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白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫) 湊かなえ

2012年単行本、2014年に文庫化された長編ミステリー小説で、2014年には「白ゆき姫殺人事件 容疑者【城野美姫】は、魔女か? 天使か?」というキャッチコピーで、井上真央、綾野剛の主演で映画化もされています。

なかなか凝ったミステリーで、長野県で起きた女性殺人事件について、主人公のひとりの気の弱そうなフリーライターが、犯人捜しのため、ネットを使ったり、関係者と会って順々に調べていくという形を取っています。

もうひとりの主人公は、その殺人事件で、一番の容疑者と見られた女性で、殺された美人会社員と同期入社で、なぜか事件後に行方不明となっています。

それにしても捜査をしているはずの警察の動きや情報はまったく出てこなく、雑誌のフリーライターが聞き回る情報だけで殺人事件の話しが進行していくというのは、ちょっと不思議な感覚です。

そうした不可解な点も含め、最後のクライマックスに向けて盛り上がったところで、あっさりと警察が真犯人が逮捕し、その模様がテレビから流れてくると言うのが意外と言えば意外なところです。

これはなかなか真犯人はわかりません。いや~女ってやっぱり怖い、、、

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く 藻谷浩介 NHK広島取材班

2010年に出版されて大ベストセラーになった「デフレの正体」の筆者とNHK広島取材班がタッグを組んだ作品です。

里山と言えば、少し前ならTOKIOのダッシュ村をふと思い出したりしますが、あのような山間に囲まれた地で農業を中心に半自給自足をおくっている昔ながらの風景です。

アメリカを中心とする「マネー資本主義」に対応した「里山資本主義」という造語を新たに作り、今後経済が縮小していく日本において、ある一定の人口を支える基礎的な生活パターンとして、里山で暮らすという選択肢を提案しています。

また疲弊した地方において、なぜそうなったのかという根本原因を明かし、これからの地方のあるべき姿も示しています。

長らく都市に住み続けていると、どうしても地方、その中のさらに人口減少地域のことについては、単に税金の無駄遣いというような理解しかできませんでしたが、実際にその中で知恵を絞り、仲間と共同社会を築いている人達もいるということに励まされます。

同書では「目のうろこが落ちた」という表現が何度も出てきますが、よほど分厚いうろこが覆っているのは都市住人に共通しているのかも知れません。

例えば、同志社大学教授の浜矩子教授の言葉として出てきていますが、「シェア」という言葉が今までは独占という「市場占有率」という意味で使われてきたものが、最近では「分かち合い」という意味で使われるという180度変わってしまう言葉すらあるということにはハッとさせられました。

そうした、地方に実際住んでみないとわからないことってあるものです。

都市住人がすべて地方に移住できるはずもありませんが、ある一定の老若男女が今後地方へU・Iターンすることで、成熟期におけるバランスがとれた都市部と地方の社会がうまく機能していくのかも知れないなとこの本を読んで気がつきました。

★★★

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

デセプション・ポイント (上)(下) (角川文庫)(上)(下) ダン・ブラウン

トム・ハンクス主演で映画化もされた2003年刊の「ダ・ヴィンチ・コード」で一躍大ベストセラー作家に上り詰めた著者の、その「ダ・ヴィンチ・コード」の2年前、2001年の作品です。

タイトルは直訳すると「欺瞞箇所」となりますが、アメリカ国家や巨大組織がもし徹底した欺瞞工作を国民や世界に向けておこなえば、どういうことが可能か、そしてどういうことになるかという実験的な小説です。

アポロ計画以来特に大きな成果を生んでいないNASA(アメリカ航空宇宙局)とそれをサポートし続けてきたアメリカ大統領の側近は、強い危機感から大きな博打をうつことを計画し、実行に移ります。

そしてNASAの活躍が認められれば、NASAの巨額の税金垂れ流し問題を糾弾し、民間での宇宙産業振興を進めたい現大統領の対立候補を打ちのめすことが可能になります。

それには多くの秘密と工作が必要となり、NSA(国家安全保障局)、NRO(国家偵察局)、そして民間の学者を含め、複雑に政治と軍とインテリジェンスと学術、それにマスメディアが絡み合ってきます。

古生物学や宇宙物理学などテクニカル面や、北極近くの気象情報など、読んでいても何のことかさっぱりわからないという部分も多々ありますが、それはさておき、昔、月面着陸陰謀説というのがあり、アポロ計画で実際には月面着陸はなく、映画セットを使って月面からの中継をしていたというようなスケールのでかい国家を揺るがす欺瞞と陰謀が今回のネタです。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

漂流者たち 私立探偵・神山健介 (祥伝社文庫) 柴田哲孝

渇いた夏」(2008年)、「早春の化石」(2010年)、「冬蛾」(2011年)、「秋霧の街」(2012年)と春夏秋冬の4部作として終わったと思っていた私立探偵 神山健介シリーズで、2013年に発刊された番外?編です。

福島県白河市に住む私立探偵の主人公は3.11の東北地震に遭います。

そして同時に以前勤務していた弁護士事務所から、行方不明になった人を捜しをして欲しいと依頼がきます。

その行方不明となった人物は元弁護士で、現在は議員秘書ですが、東京で同じ議員秘書を殺害し、事務所にあった表には出せない6千万円を持ち逃げし、地震のあとの津波で流されたクルマが福島のいわきで発見されたとのこと。

しかし地震直後のこともあり、道は方々で寸断され、福島原発事故もあり通行止めに遭い、被災地ではガソリンは欠乏し、泊まるところも食べるものもない極限状態で、愛犬カイとともに男の影を追って被災地に入っていきます。

ちなみに、主人公が震災直後にたどる道は、私も震災発生から2年後の4年前にたどった道とかなりダブります。

ただ私が行ったときは震災後2年が経過し、主要な道路や橋はかなり復旧が進んでいましたが、少し脇道に入ると、まだあちこちに津波で流されてきた漁船やボート、壊れたクルマなどがそのまま放置されていて、その時の被害がありありと浮かんできます。

678 東北巡り 2013/1/16(水)

元々はこのシリーズは4作で終わるつもりだったのが、主人公が住む福島で大きな災害(地震、津波、原発事故)が起き、それを実際に目の当たりにした著者自身が、それをテーマにして番外編の作品として一気に書き上げたものと思われます(想像です)。

作品を通して、反原発、放射能への恐怖、政府への不信が客観的に語られていて、書かずにはおかれなかったという著者の信念が感じられる作品です。

★★★


【関連リンク】
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