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若者の間に増えてきていると感じるのが「面倒くさい」「かったるい」という強い意識で、これを「面倒くさい症候群」と私は呼びますが、それが私の周囲に蔓延しています。

この面倒くさい症候群は、本来は若者も年寄りも関係なく一定数いると思いますが、若者の数が減ってきたことで、面倒くさがらない働き者の数も減ってきて、それでよく目立つのかも知れません。

面倒くさい症候群の果ては、フリーターであり、ニートであり、引きこもりであり、ゴミ屋敷であり、ホームレスであり、最悪は窃盗など犯罪予備軍でもあるわけで、病気の一種ととらえることもできますが、本人はそれで満足していたりするだけに、周囲が気がついても、おせっかいと見られどうすることもできません。

もちろん一時的に面倒くさい症候群に罹っていても、なにかのきっかけで克服して、なにも問題が起きないケースも多くあります。

この「面倒くさい」は最初は些細なことから始まります。

例えば小学生の頃、夏休みの宿題をするのが面倒に思っていたら、過保護な親がそれをほとんど代わりにやってくれて味をしめて毎年親が宿題をするのが当たり前になるとか、自分が散らかした部屋の掃除を親がこまめにやってくれたり、欲しいものはなんでも親や祖父母にねだると買ってくれたりします。

ゲームをやっていて、途中で面倒くさくなってくれば、リセットしてしまえばいいし、先へ進むために自分で考えて試行錯誤しなくても、誰かに裏技や攻略法を聞けば簡単にできてしまいます。

そうして我慢も忍耐も必要がなく我が儘放題で青春時代を送ってきた人でも、社会に出るとそういうわけにはいきません。そこで壁にぶつかって、病気になったり、家に引きこもったりするケースが増えているのではと考えています。

ちなみに総務省統計局の調査(2013年)では、15~34歳の若年無業者(学校に通わず、仕事にも就いていない人)は63万人、15~34歳人口に占める割合は2.3%とのことです。

おそらくその予備軍(一応学校に籍はあるものの不登校の学生や、形式上だけ家業に就いていたり家事手伝いになっている人達)を含めると200万人は軽く超えているでしょう。

もちろんそのすべての人が面倒くさい症候群でないことはわかっていますが、多くを占めている気がします。

格差社会と言われていますが、この面倒くさい症候群の人は、格差の点で言えば確実に下流に甘んじることになります。

社会に出て親の保護から離れると、自分を守ってくれる人は基本的にいません。自分で自分の生命、健康、財産などを守らなければなりません。

周囲の人は例え人を蹴落としても自分の利益を追求するものですから、それに対抗できる知恵や工夫、耐性が必要なのですが、面倒くさいが先立つと、そうしたことを身につけないまま社会人になり、末路は悲惨です。

他人から持ち込まれる「うまい話」とは必ず「他人の利益のために自己が犠牲になる話し」ですし、友情や師弟愛も、ちょっと油断をすると踏み台として利用されてしまいます。

国や役所は騙さないだろう?と思っていたら、彼らは申請主義が原則なので、ややこしい法律やルール、手続きをちゃんと理解して申請してくる人だけをまともに相手します。

どういう事かと言えば、知識として知っていれば税金が戻ってくるようなケースでも、誰かが自動的に処理してくれるわけではなく、事前に面倒な下準備をした上で、税務署へ行って申告することで初めて戻ってくる仕組みです。

その前にこれは税金が戻ってくるケース?という知識さえ、自分で調べなければ誰かが良心的に教えてくれるなんてことはまずありません。と言うように、公的な税金や保険の申請は面倒くさがりにとっては極めてハードルが高くなっています。

小泉さんが首相だったとき、規制緩和や民間主導と引き替えに、「自己責任論」がよく言われました。つまり官憲の力を薄める代わりに自分のことは自分で面倒くさがらずにちゃんとやってくださいってことです。これって一見するともっともな話しですが、言い換えれば「国民を過保護にしてきた役所の責任は放棄します」ってことです。

江戸や明治の昔から、「泣く子と地頭には勝てぬ」「長い物には巻かれろ」「官尊民卑」「親方日の丸」というように、元々権力者や官憲の言うことを黙っておとなしく従ってくればよかった日本国民ですから、いきなり「自己責任です」と言われても戸惑うばかりだったでしょう。

自己責任は面倒くさいのです。それを面倒だと思わないように自らを変えていかねばこの先まともに生きてはいけません。

とかく自己に有利なこと、先ほどの税金や年金、健康保険、失業保険、介護保険、住宅控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除、老年者控除、雑損控除、生命保険控除、地震保険控除、医療費控除、特定支出控除、寄付金控除(ふるさと納税含む)、投資優遇制度、生活保護など諸々の公的な諸制度は、調べるだけでもうんざりする複雑さです。

それをちゃんと調べて理解して事前に準備をした人だけその恩恵に預かれるわけです。面倒くさいというのが習慣づいている人は、当然そういうことには無頓着ですからそういう恩恵には預かれません。

よく持ち家派と賃貸派の損得比較が出ますが、持ち家派は賃貸と比べて物件を探すのに手間をかけ、複雑な手続きと計算をしてローンを組み、さらに複雑な登記などをおこなうという非常に面倒な経験をします。面倒くさがりな人はそうした面倒は避けて親の家に同居したままか、あるいは仲介会社が作る契約書に判を押すだけの賃貸で済ませます。

しかしその損得比較ではほとんど触れられませんが、住宅ローンには住宅ローン控除制度があり、うまくすれば年間20万円以上、最大10年間も税金が戻ってきたりします。購入した家が古くなり改修が必要になった場合も住宅リフォーム支援制度というのがあり最大で200万円の補助が受けられます。

面倒くさがりには最適な賃貸住宅には大家さんの節税方法はあっても、借り主の優遇制度なんてまったくありません。

面倒くさがりは常に損をするようにうまくできています

所得税の保険控除についても、控除できる保険とできない保険、控除できてもその限度額など細かな規定があり、それを知っているのと知らないとでは、何十年ものあいだに大きな損得が生じます。面倒くさいでしょ?

そうした細かではあるけれど、面倒くさいことを克服して積み重ねていくことで、下流に留まるか、それとも積み重ねて中流以上に上がれるかが変わってくることもありそうです。

いま経済的に裕福な人の多くは、親からの莫大な遺産を継いだ人以外、仕事や生活面でそうした細かで面倒なことを克服してきた人達に他なりません。

今まだ10代か20代の若い人で、自分の面倒くさがりの性格を直したいと思ったら、まずはファイナンシャルプランナーの資格を取ってみるのがいいでしょう。資格を取らなくても試験勉強するだけでも大きな前進となりそうです。

それを商売や仕事にするのではなくても、面倒くさがりを克服するのに役立ちそうです。さらに興味がわけば、社会保険労務士や税理士などの資格に挑戦するようになれば本物です。

よく投資関連で詐欺事件が起きますが、これは多くの場合、「楽して金儲けができる」という罠にはまってしまうわけで、面倒くさい症候群の人はいいカモなのです。

私の場合、親の影響もあって、学生時代までは自炊生活や日曜大工など、面倒ぐさがらずになんでもやってきたほうですが、社会人になってすぐにバブル時代を迎えてしまい、20代後半でいきなりプチ成金のような生活を送ってしまったこともあり、そうした面倒ごとを避けてしまう習性になってしまったのが今思えば敗因です。

今頃言っても遅いですが、20代の頃から、もっと地道に実直に面倒がらず、お金の管理をおこない、投資などもしっかりとやり、各種の節税方法を学び、最適な保険や投資で運用していればと反省しきりです。


【関連リンク】
903 私の想像を超えるビジネスマナー崩壊
833 もうひとつの人生があれば
829 「最後の昭和企業戦士」五十代の悲劇
581 新聞に想うこと その1
407 私のリストラ激闘記





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