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チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕 (講談社文庫) 柴田哲孝

KAPPA」や「私立探偵・神山健介シリーズ」を読み、気に入っている著者の長編小説で、2012年(文庫は2014年)発刊です。

過去の「私立探偵・神山健介シリーズ」読書感想
渇いた夏
早春の化石
冬蛾
秋霧の街

サブタイトルにあるとおり、中国の政治中枢にいる野心家が、GDP世界第2位に躍り出た勢いそのままに、弱腰で外交下手な日本を一気に取り込んで、中国に吸収してしまおうと画策するストーリーです。

奇想天外と思えますが、尖閣諸島での日中艦船のにらみ合いや、リゾート開発や領事館建設という名目でチャイナマネーが買い漁る日本の土地、建物は現実で起きていることで、それらが日本侵攻のための下準備という設定です。

そうした下準備を終えたあと、尖閣諸島で仕組まれた武力衝突が発生します。

そして日本国内各地でテロを起こす準備をしてきた中国の特殊部隊が一斉に動き出すという流れです。領事館は治外法権なので、各種の武器や武装兵士、テロリスト、スパイを置いておくことが可能なのです。狙われるのは政府機関、原発、自衛隊駐屯地、空港、そして皇居です。

そうした中国の動きに対して日本人の多くはきっとアメリカが助けてくれるだろうという根拠のない楽観的見通しを持っていますが、アメリカはとりあえず軍事基地が集中する沖縄さえ死守できればよく、あとは日本が自らの責任でやってとばかりに手を引く可能性があることを小説では示唆しています。

そう言えばトランプアメリカ大統領候補は、在日米軍の費用を日本が持たなければ撤退することもあり得るようなことを言ってましたっけ。彼らにとって、軍事上地政学的に重要な沖縄はともかく、見返りもなく、アメリカ人の血を流してまで日本全体を守ってやるという義務は感じないでしょうし、財政的にも負担でしょう。

ま、過激に煽っている部分はありますが、小説としてはよくあることで、そうしたことを含んだ上でエンタメ的に読むことをお勧めします。

つまり決してここに書かれていることは過去に起きた事実と、起きるかも知れない虚構がミックスして書かれているだけに、直情的で気の短い人が読むと、「中国けしからん!」「中国よりの政策をとった旧民主党政権は国賊もの!」と感情的になりかねません。そのように見えてしまう政治的な偏った思想が見え隠れする内容がちょっと残念な感じです。

★★☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

判決破棄 リンカーン弁護士 (講談社文庫)(上)(下) マイクル・コナリー

 
刑事弁護士「ミッキー・ハラーシリーズ」の3作目で、ミッキー・ハラーが登場した最初の作品「リンカーン弁護士」(2005年刊、2009年翻訳版刊)を読んだのが2009年ですから、それ以来の「ミッキー・ハラーシリーズ」です。

その2009年に最初に「リンカーン弁護士」を読んだときの自分の感想を見てみると、「複雑な人間関係とテンポのよいストーリー展開、陰のある主役、都合のいい仲間達(今度は別れた二人の妻)はいつものパターンですが、リラックスして読めるエンタテナー小説としては上出来です。男性版ハーレクイーン小説みたいな感じかな。」と書いています。ほめているのか皮肉を言っているのか微妙です。

そして著者の作品ではお馴染みの異母兄弟でロス警察のハリー・ボッシュも準主役として登場しています。発刊順に読んでいないのと、読む間隔が空きすぎて、過去の登場人物の関係図がもうなにがなんだかよくわからなくなってきています。

思えばハリー・ボッシュが「ナイトホークス」で最初に登場したのが1992年ですから、それから24年が経っているのですね。一度どこかで整理しなければと思ってます。

この作品は2010年刊で、日本語翻訳版の文庫は2014年に発刊されています。前に著者の作品を読んだのが昨年2015年の4月で、2009年刊、翻訳版が2014年刊の「ナイン・ドラゴンズ」という、今年最下位に沈み惨めな思いをしている中日ドラゴンズナインとはなにも関係がないハリー・ボッシュ主体の作品でした。

2015年4月後半の読書と感想、書評「ナインドラゴンズ」

その二人の主役が手を組み、法廷で悪と戦うというストーリーですが、あらかじめ勝つとわかっていながら読むのは最近つまらなくなってきていて、多少のどんでん返しがあるぐらいでは、上下巻合わせて1,792円を出すのは困難に思えています。

★☆☆


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

シューマンの指 (講談社文庫) 奥泉光

2010年に書き下ろし小説として発刊された小説ですが、この2010年は講談社創業100年とシューマン生誕200年の年ということもあるそうです。

著者の作品は5月にコミカルでライトノベル的な「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」を読んでいますが、本当に同じ作家さんの作品なの?と思うぐらいにその文体、構成、ジャンルが違っています。

2016年6月前半の読書と感想、書評「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」

著者自身もフルート奏者として音楽に馴染みがあるとは言え、それにしてもクラシック音楽についてのうんちくや批評がてんこ盛りで、逆にちょっと鼻につくぐらいです。

例えばこういう部分があります。

「ロマン派音楽の特徴の一つはその物語性にある。これはオペラに期限を持つので、その意味では、バロックこそが最も物語的だといいうるし、古典派にも当然ながら物語性は色濃く刻印されている。だが、ロマン派以前の音楽が、どこかで神話の輝きを帯びた叙事詩的な性格を備えていたのに対して、ロマン派は、近代文学と同様、個人の感情や内面の葛藤を物語の軸に据えるところに特色がある。だからこそロマン派音楽は、演奏者や聴き手の「感情移入」を容易に許す。物語が感情を揺さぶり、心から溢れ出す感情が物語を産み出す-。」

こうしたクラシック音楽に関する解説や説明が随所に出てきて、また登場人物にも語らせます。

内容は、ネタバレするので書けませんが、何重にも張り巡らされた主人公の語りで進められていき、最後には関係者から驚愕の事実が喚起されそれが事実なのかどうかは不明のままで終わります。つまり読者がどう考えるかを試される結末でしょう。

基本はミステリー小説のジャンルに入るのでしょうけど、読んでいると普通の青春小説、または音楽やピアニストの世界をかいま見る職業小説、あるいはシューマンを中心としたクラッシック界のうんちく本ともとらえることができそうです。

ドラマや映画化なども今のところなく、世間ではあまり話題にはなっていませんが、なかなか面白かったですよ。そのうち誰かの目に留まり、映画化されそうな気もします。

★★★


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

きいろいゾウ (小学館文庫) 西加奈子

 
この小説は2006年に単行本で、その後2008年に文庫化されました。また2013年には宮崎あおいと向井理出演で映画化もされています。見てないけど。

著者の作品は過去に「通天閣」を読んでいます。コテコテの大阪下町を愛おしく書いた小説で、織田作之助賞の大賞を受賞したよい作品でした。

2013年10月前半の読書と感想、書評「通天閣」

さてこちらの小説は、若い男女が男の田舎にある実家に帰り、暮らしている日常が描かれますが、チャボや犬と会話ができたり、草木に励まされたりと、ファンタジー的な要素も含まれています。

その他、定番とも思える大人よりもしっかりした小賢しい?少年、主人公の夫の背中にある前カノと関係がある鳥の入れ墨、旦那だけに働かせて自由気ままな生活を送っている主人公と、まったくよくわからない作品です。

タイトルは、本文中に文字だけ出てきますが、主人公が子供の頃に親しんだ絵本で、病弱な女の子が月の使者となっていた黄色い象に連れられて世界中を飛び回るという、こちらもファンタジーな内容。

還暦まであと1年と少しというオヤジだと、こうしたほんわかしたファンタジー作品を味わい親しむのは、売れない芸人が大勢集まり、騒がしいだけのテレビのバラエティ番組と同様、もう厳しくなってきたなぁとつくづく感じています。

★☆☆


【関連リンク】
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