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虚無への供物 中井英夫

1964年に単行本、1974年に文庫化された文庫で、1970年代の小さな活字で文庫本に印刷されている、670ページ近くもある長編の小説です。老眼の入った目にはつらいです、、、

2004年の新装版(上下巻で合計900ページ)はたぶん文字が大きくなっていそうなので、そちらを買うべきだったかな。

それはさておき、この小説はWikipediaによると、「小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、夢野久作『ドグラ・マグラ』とともに、日本探偵小説史上の三大奇書」とのことで、昨年「ドグラ・マグラ」は頑張って読んだので、残すは「黒死館殺人事件」だけとなりました。

さて、内容ですが、大雑把に言えば、次々起きる密室殺人のトリック集ということですが、登場する何人もが同じ事件で自分のトリックを披露し合うというたわいのない?ものですが、とにかく読んでいてイライラすることが多いのです。

あまりテンポが良いとは言えず、話しが行きつ戻りつ、謎のまま次の事故や殺人事件が起きたりしていきますので、普段最近流行のテンポが良い活劇のようなミステリーに慣れていると、まどろっこしさ全開です。

ただ物語の舞台である1954年~1955年というのは、社会状況は殺伐としていて、人命は今よりもずっと軽く、殺人事件がもっとも多かった時期で、事件以外にも大きな人命に関わる事故も頻発していました。

1954年
二重橋事件(16人死亡)
太平洋炭礦爆発事故(39人死亡)
洞爺丸事故(死者・行方不明者1155人)
岩内大火(死者33名)
内郷丸遭難事件(22名死亡)

1955年
聖母の園養老院で火災(犠牲者99名)
安倍鉱業ボタ山崩落事故(犠牲者68人)
紫雲丸事故(犠牲者168名)
北上バス転落事故(12人死亡)
橋北中学校水難事件(36名溺死)
墨田区花火問屋爆発事故(死者18名)
森永ヒ素ミルク中毒事件(被害者12,344人うち死亡者130名)
茂尻炭鉱ガス爆発事故(60人死亡)
など。

そうした世相も小説の中に取り上げられていて、割と近い歴史を知るのにも役立ちそうです。この私がまだ生まれる前の1954年あたりのことに付いては、後日別途書いてみたいと思います。

その他では、事件の主たる現場となる家が目白にあり、目黒不動で有名な目黒や目白があるならと、登場人物が調べていくと、目赤や目青、目黄などの不動もあったこととか、駒込にある有名な動坂の動は不動尊(目赤不動)の動からきているとか、雑学王になれそうなどうでもよい知識が満載です。

そうした雑学が詰め込まれていたりもするので、とにかく長い長いどうでも良さそうな話しがダラダラと続くので、時間ばかりを費やして、結果は、、、これは内緒です。

ま、ミステリーや探偵モノの常道で、とにかく一番怪しくない者を疑え!ってことですね。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること 河合雅司

以前読んだ「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」(2017年)の続編で、2018年に発刊されています。

その前作がベストセラー(著者の弁)になりましたので、二匹目のドジョウです。って書いていたら、著者が丁寧にも本書の最初と最後に「これは二匹目のドジョウ本ではない」と書かれていました。

でもやっぱり良い意味を込めてこれは立派な二匹目のドジョウ以外のなにものでもありません。

というのも、様々な機関が発行する統計データや推定を元にし、未来の国の形はこう変わっていくというテーマ自体は変わりありません。

要はデータや推計を見て、どこまで創造力を発揮できるか?というのがポイントで、創造力に欠ける人はこの本を読んで、理解してくださいってことです。

したがって、これは預言書でもなければ、お金を取って代わりに考えてあげるコンサルでもなく、各種のデータが示す「こうなるから、その影響はこれに出る」という事実をわかりやすくまとめてあるものです。

この本では多くは触れられていませんが、それ以外にも、クルマが猛烈なスピードで内燃機関からEV化されていくことや、寿命が近くなった団塊世代が大量死する時代に起きること、お隣の中国や韓国が日本経済に大きな影響力を持つことで起きる出来事など、この未来予測の話しを始めると尽きることがありません。

ただ著者が何度も主張している「定年後も働ける限り働く」というのは、「定年でとっとと仕事から引退」した、以前読んだ勢古浩爾著「定年後のリアル」の勝ちかなと思ったりしています。

著者がまだ一度も経験していないし、おそらく今後も経験することがない定年後にどうすべきかという予測より、決して裕福とは言えないまま定年を迎え、スパッと不安を断ち切って仕事から引退した生の声のほうが説得力があります。定年後、仕事なんか無理して続けなくてもなんとかなりますよ、要は考え方、気持ちの持ち方ですよと。

よくあるケースとして、有名大学を卒業し、大手有名企業へ新卒で入社し、その後、その有名大学卒と大手企業出身というのを武器として独立した人が、「学生は大手企業ばかり志向していないで、中小企業やベンチャー企業を狙え」とか臆面もなく言っているのと同じです。

★★☆

著者別読書感想(河合雅司)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

白いしるし 西加奈子

2010年単行本、2013年に文庫化された小説です。著者の作品は過去に「きいろいゾウ」(2006年)、「通天閣」(2006年)、「ふくわらい」(2012年)の3編を読んでいます。

そう言えば直木賞受賞作で代表作の「サラバ!」(2014年)はまだ読んでいませんでした。

上記の「虚無への供物」とは対称的で、200ページ足らずの、文庫の中でも薄くてサラッと読んでしまえる短い作品です。

32歳の独身女性の心理をたくみに小説に仕上げていますが、60過ぎた男性が読むと「へぇ~」とか「あれー」とか思うことしきりです。

新宿のバーでアルバイトのバーテンの仕事をしながら絵画を描いている大阪出身の女性が主人公で、友人のカメラマンに連れられてある美術作家の個展へ行き、そこで出会った作者との不思議な関係がテーマです。

大阪弁丸出しの主人公の会話がとても良い感じですが、独身女性の32歳というのは、やっぱり将来を考える岐路ってところなのでしょうかね。よくわかりませんが、、、

北村薫著の「八月の六日間」は30代後半の独身女性の山歩きと人生についてのなんやかんやでたいへん面白く読めましたが、なんとなくそれにも似ているかな。

ただ結末というか終盤は盛り上がらず、そのままフェードアウトしてしまったような感じで、後に印象が残らないものでした。オッサンだからかも知れません。

★★☆

著者別読書感想(西加奈子)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

フォルトゥナの瞳 百田尚樹

2014年に単行本、2015年に文庫化された長編小説です。2014年と言えば、その後様々な訴訟沙汰を引き起こした「殉愛」の発刊の直前で、この「殉愛」が大きな話題となったため、こちらの作品はあまり目立ちませんでした。

2019年には監督三木孝浩、神木隆之介や有村架純出演で映画が製作されています。

タイトルのフォルトゥナ(Fortuna)とは、ローマ神話に伝えられる運命の女神で、運命の車輪を司り、人々の運命を決めるという英語の「Fortune」の語源(wikipedia)ということで、この小説では、人がもうすぐ死ぬのがわかってしまう能力のことを指しています。

主人公は子供の時に両親と妹を事故で亡くし、天涯孤独の身で育ちますが、まっすぐに育ち、やがては自動車のボディを磨く工場で真面目に勤務し、その腕も高く評価されていきます。

その主人公が、まもなく死んでしまう人の姿が透明になって見えることに気がつき、未来を変えてそうした人を助けるべきかどうかで悩むことになります。

ある日、腕が透明になっている有名人をジッと見つめていると、中年男性から「お前もフォルトゥナの瞳を持っているな」と声をかけられ、その話から、人助けをすることで、自分の身体に大きな負担がかかり自分の寿命を縮めてしまうことを教えられます。

というような、特殊な能力を持ってしまったばかりに悩み続け、果ては多くの人を救うため、自分の命を引き換えにしてしまう犠牲的精神を発揮する美徳のお話しです。

個人的にはどうせであれば、乃南アサ著の「しゃぼん玉」のような、悪の限りを尽くしてきた男が、偶然山で知り合った老婆の元で暮らすうちに、過去の自分を反省し、やがては過去の罪を認めて自首するという流れの方が、読者の感情を盛り上げるためには良かったかな。

つまり本書においては悪事から身を引いて、自首する代わりに大事故を防止するために自分の命を差し出すというような感じ。

永遠の0」でもありましたが、零戦の模擬戦闘で主人公をうっかりして機銃で撃ってしまったヤクザ者が、戦後、暴力団抗争で組長を斬ったあと、そこにいた主人公の妻だった女性も斬るはずだったのをお金を与えて逃がしたような感じ。

絵に描いたような真面目な苦労人が、さらに犠牲者精神を発揮するよりかは、ずっと物語としては面白いかも。まったく大きなお世話、余計なことですが。

★★☆

著者別読書感想(百田尚樹)


【関連リンク】
 3月後半の読書 教団X、新個人主義のすすめ、暗夜を渉る、何者、リアルワールド
 3月前半の読書 悟浄出立、言ってはいけない 残酷すぎる真実、死者の奢り・飼育、獏の檻、君の膵臓をたべたい
 2月後半の読書 手のひらの音符、あの女、いつまでも若いと思うなよ、残穢、悲しみのイレーヌ



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1320
マネー・ピット(原題:The Money Pit) 1986年アメリカ
監督 リチャード・ベンジャミン 出演者 トム・ハンクス、シェリー・ロング


タイトルは「金食い虫」という意味だそうで、買った中古不動産が、見かけとは違い思いのほか修繕が必要でたいへんな思いをするっていうコメディ映画です。

製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグということで、もうちょっと奥深い話しかなと思っていたら、そうではなく、ハチャメチャな内容でガッカリです。

いったいこの映画でなにを言いたかったのかがよくわかりません。

コメディ映画の常で、最後はハッピーエンドで終わるわけですが、そうなるとわかっていながら、途中の苦労話や危機を見続けるというのも結構つらいものがあります。

もうちょっとなにかヒネっても良さそうでしたが、特になにもなくスッと始まりスッと終わるという味気なさでした。

今ではすっかり大物俳優になったトム・ハンクスも、33年前はまだこうした内容がない映画にも出ざるを得なかったのでしょう。大ブレークするのはこの映画から8年後の「フォレスト・ガンプ/一期一会」辺りからでしょうから。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

謝罪の王様 2013年 日本テレビ放送網、シネバザール
監督 水田伸生 出演者 阿部サダヲ、井上真央、竹野内豊、岡田将生


舞妓Haaaan!!!」(2007年)、「なくもんか」(2009年)に続き、脚本が宮藤官九郎、水田伸生監督、阿部サダヲの主演というコンビシリーズの第3弾になります。

過去には「舞妓Haaaan!!!」を録画して見ましたが、面白くもなんともなく、印象にも残らず、日記に感想すら書いていませんでした。

この映画のテーマは「謝罪」で、社会風潮として、謝罪会見というのがよく開かれていますが、そうした失敗例などもあげながら、いくつかのパターンの謝罪の仕方を面白おかしく?映画にしています。

芸能人の息子が起こした暴力事件での親の謝罪はわかるものの、暴力団のクルマに傷を付けた謝罪やら、酔っ払ってセクハラした相手への謝罪、果ては、国際問題になった某国へわざわざ外務大臣や首相が出掛けて行っての謝罪など、無茶苦茶すぎて意味がわかりません。

一応、コメディ映画ということですが、笑えるシーンはほとんどなく、「なんだかなぁ~」と思ってしまいました。

ただ井上真央が黒いレオタードを着て踊るシーンがありますが、それがめちゃくちゃスタイルが良くってわずか数秒のことですが一番目が釘付けとなりました。これだけは見る価値のあるものです。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ギルバート・グレイプ  1993年 アメリカ(日本公開1994年)
監督 ラッセ・ハルストレム 出演者 ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ


なんと、ジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオの今をときめく二大男性俳優共演の映画が26年も前にあったのですね。知りませんでした。

アメリカの片田舎の町に住む、一家のお話しで、父親は自宅で首をつって亡くなり、母親はそのストレスから過食症となり激しく肥満してしまい外出もしなくなります。

そこの家の長男で、地元の食料品店に勤めながら、お客の人妻とちょくちょく火遊びしているのが主人公のデップ。もちろん海賊のイメージとは大きく違い、そこらにいる若くて軽い兄ちゃんという感じです。

そして、知的障害があり、時々は善悪がわからずに叫びつつ暴走してしまう弟がディカプリオという配役です。

その兄弟と二人の姉妹、母親とは仲が良く、それだけをとってみると良い家族なのですが、父親の自殺から家族の人生が大きく変わってしまっています。

そこへトレーラーハウスで全米各地を旅行しながら生活している母娘とふとしたことで縁ができ、兄弟が人生を見直す良い機会となります。

あるとき、どうにも我慢ができずに兄が弟を殴ってしまい、そのことで深く悩みますが、知り合った女性や妹達に励まされ、和解します。そうした中で、突然母親が亡くなります。

派手なアクションも、涙を誘うようなシーンも、二枚目俳優としての格好良さもない、普通の悩み多き人間ドラマを描いた映画ですが、こういうの好きです。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

息子 1991年 配給松竹
監督 山田洋次 出演者 三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見


第15回日本アカデミー賞で、最優秀作品賞、優秀主演男優賞、新人俳優賞など、14部門の賞に輝き、総なめにした作品です。

そんな映画ですが、今回録画したものを見るまで、まったく知らなかったというお恥ずかしい限りのことです。

年に2本のペースで「男はつらいよシリーズ」(1969年~1995年)を作り続けていた山田監督の、その合間に挟まった作品ですが、先日書いた「学校」(1993年)と同様、優れた作品に仕上がっています。

主人公は岩手の寒村でひとりで農業を営む年老いた父親と、東京で暮らす兄弟の不器用な愛と葛藤で、大学を出て家庭を持ってマンションまで買った優秀な兄と、アルバイトすらまともに仕事が続かず、フラフラしている弟との対比が強く描かれます。

そのダメダメと思われていた弟ですが、仕事場で知り合った口頭での会話が出来ない聾唖の娘と仲良くなり、その結果、キツイからすぐに辞めるだろうと言われていた仕事も続き、やがてその娘と結婚を決意するという流れ。

最後に東京から雪で埋まった岩手の家に戻った父親が、誰もいない囲炉裏を見て、昔の家族が勢揃いをしている懐かしいシーンを印象的に挿入していますが、その後、この家族はどうなっていくのか?、弟夫婦は父親を看取るため嫁を連れて岩手に帰ってくるのか?など、続編がぜひ見てみたいな~と思わせるものでした。

★★★

【関連リンク】
1312 2019年2月にみた映画
1301 2019年お正月に見た映画
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1312
世界にひとつのプレイブック(原題:Silver Linings Playbook) 2012年米(日本公開は2013年)
監督 デヴィッド・O・ラッセル 出演者 ブラッドレイ・クーパー、ジェニファー・ローレンス

躁鬱病で妻が職場の同僚と浮気している現場を目撃した男性主人公と、離婚後に性依存症になって誰とでもすぐに寝るヒロインとが出会い、その後喧嘩したり、復活したりと忙しく、ほとんど笑えるところがないコメディ映画です。

ストーリーも書いちゃったので、もうあとはなにも書くことがないのですが、こうしたドタバタコメディがアメリカ人(白人)はお好きですね~としか言いようがありません。

日本人というか東洋人が見ても、こうしたドタバタのアメリカ映画は、なかなか感情移入も難しく、国民性というか人種の違いは大きいな~と感じるだけでしょう。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

学校 1993年 松竹・日本テレビ放送網・住友商事
監督 山田洋次 出演者 西田敏行、竹下景子、田中邦衛、坂上二郎、渥美清(特別出演)

続編として、「学校Ⅱ」(1996年)、「学校Ⅲ」(1998年)、「十五才 学校IV」(2000年)と3本が作られている人気シリーズです。ただ、シリーズと言っても、同じなのは監督だけで、主役やテーマは毎回変わります。

この最初の作品は、教育に熱心な教師と、落ちこぼれや中学校を卒業してなかった大人達がやってくる夜間中学校を舞台にして温かな交流と現実が描かれています。

生徒達がこの夜間中学校へたどり着くまでの背景や、年齢も家庭状況も違う生徒が集まるクラスの絆など、日本で暮らしている多くの人には知られていないことばかりです。

私も夜間高校はよく知っていましたが、夜間中学校というのがあることすら知りませんでした。

もちろん現実は映画のようなわかりやすいことばかりでないのでしょうけど、様々な年代の悩みや事情を抱えた人達が、それでも勉強をして、さらに上を目指していくという姿には感動を覚えずにはいられません。

世知辛く、いつもイライラしながら、仕事に追われ汲々と生きていかざるを得ない社会において、こうした時間の流れがまったく違う世界を感じてみると、もっと肩の力を抜いておおらかな気持ちで良いんだと自分を励ましてくれそうです。

この映画に出演した3年後に亡くなる渥美清が、笑いを誘うちょい役で登場したのにはビックリです。寅さんシリーズの関係で監督に頼まれたのでしょうね。出演当時、60歳をとうに過ぎていたのに、なにか若々しい姿が印象的でした。

続編の「学校II」では障害を持つ生徒が通う高等養護学校を、「学校III」では職業訓練校を舞台としています。今後機会があれば見てみたいです。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

デジャヴ  2006年 米
監督 トニー・スコット 出演者 デンゼル・ワシントン、ポーラ・パットン

一種のSF映画になるのでしょうか、アメリカで多数の死者を出したフェリーの爆発沈没事故が起き、その犯人を調べていくうちに、開発中の過去の映像を見ることができる新しいシステムを使うことになります。

つまりタイムトラベルってことですね。

そりゃそういうことが実際にできれば、迷宮入り事件なんてものはなくなるわけですが、いくらなんでもそれはズルいって気もします。

その事故が起きる前に犯人を追い詰め、凶悪犯罪を防ぎ、本来亡くなるはずだったヒロインとともにめでたしめでたしという脳天気な結末でした。

実はこの映画がロードショー公開されたときに、1988年に映画館で見た映画「デ ジャ ヴュ」のリメーク?と思って内容を確かめたら、全然違っていてガックリきた想い出があります。

と言うのも、監督ダニエル・シュミット、スイス・フランス合作映画だった「デ ジャ ヴュ」(1987)は、興行的にはあまりパッとしなかったものの、この映画を2本立ての名画座で見たときには、なかなか映像やストーリーが繊細で、中世スイスへのタイムスリップというか主人公が見る幻想に感動してしまい、これは過去に観た映画の中でベスト3に入るかもー!と思い、それ以来、もう一度見たくてテレビ放映がないかなとずっとチェックしました。

デ・ジャ・ヴュ(1987年製作の映画) filmarks.com

そんなわけで、同じようなタイトルでも、アメリカに渡ると、どうしても国民に合わせ?、荒っぽく軽薄になるのは仕方がないとしても、ちょっとタイトル倒れかなぁーって思った一品でした。

★☆☆

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柘榴坂の仇討 2014年 「柘榴坂の仇討」製作委員会、松竹
監督 若松節朗 出演者 中井貴一、阿部寛、広末涼子、藤竜也

浅田次郎の短編小説集「五郎治殿御始末」に収録されている短編小説「柘榴坂の仇討」を映画化したものです。この短編小説集は2006年に文庫化されてすぐに買って読みましたが、どの作品もたいへん面白かった記憶があります。

主人公は、明治維新前夜に桜田門外の変で暗殺される彦根藩主で江戸幕府の大老井伊直弼の近習、つまり警護隊長の志村金吾。

その主人公役には同じく浅田次郎の小説「壬生義士伝」の映画版で凄腕の剣士で主役を張った中井貴一。

命を賭けて守るべき主人が暗殺された不始末で、主人公の両親が自害するも志村金吾は切腹は許されず、暗殺に加わって逃げている元水戸藩の5人を探し出し、その首を主人の墓前に並べろと下命されます。

しかし誰からも協力が得られずに、見つけることができないまま数年が経ち、5人中4人がすでに死亡、残る1人を探しているとき、元同僚だった男の協力により、江戸で人力車を引いている最後のひとりを見つけます。

しかし、その時すでに江戸幕府から新しく変わった明治政府から「仇討ち禁止令」が出され、周囲からも、藩も幕府もなくなり、無駄なことをするなと諫められます。

そして桜田門の変の時と同じ、雪の降る中、その人力車に乗り込んだ志村金吾、、、

わずか38ページの短編を2時間の映画によく仕上げたものだと思いますが、主人公以外、妻役の広末涼子、井伊直弼役の中村吉右衛門、元評定所御留役の藤竜也など脇役がしっかりと固めていて、ストーリー自体はイマイチながら、なかなか深みがあってよくできた映画です。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ボヘミアン・ラプソディ(原題:(Bohemian Rhapsody))2018年 英・米
監督 ブライアン・シンガー 出演者 ラミ・マレック、ルーシー・ボイントン
※アイコンとリンクは音楽版

70年代から80年代に大ヒットを飛ばした英国のロックバンド「Queen」の結成から、途中の挫折、そして復活の1985年に開かれた世界的な大イベントライブエイドで熱狂を得るところまでをメインボーカルのフレディ・マーキュリーを中心に描いた映画です。

監督のブライアン・シンガーは過去に「X-MEN」や「ワルキューレ」などを作った名物監督ですが、この映画制作中にセクハラや児童虐待などの噂が出て映画完成2ヶ月前に降板させられるというハプニングが起きています。

実在した人物(メンバー4人中3名は存命)の役を演じる役者さんの苦労もわかりますが、それよりも映画で使われる楽曲(歌唱)に、当時の本物を使っているとのことで、そうした作り物と実際の音源とのマッチングに苦労が忍ばれます。

出来上がりは、まったく違和感もなく、演じた役者さん達が歌って演奏しているのではと錯覚をします。素晴らしいです。

映画館で見なくてもすぐにテレビでやるからと思っていましたが、知人にあのライブ感あふれる音楽や雰囲気は映画館でないと味わえないと教えられたので、映画館まで足を運んでみました。

確かに、少なくとも小さなテレビ画面や貧弱な音響では味わうことができない大きなスケールで、ビンビンと全身で感じることができたのは良かったと思います。

Queenが活躍していた当時は高校、大学生時代でしたが、特に好きだったわけではないのですが、たまたま高校の文化祭で、クラスでレコード屋さんを回わり、歌手やバンドのポスターを集め回って、それを綺麗にパネルに加工し来場者に販売して、チャリテー募金とする活動をおこないました。

その時にもらったポスターの中で、Queenのフレディ・マーキュリーがど派手な格好(ジュディ・オングが魅せられてを歌うときに着ていたような服)で歌うポスターが格好よくて気に入り、それは販売せず、自分で持ち帰り、部屋にずっと飾っていたことを思い出します。

私が行った映画館では、観客の年齢層は高く、やはりQueenを知っている50代以上の人がほとんどでした。何度も見に行ったという知人からは、Queenを知らなそうな若い人が多いと聞いていたのですが、タイミングが遅いせいか、私が行ったときには、20代以下はほとんどいないという感じでした。

★★☆

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1306
過去に一番映画をよく見た時期は、おそらく小学生の頃、金曜ロードショーや日曜洋画劇場など、毎週3~4本はテレビで古い映画を見ていた頃じゃないかなと思います。

社会人になってからは、テレビで見るより休日や夜間に名画座へ行って、公開から少し遅れて2本立て映画を一気に見ていましたが、結婚してからは、レンタル屋さんでVHSやDVDを借りてきて、家で見ることが多くなります。

最近は、テレビで放映される映画をハードディスクにドンドンとため込んでおけるようになったので、そうした放送された映画を中心に見ることが多くなっています。

別に人生の終盤にかかり、総仕上げのまとめに入っているというわけではないですが、日記やブログを始めて以降のここ十数年にみて、さらになんらかのコメントを残した映画(劇場だけでなくテレビでの鑑賞含む)を映画の公開年代ごとにまとめてみました。

10年間で見た映画のすべてを網羅しているわけではありませんが合計103本です。

今回は(1)として1999年までに製作・公開された映画をその公開年別でリスト化しました。

URLは感想などを書いた記事リンクです。
1949年以前
グランド・ホテル(1932年)
風と共に去りぬ(1939年)
ミニヴァー夫人(1942年)
無法松の一生(1943年)
素晴らしき哉、人生!(1946年)
白熱(1949年)
1950年代
陽のあたる場所(1951年)
第十七捕虜収容所(1953年)
麗しのサブリナ(1954年)
山の音(1954年)
慕情(1955年)
幕末太陽傳 (1957年)
第七の封印(1957年)
渚にて(1959年)
浮草(1959年)
鍵(1959年)
1960年代
甘い生活(1960年)
何がジェーンに起ったか?(1962年)
博士の異常な愛情(1964年)
男性の好きなスポーツ(1964年)
ドクトル・ジバゴ(1965年)
招かれざる客(1967年)
1970年代
戦争と冒険(1972年)
スティング(1973年)
真田幸村の謀略(1979年)
1980年代
最前線物語(1980年)
夜叉(1985年)
私をスキーに連れて行って(1987年)
映画女優(1987年)
3人のゴースト(1988年)
ニューシネマパラダイス(1988年)
1990年代
木と市長と文化会館/または七つの偶然(1993年)  
生きてこそ(1993年)
学校(1993年)
ショーシャンクの空に(1994年)
誘う女(1995年)
ボルケーノ(1997年)
ジャッカル(1997年)
イングリッシュ・ペイシェント(1997年)
プライベート・ライアン(1998年)

こうして見ると割と各年代まんべんなく見ているって感想です。

その中では70年代の映画が、戦争と冒険(1972年)、スティング(1973年)と真田幸村の謀略(1979年)の3本だけというのはちょっと意外。

しかも「スティング」は当時映画館でロードショーを見ています。60年代の映画は6本、50年代は10本もあるのになぜ70年代の映画が少ない?

70年代に公開された有名な映画と言えば、「サウンド・オブ・ミュージック」「ゴッドファーザー」「ポセイドン・アドベンチャー」「エクソシスト」「燃えよドラゴン」「タワーリング・インフェルノ」「JAWS/ジョーズ」「スター・ウォーズ」「スーパーマン」「日本沈没」「八甲田山」「野性の証明」など。

なるほど、その当時は中高生だったので、メジャーな映画の多くは、当時リアルタイムで劇場へ行って見てしまっています。

さて、上記の1999年までの映画から「私のお勧めの10本」を選んでおくと、

風と共に去りぬ(1939年)
無法松の一生(1943年)
素晴らしき哉、人生! (1946年)
慕情(1955年)
渚にて(1959年)
ニュー・シネマ・パラダイス(1988年)
生きてこそ(1993年)
ショーシャンクの空に(1994年)
イングリッシュ・ペイシェント(1997年)
プライベート・ライアン(1998年)

ってところでしょうか。

ここ10数年間にみた映画(2) 2019/4/24(水)へ続く

【関連リンク】
983 我が青春のヒーロー、スティーブ・マックイーン
915 「風と共に去りぬ」を観てわかるアメリカ史
880 高倉健さんを偲び映画の思い出など
764 思い出の香港



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ミニヴァー夫人(原題:Mrs. Miniver) 1942年米国(日本公開1949年)
監督 ウィリアム・ワイラー、出演者 グリア・ガースン、ウォルター・ピジョン、テレサ・ライト

ヨーロッパで第二次世界大戦が本格化してきた頃、仲間の英国がひどい目に遭っているのでアメリカも早く参戦すべき!と言う、いわゆる「戦意高揚映画」です。アメリカ映画ですが、映画の舞台はずっと英国です。

実際には映画が公開された1942年には前年の12月に起きた真珠湾攻撃で、アメリカは日本とその同盟国であるドイツ、イタリアに対し宣戦布告をすることになるわけですが、この映画が製作されていた頃は、日独伊に対しまだ中立の立場をとっていました。

監督のウィリアム・ワイラーは、その後も「ローマの休日」(1954年)や「ベン・ハー」(1959年)など、大ヒット映画を手掛けた監督で、この作品でもアカデミー賞最優秀作品賞、監督賞を受賞しています。

その他にもこの映画でアカデミー賞は、主演女優賞(グリア・ガースン)、助演女優賞(テレサ・ライト)、脚色賞、撮影賞と、6部門で受賞し大いに認められた作品です。

アメリカ人やその連合国に対する「戦意高揚映画」だけに、英国がドイツに空襲を受け、多くの人が被害に遭い悲惨なことになっているという内容で、日本で公開されたのは終戦から4年経った1949年です。

みていて感心したのは、ドイツ軍の空襲がしばしばある中で、イギリスの地方都市では例年通りに薔薇のコンテストが開かれ、空襲警報が鳴ってもパーティで料理やビールをみんなでワイワイと楽しむというような日本の戦争中とはまったく違う風景がそこにはあり、暗さは微塵もありません。

そしてこの映画は、それまで中立を保ち、遠い国で自国民の若者の血を流したいとは思わなかった多くの一般的なアメリカ人が、好戦的でウズウズしていた政府に対し、強く支持をすることに大いに役立ったことでしょう。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

DESTINY 鎌倉ものがたり 2017年「DESTINY 鎌倉ものがたり」製作委員会 配給 東宝
監督 山崎貴、出演者 堺雅人、高畑充希、堤真一

西岸良平原作の漫画「鎌倉ものがたり」を原作とした実写映画です。西岸良平原作と山崎貴監督のコンビは、大ヒットした「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズと同じパターンです。

舞台は鎌倉の古いお屋敷で、そこに祖父の時代から住むミステリー作家(堺雅人)と、その家に嫁に来た若い妻(高畑充希)が主人公です。

死者を黄泉の国に連れて行く死神らしくない死神(安藤サクラ)や、黄泉の国行きの江ノ電、近所にあふれている妖怪や魔物など、そして祖父の代からいるというお手伝いのお婆さん(中村玉緒)は、夫が日露戦争へ行ったという年齢不詳。

そしてその若い妻が、魔物によって命を奪われ黄泉の国へ連れて行かれたことを知り、それを取り戻すために自らその黄泉の国へ出掛けていく主人公の夫と、物語は最大のクライマックスへ向かって突き進みます。

なかなか奇想天外で、特殊効果(VFX)が駆使されていて、なんだか宮崎駿氏のアニメを見ているようで子供にもきっと楽しめそうな映画でした。

ちゃんと家族の大切さ、愛情、親子の縁と誤解の解消など、ほのぼのとした西岸良平劇場もしっかり盛り込まれています。

監督の山崎貴氏は2020年東京オリンピックの開会式演出に関わるそうなので、こうした日本の伝統的なアニメや最新VFXを駆使した演出となりそうですね。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

オデッセイ(原題: The Martian) 2015年米(日本国内上映は2016年)
監督 リドリー・スコット 出演者 マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン

アンディ・ウィアーの小説「火星の人」を原作とした映画で、原題のMartianとは、火星にひとり残されてしまった男性の名前です。

監督のリドリー・スコットと言えば、「エイリアン」「ブレードランナー」などSF映画のヒット作を数多く持つ監督です。

火星で任務中に砂嵐で吹き飛ばされ、身に着けている生命モニターが飛んできた破片で壊れたため、火星から緊急脱出をせざるを得ない飛行士仲間から、死んだと判断されてしまい、火星に置いてきぼりを食らいます。

無線は壊れて使えず、生きていることを伝えられませんが、次にNASAが火星探査にやってくる4年後まで、生き延びるための作業を始めます。

舞台となる火星はヨルダンの砂漠地帯で撮影されたとのことですが、赤く荒涼とした雰囲気がよく出ています。

火星には大気があって砂嵐が起きるということは知りませんでしたが、なんでも大気圧は地球と比べてずっと薄いらしく、映画と違って機材を吹き飛ばすほどのものにはならないそうです。

取り残されたのが植物学者ということもあって、生き延びるために、植物を育てて自給自足するなど、なかなか見応えがあって楽しめました。

なんでも、誰の所有でもないところで植物を植えて栽培すれば、それが植民地として認定されるそうで、つまり主人公は火星で初めて植物を植えて栽培に成功したので、火星を植民地とした最初の人類ということになります。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

戦争と冒険(原題:Young Winston) 1972年イギリス
監督 リチャード・アッテンボロー 出演者 サイモン・ウォード

元イギリスの首相サー・ウィンストン・チャーチルが自分の半生を書いた「My Early Life」を原作とした「若き日のチャーチル」というような映画です。

チャーチルは1900年から1964年まで64年間の長きにわたり政治家として活躍していましたが、首相としての在任期間は、1940年から1945年までと、1951年から1955年の2回あります。ちょうど第二次世界大戦中とその後の冷戦時代という、当時の国際社会に大きな影響を及ぼした政治家です。

この映画で描かれた半生は、子供の頃から大学を出て軍人となりインドやスーダンで従軍し、その後新聞記者として南アフリカへ行くなど、主として海外で活動しながら作家としても人気を得、その後、若き政治家として当選を果たすところまでです。

しかし自伝だけあって、当然ながら自分の良いところだけを目立たせようとするシーンばかりなのにはちょっとうんざりします。まるでジェームズ・ボンドになったかと思うほどの活躍ぶりです。

おそらく周囲の人からみると、人の成功や功績を横取りしたり、差別主義者であったり、他人を書籍で攻撃する、欲の突っ張った傲慢な野心家と、また違ったように見えたでしょう。ま、当時の政治家ならそういう人でもなければ、とてもやっていけなかったでしょうけど。

とにかく、自慢話的逸話だらけで、見ていてもなにか胸糞悪く思えてくるのは、自分とはかけ離れた人物であり、ひがみ根性で素直じゃないからでしょうか。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

アパルーサの決闘(原題:Appaloosa) 2008年 米
監督 エド・ハリス、出演者 ヴィゴ・モーテンセン、エド・ハリス

アメリカ人が大好きな西部劇ですが、原作はあの「スペンサーシリーズ」で有名なハードボイルド作家ロバート・B・パーカーによる同名の小説です。

この映画は知らなかったと思ったら、案の定日本では劇場公開されてなく、ビデオスルーとなった作品だそうです。なのでレンタルビデオ屋さんにも置いてないようです。

監督のエド・ハリスが出演もしていて新任の保安官役、その相棒役と二人が主人公というような扱いです。スペンサーシリーズでも、相棒のホークがメインとなって活躍する作品とかがありましたね。

ま、普通に出来過ぎた設定と、ありふれた悪役がそろい、その中に女性が絡み、最後には決闘という意外性もなくパッとしない内容で、日本で劇場公開されなかったのもうなづけるところです。

パーカー原作(小説の翻訳版は出ていないようで読んでいません)の映画だというので、やや期待をして見ましたが、お勧めはしないかもです。

そう言えば、同じくパーカー原作の小説の映画やドラマ化では「スペンサーシリーズ」や「警察署長ジェッシイ・ストーン」のいくつかありますが、どれも低予算映画という感じで、イメージしていた内容とあまりにも違いすぎて、つまらないものが多いように感じます。

なんだかちょっともったいない気もしますが、やはり想像の世界と現実がかけ離れてしまうのが、こうした現代のハードボイルド作品なのかも知れません。

★☆☆

【関連リンク】
1297 2018年11月~12月に観た映画
1282 2018年9~10月に見た映画
1254 2018年7~8月に観た映画



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