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1752
ゲッタウェイ(原題:The Getaway) 1972年 米(日本公開1973年)
監督 サム・ペキンパー 
出演者 スティーブ・マックイーン、アリ・マッグロー

1994年にも同名の作品がアレック・ボールドウィンとキム・ベイシンガー主演でリメイクされていますが、今回見たのは51年前の1972年に公開されたオリジナル版です。

実はこの映画、中学生の頃にロードショーを映画館へ見に行った記憶がありますが、内容についてはほとんど忘れてしまっていました。最後のほうに出てくる広大なゴミ捨て場を二人でトボトボ歩くシーンだけはよく覚えていましたが。

マックイーンの脂がのっていた頃の映画で、この頃はマックイーンが主演なら見に行かないと!という雰囲気がありました。お色気たっぷりのアリ・マッグローとはこの映画で夫婦役を共演してから現実でも結婚して夫婦になりますが、その後離婚しています。

ブリット」(1968年)ではシスコの華麗な刑事役が似合っていましたが、今回は刑務所に収監されている犯罪者役で、街のボスに銀行強盗を引き受ける代わりに刑務所から仮出所させてもらい、強盗の約束は果たしますが、その後に仕掛けられていた裏切り行為に反撃し、追撃してくる警察やボス達から逃げまくります。

本当にマックイーンは、兵士(戦う翼、大脱走、砲艦サンパブロなど)、カウボーイ(荒野の七人、ネバダ・スミス、トム・ホーンなど)、消防士(タワーリング・インフェルノ)、レーサー(栄光のル・マン)、刑事、犯罪者など、男っぽい野性味あふれる役ならなにをやっても似合っていて最高の俳優です。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

扉の影に誰かいる 1971年 フランス
監督 ニコラ・ジェスネール
出演者 チャールズ・ブロンソン、アンソニー・パーキンス

アメリカで肉体派スターだったブロンソンが、フランス映画で、しかもアクションはまったくなく謎めいた記憶喪失の男を演じています。

もうひとりの主人公アンソニー・パーキンスもアメリカで人気の俳優ですから、フランス映画と言いつつ、舞台はロンドンの郊外、会話はすべて英語で展開されます。

精神科医の主人公が、運び込まれてきた記憶喪失男をうまく丸め込み自宅に住まわせ、妻の浮気相手の愛人を殺させようと画策します。

舞台などで演じられそうなほとんどが精神科医の邸宅の中で起きるこぢんまりした低予算?映画っぽく、あまりドキドキも感動もなくサクッと終わってしまいました。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

目撃(原題:Absolute Power) 1997年 米
監督 クリント・イーストウッド
出演者 クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、エド・ハリス

17作目となるクリント・イーストウッド監督作品で、主演も自身です。この映画の一番のウリはイーストウッドとジーン・ハックマンの大物俳優の共演でしょう。

内容は、凄腕の泥棒で逮捕歴もある主人公が、米国大統領の最大の支援者で大富豪の留守宅に忍び込んだところ、突然パーティに出掛けていたはずの富豪の妻と大統領が部屋に突然入ってきて、慌てて部屋の奥にあるマジックミラーで部屋の中がよく見える隠し部屋に隠れます。

大統領と富豪の妻は良いムードになりますが、大統領が乱暴に扱ったため、妻も近くにあったペーパーナイフをつかみ抵抗しようともみ合い、悲鳴に駆けつけた大統領SPが妻を射殺してしまいます。

大統領の首席補佐官とSPはグルになって、強盗に女性が射殺されたように偽装しますが、妻と大統領の指紋がついているナイフをうっかり部屋の中に落としてしまい、泥棒の主人公はそれを拾って部屋から逃亡します。

しかし、その逃亡をSP達に見つかり、第三者が事件を目撃し、証拠品のナイフを持ち去ったことが知られてしまい、泥棒の主人公は警察と大統領SPとそして妻を殺された富豪が雇った殺し屋の3者から追われることになります。

凄腕の泥棒ということもあり、変装や侵入などはお手のもので、危機を脱出しますが、妻を亡くした富豪の肩を抱いて悲しみに同情する大統領の会見をテレビで見て、逃げるのではなく反抗に出ることを決意します。

ま、よくあるようなストーリーですが、どうやって追われる身から、権力の中枢の大統領をはめていくかというストーリーが秀逸です。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ミステリと言う勿れ 2023年 フジテレビジョン他
監督 松山博昭
出演者 菅田将暉、原菜乃華、松下洸平

原作のコミックスは2016年から連載された田村由美さんの作品で、2022年1月にはフジテレビでドラマ化されています。

今回は初めての映画化で、フジテレビ開局65周年記念作品となっています。個人的にはこの作品はテレビの再放送で初めて知り、好きになりましたので、映画館へ行って見てきました。

大学生の主人公が、子供の頃にうけた家族間のトラウマを引きずりながら、自身の身に降りかかってくる様々な事件や揉めごとを、幅広い知識と記憶力、洞察力で喋りまくり、謎を解いていくという一連のストーリーが繰り返されます。

主人公の口癖「僕は常々思うんですが・・・」で、昭和発想のオジサン達などカチンときた相手に対し、説教臭い持論や正論をとうとうと一気に語っていくスタイルは、閉塞感に悩む若い人にはなにかスカッとする思いがあるのでしょう。

原作者の年齢は非公表ですが、ドラマの撮影を見に行った時に、出演していた遠藤憲一氏(昭和36年生まれ)と会って同年代と書いてあったので、すでに還暦を迎えた方のようで、そのため昭和時代の古い慣習や仕組みの中で邪魔くさいオジサン達への反感や恨み節が炸裂しています。

今回の映画では、広島へやってきた主人公が、旧家の大富豪の遺産相続で命を狙われるという女子高生から頼まれその騒動に巻き込まれていくという流れです。

小さなテレビ画面だと、出演者のこまかな演技や表情などはあまり気になりませんが、大きな画角の映画では演技の上手下手がよくわかります。

そしてこの監督さん、顔のどアップがやたらと好きで、ちょっとどうなのかなと思ってしまいます。

たいして演技が上手いとは言えない俳優達の、毛穴の一つ一つがわかるような顔のアップばかり見せられてもまったく面白くありませんし、そう言うシーンの時はあまり多いので気味、いや気持ちが悪いので見ないように下を向いていました。

顔のアップだけで表情豊かに演技ができる俳優って少なそうで、菅田将暉や柴咲コウ、わき役の松坂慶子、滝藤賢一クラスはともかく、あとの演技は学芸会のノリだったのが残念です。

作品としてはフジテレビの過大とも言えるバックアップがあり、成功していそうですが、俳優のキャスティングと監督で失敗しているかなぁと勝手な思いです。

あと事件の舞台は広島ですので、テレビドラマでお馴染みのレギュラー陣、大隣警察署のメンバーは今回は出てこないなと思っていたら、最後の出演者のクレジットに表示されていて「あれれ?」と思っていたら、エンドロールのほとんどが終わった頃にチラッとだけ登場し、なにかいつもの姿でホッと気持ちが癒やされました。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(原題:Extremely Loud & Incredibly Close) 2011年 米
監督 スティーブン・ダルドリー
出演者 トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン

ジョナサン・サフラン・フォア著の2005年に出版された同名小説が原作です。2019年に私も読んでいます。

2019年10月後半の読書の感想、書評(ものすごくうるさくて、ありえないほど近い)

ニューヨークに住む裕福な夫婦と発達障害をもつ一人息子の家族で、その11歳の子どもが主人公(小説では9歳)です。

いつも父親とセントラルパークで宝探しなどをして遊んでいましたが、その父親が仕事で世界貿易センタービルに行っていた時同時多発テロが発生して亡くなってしまいます。

悲しみと寂しさで、父親の遺品を見ていたときに、花瓶の中に鍵が入っているのが見つかります。その鍵を入れた封筒にはブラックと記載されていて、この鍵の謎を知っているのはブラックという名前の人に違いないと、ニューヨーク中のブラック姓の家472軒を調べて片っ端から聞いてまわることにします。

また近所に住む祖母の家に間借りしている発声障害の高齢男性にも興味を持ち、一緒にブラック家を訪問していきます。

しかし、相手にされず追い返されたりしながらもほとんどのブラック姓の家を周りますが、鍵の出所は不明で、あきらめかけた頃、遺品の中にあった新聞の切り抜きに遺品整理の広告があり、思い切ってそこへ電話したところ最初に訪問したブラック氏の家だったことがわかります。

危険なニューヨークの街を歩き回る11歳の子どもという冒険・探険談ですが、9.11で父親が犠牲になったという特殊なこともあり、多くのニューヨーカーは温かく子どもの冒険に協力してくれます。それには後で明らかになる別の理由があったのですけど。

書籍で読んだときには、スラングなどが多くて翻訳の文体が難しくて意味不明だったことも、映像を通して見ると意味はわからなくても「そういうことだったのね」と納得がいきます。

少年の演技はともかく、周囲をベテラン勢がうまくサポートし、ニューヨークの街の姿がよく出ていて映像的にも良い映画だと思います。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

三人の名付親(原題:3 Godfathers) 1948年米(日本公開1953年)
監督 ジョン・フォード
出演者 ジョン・ウェイン、ペドロ・アルメンダリス、ハリー・ケリー・ジュニア

軽いノリの西部劇で、ジョン・ウェイン演じる主人公とその仲間二人がある街で銀行強盗をおこしますが、その時に警備員をひとり射殺してしまい、金も奪えずに失敗し砂漠の中へ逃走します。

街の保安官と助手達が追跡し、飲み水を求めてやってきそうな場所に罠を張りますが、なかなか捕まえられません。、

逃走した3人は、水が湧き出るオアシスのひとつにたどり着きますが、そこには朽ち果てた馬車があるだけで、誰かがダイナマイトで水源を爆破したために水がなくなっていました。

馬車の中には、臨月の妊婦がひとり残されていて、やむなく出産の手助けをしますが、出産後に女性は亡くなり生まれたての赤ちゃんと聖書だけが残ります。

3人は赤ちゃんに名前をつけて、サボテンから搾り取った水を飲ませるなど懸命に世話をして逃亡を続けますが、保安官たちからは、水飲み場の馬車を襲って女性を殺したのも彼らだと決めつけて怒りに燃えます。

そして灼熱の砂漠の中、飲み水がない中で犯人達は追跡から逃れるため聖書に導かれていきますが、まず怪我をしていたひとりが力尽き、そしてまたひとりが死んでいきます。

思っていたよりもずっとよくできた西部劇で、銀行強盗犯でありながら、赤ちゃんの命を救ったということで、逆に英雄扱いされるところが、出来過ぎた話しとなっています。

★★☆

【関連リンク】
2023年7~8月 君たちはどう生きるか(2023年)、隣のヒットマン(2000年)、オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(2013年)、起終点駅 ターミナル(2015年)、ブラッド・ファーザー(2016年)

2023年5~6月 スペース カウボーイ(2000年)、幸せへのまわり道(2019年)、最後の忠臣蔵(2010年)、キネマの神様(2021年)、小説家を見つけたら(2000年)

2023年3~4月 ドライビング Miss デイジー(1989年)、カリートの道(1993年)、あかね空(2007年)、ジェシー・ジェームズの暗殺(2007年)、漁港の肉子ちゃん(2021年)


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1740
君たちはどう生きるか? 2023年 スタジオジブリ
監督 宮﨑駿
声の出演者 山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ

事前の宣伝や予告編などなく、一切が謎でも宮崎アニメと言うことと、モチーフとなった吉野源三郎著の小説「君たちはどう生きるか?」を昨年の暮れに読んで良かったので、いそいそと映画館へ見に行きました。

前作で最後の作品と言われていた「風立ちぬ」は零戦の設計主任堀越二郎をモデルとした宮崎アニメにしては珍しくファンタジーではなくリアリティのあるストーリーでしたが、今回はまた戻ってファンタジー映画です。

具体的な内容は書かないのがお約束ですから、単に還暦過ぎたオヤジの感想だけを書くと、やはり「オヤジにはファンタジーは似合わない」と言ったところでしょう。

タイトルからすれば、もう少し若者向けに人生の成功者である監督からのメッセージや教訓などが盛り込まれているのではと想像していましたが、そういうのはほとんどなしで、ひたすらファンタジーでした。

でもそうした宮崎アニメの本質に子供の頃から馴染んでいる多くのファンの人達にとっては、「これこそがジブリ作品」ということなのでしょう。

ただ過去の宮崎アニメはほとんど見てこなかった偏屈オヤジにとっては内容が理解不能だったということです。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

隣のヒットマン(原題:The Whole Nine Yards) 2000年 米(日本公開2001年)
監督 ジョナサン・リン
出演者 ブルース・ウィリス、マシュー・ペリー

妻と仲が悪くなっている歯科医が主人公ですが、もうひとりの主人公で一家の隣に出所したばかりの有名な殺し屋が引っ越してくることから起きるドタバタコメディです。

コメディと言ってもナンセンスなものではなく、それなりに筋は通した設定で、マフィアに追われて密かに引っ越してきた殺し屋ですが、その男をマフィアに売ることで家庭の大きな借金を返そうと主人公の悪妻が企みます。

しかし歯医者と殺し屋はご近所さんと言うことでなんとなく親しくなり、妻と殺し屋の間に挟まってオロオロするばかりというのが笑えます。

そのブルース・ウィリスも2022年に失語症など病気のため俳優を引退しましたが、調べると出演した映画は127本あり、出世作の1988年の「ダイ・ハード」はその後シリーズ化され6作が作られています。

独特の明るいキャラクターと困ったときの表情など多くの人を楽しませてくれました。本作でもタフで面白くカッコよい殺し屋を演じています。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟


オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(原題 Odd Thomas) 2013年 米
監督 スティーヴン・ソマーズ
出演者 アントン・イェルチン、アディソン・ティムリン

原作はホラーやスリラー、ファンタジー小説の大家、ディーン・クーンツの「オッド・トーマスの霊感」です。一時期、1990年代にこの著者の小説に凝っていたことがあり、過去に22作品読んでいて、この作品も2009年に既読でした。

監督は「ヴァン・ヘルシング」「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」で監督を務めた方でやはりアドベンチャーやファンタジーが得意な監督です。

主人公は、霊になって浮遊している死人が見える若いコックで、占いで一生共にすると言われた恋人がいます。

しかし住む街に主人公しか見えない死人が増えそうな時に集まってくる怪物が集まり始めていることに気がついて、何者かが大量殺人を画策していることを突き止めていきます。

スリラーというよりはファンタジーで、血だらけの死人が街を徘徊する主人公しか見えない場面とかも出てきますが、怖さはなく「ゴーストバスターズ」のノリみたいな感じです。

ラストはこうした作品ではまぁるく収まってハッピーエンドというのが多いですが、ラストにはちょっと衝撃的なアンハッピーエンドが待ち受けています。

小説ではオッド・トーマスシリーズは4作ありますが、映像化はこの作品だけです。おそらくイマイチ評判が良くなかったのでしょう。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

起終点駅 ターミナル 2015年 「起終点駅 ターミナル」製作委員会
監督 篠原哲雄
出演者 佐藤浩市、本田翼、尾野真千子

桜木紫乃著の2012年の短篇小説「起終点駅(ターミナル)」を原作にして製作されたシリアスな映画で、当初タイトルを見たときに「また、鉄ちゃん向け映画?」と勝手に想像していましたが、全然違ってました。

駅や鉄道が出てくるのは最後の場面ぐらいで、ほとんどは過去と現在を行き来する人間ドラマです。

既婚で息子が一人いる主人公の弁護士は、過去に不倫相手が目の前で飛び込み自殺をして失うというトラウマがあり、離婚し、養育費を送りながら、北海道の僻地で国選専門の弁護士をしながら質素に暮らしています。

違法薬物使用で逮捕された女性の弁護をした関係から、その女性が自宅へやってきて、まだ逃げている恋人を探して欲しいと頼まれます。

国選弁護しかおこなわないという理由で断りますが、やり直すため実家へ帰るので送って欲しいと頼まれ、クルマで送っていくことになり、そこに逃亡中の女性の彼氏が隠れ住んでいることがわかります。

その恋人と別れる決心をして、力強く生きていく女性の旅立ちに立ち会い、自分も生きる気力が湧いてくることになります。

また4歳の時に別れてその後一度も会っていない息子から、結婚式の招待状が届き、出席するかどうか悩みますが、息子の心のこもった手紙を読み出席する意志を固めます。

泣き所はないですが、地元のヤクザで主人公の弁護士を仲間に引き込もうとご執心な中村獅童の演技がなかなか堂に入っていて良かったです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ブラッド・ファーザー(原題:Blood Father) 2016年 仏
監督 ジャン=フランソワ・リシェ
出演者 メル・ギブソン、エリン・モリアーティ

マッド・マックス」や「リーサル・ウェポン」で男臭いハードアクションで一時代を築いたメル・ギブソンが当時60歳の老体に鞭打ち、自分の命をなげうって犯罪組織から娘を守るというハードボイルドなフランス映画です。

刑務所を出所後、犯罪から足を洗い、昔の悪い仲間からも距離を置いて静かに暮らしていた主人公に、家出をして長く音信不通だった娘から突然電話がかかってきます。

娘は犯罪組織にいる恋人と組織の金を持ち逃げしたと思われる夫婦を襲撃するとき一緒に加わりますが、あまりのひどさゆえ、恋人を誤射してその場から逃げ出します。

その結果、犯罪組織と警察の両方から追われることになり、父親の主人公に逃亡資金の無心のため電話をかけてきたという流れです。

過去に様々な犯罪や逃亡を経験してきた主人公が、娘を逃がすために一緒に行動を共にして危機を回避していきます。

しかし逃亡犯として警察からも指名手配され、昔の犯罪仲間からも裏切られ、追いつめられていくことに、、、

と、まぁありがちなストーリーで、最後はハッピーエンドとはいきませんが、メルの魅力を伝えたかっただけの派手な撃ち合いのあるドタバタ劇でした。

★☆☆

【関連リンク】
2023年5~6月 スペース カウボーイ(2000年)、幸せへのまわり道(2019年)、最後の忠臣蔵(2010年)、キネマの神様(2021年)、小説家を見つけたら(2000年)

2023年3~4月 ドライビング Miss デイジー(1989年)、カリートの道(1993年)、あかね空(2007年)、ジェシー・ジェームズの暗殺(2007年)、漁港の肉子ちゃん(2021年)

2023年1~2月 ガントレット(1977年)、折れた矢(1950年)、メンフィス・ベル(1990年)、どら平太(2000年)、ブロークンシティ(2013年)

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1728
スペース カウボーイ(原題:Space Cowboys) 2000年 米
監督 クリント・イーストウッド
出演者 クリント・イーストウッド、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド

この手の地球危機スペースヒーローもの映画はアメリカ人が大好きで、多々作られていますが、この映画もまさしくロシアの核ミサイルが搭載された人工衛星が故障して地球へ落下するかも?ということで、スペースシャトルに乗ったシニア達が命をかけて故障した人工衛星を修理し向きを変えるという内容です。

スペースシャトルは、宇宙もののドラマの中では船外活動が絵になる乗りもので、多くのスペクタル映画に登場してきました。スペースシャトルをやめてからも、その進化形がSF映画には登場するなど、映像化には欠かせないものとなっています。

今ではアメリカは民間観光用の宇宙ビジネスに熱心で、冒険型の宇宙開発は中国のほうが熱心なので、これからの宇宙冒険映画は中国で作られるものが多くなっていくかも知れません。

それにしても国家プロジェクトの衛星の打ち上げロケットが失敗続きの日本は、同じく失敗した北朝鮮並みということなのかな。

閑話休題、トップガンのような80年代にジェット戦闘機乗りで、いつかは宇宙に行くぞと技術を習得してきた主人公達でしたが、国の方針が変わり夢は実現しませんでした。

すでに引退してそれぞれの仕事や趣味をしていましたが、当時の技術で作られたロシアの人工衛星の姿勢制御システムを修理するためにスペースシャトルで宇宙に送り込まれるというストーリーです。なんとなく「七人の侍」みたいな感じです。

最後はお馴染みの「アメリカ人によって世界は救われた!」というのは他の作品と変わりません。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

幸せへのまわり道(原題:A Beautiful Day in the Neighborhood) 2019年 米(日本公開2020年)
監督 マリエル・ヘラー 出演者 マシュー・リス、トム・ハンクス、クリス・クーパー

意外にこうしたテーマの映画って少ないように思います。

主人公は妻もいるジャーナリストですが、やや理屈っぽくて性格に問題があり、また離婚して家を出て行った父親との葛藤を抱えています。

その主人公が雑誌社の依頼で、子ども向けテレビ番組の人気司会者へインタビューをしにいくわけですが、あらかじめ主人公の過去の記事を読み、気難しい性格と見抜いていた人気司会者は、心からわかり合える友人になりたいと距離を縮め、主人公の心の壁を徐々に壊していきます。

いわゆる大人の精神カウンセリングドラマというべきものでしょうか。その司会者役のトム・ハンクスですが、「テレビの有名売れっ子司会者にそんなお節介者はいないでしょう~」と思いますが、なかなか良い味を出しています。

決して派手なアクションがあるわけでもなく、極悪非道な悪人が出てくるわけでもなく、人が次々死んでいくこともなく、それまでまったく知り合いでもない人同士が、お互いのプレイベートにまで立ち入り心の救済をしていくという実際にはあり得ないけど、あれば素敵だな~と思わざるを得ません。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

最後の忠臣蔵 2010年 「最後の忠臣蔵」制作委員会
監督 杉田成道 出演者 役所広司、佐藤浩市、片岡仁左衛門

池宮彰一郎著の「四十七人目の浪士」(1994年刊、その後「最後の忠臣蔵」に改題再刊)を原作とした映画で、毎度お馴染み「また忠臣蔵か~」と、あまり乗り気はしないまま見始めました。

しかしこれは忠臣蔵や討ち入りが主題ではなく、討ち入りする直前に隊から逃亡した男と、討ち入りの場にいながらその後逃げて名前を変え住まいを変えて、亡くなった四十六士の遺族をまわって生活の援助をする役目を命ぜられた男の二人の討ち入り後を描いたものでした。

なぜ討ち入り直前に「裏切り者」のそしりを受けながらも密かに隊を抜けなければならなかったのか、そしてその秘密を最後まで守らなくてはならなかったのかなど、その理由が最後に明らかになってきます。

もちろん創作劇ですが、日本人の多くがよく知っている「忠臣蔵」を土台にしているところが、この映画のミソなのでしょう。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

キネマの神様 2021年 「キネマの神様」製作委員会
監督 山田洋次 出演者 沢田研二、菅田将暉、永野芽郁

映画の原作は原田マハの長編小説(2008年)ですが、映画化にあたっては大幅に変更となっているそうです。この映画で2021年度の日本アカデミー賞を作品賞含め8賞で受賞しています。

元々主役には映画初主演の志村けんが予定されていましたが、クランクインの2020年の春に新型コロナに罹ってしまい、その後急死するという事態が起き、急遽代役に沢田研二が演じることになりました。映画の途中で主役の沢田研二が授賞式の場で明るく東村山音頭を歌う場面には泣かされます。

ストーリーは、昭和時代の松竹大船撮影所で、助監督として働く主人公の若い時の話しと、現在の落ちぶれてギャンブルとアルコール漬けの日々を送る話しが交互に語られます。

こうした昭和時代の映画が絶頂だった時代の話は時々目にしますが、そうした日本の高度成長期と足並み揃えて輝いていく映画史の1ページを現代に見られるというのは楽しいものです。

ちょっと老人の古き時代を実際以上に美化しすぎの面はありますが、私自身、見ていて目がウルウルしてしまうのは決して年をとったからだけではないでしょう。

キャストは、上記のメイン出演者の他に演技派の宮本信子や寺島しのぶが親子で、さらに主人公の孫にはお笑い芸人の前田旺志郎、松竹の俳優役として北川景子やホンのチョイ役でしたが今井翼、主人公が若いときの師匠の売れっ子監督(役名は出水宏監督ですがこれは1950~60年代に活躍した清水宏監督のもじり)にリリー・フランキーなど、多彩なメンバーが揃っています。

それらの俳優陣に加え、今はない大船撮影所の風景や、昭和の時代を描くのにVFX監修として山崎貴が加わっていますので最高のチームと言えるでしょう。

コロナ禍の中での撮影・上映と、苦労が多かったらしい映画ですが、見応えのある面白い映画でした。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

小説家を見つけたら(原題:Finding Forrester) 2000年 米
監督 ガス・ヴァン・サント 出演者 ショーン・コネリー、F・マーリー・エイブラハム

誘う女」(1995年)、「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(1997年)の監督だったガス・ヴァン・サント氏の監督作品で、内容も主人公の貧しい若者が隠れた才能をもう一人の主人公に見出されていき開花していくという「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」と似た感じです。

ニューヨークの貧しい地域に住む黒人の高校生が、遊び仲間にそそのかされて、不思議な老人が住んでいるアパートへ夜に侵入するも、見つかってしまい、慌てて自分の鞄を置いたまま逃げ出します。

その鞄の中には日々思いついた文章を書き綴ったノートが入っていて、ある日その鞄が窓から投げ返され、ノートを見ると赤字で様々な評価や添削が書き付けられています。

そのアパートの住人は、実は50年前に大ヒット作品を書いた著名な作家で、その最初の作品以外は出版せずひとりでひっそりとニューヨークに住んでいます。

そうしたことから若い黒人男性と忘れかけられている作家の間に不思議な関係ができ、文章を作る様々なアドバイスを受け、やがて高校の中でも「うますぎる」と話題になっていきます。

さらに作家から「部屋で書いたものは一切持ち出し禁止」と言われていたのに、練習のために作家が1960年代に書いたエッセイのタイトルと書き出しを使って書いた作品を高校に提出してしまい、それが盗作だとという指摘を受けて退学の危機に陥ります。

こうした青春群像を描かせるとこの監督はうまいですが、誰が見てもこうした特殊な才能をもった若い人が周囲の無償の支援を受けながら成功していくという現代の「アメリカンドリーム」はリアリティはないだろうなと思います。

最初、タイトルを見たときは「恋愛小説家」(1997年)のような、売れっ子作家と貧しいながらも一生懸命働く女性との恋愛ものかな?と思っていましたが、そうした恋愛ではなく、50歳以上年の離れた友情がテーマでした。

★★☆

【関連リンク】
2023年3~4月 ドライビング Miss デイジー(1989年)、カリートの道(1993年)、あかね空(2007年)、ジェシー・ジェームズの暗殺(2007年)、漁港の肉子ちゃん(2021年)

2023年1~2月 ガントレット(1977年)、折れた矢(1950年)、メンフィス・ベル(1990年)、どら平太(2000年)、ブロークンシティ(2013年)

2022年11~12月 るろうに剣心 最終章 The Final、 The Beginning(2021年)、マイ・インターン(2015年)、蜂蜜と遠雷(2019年)、ブリット(1968年)、シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年)



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1720
今年の3月からNHK BSで毎週1話ずつ放送されていたプレミアムドラマ「グレースの履歴」(1話~8話、1話50分)を録画して一気に見ました。お金もかけた上質なドラマだったのでそのうち地上波でも放送されるような気がします。また有料ですがNHKオンデマンドならいつでも見ることはできます。※画像はすべてNHKより拝借しています

グレースの履歴

普段はこうした長いドラマは退屈で疲れるので、あまり見ないのですが、このドラマ、予告編でホンダの1960年代の名車S800(エスハチ)が登場していたので、ちょっと気になって録画しておきました。

原作は源孝志氏の2010年に出版された小説「グレース」(2018年文庫化の際に「グレースの履歴」と改題)です。

結論から先に言うと、人間ドラマあり、ホンダS600の感動的な話あり、主演の尾野真千子と滝藤賢一以外に回ごとに登場してくるスペシャルゲスト?が豪華、エンディングテーマ曲も洒落ていて面白いドラマでした。

簡単にストーリーを紹介しておくと、子どもがいない中年夫婦の妻が単独でフランス旅行中にバス事故で亡くなってしまうことから物語は始まります。

その妻は、ホンダS800(左ハンドル)を中古で購入し、とても大切に乗っていましたが、成田空港の駐車場に置きっぱなしになっていたS800が遺族の夫の元へ戻ってきます。

また、妻は夫に内緒で白血病の治療をしていて、もしもの時のために弁護士に依頼して遺言を残していましたが、その中に「グレースはできれば処分しないで夫に乗って欲しい」と書かれています。グレースというのは、妻が買ったS800につけた愛称です。その愛称グレースにまつわる話しは後ほど。

妻の遺言を守るため、主人公は運転免許を取得し、S800に初心者マークをつけて乗りますが、カーナビに残っていた目的地履歴のリストを見ると、フランスへ行っていたはずの日程と走行履歴の日時が重なっていることに気がつきます。

つまり、2週間の予定で渡仏していたはずが、そのうちの前の1週間はS800で国内旅行をしていたことになります。これはもしかして夫には内緒の浮気旅行なのか?という疑問が湧きます。

謎が深まり、フランスへ行っていたはずの日時にカーナビ履歴に残っている目的地へ主人公がS800に乗って旅をするというロードムービーです。

初回は起承転結の起で、妻が亡くなり、残された夫が妻の不可解な行動に気がつき、悩みながらも第2話から妻の行動をS800とともに辿る旅に入ります。

第2話では最初の目的地だった場所へ向かいますが、そこでは妻の結婚する前の元彼だった男性(伊藤英明)が夫婦でそば屋をやっていて、なぜここへ来たのか話し合うことになります。

第3話では夫の故郷である松本へ行き、その後諏訪で田舎道を快調に飛ばしていたらエンジンがオーバーヒートしてしまい、偶然通りかかったバイク乗りの女性(山崎紘菜)に救われ、近くにある腕の良い修理工場を教えられます。

その修理工場(実はバイクショップ)のオヤジ(宇崎竜童)が、かつてはホンダの社員でS800の開発にも関わり、その後は世界中をレースに帯同するメカニックとして活躍した伝説の有名人だということを知ります。

グレースの履歴2

第4話では、S800が国内はもとより世界でも大人気で、映画女優からモナコの公妃となったグレース・ケリーも愛車にしていたという話を聞き、妻がこのクルマを「グレース」と名付けた理由を知ります。

そして若い頃モナコでS800の修理をレースのサポートで当時同国に滞在していたその店のオヤジが公妃の館に呼ばれ、S800を修理した思い出話をします。その時にイタズラ心でS800にちょっとした落書きをしておいた話しをしますが、実は今回の修理でその時の傷痕を見つけます。

第4話の終盤には伊吹山の道の駅から京都へ向かおうとしているヒッチハイカー(林遣都)を乗せ、第5話では子供の頃に両親が離婚し出て行きその後一度も会わなかった母親(丘みつ子)と弟(柄本佑)と再会します。

第6話では、ヒッチハイカーが目的地としていた京都へ行き、そこでヒッチハイカーの男性が一度も会ったことがなかった腹違いの兄(木村祐一)との兄弟の対面に協力することになります。

そして次の目的地の途中にふと因島へ立ち寄りますが、そこは妻にプロポーズをした場所で、妻の遺品に残っていた謎の写真の意味が判明します。

第7話はいよいよ目的地履歴の最後の場所松山で、目的地には高校と大学の同級生で結婚も考えていながらフラれてしまった女性(広末涼子)がやっているフラワーショップが示されていました。

グレースの履歴3

最終回の第8話では、再会した元恋人から妻とのやりとりを聞かされ、、、そこで妻がこの国内旅行とその履歴をカーナビに残した本当の理由がわかってきます。

という、ロマンチックでミステリーな、そして旧車のファンにも嬉しく、さらにファンタジー要素も加わった面白いドラマでした。

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1716
ドライビング Miss デイジー(原題:Driving Miss Daisy) 1989年 米(日本公開1990年)
監督:ブルース・ベレスフォード 出演者:モーガン・フリーマン、ジェシカ・タンディ

1990年のアカデミー賞では9部門でノミネートされ、そのうち作品賞、主演女優賞、脚色賞、メイクアップ賞の4部門で受賞した作品です。

高齢になってそれまで自信を持っていたクルマの運転が怪しくなってしまい、家族から運転を辞めるように言われる導入部は、今の高齢化が進む日本社会を象徴しているようです。

時代背景は1940年代で、主人公は長く勤め上げた教員生活を引退し、別居している息子は父親の工場を継いで社長の座についていて、優雅な老後生活を送っています。

ところが高齢で運転を誤り自損事故を起こしてしまい、息子から専任の運転手を雇ったから自分では運転しないようにと釘を刺されますが、最初のうちはプライドが邪魔をしてなかなか運転手と折り合えず乗ることを拒否します。

しかし徐々に打ち解けていって、その後はいつもどこへ行くのも運転手に頼るようになり、あるとき州を越えて南部の町へ遠出をするに至ります。

その長距離ドライブ中には、その地域で人種差別がまだ根深く残って、黒人の運転手は警察官に嫌がらせを受けたり、ガソリンスタンドで白人と同じトイレが使えなかったりする様子が描かれています。

1970年代に入り、認知症を患って介護施設に入院している老女を見舞った運転手は、お互いに昔を思い出して仲の良い友人として再会を喜びます。

心が温かくなるストーリーですが、なんしろ恵まれたお金持ちの老女と、使用人の黒人運転手の友情ですから、アメリカの映画では良くある「過去は反省しています」「人種差別主義者だけではなく黒人に対して心の温かな白人もいましたよ」を強くアピールしています。

ちょうど以前見た「ミシシッピー・バーニング」(1988年)や「最高の人生の見つけ方」(2007年)、「グリーン・ブック」(2008年)などと同じで、白人の白人のための自己肯定感あふれる作品というところはいつものパターンです。

★★★

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カリートの道(原題:Carlito's Way) 1993年 米(日本公開1994年)
監督:ブライアン・デ・パルマ 出演者:アル・パチーノ、ショーン・ペン

ニューヨーク州最高裁判所の元判事が書いた小説が原作で、タイトルにもなっている主人公カリートは、ニューヨークの麻薬密売ビジネスで有名人でしたが、捕らえられて30年の刑期を受けていました。

しかし収監後5年経ったときに親友の弁護士が様々な手を打って釈放されるという幸運に恵まれます。

出所したカリートは、麻薬や犯罪組織からは足を洗おうと決意し、親友のつてでクラブ経営を始めますが、昔の仲間や同業者達が、次々とやってきて穏やかな生活を許してはくれません。

結果的に親友の弁護士がマフィアに脅されて収監中のボスの脱獄を手助けする仕事に手を貸すこととなりますが、弁護士は脱獄を助けるどころか、そのマフィアのボスと息子を殺害してしまい、二人はマフィアから狙われることになります。

アル・パチーノの53歳頃の作品で、脂ののりきった頃の名演技に惚れ惚れします。映画の中でも刑務所に5年間いただけで世の中がガラリと変わってしまい、自分がすでに老いてしまったことを告げるシーンがあります。

映像も美しく、妖しく暴力的なニューヨークの夜の世界がよく描かれています。昨年見たニコラス・ケイジ主演の「救命士」(1999年)や、ずっと昔に見た「タクシー・ドライバー」(1976年)など、ニューヨークの夜が舞台の優れた映画が時々出てきます。

★★☆

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あかね空 2007年 製作会社 あかね空LLP/OLC・ライツ・エンタテインメント
監督:浜本正機 出演者:内野聖陽、中谷美紀、中村梅雀

原作は直木賞を受賞した山本一力著の小説で、私も2012年に読み、その年の最高作品に選んでいます。

2012年に読んだ本のベストを発表 2013/1/7(あかね空)

小説を読んでいたので問題なく理解できましたが、登場人物が多く2時間程度の映画で描くにはしっかり集中して見ないと、誰が誰でどうしてそうなったというのがこんがらがって意味不明になってしまいそうです。そのせいかわかりませんが、映画としてはあまり評価が高くなく、興行収入もよくなかったようです。

時代は江戸時代の話しですが、侍などは出てこず、商人たちの物語です。

京都から江戸に出てきた豆腐職人が長屋に豆腐店を開きますが、近くには20年前に息子が神隠しにあって跡継ぎがいない豆腐屋があります。その豆腐屋の女将がその京都から来た豆腐職人の姿を20年前に行方不明になった息子が成長した姿とダブってしまいます。

時は過ぎ、豆腐職人は事故で早世し、その息子達が後を継いで豆腐店を続けますが、その店をヤクザと組んで乗っ取ろうとするライバルの豆腐店が現れます。

そこで出てくるヤクザの親分が、豆腐店の長男が背負った博打の借金を取り立てるため、豆腐店の前に立った時、子供の頃の複雑な記憶がふとよみがえってきます。以下自粛

主演の内野聖陽が二役を演じ、良い味を出しています。

最後はハッピーエンドで終わりますので安心して見ていられます。

★★★

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ジェシー・ジェームズの暗殺(原題 The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford) 2007年 米(日本公開2008年)
監督 アンドリュー・ドミニク 
出演者 ブラッド・ピット、ケイシー・アフレック、サム・シェパード

日本ではほとんど知られていませんが(私はまったく知りませんでした)ジェシー・ジェームズという人物はアメリカでは相当有名なアウトローだそうです。日本で言うところの鼠小僧次郎吉ってところです。

南北戦争(1861~1865年)後、25件以上の強盗と17件の殺人を犯し、賞金がかかった重罪人ですが、富豪から金品を奪って民衆に配っていたことで、大衆からは英雄と称えられていました。

そのアウトローの活躍を中心に描いたものではなく、子供の頃からジェシー・ジェームズに憧れてやっと仲間にしてもらった臆病で小心者の若者視点で描かれています。

その若者ですが、自宅でくつろいでいて油断をしていたジェシー・ジェームズが背中を向けたときに射殺して賞金を得るわけですが、「アメリカでもっとも卑怯な男」として名を残すことになります。

なぜ憧れていたジェシー・ジェームズを射殺したのか?というのがテーマですが、その心の変遷はよくわかりませんでした。

強いて言うなら、小心者の若者が、偉大な人物を仕留めることで自分がその偉大な人物に並ぶことができるかもという安易な発想から数少ないチャンスをものにしたということでしょうか。

★★☆

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漁港の肉子ちゃん 2021年 制作 STUDIO 4℃ 製作 吉本興業
監督 渡辺歩 企画・プロデュース 明石家さんま
声の出演 大竹しのぶ、Cocomi、花江夏樹など

西加奈子著の2011年出版の同名小説が原作で、明石家さんまがテレビ番組『さんまのまんま』に著者がゲスト出演したことがきっかけとなり、吉本興業を巻き込んで同作のアニメ映画化が決まった作品です。

東北の漁港に暮らしている母子を中心に、日々の生活を描いていて、学校でのイジメ、顔面神経症の同級生、母親が抱えている親子の秘密など、暗くなりそうなテーマがありますが、男運には恵まれませんが天真爛漫な母親の陽気さと、母親とは姿形がまったく似ていない冷静で細身の母親思いの娘の二人が、明るく常に前向きなために陰湿なムードは微塵もありません。

特になんてことはない田舎の漁村での生活風景ですが、そこにいる人達は人情味があり、時間も都会よりもゆっくり流れている感じが、美しい風景とともによく描かれていると思います。

★★☆

【関連リンク】
2023年1~2月 ガントレット(1977年)、折れた矢(1950年)、メンフィス・ベル(1990年)、どら平太(2000年)、ブロークンシティ(2013年)
2022年11~12月 るろうに剣心 最終章 The Final、 The Beginning(2021年)、マイ・インターン(2015年)、蜂蜜と遠雷(2019年)、ブリット(1968年)、シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年)
2022年9~10月 バニラ・スカイ(2001年)、千利休 本覺坊遺文(1989年)、パリは燃えているか(1966年)、御法度(1999年)、墨攻(2007年)



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