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2008年2月に起きた海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故の裁判が続いています。
表面上は「弱い者の味方」を主張する一般的なマスコミの論調は当然に「自衛隊にすべて責任があり、亡くなった漁船船員がかわいそう」ということになりますから、世間の多くの人はそれに同意するのでしょう。
表面上は「弱い者の味方」を主張する一般的なマスコミの論調は当然に「自衛隊にすべて責任があり、亡くなった漁船船員がかわいそう」ということになりますから、世間の多くの人はそれに同意するのでしょう。
私は専門家でもなく、詳しく調査をしたわけではありませんが、ただこのような場合のマスコミの一方的な論調についてはいつも引っかかりがあります。
ちゃんと公平な取材や調査をおこなった上で、さらに不足分は専門家の話しを聞き、両者の主張や言い分をキチンと整理して報道しているかと言えば、そのような形跡がうかがえるようなところはありません。
記事は『あたご衝突「検察主張は虚構」遺族「何言ってるんだ」』と一見公平そうに並べてありますが、明らかに「何言ってんだ」が強調されて刺激的な見出しとなっています。
記事の本文中は、自衛隊側は、『激しい表現で「冤罪(えんざい)」を訴えた』『亡くなられた2人に対する冥福を祈る気持ちは変わりません』『世論が沸騰し、ゆがんだ捜査が行われた』『改めて哀悼の意を表します』『航跡図は虚構。作られた過失で刑事責任を問われるいわれはありません』と謝罪の言葉とともに検察や裁判に対する不満が書かれています。
漁船側の関係者は、『何言ってるんだろうなあ、という気持ち。なぜあの海域で自動操舵(そうだ)しているのかと思うし、過失なしの無罪はあり得ないと思う』『人間のすることじゃない。亡くなった2人がかわいそう』『真実を語ってほしい』『目を閉じると、幼いころに「好きな人ができたら、連れて来るね」って言ったニコニコ顔が浮かぶ』『「死人に口なし」になってはいけない』『あたご艦長が事故直後に涙ながらに謝罪して遺族もわれわれも救われたのに、海難審判では責任回避の言葉が並んでがくぜんとした』『墓前に「謝罪は本物だったんだよ」って報告してあげたい』と強く感情を交えた非難を掲載しています。
どの言葉を掲載するか、放送するかは記者や編集者が決めるので、それしか情報がない読者や視聴者は、自衛隊側の「謝罪」と漁船側の「感情的な非難」という目立つ二面で判断するしかありません。
昔、観艦式で自衛艦に乗艦したことがありますが、素人目ですが最初から感じていたのは、あの巨大な鉄のかたまりの自衛艦と、その1/4ほどの半径で旋回できる漁船とが、もし同スピードの範囲で追い掛け合いをすれば、漁船が圧倒的有利です。
つまり狭い海域で逃げる漁船に自衛艦が突っ込むことは不可能ですが、逆ならば簡単にできてしまうでしょう。ちょうど大型観光バスと軽自動車が狭い平坦路でどちらがよりスムーズに動けるかと同じです。
つまり狭い海域で逃げる漁船に自衛艦が突っ込むことは不可能ですが、逆ならば簡単にできてしまうでしょう。ちょうど大型観光バスと軽自動車が狭い平坦路でどちらがよりスムーズに動けるかと同じです。
見張りを外に出していなかったことや、右手に見えた漁船を回避する義務が自衛艦側にあることで私も自衛艦側が無罪だとは思いませんが、どんなに注意をしていても、もし小回りの効く漁船が相当のスピードで突っ込んできたら、大きく重く強固に作られている自衛艦はそう簡単には停まったり方向転換きませんので、避けようがないというのも事実です。
実際に自衛艦は衝突1分前に全速後進をかけたということですがおそらく停船するまでには至らなかったのでしょう。
実際に自衛艦は衝突1分前に全速後進をかけたということですがおそらく停船するまでには至らなかったのでしょう。
死者を出したいへん不幸な出来事でしたが、マスコミやにわかコメンテーターが言う「旧海軍の時から軍艦(自衛艦)はすべてに優先権があり民間の船が避けるべしという風土があるのではないか」は、甚だしい勘違いだなと思っています。
もっとも小さな船が大きな船と狭い場所で遭遇したときには、(小回りの効く)小さな船が譲るべしというローカルルールがある場所も多いと聞きます。
もっとも小さな船が大きな船と狭い場所で遭遇したときには、(小回りの効く)小さな船が譲るべしというローカルルールがある場所も多いと聞きます。
さらには文藝春秋 2008年3月6号『週刊文春』には元艦長たちのホンネとして『「漁船は暴走族、砂利船はダンプカー」といって、自分からは近づかない様にしている』という漁船側を非難する記事が掲載されましたが、今回の衝突事故で一方的に自衛艦を悪者にするマスコミやテレビコメンテーターの論調はどうなのかなと思ってしまいます。
漁船の船員では当たり前なのかも知れませんが、死亡した船員はいずれも救命胴衣を身に付けていなかったということで、もし付けていたら衝突の衝撃で負傷はしても命は助かっていた可能性があります。
クルマのシートベルトと同様で、ちょっとしたことが生死を分けることがあります。返す返すも双方にとって残念な事故です。
クルマのシートベルトと同様で、ちょっとしたことが生死を分けることがあります。返す返すも双方にとって残念な事故です。
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明治から昭和に入り、日本の人口が急激に増えてきたため、経済恐慌や農村の飢饉が起きるたびに、食糧不足が起こり、労働力の余剰(=失業者の増加)もあり、それらを解決しようと、国策事業として満州(32万人)やアメリカ、南方などへの移民を積極的に進めてきました。
なにぶん当時の情報の少なかった時代すから、政府やそれを金儲けの事業とした団体等の甘言を信じるしかない貧乏な日本人は、行った先では単なる農奴のように扱われ、土地も乾燥地帯など耕作には適さないところばかりで、辛苦をなめる日々が待っていたと思われます。
もっとも国内に残っていたとしても、とても厳しい経済環境だったこともあるので、海外移民は一概にすべて最悪だったとは言えないかもしれません。
もっとも国内に残っていたとしても、とても厳しい経済環境だったこともあるので、海外移民は一概にすべて最悪だったとは言えないかもしれません。
移民政策に取り組むために拓務省(たくむしょう、1929年から1942年)という組織まで作り、国土が狭く人口密度の高い日本国の人口を減らそうと腐心していたことが伺えます。
つまり当時の日本の国内生産力は低く、一方では増加する一方の労働力人口が国内では吸収できず、おまけに長い不況下で、絶対的な人余り状態だったことがわかります。
現代ならばそのような貧国には国際機関が様々な援助や支援が受けられますが、当時はそのような仕組みはなく、また裕福な国もそう多くはなかったので、期待はできません。
つまり当時の日本の国内生産力は低く、一方では増加する一方の労働力人口が国内では吸収できず、おまけに長い不況下で、絶対的な人余り状態だったことがわかります。
現代ならばそのような貧国には国際機関が様々な援助や支援が受けられますが、当時はそのような仕組みはなく、また裕福な国もそう多くはなかったので、期待はできません。
現在、そのような支援を受けることの多いアフリカ諸国について「多大な支援を受けられるので国民は積極的に働かなくてもやっていける」「強者が弱者を支援することは当たり前だからもっと支援をよこせ」「自立するための支援ではなく、バラマキ型が多い」「援助金を搾取するビジネスが横行」「巨額の資金は特定の政治家や軍隊が先取りし末端まで行き渡らない」など様々な問題を抱えています。
昭和初期当時、貧国日本がそのようにアメリカやヨーロッパから多額の支援を受けていたとしたら、果たして現在のような国の発展があったかどうかは定かではありません。
そしてヨーロッパで第二次世界大戦が起こり、続いて日中戦争、太平洋戦争へと波及していきます。この太平洋戦争で亡くなった日本人は戦闘員が約174万人、民間人が約40万人の合計214万人と言われています。
戦闘員の多くは1枚の召集令状で呼び出しを受け、その多くは生死の確認や遺品もないままで1枚の戦死公告が遺族の元へ送られてくるだけという非人道的なものでした。戦前の移民政策と同様、国は国民を単なる労働力か消耗品としか見ていない証拠でもあります。
戦闘員の多くは1枚の召集令状で呼び出しを受け、その多くは生死の確認や遺品もないままで1枚の戦死公告が遺族の元へ送られてくるだけという非人道的なものでした。戦前の移民政策と同様、国は国民を単なる労働力か消耗品としか見ていない証拠でもあります。
戦争末期には、例えば満州では多くの移民達を盾にして正規軍は真っ先に逃げ出したり、政府間でシベリヤへの強制労働を勝手に決めてしまい、満州に残った移民や兵隊を早く帰国させようという努力はしませんでした。
終戦後、廃墟と化した日本国内には働くべき仕事場もない状態で、外地からの引揚者などで約600万人もの失業者が溢れることになり、再び海外への移民政策がスタートすることになります。
この移民政策には、太平洋戦争で傷ついた日本の評判を回復するために、途上国へ行って開発支援するという大義名分もあったとのことですが詭弁に過ぎません。もし本当にその意志があるならば迷惑をかけたアジア各国やオセアニア、アメリカへ提供するべきはずです。
この移民政策には、太平洋戦争で傷ついた日本の評判を回復するために、途上国へ行って開発支援するという大義名分もあったとのことですが詭弁に過ぎません。もし本当にその意志があるならば迷惑をかけたアジア各国やオセアニア、アメリカへ提供するべきはずです。
ところが政府は「肥沃な耕作地が無償で譲渡」や「カリブの楽園」というような誘い文句で、失業と食糧不足で苦しむ多くの引揚者や農民を、第二次大戦にはほとんど関係のなかったブラジルやドミニカなど南米諸国に送り込みました。
なぜ南米かというと、戦争で直接剣を交えることがなかったので、日本人の評判がそれほど悪者ではなかった地域だったからでしょう。そう言えばドイツのナチ党幹部の大物も、敗戦直前に主として南米諸国に逃げ出しました。
なぜ南米かというと、戦争で直接剣を交えることがなかったので、日本人の評判がそれほど悪者ではなかった地域だったからでしょう。そう言えばドイツのナチ党幹部の大物も、敗戦直前に主として南米諸国に逃げ出しました。
南米に移住して実際に与えられたのは、政府の誘い文句とは裏腹に、岩だらけの乾燥した土地だったり、塩害がひどく農業に適さない土地だったり、さらに土地が無償で譲渡されるはずが、実際には土地の耕作権だけだったりと、政府や現地の日本大使館にまんまと騙され、移民達の多くは異国の地で地獄を見ることになります。
このあたりのことは、垣根涼介氏の小説「ワイルド・ソウル
」に詳しく書かれていますが、想像を絶する内容です。
このあたりのことは、垣根涼介氏の小説「ワイルド・ソウル
これらのことからすると、近代国家となってから日本政府は「国民を減らしたい」、あるいは「減ってもやむを得ない」という考え方が主流だったように思えます。
移民政策や大量に海外へ派兵することで、国内の食料や燃料などの生活必需品の需給の適正化を図り、労働力の調整をし、あわよくば外国を実質的に支配してしまおうということもうかがえます。
移民政策や大量に海外へ派兵することで、国内の食料や燃料などの生活必需品の需給の適正化を図り、労働力の調整をし、あわよくば外国を実質的に支配してしまおうということもうかがえます。
ところが政府や外務官僚の無能さのせいで、結果的には国民の多くの犠牲を払い、騙して海外へ送り込むことになります。また同時に多くの諸外国に多大な迷惑をかけ、損害を与えてしまうことになり、その解決や清算には現在もまだ長く尾を引いてしまう結果となっています。
そして現在の日本はまさに昭和初期、または終戦後と同じく、長期的に労働力が余ってきていて、今後においてもそれが改善する見込はまったくありません。
そうなると日本政府がまず考えることと言えば、海外移民か戦争ということになります。
現状では某知事や一部の少数を除き、戦争の嫌悪感がまだまだ根強く残っているので、それは除外できるでしょう。
一方移民政策については、従来の失敗を考慮すると、あまり表だっておこなうことは難しいのですが、実は民間企業が中心になって、すでに中国をはじめ東南アジア各国に多くの日本人労働者が出稼ぎに行っています。
ある製品のコールセンターに電話をしたら、中国にあるセンターにつながり、そこに常駐している日本人が応対するということが、おこなわれています。
ある製品のコールセンターに電話をしたら、中国にあるセンターにつながり、そこに常駐している日本人が応対するということが、おこなわれています。
国内で日本人を雇うと最低賃金+α(時間給で1000~1500円)のコストがかかりますが、中国で日本人を採用(または派遣の受け入れ)をおこなえばその約1/5で雇えます。
中国で働く日本人は住む場所を提供され、安い生活費のおかげで、日々の生活には困らず、中国語の生の勉強ができて、耐乏生活を続ければ多少の蓄えが(と言っても円高の折、価値は低いのですが)できるという寸法です。
中国で働く日本人は住む場所を提供され、安い生活費のおかげで、日々の生活には困らず、中国語の生の勉強ができて、耐乏生活を続ければ多少の蓄えが(と言っても円高の折、価値は低いのですが)できるという寸法です。
そのうち日本人の労働者のうち半数は海外勤務という会社が出てきても、決して不思議ではありません。
政府はまだ直接手を下してはいませんが、巨額の開発援助金を従来のダムや橋などのハコモノから、日本人労働力の提供に変更する可能性もあります(海外協力隊などではすでに実施中)。
政府はまだ直接手を下してはいませんが、巨額の開発援助金を従来のダムや橋などのハコモノから、日本人労働力の提供に変更する可能性もあります(海外協力隊などではすでに実施中)。
結局は日本政府は、自力で国際競争力のある国内産業を育成したり、教育水準や高等教育レベルが世界一高い国を目指すのではなく、安易に余った国民を国外に追い出すことでしか解決できないようです。これを日本伝統の棄民政策というのです。
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消費税の増税が議論されています。しかしその内容はと言うと、感情論的なものや、選挙対策的なものが主で、使い道にしてもいろいろと議論が分かれています。
素人の私なりに「もし消費税が10%になったら生活はどう変わるか」を素人シミュレートしてみたいと思います。また今回は消費税の使い道に関しては年金や福祉に回ることと想定し、詳細は問わないこととします。
いいかもと思えること
・増税前には安い日用品から高額な耐久消費財、旅行などのサービスまで買い急ぎやまとめ買いが起きる
・増税前の買い急ぎで不要不急のものまでが売れて一瞬インフレ現象が起きる
・増税後しばらくのあいだ、落ち込みを防ごうと大企業中心に「消費税還元セール」などがおこなわれる
・消費税10%なら計算がしやすくなる
・当面の年金支給の原資が確保できる
・介護や高齢者医療等に税金が回りやすくなり、労働力供給が進む
・65歳から年金がもらえないかもと思っていた世代がちょっと安心する
・直間比率が欧州並みに近づき、地方行政の権限や独自性が強くなる
ダメじゃんと思えること
・給料があがらないのに生活用品の実質値上げで購入品の質を落とさざるを得ない
・買い急ぎの反動で、しばらくは買い控えが起き、モノが売れなくなりデフレになる
・ガソリン代やアルコール、タバコ代などの二重課税分の税負担がより重くなる
・生活費の上昇は、お金持ちには影響がないが、貧乏人にはこたえる(逆累進課税)
・消費税アップのタイミングに合わせて便乗値上げが相次ぐ
・年金額が上がるわけでもなく生活費だけ上がるので高齢者の貯蓄が消費に回ることはない
・政治家や役人が使える金が大幅に増え、それにともない権限も大きくなる
・中小、零細の下請け会社は請求に消費税アップ分を上乗せができず、もっとやせ細る
・消費税還元セールなどできない、体力のない中小小売店などは生き残れない
・お金持ちの海外生活拠点志向が強まる
・消費税以外の税金収入は好転せず、財政再建は厳しいまま残る
・日用品や食品は安全・安心よりも安いことが最優先されるようになる
・消費税を納めなかったり、ごまかす企業や個人事業主が続出する
・旧社保庁がやってきた年金の無駄遣いについて穴埋めがされうやむやになる
・今まで中央からの指示待ちでなにも考える必要がなかった地方の政治家や行政が混乱する
これらのことから推定すると、
消費税アップ前夜には、狂乱の消費ブームが起きて、不動産、自動車、海外旅行から始まって、パソコン、携帯、外食、常備薬など、最後はトイレットペーパーの大量買い込みで、品切れが続出することとなります。
今まで眠っていた貯金の多くも使われることになり、一時的には需要が供給を上回り、インフレムードが高まります。多くの国民はその購買熱にうなされて必要のないモノまで買ってしまうことになります。
今まで眠っていた貯金の多くも使われることになり、一時的には需要が供給を上回り、インフレムードが高まります。多くの国民はその購買熱にうなされて必要のないモノまで買ってしまうことになります。
しかし一転して消費税アップ後は、買いだめの反動もあり、また、現実的に給料やボーナスが上がるということは期待できず、今まで以上の質素な生活に戻されていきます。
さらに従来なら日用品にもブランド品を選んでいたのが、少しでも支出を抑えるべく、プライベートブランドやアジア各国から輸入されたとにかく安いものを買うようになり、国産ブランドは軒並み経営危機に陥ります。
さらに従来なら日用品にもブランド品を選んでいたのが、少しでも支出を抑えるべく、プライベートブランドやアジア各国から輸入されたとにかく安いものを買うようになり、国産ブランドは軒並み経営危機に陥ります。
平均2500万円以上の貯蓄を持つ高齢者は、多少はインフレの熱によって使うものの、元々物欲は高くないので、平均貯蓄額を減らすことには至らず、さらに年金の額は変わらないので、日々使うお金も消費税アップ後も変わることはありません。
30代後半の団塊ジュニア世代は、このままだと自分達が65歳になったときの年金原資が危ないと知っていましたが、今回の消費税アップでそれがまかなわれると知り、多少は安心して財布のひもを緩めることになります。
それが消費税アップ前の不動産の購入や耐久消費財のバカ売れに貢献することになるでしょう。もちろんその中には親からの資金援助や遺産目当てという人もいます。
それが消費税アップ前の不動産の購入や耐久消費財のバカ売れに貢献することになるでしょう。もちろんその中には親からの資金援助や遺産目当てという人もいます。
消費税増税後の都市部はと言えば、税収は確かに増えた、使い道もある程度は決まっている、しかし海外からの安い輸入品の増加によって国内企業は疲弊し、ワーキングプアに代表される若者に消費できるお金は少なく、モノが売れないから消費税も従来5%の時から倍増にはならず、一方で生活困窮者への生活保護申請者の増加や大量の失業者のケアで経費はかさみ、いったいなんのための消費税アップだったかという問題に直面することになります。
消費税は地方税なので、今までは中央から使い道までしっかりと決まった税金をもらっていた立場から、自ら考えて使える税金が地方行政団体に入ってきます。
しかし黙っていても消費税が増えるのは一部の大都市圏だけで、企業も住人も少ない過疎地域では、その恩恵はあまりありません。
しかし黙っていても消費税が増えるのは一部の大都市圏だけで、企業も住人も少ない過疎地域では、その恩恵はあまりありません。
アイデア次第で自らが稼ぎ収入を増やしていけることがわかれば、やる気のない公務員でも少しは努力してみようかという気になるかもしれません。
つまり税金を従来のようにハコモノや道路やダムに使うのではなく、スキー場に外国人観光客を誘致したり、地元名産品を作ったり、街全体を映画たドラマのロケ地にしたり、お金持ちの高齢者に移住してもらえるような町おこしなどです。
つまり税金を従来のようにハコモノや道路やダムに使うのではなく、スキー場に外国人観光客を誘致したり、地元名産品を作ったり、街全体を映画たドラマのロケ地にしたり、お金持ちの高齢者に移住してもらえるような町おこしなどです。
結果的には失業者であふれかえる都市部と努力をしない地方は没落し、努力し続ける地方だけが今後発展していく可能性があります。
戦後からずっと地方から都市部に流入し続けてきた若者が、これからは、産業の抜け殻となった都市部から活気のある地方へ職を求めて行くという図式に変わるのかも知れません。
戦後からずっと地方から都市部に流入し続けてきた若者が、これからは、産業の抜け殻となった都市部から活気のある地方へ職を求めて行くという図式に変わるのかも知れません。
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7月23日~24日のニュースを見て一見すると関係がないように見えて、実はそれぞれに関係がある今の日本を象徴することに気がつきました。考え過ぎかもしれませんが。
そのニュースとは、
・スイス氷河特急事故で日本人ツアー客多数が死傷
・世界最大の花に来園者が殺到
・引きこもり70万人。30歳代が多い。
・引きこもり70万人。30歳代が多い。
それぞれのニュースの概要はというと、
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ツアー客の兵庫県在住の女性(64)が死亡したことを明らかにした。意識不明になっているのは横浜市在住の71歳の女性と千葉市在住の62歳の女性。別の横浜市の女性(68)が集中治療室に運ばれた。長野県在住の女性(60)が骨折したものの、命に別条はない。2010/07/24
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「世界最大の花」とされるショクダイオオコンニャクが開花し、小石川植物園には23日朝から、花を見ようと来園者が殺到した。周辺の道路が渋滞し、警察から対応を求められたことから、同園は午前10時半ごろ入園を停止した。
開園直後の時間帯、最寄りの都営地下鉄三田線の白山駅からは通勤通学のラッシュ時に近い人込みが植物園に向かった。帽子やベストを着ている中高年が大半で、カメラバッグを持った人も多かった。2010年7月23日
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全国の15~39歳のうち、自宅に閉じこもってほとんど外出しない人は推計で69万6000人。職場でのトラブルなどが原因で引きこもりとなるケースも多く、半数近くを30代が占めた。
年齢別では35~39歳が23.7%と最多で、30~34歳の22.0%、20~24歳の20.3%、15~19歳の15.3%の順。引きこもりになったきっかけのトップは、「職場になじめなかった」と「病気」が23.7%で並んだ。2010/07/24
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この3つの記事から推定できるのは、引退して暇な高齢者のうち、お金持ちは海外旅行、お金のない人は珍しい花を見に近場の植物園へ殺到している。
仕事をしないで引きこもりをするためには、不満のない額の生活費を出してくれる誰か保護者がいるはずで、30歳代の親と言えば平均資産が2500万円を越えている65歳以上のお金持ち高齢者。
50歳以上を対象とした調査では、およそ半数の人が年1回以上海外旅行をし、年1回程度と回答した人が31%ともっとも多くなっています。(シニア世代の旅行動向gooリサーチ 2005年12月)
クラブツーリズム株式会社が運営する「クラブツーリズム」では、760万人超の顧客の7割超を、50歳代以上が占めています。
今や海外旅行ビジネスは若いワーキングプアには見向きもしないで、中高年者が主力です。従って外国の観光地で事故や事件が起きると、お気の毒ですがほぼ間違いなく60歳以上の日本人が巻き込まれているという現実があります。
男性中高年者に大人気なのが、一眼デジタルカメラです。最近は女性向けの小型一眼も増えてきましたが、男性中高年者にとってはスポーツカーやオーディオ以上に、高級一眼カメラはあこがれです。
そしてそのカメラの出番の多くは春夏秋冬の花や風景で、そのタイミングには朝早くから高級一眼カメラを抱えた中高年者が群がるのがもはや風物詩となっています。
桜や紅葉、富士山が綺麗に撮れる時期と場所には必ず多くの中高年が暗いうちから待ちかまえています。時間ならたっぷりありますからね。
桜や紅葉、富士山が綺麗に撮れる時期と場所には必ず多くの中高年が暗いうちから待ちかまえています。時間ならたっぷりありますからね。
世界最大の花がまもなく開花するという情報が朝日新聞で報道されたのが7月14日。その後22日には「開花」宣言がされて、23日には平日というのに早朝から1万人以上が殺到して入園停止になりました。
桜や紅葉と違って分散しないことと、開花しているのがわずか2~3日だけという短さで、このような混乱が起きたようです。
夏休みに入って子供連れもいたと思いますが、早朝から並んで待っていたのは、カメラをぶら下げた高齢者がほとんどだったと断言できます。
桜や紅葉と違って分散しないことと、開花しているのがわずか2~3日だけという短さで、このような混乱が起きたようです。
夏休みに入って子供連れもいたと思いますが、早朝から並んで待っていたのは、カメラをぶら下げた高齢者がほとんどだったと断言できます。
そして引きこもりですが、一般的には引きこもりというのは、不登校になった子供や、就職がうまくいかなかったり入社しても数ヶ月で退職してしまったりした若い人が多いというイメージではないでしょうか?
しかし年代で見ると30代がもっとも多いという結果になっています。39歳までのデータなので40歳以上はどうなのかということにも興味がありますが、おそらく30歳代以上には多くはないと思われます。
10年後はとなるともしかすると今の30歳代の引きこもりがそのまま上がり40歳代が一番多くなるかも知れません。
10年後はとなるともしかすると今の30歳代の引きこもりがそのまま上がり40歳代が一番多くなるかも知れません。
なぜ30歳代?と言えば、前述した通り、働かなくても平均2500万円以上の貯蓄を持ち年金もたっぷりもらっている裕福な高齢者の両親が養ってくれるからに他なりません。
もし親がいないで、引きこもって収入がなければ生きてはいけません。そうすると携帯もネットもテレビも持つことができません。
もし親がいないで、引きこもって収入がなければ生きてはいけません。そうすると携帯もネットもテレビも持つことができません。
そういった引きこもりながらもバーチャルな外の世界とつながっていられるのが、ネットでありテレビであり、携帯電話なのです。
ただ一般的にはそのことだけで避難することは誰にもできません。
大金持ちのどら息子や深窓の令嬢が一生働かずに生きていけることだってありますし、成人していれば外に出る出ないというのも他人がどうこう言うべきことではありません。
ただ一般的にはそのことだけで避難することは誰にもできません。
大金持ちのどら息子や深窓の令嬢が一生働かずに生きていけることだってありますし、成人していれば外に出る出ないというのも他人がどうこう言うべきことではありません。
ところが面倒を見ていた親が亡くなったり、親がうるさく言うと下記のような象徴的な事件が起きる可能性があります。
「誰がネットを解約したんだ」。愛知県豊川市で4月17日、引きこもり状態だった30歳の男が、こう叫びながら家族を刺殺した。
事件は4月17日未明、愛知県豊川市の会社員(58)宅で起きた。会社員の長男、岩瀬高之容疑者(30)=殺人容疑などで逮捕=が、寝ていた家族5人を次々と包丁で刺した。会社員とその1歳の孫が死亡、3人が重軽傷を負った。
殺害の動機は「父親にインターネットの契約を解約され腹が立った」というたわいのないトラブル。しかし、岩瀬容疑者にとって、ネットは自身の“ライフライン”だったようで、事件のあった日には、暗い家の中を懐中電灯で照らしながら、「誰が解約したんだ」と叫び、母親(58)をたたき起こしている。
ここ数年、引きこもりをきっかけとする殺人事件が相次いでいる。平成18年には、引きこもり当事者が親を殺害する事件が5件、親が引きこもりを殺害する事件が2件あった。そのうち2件では本人も自殺している。
このうち、大阪府河内長野市で発生した殺人事件では、当時37歳の男が母親=当時(57)=を石で殴って殺し、遺体をセメントで詰めたバケツ内に遺棄。男は高校卒業後、自宅でパソコンばかり操作しており、母親から「仕事をしなさい」と注意されていたという。
「このような引きこもり殺人事件の背後には、表に出てこない形で数十倍もの『未遂』がある」と語るのは、引きこもりの専門家で大阪大非常勤講師の井出草平氏(社会学)。
このように30歳代の引きこもりを大量に作り出したのは「不景気で好きな仕事ができない」、「ストレスが多い」など世情もありますが、やはり親の責任が大きいと思われます。
親が子供離れをしない、子も親離れをしない、ちゃんと親子で向き合わないなどで、一時期流行ったパラサイトシングルがそのまま家の中にこもってしまった図式です。
親が子供離れをしない、子も親離れをしない、ちゃんと親子で向き合わないなどで、一時期流行ったパラサイトシングルがそのまま家の中にこもってしまった図式です。
少子化のこともあり、今後も親が子供を可愛がりすぎて、手放したくなく、子供をいじめる学校や社会に対して耐性を付けさせることもなく過剰に保護しているので、今後もこの手の引きこもりはなくならないと思われます。
団塊世代以下の中年が高齢者になったときには、今の高齢者と比べると圧倒的に貧乏なので、成人した子供を養えるかどうかはわかりません。
団塊世代以下の中年が高齢者になったときには、今の高齢者と比べると圧倒的に貧乏なので、成人した子供を養えるかどうかはわかりません。
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参議院選挙が終わり与党の過半数割れという結果になりました。これは選挙前から沖縄の普天間問題による首相辞任や消費税論議などによって、ある程度予想されていたことでもあり、特に驚くべき事ではありません。
細川元首相が官僚にそそのかされて突然福祉税導入を提案したように、今回も官僚や元官僚達、官僚と親しい学者達に踊らされたような気もしますが、実際のところはどうなのでしょう。
細川元首相が官僚にそそのかされて突然福祉税導入を提案したように、今回も官僚や元官僚達、官僚と親しい学者達に踊らされたような気もしますが、実際のところはどうなのでしょう。
Twitterでは選挙結果について様々な意見、暴論、デマ、総括が飛び交っていますが、その中でふと目に止まったのが次の発言です。
「1回目の予算執行が始まって3ヶ月で不信任投票で、はしごはずされて、その後アメリカと戦えとか官僚と戦えとか民主党も大変だな。」
私もまだ政権交代してわずかに1年で、何十年も続いてきた自民の垢を落とし、結果を出せというほうがご無体な限りだと思っていたので、ここはジッと我慢して少なくとも3年は新しい発想で政策を実行してもらいたいと思っていました。
新党などミニ政党は、政権を担う可能性は皆無なので、有権者にとって耳に心地よいことだけを言っていればいいわけです。
また自民党はさすがに何十年という政権党だっただけあり、組織票も固く相手の失点に付け入る老獪な選挙戦は得意です。
また自民党はさすがに何十年という政権党だっただけあり、組織票も固く相手の失点に付け入る老獪な選挙戦は得意です。
一方、民主党は選挙に老獪な小沢一郎を表面から外さざるを得なくなり、一気に昔の野党時代の民主党に戻ってしまいました。
官僚や官僚が操っている自民党にしてみると民主党の幹事長から小沢一郎外しが成功したことで、もう勝ちに等しかったことでしょう。
官僚や官僚が操っている自民党にしてみると民主党の幹事長から小沢一郎外しが成功したことで、もう勝ちに等しかったことでしょう。
これから衆参ねじれ現象により、政治の停滞、責任問題、妥協案、密室会議、閉塞状態など、様々な問題が起きてきますが、それらは、国民にとって何一ついいことではなく、上記のTwitterのつぶやきにあるとおり、手足を縛られたうえで、強力な官僚達やアメリカと民主党は闘わざるを得なくなりました。
さらには国内のデフレや雇用、財政再建など問題は山積みですが、なにひとつ法案が通らない、通すためには他党の条件をまるまる飲まなくてはならず、そのために多くの時間と精力を使うことになります。
これは逆の立場だったときに安部晋三や福田康夫元総理が、就任後に著しく消耗していった様子を見れば明らかでしょう。
これは逆の立場だったときに安部晋三や福田康夫元総理が、就任後に著しく消耗していった様子を見れば明らかでしょう。
しかしこれは首相が1年ごとに替わってしまうことを非難する一方で、選挙ではなんら忍耐することもなく毎回違う政党に投票する気まぐれで無責任な国民が多い限り、仕方がないことでしょう。
普段なら気にも留めない夕刊紙に「もし与党が過半数を割ってしまうと、ねじれ現象が起き、再び政治に大きな空白期間ができてしまう。それは国民にとって決してよくない。せっかく政権交代をしたのだから、もう少し気長に見てみないか?」という主旨の記事と主張が出ていましたが、何でも批判的で皮肉っぽく書く夕刊紙にとってたいへん珍しいことで驚きました。
そう思っている記者も僅かながらいるんだと思いましたが、やはりそれが本流とはなりませんでした。
そう思っている記者も僅かながらいるんだと思いましたが、やはりそれが本流とはなりませんでした。
あと、毎度あげつらっていますが、一票の格差で言えば、今回も5倍近い一票の格差があり、千葉法務大臣は神奈川で69万票を取っても落選し、高知では13万票で当選者が出ています。
総得票数からすれば比例区も選挙区も民主党が自民党よりも多く得票しているにもかかわらず、議席数は合計で7つ自民党が多くなります。
まるでトリックのようなことが起きているのですね。これは与党として複数名を擁立した選挙区の影響や、特定の候補者に人気が集中したこともあるのでしょうが、しかしこれらの数字を見て、最低限の公平な選挙であるかと聞かれれば私はまったくNoだと答えます。
総得票数からすれば比例区も選挙区も民主党が自民党よりも多く得票しているにもかかわらず、議席数は合計で7つ自民党が多くなります。
まるでトリックのようなことが起きているのですね。これは与党として複数名を擁立した選挙区の影響や、特定の候補者に人気が集中したこともあるのでしょうが、しかしこれらの数字を見て、最低限の公平な選挙であるかと聞かれれば私はまったくNoだと答えます。
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