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田園発 港行き自転車 (集英社文庫)(上)(下) 宮本輝

2015年に単行本、2018年に文庫化された長編小説です。元々は富山市に本社を置く北日本新聞に2012年から約3年間にわたり連載されていた小説です。

そうしたこともあり、富山県各地の自然の美しさ、様々な交通機関、美味しい料理などがふんだんに取り上げられていて、私が名付けた「うんちく小説」という著者の作品群にバッチリ当てはまっています。

私は若い頃に、富山には行ったことがありますが、その時は、黒部ダムを見に行くのが主目的で、その他はほとんど素通りでしたので、あらためてこの小説を読むと、富山の海岸沿いへ行きたくなりました。

登場人物の相関関係はややこしく、これは著者自身の自伝的小説「流転の海」ほどではないにしろ、ややこしい限りです。

主人公は、宮崎へ出張と言いながら、なぜか富山で急死した自転車会社社長の娘、そして京都の花街の中で親の代から茶屋を営む女将さん、さらに、東京の企業に勤める中年男性、その3人の視点で物語は進んでいきます。

それらに加え、富山で美容院を営む亡くなった社長の愛人とその息子、昔は祇園で浮名を流していたが事業に失敗し、その後富山で警備会社を経営する男性、祇園の芸者置屋の女将、自転車会社社長と仲が良かった若くして亡くなった伝説の芸子、京都の出版社勤務の編集者、亡くなった自転車会社の社長の右腕だった老齢男性などなどが絡んできます。

舞台が、京都の祇園や地方都市の富山でしかも滑川という場所だけに、小説自体もなにか時がゆっくりと流れている昭和の香りがします。

タイトルだけ見たときには著者の初期の作品「青が散る」のような青春小説かな?と思いましたが、全然違って、複雑な人間模様と、時代に翻弄されたそれぞれの人生を描いたなかなか奥の深い小説でした。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

不運と思うな。大人の流儀6 a genuine way of life 伊集院静

大人の流儀」シリーズの第6弾で、2016年刊の新書です。確か週刊現代に連載されているエッセイをまとめたものだと思います。

帯に「生きる勇気が湧いてくる。感動の1冊」と大げさに書いてあったので、60過ぎのオッサンに生きる勇気を持たせてくれるのかと、わくわくしながら読みましたが、肩すかしも良いところです。

著者の小説やエッセイは好きで、過去に16作品(19冊)を読んでいますが、著者の作風が変わったのか?それとも読み手の私が年齢とともに感性が変わったのか?その両方かもしれませんけど、これはいただけません。

とにかく、同じ事を何度も書く、しつこく書く、中には自慢たらしく思えるようなことを自慢げに書く、過去の美しい想い出を何度も書く、あまり考えずに単なる思いつきだけで書いている?と思う箇所など、これはいずれも高齢者の多くに見られる現象のような気もします。著者は今年で69歳、いつまでも若くはないですね。

好きな作家さんだけに、こうした症状が垣間見えるのは、ちょっと残念です。

もっとも、若い人にとっては、こうした波瀾万丈の生き方をしてきた人の経験を垣間見ることで、いろいろと考えることもできるでしょうから、すべて悪いと言うつもりはありません。

要は読み手がどう思うかですから、私も個人的な感想を述べているだけで、それを誰かに批判されても困ります。

★☆☆

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日本農業への正しい絶望法 (新潮新書) 神門善久

2012年刊の新書で、日本の農業の実態と、その周囲に群がる政治家、官僚、マスコミなどを赤裸々に告発しています。

著者が言うように、一度も現場に足を向けないような、役人や識者と呼ばれる学者、ジャーナリスト、マスコミの記者などが、日本の農業は素晴らしいという情緒的なイメージを作っているというのはなんとなくわかります。

また効率化を図って世界と戦える大規模農業こそが、生き残る道だという主張や世論にも警鐘を鳴らしています。

私自身は農業とは縁遠い世界にいるだけに、いったいなにを信用すれば良いのかはわかりませんが、様々な主張をこうして読むことで、一方的な考え方になるのだけは防ごうと思っています。

この本の中でも、へぇーと思ったのは、「農家は一般的なサラリーマンよりも収入面で恵まれている」という部分。

なにかイメージ的には「農家は収入が低いけど、ある程度自給自足ができるので食っていける」というものがありますが、実態としては、農家は平均的に年収も高く、しかも家や土地があり、優遇された税制や補助金まであるということ。

テレビで見る農家は「台風で水浸しになって困惑する姿」や、「高齢化した夫婦が毎日畑に出掛ける姿」などで、「農家ってたいへんだなぁ」というイメージしかありません。

この本を読むと、農地として税制優遇を受けておきながら、駐車場に変えて利益をあげていたり、息子に分家するという名目で税制優遇された土地を譲り、その土地に家を建て、その家を第三者に転売するなど、様々な農家の錬金術が書かれていて、上記のようなほのぼのとした農家のイメージは崩れてしまいます。

若い人が地方へ行き、新たに就農することでも、農家は荒れて使えない土地しか貸してはくれず、何年かかけて苦労して土地を改良し使えるようにしたら、貸し出し期間の延長はしないとか、やりたい放題な農家もあるとか。

ただ、日本の農業の未来について著者が言うような「農業技能を高め、質の高い生産物を作る」というのも、そういう高くても良いものを求める著者のような人も中にはいるでしょうけど、安くてそこそこな野菜や米などがあれば十分という需要が国民の大部分を占めている現状があるわけで、そうしたことを真っ先に考えるべきではないかと思います。

★★☆

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お引っ越し (角川文庫) 真梨幸子

ホラーじみた連作の短編小説集で、2015年に単行本、2017年に文庫版が発刊されています。収録作品は、「扉」「棚」「机」「箱」「壁」「紐」の6編です。

著者の作品は過去に「あの女」と「殺人鬼フジコの衝動」を読んでいますが、その両作品はイヤミス(読後感が悪く、イヤな気持ちになるミステリー)の女王というイメージ通りの作品でした。

2019年2月後半の読書「あの女」

2015年2月前半の読書「殺人鬼フジコの衝動」

ただ、今回のような短編小説になると、そのイヤミスパワー(この短編ではそれが目的ではないかも知れませんが)も大きく減衰してしまい、それに期待をしすぎるとガッカリします。

まだ読んだ作品数が少ないので決めつけられませんが、この著者の作品は、いろいろといわく付きで読ませる長編こそ魅力がありそうです。

ちょっとユニークなのは、文庫本の最後にある解説がよくある普通の解説ではなく、本文の続きになっているようで、この短編集の解説を依頼されたライターが、「この本は読まない方が良い」と書きます。そして自分とは出会わない方が良いと、登場人物になって忠告を与えています。ホラーでしょ。

★☆☆


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