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先日録画しておいた映画「慕情 」(原題:Love Is a Many-Splendored Thing)を、ゆっくりと鑑賞しました。この映画は私の生まれる少し前の1955年(昭和30年)に劇場公開されたヘンリー・キング監督のアメリカ映画です。

主演は当時人気絶頂中のハリウッドスター、ジェニファー・ジョーンズとウィリアム・ホールデンの二人。舞台は日本の敗戦で再び英国の植民地となっていた香港です。

なぜ今頃この映画を見たかというと、25年前に香港へ数ヶ月仕事で渡ったときに、現地の人に何度か「慕情」を観たか?と聞かれたことがありました。

おそらく地元の人が「ここがあの時のシーンで使われた場所だ」とかを自慢したかったらしいとあとになって気がつきましたが、その時は「香港が舞台の古い有名な映画があったんだ」ぐらいにしか知りませんでした。

私の年代で香港が舞台の映画といえばブルース・リーやジャッキーチェンが主演の映画が代表的なものです。

今の香港しか知らないと、この60年近く前のこの映画に出てくる街や海岸を見ても、それがいったいどこなのかはさっぱりわからないでしょうけど、雰囲気がなんとなく戦後間もない頃の日本の地方の風景と似ています。今なら数え切れないほど建っている高層ビルも当時はありません。

そして当時は、日本の敗戦後、東アジア情勢は再び緊迫してきており、香港のすぐ近くで起きていた中国の国共内戦が拡大し、香港へも多数の難民が押し寄せているという時代です。さらにはその後勃発する朝鮮戦争が、主人公の二人に降りかかる悲劇をもたらす結果となります。

ヒロインのジェニファー・ジョーンズは物語では中国人と英国人のハーフという設定で、共産党が勝利しつつあり、親戚が住む中国本土に戻るか、それともこのまま英国領の香港に留まるかという選択を迫られますが、アメリカ人ジャーナリストへの愛を選択し香港に居続けます。

しかしどうみても派手な面立ちでいかにも欧米人然とした立ち振る舞いのヒロインが、衣装だけチャイナ服を着ていても違和感があります。

でも、ストーリーとしてはよくできた面白い映画で、香港で暮らす上流階級のエキゾチックな雰囲気も楽しめ、映画が大ヒットした理由もわかります。

欧米人にすれば東洋の真珠といわれていた香港という街の蠱惑的な魅力と、当時はまだ人種的差別も普通に残っていただろう中で小柄なアジア人を下僕のように使い、周囲で戦争(内戦)が起きていても我関せずで(ベトナム戦争もまだ起きていない)、王様のような特権階級に身を置く欧米人が、優雅な生活をおくりながら暇つぶしのようにする悲恋は、さぞかし現実離れしたファンタジーだったでしょう。

アジア人からすると、アジア人の血が半分入った(とされる)ヒロインへの思い入れで感情移入し、妻がいるものの、ハンサムでこまめに愛情を注いでくれるアメリカ人男性に対し、儚くかなわぬ恋が破れ去りきっと多くの女性が同情し涙したことでしょう。

と、映画「慕情」を観た後、その時たまたま読んでいた村山由佳著の小説「ダブル・ファンタジー 」に、旦那のいる主人公がテレビ取材ロケハンのため香港を訪れてスターフェリーに乗っていると、偶然昔の恋人とバッタリ出くわし、そのまま関係を復活させるというシーンがありました。

映画「慕情」では男性に妻があり、この小説では女性に夫がありと、どちらも不倫の関係であるところがなにか印象的です。香港の魅力の中では倫理観や道徳心も消し去ってしまい、男女の欲情を高ぶらせるなにかがあるのでしょうか。

この小説では「慕情」の5年後の1960年に公開された、やはり香港が舞台の映画「スージー・ウォンの世界」(英・米合作)の話しが出てきます。主演は同じくウィリアム・ホールデンなので、おそらく「慕情」の大ヒットで二匹目のどじょう狙いだったかも知れません。

話は変わって、私が香港で仕事をしていたときに、偶然知り合った同い年の友人とは、結婚式に招かれたり、帰国後も時々食事をすることがありますが、先日会ったときには「あと5年で定年になれば、香港へ渡って事務所を開こうと思っているので、一緒に来ない?」と声をかけてくれました。

もちろん社交辞令ですが、25年前香港で知り合ったときには全然別の仕事をやっていましたが、なぜか気が合い、海千山千の香港人相手に苦労をしながら一種戦友的な友情が育っているようです。

そう言えば、香港にいる間、普通なら日本人駐在員グループで住まいもアフター5も集まりたがるところ、彼も私も日本人がひとりもいないアパートに住み、休みの日は他の日本人同士で遊ぶことはなく、現地で親しくなった香港人と一緒に遊びに行くのが楽しみで、そういうところがお互い共通していました。

股関節を傷めていて、ろくすっぽ歩けない私には、東京以上に激しく行動的な香港へ行ってなにか一仕事をするのは無理ですが、それでも時に懐かしい香港の猥雑としたけん騒を時々思い出すことがあり、こうした映画や小説に香港が出てくると、おもわず嬉しくなる今でも十分に魅力ある街です。

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