その他に負傷した犬猫が年間約9,000頭が殺処分されています。(出典はいずれも環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室)
しかしこれら処分されている数は統計開始以来、毎年減少しているのが唯一の救いで、1974年には122万頭、2000年には53万頭もの犬猫が殺処分されていたことからすると、動物愛護管理法の改正と強化、飼育者マナーの向上や、処分前に里親へ譲渡されるなどして、殺処分数は大幅に減ってきています。
それでもまだ年間18万頭(負傷による殺処分含む)の犬や猫が、多くは無責任な飼い主や悪徳業者により一方的に死刑を宣告されているというのは、ペットが好きかどうかは関係なくまったく許し難いことです。
ちなみに保健所での殺処分の方法は、10頭ぐらいまとめて箱に入れ、その箱の中に二酸化炭素を注入し酸欠状態で殺すようです。はからずも毎日こうした仕事をされている保健所の方々は、仕事とはいえ夢見も悪くなるでしょうし同情の念を禁じ得ません。
一方でNPO法人やボランティア団体によって、殺処分される数を少しでも減らすため、ペットの保護活動や里親捜しをおこなわれています。殺処分の減少にはこれらの組織だった動きにより、認知が拡がってきたきたことによるのも大きいでしょう。
ただどこの世界にも善意を踏みにじる悪い人はいるようで「里親になる」と言って善意の人を騙して大量の猫を集め、そのまま何十匹の猫とともに行方不明になったという事件や、元の飼い主と里親のあいだで起きるトラブルは決して少なくないようです。
譲渡の相手が公的機関でない場合は、預ける時も、譲り受ける場合も十分に気をつける必要がありそうです。
それでふと思い出したのは、私が小学生の頃、自宅で飼っていた三毛猫が子供を産み、まだ赤ちゃん猫だった1匹を3軒隣の家に里親に出しました。
やがて子猫は大きくなり、誰かが教えたわけではないのですが、しばらくして我が家の親猫のところに時々遊びに来るようになり、夕方の食事時間になると里親のところへ帰って行くというなかなか微笑ましい里親との関係が続きました。
逆になぜか親猫が図々しく里親の家へ行くことはなく、その辺り猫の中にもなにかルールがあったのでしょうか、謎です。
ペットと言えば犬や猫が代表的ですが、その他に魚類、鳥類、は虫類、昆虫など様々です。内閣府の2010年の調査ではペットを飼っている人の割合は全体の34.3%とのことで、概ね3人のうち1人はなにかしらのペットを飼っているということになります。
飼っているペットの種類は、犬が58.6%と最も多く、以下猫が30.9%、魚類が19.4%、鳥類5.7%、昆虫類3.6%、うさぎ3.3%、ねずみ類(ハムスター等)2.7%、は虫類(ヘビやトカゲ等)2.6%、両生類(カエル、イモリ等)1.8%となっています(合計100%を超えるのは複数のペットを飼っている人がいるため)。
同調査ではペットを飼うメリットも書かれていますが、同様にペット飼育による他人の迷惑についても書かれています。
個人的には、躾ができていないバカ犬の「鳴き声がうるさい」に、ほぼ毎日悩まされ続けています。よく知ったご近所さんと言うこともあり、解決にはなかなか難しいハードルがあります。っていうか解決は、飼い主は躾ける気も、犬が満足するぐらい散歩に連れ出すこともないようなので、気の長い話しですが犬の寿命がくるまで無理だろうとあきらめてます。
飼い主にとって犬が吠えるのは百歩譲って防犯上のこととかコミュニケーションの一種ということであっても、周囲の人にとっては騒音以外のなにものでもありません。
特に、深夜帰宅する人や、早朝に新聞配達人などに延々と吠えまくり、昼夜を問わず飼い主が家から外へ出ると散歩に連れて行けとばかりに吠えまくり、毎朝、起床時間のずっと前に起こされるのはたまったものではありません。躾もロクにできない飼い主がペットを飼うなんぞ100年早いです。
「犬を飼う十箇条」(または「犬の十戒」、「犬と私の10の約束」とも言う)には躾のことや近所迷惑のことはなにも触れられていませんが、猫を飼う人は最低でもこれを理解してから飼ってほしいなと思います。あとついでに飼い主の十箇条も作って欲しいですね。ちょっと綺麗事すぎるきらいはありますが。
1.私の一生は10~15年くらいしかありません。ほんのわずかな時間でもあなたと離れていることは辛いのです。私のことを飼う前にどうかそのことを考えてください。 2.私が「あなたが私に望んでいること」を理解できるようになるまで時間が必要です。 3.私を信頼して下さい…それだけで私は幸せです。 4.私を長時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには仕事や楽しみがありますし、友達だっているでしょう。でも…私にはあなただけしかいないのです。 5.時には私に話しかけて下さい。たとえあなたの言葉そのものはわからなくても、私に話しかけているあなたの声で理解しています。 6.あなたが私のことをどんな風に扱っているのか気づいて下さい。私はそのことを決して忘れません。 7.私を叩く前に思い出して下さい。私にはあなたの手の骨を簡単に噛み砕くことができる歯があるけれど、私はあなたを噛まないようにしているということを。 8.私のことを言うことをきかない、頑固だ、怠け者だとしかる前に私がそうなる原因が何かないかとあなた自身考えてみて下さい。適切な食餌をあげなかったのでは?日中太陽が照りつけている外に長時間放置していたのかも?心臓が年をとるにつれて弱ってはいないだろうか?などと。 9.私が年をとってもどうか世話をして下さい。あなたも同じように年をとるのです。 10.最期の旅立ちの時には、そばにいて私を見送ってください。「見ているのがつらいから」とか「私のいないところで逝かせてあげて」なんて言わないでほしいのです。あなたがそばにいてくれるだけで、私にはどんなことでも安らかに受け入れられます。 そして…どうか忘れないで下さい。私があなたを愛していることを。 |
あと、これから問題になってきそうなのが、老夫婦だけ、または連れ合いを亡くして独居している高齢者が、犬や猫のペットを新たに飼うことで、その寂しさを紛らわそうとする飼い方が増えてきたことです。
高齢者がペットを飼うことにより、生活に張りが出て、生き甲斐につながるという癒し効果については実証もされていてわかるのですが、そのペットの行く末が気になります。
高齢者ならいつ転んで怪我をしたり、具合が悪くなって病院へ入院するかわかりません。自分がもしペットの世話ができなくなれば、ペットを飼えないマンションに住み、共働きをしている息子や娘達か、それとも犬が好きか嫌いかもわからないご近所さんが仕方なしに世話をしなければならないという事態が考えられます。
少なくとも、もし自分が世話ができなくなった時に、ペットを預かったり引き取ってくれるNPO団体を予め決めておき(お金が必要なら先に支払っておき)、誰かに連絡をしてもらうよう依頼をしておくのが最低限のマナーでしょう。
いずれにしても住宅が密集し、防音対策も緩やかな閑静な住宅地において、家の中で飼う小動物ならともかく、中型犬以上の犬や、外で自由にさせておく猫を飼うのは、50坪以上の庭がある家限定とかにしてもらいたいものです。
またペット税という話しも過去に何度か出ていますが、いまだに結論は出ていません。ペットを飼っていない人にとって、ペットの処分や道路や公園に残された糞尿の始末に多額の税金が使われるのは納得がいきません。
時々ですが逃げ出したペットの大蛇やワニを捕まえるのに、警察官や消防隊まで動員されているのを見ると腹も立ちます。
ペットを飼うのはペットを飼わない人よりも比較的裕福な人ですから、それに課税をしても誰も反対はしないと思うのですけどね。
小さな子供が近所の川で取ってきたザリガニにまで税金をかけられたらそれは困りますが、ザリガニの場合は「これはペットではなく食材だ」と言い張ることができそうです。
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世の中は婚活ブームで、やがてそれも収束するのでしょうけど、あと何年ぐらい続くのかさっぱりわかりません。いずれにしても結婚したい男女にとっては、お金も手間もかかるし、やっかいな世の中になってきたものです。
最近はあまりそういうことは言われなくなりましたが、私が結婚した頃(1980年代)ではまだ「結婚というのは家と家との結びつき」みたいなことが言われ、結婚式場でも「○○家、△△家ご両家結婚披露宴会場」という表示が当たり前で、誰もが不思議に思いませんでした。
私が客として招かれるようになった時代、1990年頃からは、仲人を置かないカジュアルな結婚式(披露宴)がボチボチ増えてきて、2000年代には、披露宴は会費制パーティ形式のようなものまで現れました。
まぁそれはそれで、本人達がよければ全然構わないのですが、両親や年配の親戚にしてみると、違和感があり複雑な思いをしているかもしれません。
あと、都会と地方ではその考え方にもまだまだ差があるようで、地方の結婚式へ呼ばれると、仲人さんから聞いていてこちらが恥ずかしくなるような新郎新婦をベタ誉めする紹介があったりする昔ながらの家同士の結婚式が多く、都会のお洒落なレストランを借り切った披露宴ばかり出ているとなにか昭和に戻ったような錯覚に陥ります。
特に田舎の長男坊の結婚は派手婚が多く、その家の名誉がかかっているとばかりに、結婚する本人達の希望や意見よりも両親や祖父母の意気込みが伝わってきます。
少子化が進んだ1980年代以降(合計特殊出生率が2.0を割り込んだのはオイルショック後の1975年)、一人っ子の家が増えていきます。2005年にいたっては出生率が1.26まで下がりましたので、そこで生まれた子供が結婚適齢期となるのは2030年頃です。
折れ線グラフ:合計特殊出生率推移(一人の女性が一生に産む子供の平均数)
データ出典:内閣府政策統括官
夫婦の出生児数推移(棒グラフは最終出生児数の各割合、折れ線グラフは最終出生児数)
データ出典:国立社会保障・人口問題研究所
グラフをみると1組の夫婦が得る子供(グラフ下の赤線)は2010年には2を切り、平均1.96人と、子供は0か1人という夫婦が2005年以降急速に増えてきています。
最近の平均初婚年齢は男性が31才、女性が29才です。1980年生まれは現在33才ですから、当時平均出生率が1.7ぐらいだった一人っ子の多くがすでに結婚適齢期に差しかかっています。そこでおのずと起きるのが長男と長女の一人っ子同士の結婚です。
ざっくりとした統計データでは、最近の日本人のうち長男、長女がおよそ6割強、次男次女が3割、3男以降が1割未満ということです。
つまり10組の結婚のうちなんと8組以上に長男か長女のどちらか、またはその両方が含まれることになります。一人っ子が増えている中で長男と長女が結婚する確率はおよそ3割にもなってきています。
本人同士はたまたま好きになった者同士が一人っ子の長男と長女であったというだけで、家の事情など関係ないのですが、両親や祖父母にしてみるとこれが大きな問題となってきます。
つまり家系の断絶の危機というわけです。皇太子徳仁親王の一人っ子愛子内親王がもし他家へ嫁入りすれば、直系長子の徳仁親王のお世継ぎがいなくなるのと同じことですね。
天皇家ほど注目されることはないにしても、もし出自がそこそこ地元では名門とされた家系や資産家であったりすると、この跡継ぎ問題はお家の一大事へと発展してしまいます。
そういう家系に生まれた人(男女)は、小さい頃から、嫁や婿をとるものだと言い聞かされていたり、周りから縁談を次々持ってこられたりして、なんとか家系をつなごうと期待されているのでしょうが、今の割り切った若い人にとってはそれらのことははた迷惑に思うだけでしょう。
ただそうは言っても若者の収入の低さを考えると、家を継ぐことで受けられる恩恵もバカにはできず、名門家であれば家や土地など資産も多くあり、将来の損得を考えるとそれになびく人もいるでしょう。
ただ名門家ではなくたいした資産もない家の長男、長女からすれば、その家を継ぐメリットは少なく、逆に親の介護や生活費まで子供が面倒を見なければならないとすると、もう親の意見や要望には耳を貸さないという子供が今後増えてくる可能性があります。
そういう家系はその時点で消滅していくことになり、ご先祖を奉ったお墓も荒れてしまうのではとちょっと心配です。
家を継ぐのは長男の役目という形式も最近は薄れているのか、先に出ていった長男は都会で天職を見つけて田舎には帰ってこず、残った次男が後を継ぐというケースも時々聞くようになってきました。男子が2名以上いると、そのような技が使えて便利です。
本来なら、次男坊は、学校を出ると家を出て、新たな家系を作るべく独り立ちしなければなりません。真っ先に戦争の兵士や移民としてかり出されるのも、たいてい次男坊の役目です。次男ってそうやって都合よく使われてしまいつらいんですよ。
後継者として大事にされ、法律上は平等ですが実態は家や土地など財産のほとんどをそのまま引き継ぐことが多い長男とは違い、子供の頃は着るものから学校の文具まで長男のおさがりが多かったり、親が亡くなった後は、長男夫婦に先取りされてしまい、財産はほとんどを放棄せざるを得ない、基本的には損な役回りを求められます。
その次男坊、実は私もそうなのですが、高校生ぐらいの時だったか、親からこう打診されたことがあります。
「もしその気があるならどこかへ養子にいかない?」
その時はどこかの家へ養子に入れば名前が変わってしまうなぁぐらいにしか思っていませんでしたが、親が言うには、「名門家に養子に入ればたいした苦労もせずに楽ができる」との甘い誘い。
まだ具体的な話しがあったわけではなく、出来の悪い次男坊を思う親心で、私にその気があるなら、将来どこかへ売り込もうと考えていたのかも知れません。
確かに何人かに聞くと、何代も古くから商売や事業をやっていたりする名門家の養子に入れば、その家がやっている商売や、婿入り先の両親の世話は基本的に嫁さんが、つまりそこの娘さんが全部おこない、自分は若旦那(バカ旦那とも言う)として、まったく関係のない外で働くもよし、暇つぶしに実家の商売を手伝うもよしで、好きにすればいいとのこと。なんと言っても一番のお役目は元気な跡取りを作り家系を断たぬようにするためなのですから。
このときは中二病じゃないですが、自分にはもっと大きな可能性が秘められていて、それこそ「末は博士かエリート商社マンか」など勝手に空想していた時でもあり、結婚などまだ考えもしていなかったので、その話しはうやむやに消えてしまいましたが、後で考えるともうちょっと真剣に検討しておけばよかったかなと、ちと反省するというのはよくある話し。
なにが言いたいかというと、「次男諸君!もし将来を不自由なく暮らしたいなら、名門資産家に狙いを定め、そこへ婿養子で入るのが手っ取り早いですぞ!」ってこと。
またそういう婿を必死になって探している女系の家はいくらでもあります。イメージ的には、そう、必殺シリーズの中村主水みたいな感じです。
家の中では婿様と呼ばれてふにゃふにゃですが、一歩外へ出るとお役目の仕事はともかく、自由奔放な生活で好き勝手をやり、しかもいざというときはキリッとして格好いいでしょ?
シンデレラやプリティー・ウーマンに代表されるような、女性が玉の輿を狙うことは常識ですが、男性も次男坊にこそ許される(長男でも両親をキッパリ捨てればいいのだが)特権というか、双六で言えば一気に十も二十も先へ進めるビッグチャンスってことです。
なので次男の場合はあまり拙速に身を固めてしまわず、ジックリと戦略を練ればいいのです。
土地や財産などがある名門家に養子に入ればどのようなメリット、デメリットがあるかって?
まず生涯よほどの下手を打たなければお金で苦労をすることはないでしょう。義理の両親や祖父母からもらう小遣いや生活費とは別に、自分で働いて得たお金は全部自分のために使えます。
住宅ローンの心配も、子供の教育費の心配も、親の介護の心配も、自分の老後の心配も不要です。もちろん結婚するときには結納金として高級外車が1台ぐらいは買えるお金をもらいます(そういう家にしか養子に行ってはダメ)。
但し最低限覚悟しておかなければならないのは「追い出されてしまう犯罪やバレるような浮気はダメ(逆に言えばバレなければなにしてもOK)」、「相手の両親に好かれるよう温厚で従順な態度」、「外で働く場合は転勤とか見栄えの悪い仕事はダメ(義理親のコネで役所勤めとかがベスト)」「住むのは義理の両親と同居で、何部屋もある大きな実家(都心のお洒落な高層マンションというわけにはいかない)」ということでしょう。
ドラマで出てくるような劇的な出会いから恋愛に発展し、誰にも邪魔されず二人で幸せな家庭を築き、、、なんて夢想するのは勝手ですが、そういう千にひとつもないようなことに身を削るより、次男坊であれば、親や親戚や情報通の近所のおばちゃんに、養子を探しているお金持ちがあれば考えてもいいと一言頼んでおくのがこういう厳しい時代には一番いい世渡りではないかとアドバイスです。
【関連リンク】
583 人口が減るのもいいんじゃない
529 それでもしたいか結婚
457 未婚+親との同居が増えてきている
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西武ホールディングスの大株主である米投資会社サーベラスから西武に対し、株主提案として下記のような要求が突きつけられたと以前報道がありました(サーベラス側は「路線廃止などを要請したことはない」と否定)。
・多摩川線、国分寺線、秩父線、山口線などの不採算路線の廃止
・埼玉西武ライオンズの売却
・プリンスホテルのサービス料の値上げ
・品川駅周辺の再開発案の策定
これに対して、西武側は「公共性を重要視するので廃止や撤退は考えていない」と模範的回答をして、沿線住民や国民世論を味方に付けてサーベラスのTOBを阻止しようとする姑息な態度がミエミエですが、本音のところでは改善する見込みがない不採算部門(沿線)は、今日明日ではないにしろ、いずれはなにか理由をつけて撤退したいと考えるのは事業家なら当然のことでしょう。
すでに日本各地で不採算路線が次々と撤退していて、その後を受けた第三セクター方式もかなり苦戦をしているという状況です。
そのような将来ビジョンがなく、いま通学・通勤で困る人がいるからというだけで、(公営や第三セクターの場合)税金をじゃぶじゃぶと投入して一時しのぎをするのはどうなのでしょう。
苦境に立つ九州の三セク鉄道……存続につながるレールたどれるか(ビジネスメディア誠)
西武にしても不採算路線や事業を長期的に抱えることで、トータルで利益が出せず、その結果本来納めるべき税金を納めない(あるいは少ない)のであれば、それは企業としての社会的責任を果たしていないことになります。
そして今後30年ほどの間に日本の人口が2/3以下になり、しかも住民の多くは毎日通勤や通学、買い物やレジャーで使ってくれる若い人達ではなく、たまに使ってくれる程度の高齢者ばかりとなれば、もう地方の鉄道路線の廃止や縮小は急坂を転げ落ちるかのように一気に急加速していくことになります。
50年後には人口8千万人台になり、その結果として大都市部でも人口は中心部に集中し、団塊世代等に人気のあった都心から1時間を超える閑静な郊外は、過疎化が進んだ廃村のような寂れた状態になってしまい、手を広げすぎた鉄道路線も見直され、終着駅もいまより都市中心部寄りに変更せざるを得なくなるだろうという予測もあります。
人口8000万人、うち3000万人が老人の国になるニッポン(現代ビジネス)
次に、運賃の問題があります。
運賃はインフラの自社保有度合いや維持コストのかけ方、あるいは補助金(つまり税金)の有無などにより変わってきますが、また競合するライバル路線の有無など様々な要因によっても変わってきます。
結局は建設費等の借入金返済や事業運営、保守、維持管理費、事業利益、株主配当などがまかなえるように「運賃×想定利用者数」で算出されることになります。
高度成長の時期は鉄道事業で赤字でも駅周辺開発など不動産事業やエンタメ系事業で稼ぐことも可能でしたが、もうそのような内需は期待できず、鉄道事業は運賃で稼ぐしかありません。
鉄道インフラに使う土地を昔に安く取得している場合はまだいいですが、新しく土地を買い、お金のかかる高架や地下に線路を敷いていると、今では天文学的なコストがかかります。
そしてそうしたお金には、屍肉に群がるハイエナのように建設・土木業者や政治家、許認可権を持つ役人が群がり、さらにコストを高くしていきます。
そして自治体の財政厳しい折、これからは市や県からの補助金はあまり期待できませんので、鉄道会社が利益を上げて健全な経営をするためには利用者を増やすか運賃を上げるか、それともコストを切り詰めるしかありません。
まず利用者を増やすのは前述の通り期待薄で、したがって駅員や車掌を極限まで減らし、コストを下げ、ワンマン乗車や無人運転、無人駅を取り入れて、最後に運賃を上げていくことになるのでしょう。
運賃が高い路線は比較的新しく建設された路線で、しかも土地の取得費や建設費にべらぼうなお金をつぎ込んだ場所や、線路は別の会社が保有していてそこを通過するために使用料がとられる場合、そして過疎化で乗客が減少しそのため運賃を上げるしかない、あるいは特殊な観光客用路線という理解で間違っていません。
今後サラリーマンが住宅用、事業用の不動産を購入したり賃貸で借りようとする際は、その土地が活断層や液状化の懸念がないかという問題以外に、最寄りの鉄道路線が高額沿線かどうか、廃線になる可能性はないかというのも大きな検討材料になるでしょう。
通勤代は正社員の場合は会社負担が多いものの、生活費の中に占める通学や買い物、パートやアルバイト等で使う交通費というのは、決してバカになりません。
北総線沿線に住む人達が運賃認可権をもつ国に対して運賃値下げを要求する裁判を起こしたことが大きく報じられましたが(東京地裁で原告敗訴)、このようなことが報じられると、その沿線に住むのは避けようという心理が働きます。
この裁判や報道はその沿線で事業を行っている不動産会社や建設業者、商店にとっては死活問題に発展するかもしれません。
傷口に塩を塗るような話しで申し訳ないですが、北総鉄道北総線の運賃がどれぐらい高いか、JR東日本の運賃と比較すると、JR東日本の運賃が290円の距離(東京-川崎18.2km)とほぼ同距離(千葉ニュータウン中央-秋山 17.6km)を北総線に乗ると650円が必要です。
距離は同じでも料金は2.2倍です。ちょっと電車に乗って出掛けるだけで往復千円以上がかかってしまいます。こんなに交通費がかかっては、交通費が支給されないアルバイトなぞやってられません。
そしてその結果、その沿線は敬遠され、住人が見込み数より増えず、鉄道会社の収益は改善されず、やがて経営が苦しくなってさらに値上げという悪循環も起きそうです。
それにしても日本の人口減少は、鉄道会社にとって大きな影響があるものだなとあらためて知りました。
利用者の便益のため既存線同士を相互乗り入れするための拡張工事ならばまだ理解できますが、未だに都市部を中心に新線計画や複々線計画が計画されています。
税金の無駄遣いと私鉄の場合は経営者の先を見る目を疑ってしまいます。そういう経営者には、これからもますます日本は成長し拡大していくという亡霊が目の前にうようよしているのでしょうか。
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711 日本が限界集落化していく
706 高齢化社会の行方
666 子供の教育費の負担を覚悟しているか
617 人口減少と年金受給者増加
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697
ここ何年かの非正規(雇用)社員が増加している元凶が、小泉政権時代におこなわれた「人材派遣の自由化にある」と思っている人が困ったことにいまだ多くいます。
たぶんそのように言うとマスコミからも注目され「労働者の権利を迫害する業者や政治家を叩く俺って格好いい」と思ってのことでしょうが、まったく非正規雇用問題の本質を理解していないふざけた話しです。
別に派遣会社やその業界団体からなにかの恩恵を受けている私ではありませんが、コロッと騙される人も多いかなと思って解説しておきます。
2008年年末に「年越し派遣村」という話題が一気に噴騰し、あたかも「派遣労働→派遣切り→ホームレス→可哀想→糾弾しなければ」と、派遣労働を目の敵にしてきた労働組合系組織や、それに同調し表向き「弱い者の味方」と称するマスコミによって、意図的な情報操作で悪評が広められてきました。
「派遣業者・派遣という就業形態=悪者」と断じて、「悪者(人材派遣業界や自由化を支持をしてきた政治家)を叩け」とばかりに、もっともらしく書くジャーナリストや評論家が後を絶たず、人材派遣の業界団体もまったく聞く耳を持たない労組やマスコミに手を焼いていました。
なぜ労組が人材派遣を目の敵にするかといえば、労組は誰でもが加入できる組織化されていない小規模なところを除き、基本は大企業や業界ごとに正規雇用者が主体となり組織されています。
つまりパートやアルバイトならともかく社員と同等の仕事をする派遣社員が職場に増えることで、正社員の既得権が侵され、組合員が減り、相対的に労組が弱体化してしまうことを一番恐れているからです。
正社員以外で働く人のことを一般的に非正規(雇用)社員と言いますが、それには明確な区分があるものとないものが混在しています。
一般的にはアルバイト、パート、フリーター、契約社員、嘱託、季節労働者(期間工など)、日雇い労働者、派遣、個人請負(個人事業主の場合は曖昧)などが非正規(雇用)社員と位置づけられています。
非正規社員の中でそれぞれが占める割合と推移をみてみましょう。
全雇用者に占める非正規社員の割合推移と2010年非正規社員の内訳(総務省統計局/労働力調査より抜粋)
非正規社員は1990年と2010年で比べると確かに全年代で増加しています。しかし思い出してください。1990年といえばバブル絶頂時代で、完全な売手市場の中、失業率も低い時代でした。
そのような時代と現在を比べて「正規雇用者数の割合が減ったのはけしからん」と言ってもあまり説得力はありません。
解決するには最低でも80年代後半のように企業が超人手不足で、猫も杓子も正社員として採用してくれるよう景気をよくする必要があります。それは今の時代どう考えても難しいでしょう。
この20年間の非正規雇用の増加は、派遣労働者の増加というだけではなく、働き方が多様化したり、バブルが弾け長引く不況の中、業績も停滞し、その結果企業が正社員雇用を絞っってきたからに他なりません。別に労働組合つぶしで正社員を減らしてきたわけではありません。
特に1990年頃までは雇用数が多かった製造業の現場で、1990年前半のバブル崩壊以降、円高と激しい国際競争にさらされ、それに対応すべく非正規社員(派遣社員ということではなく)を多く使うようになってきたからなのです。
それを証明するために、下記のグラフを見てみましょう。
2000年、2005年、2010年の非正規社員内訳比較(総務省統計局/労働力調査より抜粋)
小泉純一郎氏が政権についたのが2001年、それから5年後の2006年まで総理大臣の座にいました。
その間で労働者派遣法が改正されたのが、2003年の要件緩和と退任後の2007年から実施された派遣期間の緩和です。果たしてそれが今の非正規雇用問題の元凶だといえるのでしょうか?
派遣職種が過去一番ドラスティックに変更され緩和されたのは1999年小渕恵三内閣時代の改正で、この時に派遣業種が原則自由化され、製造業派遣なども認められました。
いわゆる派遣禁止職種のネガティブリスト化ということで、それまでは制限されていた派遣可能職種から、やってはいけない職種の制限に置き換えられました。
百歩譲ってもし派遣法改正が元凶だというのなら、この時の改正を言うべきでしょう。
次に非正規雇用者を年齢別にみるとどうでしょう。
年代別全雇用者数に占める非正規雇用の割合(2000/2005/2010年)(総務省統計局/労働力調査より抜粋)
顕著なのは、2000年から2010年の10年間で、55歳~64歳の非正規雇用者数の割合が増大しているのがわかります。
これは数百万人もの団塊世代が2007年頃から続々と60歳定年を迎え、61歳以降は嘱託や契約社員として、あるいはパートとして働くようになりました。
一方では、15~24歳の層は、いったん2005年には急増したものの、その後2010年にかけては非正規雇用者割合が減っています。その他の層も55歳以上以外は2005年と2010年を比較すると横ばい傾向と言っていいでしょう。
もしどうしても非正規雇用急増の問題を指摘するなら、減ってきている若年層ではなく、定年後も働き続けなければならない、あるいは一度退職すると次に正社員としては採用してもらえない55歳以降の非正規雇用の問題を真っ先に取り上げるべきなのです。
実際には60歳以上の高齢者は、すでに年金支給の対象となり、多くの人には規定の退職金も支払われて、他の年代と比べると裕福と言われています。
そのためこの年代の非正規雇用自体に大きな問題があるかというと、ちょっと疑問符がついてしまいますが増えているのは実はその層なのです。
話しは横道へそれてしまいましたが、派遣労働者の数は、2010年でわずか96万人に過ぎず、全就業者数6256万人に占める割合はわずか1.5%です。非正規社員全体の1755万人の中でもたった5.5%に過ぎないのです。
それなのに「非正規社員≒派遣労働者」の扱いをするとはまったく無能としかいいようがありません。
住むところを追われ、年越し派遣村に来ざるを得なかった人達の中に、いったい何人の派遣労働者がいたのか、実際のところを教えてもらいたいものです。
統計上で推定すると、年越し派遣村が「無職の人と生活が不安定な非正規雇用の人達向け」ということであれば、20名の中に派遣社員が1名いるかいないかという程度なのです。
それだけにわざわざ「派遣村」と名付けたのは誰かが意図した悪意としか言いようがありません。
非正規雇用が増えたため、その分収入が減りデフレが起きたという意見にも賛同ができません。2000年以降、日本経済は円高の影響などにより国際競争に負けて多くの仕事を失い、物価変動の影響を考慮した名目GDPも1997年以降下がっています。
給料が下がったのは非正規雇用の人だけではなく公務員以外の一般的な正社員勤労者平均が下がっています。
1997年と2009年比較で約13%も平均給料が下がっているのです(国税庁:民間給与実態統計調査)。
非正規雇用者の2倍近くいる正規雇用者の給料が下がれば、それに引きずられ全体に与える影響のほうが大きいことは明かでしょう。
なのでデフレが起きたのはなにも非正規雇用が増えたためではありません。これも非正規雇用問題を大きくするために作られた嘘です。
さらに、人口統計で明かですが、少子化と高齢化の影響で、進学や結婚、実家から独立などで多くのお金を使ってくれる若い人が90年代後半から減り続けています。
逆に裕福な高齢者は将来の年金不安や医療制度不安でしっかり貯金をして支出しません。そのような流れが10数年続いている中では景気が改善するわけがありません。
それでも非正規雇用の問題を取り上げるのであれば、まずは一番数的インパクトの大きいパート労働者で、その問題を解決すれば半分、さらにアルバイトの問題を解決すればそれで非正規雇用問題の7割が解決することになります。
転勤はできない、フルタイムでは働けない、残業もダメ、重い責任や部下のマネジメントの責任は負いたくないという一般的なパート労働者を、それでも正規雇用に切り替えさせようというのは、労使共に無茶な話しで、希望があれば社員登用の道を作るぐらいしか、対策はないと思われますがどうなのでしょう。
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先月兵庫県加古川市で起きた「金属バット殺人事件」は、詳しくは定かではありませんが、41才の無職男性が、70才と65才の両親と38才の弟(会社員)を自宅で殺傷するという悲惨な事件で、これは十数年前から繰り返し起きている典型的な「手遅れになった引きこもり殺人事件」と考えられます。
金属バットで殴り、父と弟死なす 殺人未遂容疑で逮捕
兵庫県加古川市尾上町養田の無職Hさん(70)の近所の人から「Hさんの息子が人を殺したと言っている」と110番通報があった。県警加古川署員が駆けつけたところ、男性2人が家の中で倒れており、無職の長男(41)が家族3人を金属バットで殴ったと認めたため、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。Hさんと、逮捕された長男の弟の会社員Tさん(38)が病院に運ばれたが死亡が確認され、県警は容疑を殺人に切り替えて調べている。 加古川署によると、Hさんは1階居間付近で、Tさんは2階の部屋で倒れていたという。Hさんの妻のMさん(65)は1階トイレに逃げていたが、頭などを殴られて重傷。長男は「家族から死ねと言われて腹が立った。3人とも殺してやろうと思った」と供述しているという。(2012年2月8日) |
参考までに無職の中年男性が同居している家族に殺意をいだく事件は毎年あちこちで起きています。
「働け」に激怒…兄と弟を包丁で襲い、自殺か
東京都杉並区宮前の無職男性(75)方から、「息子が刃物を振り回し、兄弟を刺した」と119番があった。 警視庁高井戸署員が駆けつけたところ、男性の長男(45)と三男(42)が包丁で頭などを切られ、長男は意識不明の重体、三男も重傷。次男(45)は風呂場で首をつっており、搬送先の病院で死亡が確認された。 同署では、次男が長男と三男に切りつけた後、自殺を図ったとみて調べている。 同署幹部によると、会社員の長男が、職に就かず引きこもり状態だった次男に「働け」と説教をしたところ、口論になり、次男は自宅2階で長男を襲った後、様子を見に来た三男も刺したという。1階にいた母親が気付き、通報した。長男は頭や首を、三男は胸や腹を刺されており、包丁は風呂場で発見された。(2012年1月30日) |
引きこもりの果ての事件?金属バットで両親殺害容疑、40歳の長男逮捕
島根県東出雲町揖屋(いや)町の無職男性(72)の親族から、「男性の長男から親を殺したと連絡があった」と松江署に通報が あった。署員が男性宅に駆けつけたところ、男性と妻(68)が木造2階建て住宅の1階居間で頭から血を流して死亡しているのを発見した。室内にいた無職長男(40)が「金属バットで頭をたたいて殺した」と話したことから、殺人容疑で緊急逮捕した。 同署によると、男性は妻と長男の3人暮らし。金属バットは台所で見つかり、長男は「今月8日に殺害した」と供述しているという。(2010年10月12日) |
普通に考えると「無職で収入がない中年男性が、年老いた両親や働いている兄弟に衣食住を与えてもらっているのに、なにか言われて逆ギレ」と流れですが、いずれも時間の問題だっただけで、起こるべくして起きているわけです。
さらには、逆に高齢の親(元エリート銀行員)が、自分の身体が動くあいだに決着をつけておこうと、30年近くずっと引きこもりだった息子(と言っても50才)を金属バットで殺害するというやるせない事件もありました。
長男をバットで殴る 78歳父親を逮捕 秋田
同居する無職の長男(50)の頭を殴り殺害したとして秋田県警秋田中央署は13日、秋田市千秋中島町、T容疑者(78)を殺人容疑で逮捕した。同署によるとT容疑者は妻、長男と3人暮らしで「金属バットで頭を殴った」「以前から長男とトラブルがあった」と供述しているという。T容疑者は12日午後に自宅で、同居する長男の頭を殴り死亡させたとしている。 同署によると午後11時40分ごろ、T容疑者の妻が「夫が息子を殴ったようだ。帰宅したら息子は冷たくなっている」と119番。署員らが駆け付けたところ、長男が階段付近でうつぶせに倒れ、頭から血を流して死亡していた。T容疑者は1階廊下に横たわり、近くに金属バットが置かれていた。近所の人によると、長男は大学を卒業したころからほとんど家に引きこもり、自宅から時々激しく言い争う声が聞こえたという。(2010年11月13日) |
「CARPE・FIDEM(カルぺ・フィデム)」という不登校や引きこもりになった人を、再び学校や社会へ送り出すための教育をおこなっている会社があります。
そこのサイトの中に「不登校・引きこもり相談問答集7」というのがあり、読むと引きこもりに対するQ&Aにユニークというか、ストレートに本音の回答で応えていて興味深いので紹介しておきます。引きこもり問題のQ&Aは家庭内の微妙な問題でもあり、一般的にはオブラートで包み、よくわからない歯切れの悪いものが多いのですが、こちらはいたってクールです。
CARPE・FIDEM
不登校・引きこもり相談問答集7
不登校になったときに知っておくこと
上記のサイトの問答集には数多くのQ&Aが掲載されていますので、全部を読みたい方はぜひそちらをご覧ください。
その中でも、私が重要だと思うこと、あるいは、気になったり、思わずうなったりしたものをいくつかピックアップして引用させていただきます。
※一部に内容は変えず文字の修正(全角を半角にとか)を加えたものがあります。
※もし引用部分が多く著作権上問題があればすぐに削除等対応させていただきます。
Q1:子供の引きこもりに、親の責任ってありますか? A1:きっかけ自体には特にないことが多いです。しかし長期化は親の責任であることが多いです。 |
Q9:中学生の頃から不登校で、高校も行っていない18歳の子供がいるのですが、今後自立させる上でどうしたら良いでしょうか? A9:その場合には、まず「まともな仕事は無い」という現実を知っておいて下さい。厳しいようですが、今の時代、無教育層の若者は社会から必要とされていませんし、今後も必要とされないでしょう。勉強し直すか何かで、再度まともな教育のルートに戻らないことには、自立への道はほぼゼロです。 |
Q13:「引きこもりの親殺し」などの殺人事件などがニュースになりますが、うちの子供もそのような危険人物になるのでしょうか? A13:何もせずに放っておき、完全に詰んでから強引に外に出そうとすればなるでしょう。 |
Q16:「詰む」の基準ってありますか? A16:大体、何もしないまま30歳を過ぎると、まともな仕事の受け入れ先が消滅するので、9割方詰みます。20代の間にどれだけ行動したかで、大体が決まります。 |
Q19:子供が40歳等の中年になるまで、何もせず引きこもっていた場合どうなるのですか? A19:どうにもなりません。 |
Q20:どうにもならないとは? A20:そのままの意味で「社会に出るルートが完全に閉ざされる」ということです。残念ですが、各家庭の優劣が表面化しただけのことです。 |
Q23:引きこもりの親の会で、国が何とかすべきだという意見もありましたが……。 A23:親の会は複数ありますので、どこかは分かりませんが、それは「手遅れになった引きこもり当事者の親の会」でしょう。 |
Q24:「手遅れの親の会」なんてあるのですか? A24:表面的には標榜しませんが「事実上手遅れ」というものがあります。手遅れになってどうしようもないから国の支援を当てにせざる得ない状況であり、ある意味「手遅れの最前線」です。ただ、現実的有効策はほとんど出ていませんので、そういった歪んだ主張をしなくて済むよう、事前対策を講じておいて下さい。 |
Q25:「手遅れの親の会」には、何か特徴などはあるのですか? A25:会によって違う部分もあるかと思いますが、各会に関与した人々の話をまとめると、大筋以下のような特徴があります。 A:親が60歳過ぎ、子供が30歳過ぎが目立つ B:家庭の責任や親の責任よりも、国や社会状況に責任転嫁する話が中心になる C:変なところで妙に団結しており、政治活動に結びつける傾向がある D:支援サイドに福祉関係者が多い E:国や地方公共団体からの補助金の話がしばしば出て来る などの様子が見える場合には「手遅れの親の会」のことが多いです。 |
Q33:経済的要素が引きこもりを生んでいる気がしますが? A33:例えば「中卒 35歳 職歴なし」で「親が年金生活に入って金もなく、どうしようもない。これは経済的困窮が原因だ!」のように主張する当事者がいましたが、中には、アルバイトで学費を稼ぎ、大学に進学して専門教育を受けて社会に出ていく人達も普通にいます。若ければ手段はいくらでもあるのですから、若いうちから貧困を理由にするのはおかしな話ですし、手遅れになってから「金がない!」などと主張するのは、単に無思慮に生きてきた報いがやってきただけのことでしょう。 |
Q44:だとすると、30代の引きこもりの子供を持つ親はどうしたら良いのですか? A44:まず、親が期待するようなまっとうな道は既に消滅している、と見ておくことです。「子供がアルバイトで食いつなげるだけの存在になれれば、それだけで100点満点」というのが現実的でしょう。 |
※A13やA16にある「詰む」という表現に違和感を覚える人が多いらしく、本文の最後にそれを使った理由等が追記されています。
資本主義も社会主義も関係なく、働かざる者食うべからずは世の法則で、10代の頃から成人後も親のすねをかじり続けていれば、やがて道は狭くなり、親と子双方とも問題を先送りして年を重ねるにつれ、最後には社会へ出る道が完全に閉ざされてしまうことを明確に答えています。
国や自治体からの補助金をもらって福祉事業をやっている人や、現実を直視しない学者先生だと「単に無思慮に生きてきた報い」のようなキレのよい回答はできないでしょう。
では引きこもりが長期化しそうな時に親はどうすればいいか?
上記のサイトにも繰り返し書かれていましたが、本人と話し合い、期限を決めて家から追い出すぐらいのことをする必要があるそうです。
期限がきたら、仕事が決まっていなくても家から追い出すぐらいの強硬手段を使わないと結局はズルズルと先延ばしに終わってしまうそうです。といいながらもその場ではなかなかそれができないのでしょうね。
あとここでは書かれていませんでしたが、引きこもりが長期化する大きな要因として私が考えるのは「外へ出掛けて一緒に遊んだり、スポーツしたり、旅行に出掛けたりする親しい友人がいないこと」がまず第一に起きることではないかと考えています。
親しい友人ができない理由としては外因として「いじめ」や「差別」「生活環境」「親の過保護」などがあり、内因としては「内向的性格(非社交的)」「消極的態度」「非活動的」「面倒ぐさがり」「自分勝手」「わがまま」などがあります。
また「身体的特徴」は外因としての「差別」という場合と、「障害」や「肥満」「不衛生」など内因による場合の双方で考えられます。
もし親しい仲のいい友人がいて、誘われて一緒に買い物や映画、ボーリング、テニス、旅行に出掛ける機会があれば、まず引きこもりなど起こるはずがありません。
そういう機会がなくなれば徐々に引きこもりへの道へ近づきます。まずは外へ引っ張り出してくれる友人がいないのは外因の理由なのか、内因の理由なのかという気づきが親には必要だろうと考えます。
特に両親が忙しく働いていて家族で一緒に出掛けたり旅行する機会もないとさらに拍車がかかるでしょう。
難しいのは家で一人で勉強や読書をするのが好きな子供の場合、それが引きこもりの序章なのか、それとも単なる一時的なものかの判断がつきにくいことでしょう。一見するとおとなしくよく勉強して手のかからないいい子のようにも見えたりします。
引きこもりになる外因を取り除くことは親だけでは難しいでしょうから、学校の教師やカウンセラーの力を借りる必要があります。
内因については親が早く気づいてあげて、マナーや協調性を厳しくしつけたり、可愛い子には旅をさせよで、自立心を身につけさせるしかないでしょう。
ところがどうもこれが最近の親は苦手で、自分のことで忙しい上に「甘やかすこと」=「愛情」と勘違いしています。
内閣府が2010年におこなった初の引きこもり全国実態調査(15~39歳対象)では、引きこもりに該当する人は69.6万人いるとされていますが、報道などでは稀に外出もする準引きこもりの人を含めると全国に300万人ぐらいと言われています。
もし今後なにも手を打たずこれらの人が高齢化していけば、親が相当裕福で多くの遺産を残せない限り、やがて行き詰まり金欲しさに安易に犯罪を起こすか、生活保護を受けるしか生きていく術がなくなってしまいます。
働きたくても仕事が見つからない人や、障害があって働けない人とは違い、心身に異常がなくても自ら進んで外へ出て働こうとはしない引きこもりの人に生活保護費を支給すべきかどうかは今後国民に問われていくことになるでしょう。
それにこうした家庭の問題、個人の問題に国が積極的に関わると「国が強制労働をさせようとしている」とか「弱いものいじめで人権問題だ」とか精神疾患の問題にすり替えたりと非難し糾弾する論者やマスコミが必ず出てきますので、できれば誰も触れたくはない難しい問題であることには違いありません。
【関連リンク(過去の日記)】
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ニートって言うな!と言われても
リストラと生活保護と自己破産
私のリストラ激闘記
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