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高齢者向けビジネス(第1部 居住編)高齢者向けビジネス(第2部 趣味編)に続く第3弾は仕事編です。仕事のビジネスっていうのもなんか変なのですが、いわゆる生活費を稼ぐため、あるいは生き甲斐やちょっとした小遣いを稼ぐために働き続ける高齢者向けのサポートビジネスと言ったほうがいいかもしれません。

生活費を稼ぐために働く場合ならば、できるだけフルタイムの正社員勤務が望ましいですが、55歳を超えてから新たに正社員で雇ってもらえる可能性は、よほど強い縁故や専門技能でももっていないと皆無でしょうから、一般的には長期間+フルタイムで働ける契約社員や嘱託などの非正規雇用に頼らざるを得ません。

また稼ぐつもりなら土・日曜日が出勤(代わりに平日が休み)の業務や、深夜・早朝勤務といった普通一般の人があまり好まない勤務体制で働くことで、「非正規+高齢」という大きなハンデを乗り越える必要があるでしょう。もちろん特殊な資格があればそれを生かせればより有利です。

一方、生き甲斐のために働き続けたいとか、年金にプラスして少しお小遣いを稼ぎたいという高齢者は、毎日、月~金で朝から晩までのフルタイムで働く必要はなく、空いた時間や無理のない程度に働くというパートやアルバイト、派遣、ワークシェアリングといった形での労働が適しています。

ずっと昔から高齢者を対象とした派遣ビジネスというのは盛んに行われています。自由化が進む派遣業界も、以前は派遣期間や派遣職種など厳しい制約がありましたが、高齢者(60歳以上)の派遣の場合は、それらの制限(対象職種や期間など)が撤廃されていて割と自由にできるというメリットが労使双方にあります。

また4月に書いた「今こそワークシェアリングを根付かせるチャンス(かも)」では、元々主婦や学生など短時間労働を希望する人や、夜間に学校へ通う人、逆に昼間勉強したり用事があって夜しか働けないという人がワークシェアリングを使うものでしたが、これからは時間に余裕のある元気な高齢者がひとつの仕事を分け合って働く仕組みとして有効だと書きました。

繰り返しになりますが、高齢者が若い人のパートやアルバイトと比べて有利な点は、一般的に社会経験が豊富で(対人関係のトラブルが少ないとか、暗算での計算が速いとか、仕事の要領がいいとか飲み込みが早い)、働く時間帯は早朝から深夜まで割と自由に設定ができ(勤務シフトが組みやすい)、さらに長年社会人としての自覚があり、信用や信義を重んじますので、若い人よりは無断欠勤や遅刻、突然の退職なども少ないときています(人によるところが大きいですが)。

もちろん体力がない、病気や怪我をすると完治するまで時間がかかる、長時間ひとつのことに集中できない、機敏に動けない、ITに弱い、眼や耳が悪い、若い社員が父親のような高齢者を使いにくい、などデメリットもありますが、それらを考慮した上で、1日4~5時間の短時間勤務で高齢者シフトを回していくという働き方は、それなりに労使双方にとってメリットのあることではないでしょうか。

それらの仕組みを1企業でおこなうのは求人やシフト作成、勤怠管理、給料計算・支払など労務管理上面倒なので、できれば派遣会社や人材コンサル会社が代行して募集~労務管理をおこなうのがベターと思われます。

一例を挙げると、マンションの管理人は住み込みでなければ通常は平日のみ9時~17時までの勤務体制が普通ですが、保安上や宅配便の代理受け取りなど考慮すれば、土・日曜日も含め24時間とは言わないまでも8時~23時頃まで管理人が常駐すれば、昼間は働いている人でも管理人とコミュニケーション(頼み事だとか、設備の修理依頼など)がとれますし、また1人住まいの高齢者や、両親がともに働いて夜まで子供だけの世帯を気にかけておくこともできます。

この8時~23時の1日15時間勤務は、ワークシェアリングで6名(1日5時間ずつ3人のシフトで1日おきに勤務)の管理人がシフトを組めば可能で、年金をもらっている高齢者にとってはほどよい勤務時間・日数です。

利用者側も部屋を別に用意して住み込みの管理人を雇ったり、同様の時間を専門の警備会社に委託するよりもずっと格安で済むはずです。

人材派遣といえば以前なら主婦や子育ての終わった女性が再び社会に復帰する際に利用したり、プログラマのような専門技能を持つ人がフリーの立場で働いたり、製造業などで時期によって業務量に波があったりする季節労働的な働き方をする人に向いたものとされましたが、これからはサービス業を中心に、恒常的な高齢者派遣ビジネスが主役に躍り出ても不思議ではありません。

ひとつの例ですが、株式会社高齢社という「高齢者の高齢者のための高齢者による」会社がもう10年以上前に設立され成果をあげています。

またその他多くの派遣会社がシニア派遣と銘打った独自のサービスを展開しています。

私もあと4年にせまる定年後にはこれらのサービスに登録し、お世話になるかも知れません。

次に高齢者の仕事と言ってもその体力や健康状態で様々変わってくると思われます。

派遣の場合だと主としてサービス業(ビルメンテ、修繕・修理・点検、飲食店、販売店、駐車場、警備、管理人、電話応対、配達、チラシ配りなど)ですが、これから高齢者がおこなう仕事の中でもっと流行りそうなのは、自宅でもできる内職系がヒットする予感があります。

内職というと今までのイメージは主婦などがおこなう翻訳、データ入力、採点、シール貼り、DM発送、テレアポ、刺繍や裁縫などなど。

しかし社会経験が豊富な高齢者がおこなう内職は、各種のネット販売やネット仲介、ネット売買代行、ホームページ更新、データサーチャー、メルマガ執筆・配信代行、技術マニュアル製作、ネットワーク監視、講演・演説のシナリオ作成、翻訳・校正、投資相談、節税相談など幅はさらに拡がっていきそうです。

一般的な高齢者の場合、ある程度の年金をもらっていますので、毎日フルタイムで働く必要がある人ばかりではありません。もっと言えば貯金もあるので月に数万円の小遣いが稼げばいいという人もたくさんいます。

それならば、アフェリエイトや仲介、代行のネットビジネスをすることで、ある程度知識と経験を積めばそう難しいことではありません。

とにかく時間はいくらでもありますから、会社で働きながら副業でそうしたことをやっている人からすると羨ましいぐらい自由な時間があるわけです。

そしてそれが高じ、月に十数万円も稼ぐようになってくると、もう立派な個人ビジネス、個人事業主です。最近増殖してきているCGMというビジネスモデルがありますが、それはアマチュアの読者に記事やコンテンツを書いてもらって、それをたくさん集めてメディアと称する「人のフンドシで相撲を取る」ものです。つまり裏を返せば普通の読者が書いたものがお金に替わることもよくある話しなのです。

そのひとつにレストランや物販の評価サイトでサクラの書き込みをするようなあまりお勧めできないネット内職もありますが、そうした人を騙す目的ではなく、地元企業に地域の名所紹介文を頼まれて書いたり、近所の商店会のホームページに沿革やPRコピーを書いたりと、最初のうちは頼まれてボランティアで引き受けていたとしても、それが評判になると次は有償で依頼されて、人に喜ばれるような仕事もあるでしょう。

但し、文章がそこそこ書けると言うだけでいきなりプロのライターになろうと考えるのは大甘で、ただでさえフリーライターをやっていて、それだけで食えている人はごくごくわずか、せいぜい自分の目が届く範囲で、基本は趣味の延長ぐらいと考え、まずは副業的な小遣い稼ぎに徹したほうがいいでしょう。

ネットでできる仕事がいいと思うのは、実に高齢者向けの仕事だからです。

まず自宅の中にネット環境さえあればできます。団塊世代以下で技術職やホワイトカラーだった人ならまずPCは扱えるでしょう。

しかも文章を書くのは昔から書籍や新聞を熱心によく読み、稟議書や報告書、起案書、マニュアルなどビジネス文書を書くのも手慣れたものです。

最新テクノロジーや知らない業界のルールなどは新たに勉強していく必要がありますが、そうした副業用勉強パックを高齢者に向けて販売するのもひとつの仕事になるかも知れません。前回書いた趣味編の料理教室の下の階では高齢者向けの「ネットビジネス教室」ができるかもしれませんね。

この高齢者がおこなうネットビジネスで注目したいのは、実は私がやりたいと思っていることですが、地方の農産品のネット直販をごく少量から引き受けて代行するビジネスです。

自分の実家のある出身地にいる古い友人・知人や、旅行先で知り合った農家さんでもいいのでそういう人から農産品販売の委託を受けます。

つまり小さな農家が自分でわざわざ楽天やyahoo!ショッピングに店を構える必要などなく、親しくなった農家の人から毎朝FAXかメールで「今日はダイコンとニンジン各50本、ハクサイ30個、自家製タクアン漬け20本を1個○○円で売りたい」と委託されたら、それを利用料のかからないyahoo!ショッピングに写真入りで出品し、購入者が現れたらその送り先を農家に伝え、送料と販売価格の何割かを農家の人に渡すというスキームが出来上がります。

売れなければそれは市場価格に合っていないということですから、それを伝えてノウハウを積んでいけば、やがては常連さんもつき、売れ残りもなくなっていくようになります。

JAや会社が事業としておこなうなら、ある程度まとまった分量と、形の整った製品(規格品)でなければ成立しませんが、小遣い稼ぎの個人がおこなうなら、どんなに少量の出品でも、また曲がったキュウリでも、表面に少し傷が入った果物でも出品が可能です。

個人でおこなうなら、少量であっても複数の農家と手を組み、毎日2~3時間やればそこそこの小遣いにはなりそうです。

私なら近所の道の駅へ行って、そこで販売されている地元特産品(加工品や農産物)の製造者と交渉し、まだネット販売を手掛けていない商品の代行販売をおこない、売れたらその手数料を得るというところから始めますね。仕入や発送、入金管理等が不要でノーリスクですから。

そして自宅の押し入れの中や倉庫に眠っていて、捨てたい、あるいは誰かにあげたいと思っているものって結構あるものです。

ご近所の中で顔が広い方であれば、知り合いの方にそうしたものを出してもらって、代わりにネットオークションに出品し、落札価格の20~30%程度を手数料としてもらうというビジネスもすぐにでも始められそうな仕事です。

落札後のクレームなど、リスクがまったくないとは言えませんが、通常ならご近所さんにも喜ばれ、買った人にも喜ばれ、3者3得の満足が得られそうです。


【関連リンク】
820 高齢者向けビジネス(第2部 趣味編)
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
800 高齢化社会で変化している交通事故の統計を見る
733 高齢者の地方移住はこれからも進むか

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813
以前、「道の駅は次の段階へ進めるか」というブログを書きました。そして日曜日に私がよく見ている「ザ!鉄腕!DASH!!」というテレビ番組の「0円食堂」というコーナーで各地の「道の駅」がいつも登場するのをみて、再びこの「道の駅」について書いてみようと思いました。

番組では料理が作れるキッチンカー(NHKの「キッチンが走る」のパクリとも言える)が全国各地を走り、その土地で獲れる野菜や名産品を無料(捨てるものが前提)でゲットし、料理に仕上げるというたわいのないものですが、その地方の名産品がなにかを調べるためにTOKIOのメンバーがまず道の駅へ向かい、そこで陳列されている地元の食材から生産者を訪ねるというのが定型パターンとなっています。

1988年から始まった道の駅の最初の頃はと言うと、広い駐車場とトイレと自販機だけで、誰も人がいなく観光案内のパンフレットが机の上に置かれた寒々としたインフォメーションコーナーぐらいしかなかったものですが、やがて売店やレストランが併設されるところが増え、今ではその地域で摂れる野菜や名産品、お土産を売るスペースがかなり拡がっています。

私が以前書いたブログでは、高齢化で限界集落など寒村化していく地方の町や村の物流拠点として道の駅をうまく活用すれば、少しは過疎化した村や町の延命の役に立つのでは?という趣旨のものですが、番組でもその地域の情報を調べるのに重宝しているようで、道の駅がその地域にある地場産業の見本市、アンテナショップの機能を果たしていることがよくわかります。

いま道の駅は全国に約1000箇所ありますが、クルマに乗って旅行する時に感じるのは、もっと増やせばいいのにという思いがあります。

交通量の多い道では走行している車線の反対側に道の駅があると、そこへ入るのも、そして出る時にも不便なので、道の両側(上り線と下り線)に別々の道の駅があって競い合うのもいいのになと思うぐらいです。

各47都道府県の単純平均では1都道府県当たり21箇所になります。これが仮に倍に増えたとしても、道の駅がある地元の住民や旅行者が困ると言うことはないでしょう。

ただ道の駅は一般的に土地や建物の基盤を市や町が作り、中で営業をおこなうのが民間で家賃を市や町に支払うということで、一部に税金を使っての民業圧迫を言う人も確かにいます。

確かに都会の中や商業エリアに堂々と開設すればそれもわかりますが、ほとんどの道の駅は周囲に店の少ない郊外地域や地方の国道にポツリとありますからそう目くじらをたてなくともいいのではないでしょうか。

それよりも旅行者や職業ドライバーが地域の観光案内を調べたり、気持ちよく休憩し、トイレを安全に借りられるメリットのほうがずっと大きいように思います。

特に過疎地はもちろんのこと、都会の中でも高齢者ばかりになってきた古い団地周辺ではそれまで細々営業していたスーパーや商店が次々と閉店しています。地方都市では大きなショッピングセンターが撤退したケースもよく聞きます。

そうしたスーパー撤退の跡地やバブルの頃の開発が止まったままで余っている土地や建物に、道の駅の認定基準を満たす施設を自治体や市町村が支援して作ることで、遠くのスーパーや商店まで買い物にいかなくても地元住人にも役立つし、もちろん旅行者やクルマを使って働いている人に役立つでしょう。

国交省から道の駅の認定を受けるには、

 ・24時間利用可能な一定数の駐車スペース
 ・24時間利用可能で、断水時でも使用可能なトイレ
 ・24時間利用可能な電話
 ・情報提供施設を備えた施設
 ・非常食・飲料水の備蓄
 ・停電時の非常用電源の確保等

などで、これらの設備や備蓄品は非常時や災害時に役立つことは明白なので、その多くは税金でまかなうことも許されるでしょう。

例えば大雪災害や、近年増えている巨大台風や竜巻が来ても、こうした道の駅が要所要所にあり、地元の人も通りすがりの人もそこへ逃げ込めば助かるという防災拠点になります。

それに最近流行の共同販売所では、JAに出荷するような専業農家ではなく、少量しか生産していないような兼業農家や高齢の農業従事者でも、自家消費しない野菜や果物、水産物などを地元の道の駅へ持込んで委託販売すれば、農家の新たな収入源となり、そのために新たな地元の雇用が生まれ、行政にとっても商取引が増えれば税収も期待できます。

地元名産品以外でも、例えばフリーマーケットのような委託販売もやろうと思えばすぐに可能です。

あと道の駅の付帯設備や機能としてあったらいいなと思うのは、その地元の名物や名産品が安くて手軽に食べられるファストフード店、ドラッグストア、コンビニ、住民票発行などの公共サービス、金融機関のATM、郵便局(分室でも可)、ガソリンスタンド(災害時に役立つので町営や村営でも可)、宅急便等の共同物流窓口、簡易診療所、銭湯、コインランドリー、ネットカフェ、仮眠室、図書館、レンタルビデオ店、学習塾、公衆Wi-Fi設備、観光・宿泊案内所などでしょうか(一部についてはすでに完備されているところもあり)。

しかもそれらの店の営業時間が10時~17時みたいな昔の公営事業みたいな定形ではなく、早朝から深夜まで開いていると、旅行者だけでなく地元の人達にもすごくありがたいでしょうね。

広い地域にまたがっている場合は、公営バスが各集落と鉄道駅のあいだを結ぶだけでなく、この道の駅にも立ち寄るようにすれば、クルマを持たない地元民の集会所、公民館的な施設の使い方も可能でしょう。

そうすれば地域住民同士の交流の場となり、そこから生まれる地域活性化策につながるかもしれません。

個人的には全国の道の駅をくまなく調べ、もっと活用してもらえる工夫やアイデアを出して、雇用や収入を拡大(税収も拡大する)させて出来高払い(増益した分の何割かを成功報酬としてもらう)の「道の駅コンサルタント」的な仕事が成り立ちそうだなぁと前から思っているぐらいです。国交省や自治体にかけ合ってみるかな。

仕事はしたくないクセに、引退後にはあれもやりたいこれもやってみたいということがいっぱいあって困ります。


【関連リンク】
780 あらためて高齢社会白書を概観してみる
733 高齢者の地方移住はこれからも進むか
719 道の駅は次の段階へ進めるか
715 人口減少と鉄道路線廃止
711 地方が限界集落化していく
706 高齢化社会の行方
583 人口が減るのもいいんじゃない

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812
ワークシェアリングとは、ひとつの仕事を複数の人で分かち合うことで、企業側からすれば効率的に人員を配置することができ、また働く側からするとフルタイムで働けない人や、残業や休日出勤など長時間労働を避けプライベート時間を大切にできるというもので、今の生活重視志向のライフスタイルとはうまくマッチしたものと考えられています。

しかし残念ながらワークシェアを希望する人と、求める企業側とのミスマッチが多く、また労働管理上の負担になることから、一部の長時間に及ぶような仕事以外を除き、まだ一般的に普及しているとは言えません。

工場などでは忙しいときにはラインを24時間稼働し、そこで働く人は3~4交代制で働くこともあるわけで、同様に長時間営業の飲食店やコンビニなどでも社員やバイトのシフトを組んで交代で働いていますので、一部の業種や職種ではワークシェアリングがおこなわれているのも事実です。

その他にも24時間休むことができない入院患者がいる病院や介護施設、朝から夜まで長時間対応が当たり前になってきたコールセンター業務、その他一部の長時間対応のサービス業、休みなく毎日動かす必要がある交通機関などでも同じ仕事を複数名で分かち合っているのが普通でしょう。

しかし一般事務職や経理事務、法人向け営業職などホワイトカラーと呼ばれている仕事では、業務の特殊性や連続性、業務量に繁閑があったりしてその導入が進まず、結果として一部の人が長時間残業したり休日出勤をして業務処理をするということが日常的におこなわれています。

またホワイトカラー以外の仕事でも職人と言える職種など人本位(この人がいるからこの仕事ができる)というの職業では導入が進みません。

昼間の時間だけでなく24時間動かし続ければもっと効率が良い運用が可能となり、コスト削減にもつながりそうな仕事もあると思うのですけどね。

私の考えでは、すべての業務においてワークシェアリングは可能で、ホワイトカラー職や職人と言われる職においても、いち早く導入できた企業こそ、コストと便利さで生き残っていくのではないかと思っています。

まずなぜホワイトカラー職でワークシェアリングの導入が進まないかと言えば、ひとつには企業側の考え方として「サービス残業含め残業や休日出勤をして、ひとりでこなせているのだからそれでいいじゃない」という思考停止、あるいは「配置の手間や新たな人の教育に時間がかかるしこれ以上仕事を増やしたくない」という後ろ向きの理由が多そうです。

個人に頼る働き方、働かせ方は、従来のように「終身雇用+企業へのロイヤリティが高い従業員」が多い中ではそれでよかったのかもしれませんが、新卒社員が3年で3割辞めていく時代になってくると通用しなくなってきていますので、見直されるべきでしょう。

また労務管理なんて自社でやらずとも人材派遣業やコンサル会社などいくらでも代行してくれるところがあります。

次に従業員側の問題として、ちょっとゆがんだ見方ですが「今の仕事を失いたくないばかりに、ひとりで仕事を抱え込んでしまっている」ことがよくあります。

別の見方をすれば「慣れた仕事をマイペースでおこなうのが楽だから、新しいことに挑戦する気もないし、今の仕事のままがいい」とも言い直せます。何年も異動がない(異動させられない)ベテラン社員にはこうした人は少なくありません。

そしてその慣れた仕事を囲い込むためにサービス残業や休日出勤もへっちゃらとなるので、会社側は「残業や休日出勤もいとわずよく貢献してくれている」と間違った評価をつけます。

やがてその人の労をねぎらい昇進させようと思い、今の仕事を後輩に託し、新たな上位の仕事を割り振ろうと提案すると、そこで一悶着が起きることになります。「この仕事はわたしにしかできない。私でなにが不満なのか?」と反論されます。

ひとりに長く囲い抱え込まれた仕事は、普通では考えられないほど複雑化され、その人でなければ理解できないようにブラックボックスとなっていることが多いのです。

その人が意図してやったわけではないにしろ、問題が発生するたびに局所的につぎはぎで応急処置をしてきたため、その担当者の頭の中だけにしか対応マニュアルがないということになります。

そうなってしまうと、その仕事がやがて業務のボトルネックとなり、企業の発展も合理化も新陳代謝なにもできなくなり、もちろんその仕事を複数の人でワークシェアすることなどできません。

そこで新しいビジネスが思い浮かんだのですが、「ワークシェアリング導入コンサルタント」です。

まずワークシェアリングの導入における中長期的なメリット、費用対効果、導入することで見えてくる様々な業務の課題などの説明の後、ひとりに重要な仕事を任せるリスク、そこから発生する問題や犯罪、監査やモニタリングの形骸化と限界、会社業績と連動した人件費などについて解説。これはおそらくどの中小企業でも納得してくれるでしょう。

次に、どこの会社でも頭を悩ませている、重要な仕事をひとりに任せきってしまってブラックボックス化している状態からの脱出法です。ここがコンサルの最大のノウハウになります。

ブラックボックス化している業務の整理とフローの作成、判断基準のシンプル化をマニュアル化して、同時にそれぞれの作業時間や月間・年間の業務量の変化を調べます。

また同時に業務の中でシステム化(IT化)できるところはシステム化する提案をおこない、うまくすればそちらでも稼ぐこともできるかも知れません。

そこまで出来上がるとあとはワークシェアで働く人をどのように探し、それをうまくコントロールするノウハウを提供するだけです。

そこは人材ビジネスで経験を積んだ人ならそう難しいものではありませんが、その業務の特性や想定とのギャップもあるでしょうから、完全にうまく回り出すまでの半年~1年ぐらいは我慢の日々が続くかも知れません。

ワークシェアリングの必要性はもう言うまでもなく、これからの少子化による労働者人口の減少と、やがては大量に引退していく経験豊富な社員の代替要員の確保、それに呼応した業務のシンプル化、見える化、効率化のためです。

すでに外食系の店舗はパートやアルバイト確保が困難で多くが閉鎖に追い込まれています。今はまだ労働者不足は不人気な外食や建設、介護などの一部業種が中心でしょうけど、やがては多くの職で非正規労働者の不足が危惧されています。

正規社員ですら例えば中小企業の場合、今までのように優秀で、健康で、気が利いて、しかも会社にロイヤリティを持って仕えてくれて、何十年も気持ちよく働いてくれる若い人がいつでも採用ができるということは考えられません。できると思っている経営者は、世間知らずもいいところです。

特に仕事本位ではなく、人本位でやってきた中小企業では、いちはやくそうした旧体制から脱出し、効率的で機動性のあるワークシェア体制で労働力をうまくコントロールできるようになったところが、順調に成果を上げていけるような気がします。零細企業においては社長以外はみなワークシェアリングで働く人というパターンも可能でしょう。

そしてここからが大事なのですが、元々ワークシェアリングは家事や子育てのため長時間勤務ができない女性に相応しい働き方と言われてきましたが、今では女性に限らず、正社員雇用から引退した高齢者にも向いた働き方と言えます。

企業側もせっかく高い家賃やリースで借りたオフィスや店舗、事務機器、工作機械、営業車を1日24時間中のせいぜい8~10時間しか使わないというのはもったいないと気がついてきているはずです。

子育てや介護にも忙しい女性だけで深夜勤務体制は難しくても、様々な業務の経験が豊富で、時間がいくらでもある定年を過ぎた高齢者にはなんの問題もありません。

もしこのオフィスや店舗、工作機械の活用時間をワークシェアリングを活用して、稼働時間を1.5倍に増やすことができれば、やがては売上や取引も増やすことが可能です。

少なくとも朝から夜まで働いて疲れ果てた社員やバイトに叱咤激励して売上を1.5倍にしようとするよりもずっと簡単です。

マイカーを持っている人は、いつも利用するガソリンスタンドは朝10時に開店し夜6時には閉店し土・日曜日は休業しているところではなく、土日曜日も含め深夜までオープンしている店を優先して利用しませんか?

コンビニも最初は「あいててよかった」と早朝や深夜でも店があいているのが最大のウリでスタートしましたが、今では同じものが安く売られているスーパーが営業している時間帯でもお客さんはコンビニを利用しています。

顧客や取引先だって、休業が多く営業時間の短いところよりは、いつでも欲しいときにすぐに応じてくれて手に入れられるところを優先するのではないでしょうか。

そうした顧客のニーズや生活時間の変化、働き方の多様化を考えると、企業(企業に限らず役所も個人事業も同じ)は営業時間の考え方をあらためることと、ワークシェアリングという働き方を今後の日本の労働市場でもっと取り入れるべきではないでしょうか。そしてその時、主役となるのが60歳以上の高齢者達なのです。

盛り上げておいてなんですが、日本の場合、こと労働問題に関する限り、民間企業の考え方はとても保守的なので、普及に向けて最善を尽くすとすれば、まず官公庁が率先してワークシェアリングを導入し(警察や消防などはすでに実施していますが)、朝6時から夜11時まで市役所や区役所の窓口が開いているとか、福祉事務所やハローワークも土曜日や日曜日にゆっくりと相談が出来、学校も平日に休んだ生徒が土・日曜日に出てくれば代わりの先生がいて補講が受けられるというようにならなければ、民間にまで拡がらずなかなか前には進まないかも知れませんね。


【関連リンク】
687 旺盛な高齢者の労働意欲は善か悪か
649 改正高年齢者雇用安定法
546 年金受給年齢の引き上げと高齢者雇用
499 定年後にどう生活していくか

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792
自意識過剰で欲の突っ張った自称コンサルタントでもあるまいし、リーダーシップを語るなどおこがましいと思っていましたが、考えるとこの30余年のあいだに、いくつかの勤務先で様々なリーダーの元で仕事をしたり、時にはリーダとなってメンバーを率いた経験があり、その総括として自分のリーダー論を書き残しておくのも悪いことではないなと考えました。

一般的にリーダーの資質を疑うパターンとして、

 「部下の手柄を横取りする」
 「ミスや失敗の責任を取りたがらない」
 「上には優しく、下には厳しい」
 「自分には甘く、人には厳しい」
 「部下を差別やえこひいきする」
 「自分の立場を守りよくするため優秀な同僚や部下を貶める」

などは、あえて述べるまでもなく、もってのほかで、映画やドラマの中では主人公をいじめる嫌な上司役、またはリーダーとしてよく登場します。

その他にもケースバイケースで微妙なところがありますが、「部下を信用せずなにかにつけて口を出す」「『いい上司=優しい』と勘違いしているのか、それとも自分に自信がないのか重大なミスをした時でも部下を叱ることができない」「部下を自分で育てようとはせず、既に出来上がった部下ばかり求める」などもよく見られる上司像です。

少なからず、そういうタイプの上司やリーダーは確実に多く存在するので、長くビジネスパーソンを続けていくならそれらを避けては通れません。

しかしちょっと見方を変えれば違った考えも生まれてきます。

例えば「上には優しく下には厳しい」というケースでは、トップにかわいがられ評価が高い上司であれば、部下にとって嫌な上司であっても、様々な仕事をしていく上ではその上司の恩恵を受けられやすいわけで、考えようによってはその部下もまたトップからの評価も高まっていく可能性があります、但しトップが代わらない限りですが。

また世間で言う「大物」とは、一般的に「自分には甘く、人には厳しく」先輩や上司に対して遠慮がなく、ずけずけと自分の意見を通したり、ため口を聞いたり、平気で「部下の手柄を横取り」して見込みがあると判断すれば一気に事業を拡大してみせたり、逆に「(自分や部下の)ミスや失敗の責任を取らず」に明るく笑い飛ばしてごまかしてしまうタイプです。

なので、ビジネス的、教育的、人間的にみると、その部下が大迷惑しているかはともかく、すべてが「悪」とは言い切れないのです。

それでも、私がまだ若い頃には、女性差別をしている会社は多く、その他にも学歴や出身校の優劣、出身地、家柄などで公然と差別をしていた企業がありました。

年配の人にはまだ「○○君は官大(国立大という意味)出身のエリートで、うちの幹部候補生だ」的なことをほざいているうすらバカもまだ残っているかもしれません。

同期入社同士でポストを争うというのは私には理解しがたいことでした。それは私の場合、新卒で入った会社の同期は4人だけで、ポストの取り合いをするよりも、業務が拡大していく中でポストの数のほうがずっと多く、また互いに協力し合わなければアクの強い経営者や個性的な先輩や上司と対抗ができなかったせいもあります。

しかし同期入社が何十・何百名人ともなると、当然その中から昇進していく順番がつくわけで、さらに部長職、役員職ともなればその同期の中からわずか数名に絞られてくる厳しい出世争いが起きます。

今まで幸か不幸か身近にそう言うことがなかったのでピンとこないのですが、ビジネス小説などを読むと、ライバルを蹴落とすためには手段を選ばず、犯罪に手を染めたり、ライバルの部下をそそのかしてスパイに仕立てたり、時には個人で探偵を雇いライバルの私生活を調べて弱点を探したりと、想像を絶する戦いがそこにはあります(ごく一部でしょうけど)。

そうした中で、ライバルが起こした事件や事故は、自分にとっては朗報で、時にはその問題を炎上させるために外部へリークしてみたり、怪文書を社内に回したりという姑息な手段を使って自分の立場を有利にしていこうとするのは、競争の激しいビジネスにおいては自然の摂理とも言えます。

もっともライバルは同期とは限らず入社が数年前後のあいだでは同じようなことが起きます。

さてそのようなビジネスの場においてのリーダー論ですが、私が考えるリーダーがもっとも優先してやらなければならないこととは?と聞かれたらそれはいたってシンプルです。しかも考え方が刹那的で自虐的でもあります。

・部下にどんどんと仕事をまかせて、早く一人前に育てる

残念なリーダーは部下を信用せず、仕事を任せることを嫌い、その結果、自分でいくつもの余計な仕事や判断を抱え込み、いつも「忙しい」「忙しい」が口癖で、それでいて部下の仕事に細かなところまでいちいち口出しをすることが部下のため、部下に優しい上司と思い込んでいます。

それが結局は自己満足だけで、部下が自らやる気を出し、考え抜く力をそいでしまっているパターンが多いとは気がつきません。

一般的にはリーダーはその仕事のエキスパートですでに経験者で知識もあり、部下よりも早く上手にできることが当たり前です。部下に任せられないリーダーは、自分と同様のレベルをつい部下に求めてしまい「あいつはダメだ」「俺がしっかりみてやらないとなんにもできない」と考えてしまいます。

さらには部下が自分より高いレベルで能力を発揮されることを怖れ、自分の立場や居場所を守ろうと警戒して部下に口出すとんでもないリーダーさえいます。

しかし私の考えでは、部下には仕事の内容やそれで発生する問題を自分で考えさせて、時には失敗を経験させ、身体で覚えさせることこそ重要だと考えます。

そこで失敗覚悟で仕事を任せられる度量と、その失敗したときの責任を一緒にかぶってやる覚悟がリーダーには必要です。

最近は「自分は失敗したことがない」、「挫折した経験がない」ことを誇らしげに自慢する無菌室育ちの人が若い人だけでなくリーダークラスにも多いのですが、ビジネスや私生活において大きな失敗や挫折を経験したことがない(あるいは認めたことがない)人ほど、ビジネスの相手として信用がおけないものはありません。

人は失敗の中から成長し、再び失敗しないように細心の注意を払うようになるのです。1871年に設立以来、主要な戦争では勝ち続け、今後も負けるはずがない、いざとなれば神風が吹くと盲目的に信じていた大日本帝国陸軍幹部の過ちと同じです。

そうして、チームにまかされた仕事をこなしながら、自分より秀でた後輩をひとりでも多く作り上げていくことが、まさにリーダーに求められる役割なのです。エセリーダーに多い「俺が」「俺が」の口やかましいばかりの出たがり、目立ちたがりは当然ながらその範疇には含みません。

今の世の中、自分がいつまでもリーダーの立場で居続けられるかはわかりません。適材適所や能力の優劣、リーダーとしての素質があっても個人的な都合でリーダーにはなれないこともあります。

その他、内部要因、外部要因により、また時の運に左右されて、誰がリーダーに相応しいか変わってくることもあります。もう年功序列なんてものは中小企業ではとっくに崩壊しています。

そして部下が育つと立場が逆転することがあります。自分がリーダーの立場から降りるときに、自分の元で育ってくれた部下が新しいリーダーとして活躍してくれることを自分の手柄で報奨というように考えるのです。

「自分はトップの器ではなかったが、自分が育てた部下がトップになり、その手腕を発揮してくれた」と密かに心の中で言えるのが、ビジネスにおける本当のリーダーの役割ではないかと思うのです。いえ、決して負け惜しみなんかではないですよ。

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ネットを使う人にとってはもう欠かせないサイトになっているインターネット百科事典Wikipedia(ウィキペディア)ですが、利用することは多いのですが、その概要についてはほとんど理解していませんでした。

Wikipediaがスタートしたのは2001年のこと12年前のことです。まずは英語版をベースとして始まり、日本語を含む多国語への対応も同じ年から始まりました(日本語版は2002年に改良が施されて現在の形になる)。

運営するのは民間企業ではなく「ウィキメディア財団」というジミー・ウェールズが創設した非営利組織で、記事執筆はすべて無償のボランティアです。

運営資金は寄付などによりまかなわれており、私が考えるにインターネットができて以来、無償でこれほど世界中の人に役立つコンテンツサイトはないと断言できます。

Wikipediaで使用されている言語は286種類、まだ増えていく可能性もあります。掲載されている記事(中身のある1ページ)は世界中に25,227,270記事あり、そのうち日本語で書かれている記事は、885,856記事あり、日本語の記事だけでも毎月4~5千記事が増加しています。

岩波書店発行の広辞苑に収録されている日本語の数はおよそ23万項目(語)と言うことですので、それの3倍以上となります。

ただしこれは広辞苑などには含まれない著名人や芸能人、各種キャラクター、企業名、楽曲名などの固有名詞などが数多く含まれているためと思われます。広辞苑などの辞書は掲載する言葉や種類をプロが厳選しますが、Wikipediaは誰でも自由に加えていけるところが特徴です。

先日、三浦しをん著「舟を編む」を読み、辞典の編集についての内幕を知ることができましたが、専門家が言葉を集め、紙の書籍の限界から説明文の文字数や収録すべきかどうか、もっとひいて発刊がビジネスとして成り立つかどうかの判断など、制作者側の都合で編纂したり決められるものとは違い、ネットを活用する辞典では収録数や文字数などに制限はなく、百科事典にとっては最高の環境といえるのかも知れません。

しかしながら、Wikipediaの特徴でもある、誰でもが自由に記事が書け、編集できるということは、書かれていることが信頼できる誰かに保証された内容とは限らないわけで、意図してあるいは意図せず誤った内容が書き込まれたり、自分や特定の会社に有利に解釈して書くことも可能で、それを信じた人が、損害や迷惑を被るということも当然起きます。

そのような問題はさておき、Wikipediaによって、無料で素早く疑問を解決することができるようになったことは、人類の大きな進歩ではないかと思っています。

「『知るは楽しみなり』と申しまして、知識をたくさん持つことは人生を楽しくしてくれるものでございます。」と「クイズ面白ゼミナール」(1981年~1988年)の番組冒頭で語っていたのは鈴木健二氏ですが、Wikipediaはまさに、この知るという楽しみを身近に与えてくれるひとつとなっています。

このWikipediaに関する各種データを拾ってきましたので掲載しておきます。数値は基本2013年10月現在です。

まず言語別の記事数のランキングです。



フィリピンは最近は英語がメインに使われているので、現地語は地方や高齢者以外はあまり使われていないのかと思っていましたが、なんと10位、11位にふたつもの現地語がランクインしています。

それだけフィリピンではこのWikipediaの利用が盛んなのでしょうか?フィリピン人のIT活用がこれほど進んでいるとすれば、今後IT業界が人材や開発拠点を求める先は中国やインドではなくフィリピンなのかも知れません。

ネイティブスピーカー(母国語を喋る人)が多い言語は、1位中国語、2位英語、3位ヒンディー語、4位スペイン語、5位アラビア語という順ですが、Wikipediaの言語別記事数は当然その順番とはなっていません。

特に中国本土では、何度かWikipediaへのアクセスがブロックされたせいもあり、中国語を使う人口が多い割りには記事数はあまり伸びていません。

オランダの人口は約1660万人で世界で58番目という国ですが、オランダ語の記事数は英語に次ぐ171万記事、第2位というのには驚かされます。それだけオランダ語圏でWikipediaの活用(閲覧だけでなく投稿や編集含め)が進んでいるのでしょう。

英語版のWikipediaで2012年の1年間にもっとも多く見られた記事は、1位Facebook、2位Wiki、3位Deaths in 2012(2012年に亡くなった人リスト)、4位One Direction(英国・アイルランド出身のポップスグループ)、5位The Avengers (2012年公開の映画)です。

日本語版に限定すると、1位AV女優一覧、2位AKB48、3位ももいろクローバーZ、4位ONE PIECE、5位嵐 (グループ)となっています。なんて平和で脳天気でスケベな人が多く活用している日本語版でしょう。

しかし日本語版で今年12月のある1週間だけを切り取り、もっとも多く見られた記事を見ると、1位特定秘密保護法案、2位軍刀、3位ネルソン・マンデラ、4位彬子女王、5位山口鉄也となっていて、2位と5位については?ですが、それ以外は社会性のあるテーマが上位を占めています。どっちが本当の日本人ユーザーなのか?です。

さて、このWikipediaという巨大な存在は、まるで生き物のように、今後もどんどんと成長を続けていくのでしょうか?

Wikipeddiaに登録をして記事を書いたり編集をおこなう人達のことをウィキペディアン (Wikipedian) といい、誰でもなることができますが、実際に記事を書いたり頻繁に編集をしている人は限られています。

このウィキペディアンの増加と活性化が今後のWikipediaが成長、発展していくかどうかを左右しています。もちろん記事の質も問われています。

現在でも世界広域で見ると、記事の偏りが見られ、例えばウィキペディアンが多い高等教育を受けた西洋人・白人から見た社会現象や歴史認識と、そうでない人達から見たそれとでは大きく食い違っていて当たり前です。

もっと言えば、Wikipedia日本語版と韓国版で竹島や慰安婦の記事はおそらく双方相容れない内容が書かれていることは容易に想定されます。

そうした政治や宗教、人種、戦争、文化、歴史、領土などの記述については、書いた者勝ちとなってしまうことが得てしてあり、あとから反論を付け加えたり書き換えることもできますが、現状ではウィキペディアンの勢力が強いものが勝ってしまう状態です。

したがって、現在まだネットにアクセスできない世界中の多くの人達が、今後ネットにつながりWikipediaを見ると、驚き、嘆き、哀しみ、怒りとなって様々な問題、例えば国際紛争や宗教戦争を引き起こすきっかけとなるかもしれません。

いずれにしても「世界の44億人がまだネットにアクセスをしたことがない」と国連の専門機関国際電気通信連合が発表しています。この数は、世界人口のおよそ6割に相当し、概ね発展途上国に集中しています。

これらの人が今後ネットにアクセスすることになればWikipediaはもっと発展すると同時に、前述したような先進国やIT活用度の高い国の一部の人が書いた内容が議論を巻き起こすことになるのでしょう。

それと英語の記事が439万もあると言うことは、それをすべて各国語に翻訳するだけでも相当なボリュームがあり、さらに紙の辞書が数年ごとに改版されるように、Wikipediaも日々更新されるコンテンツが数多くあり、ここで終わりというものがありません。現状ではまだ無限の可能性を秘めていると言っても差し支えないでしょう。

ひとつの危険性を述べておくと、このような巨大なデータベースを持ち、世界中で大きな影響力を持つ存在になったWikipediaを運営する「ウィキメディア財団」が、公正中立(なにをもって公正中立かという別の問題もありますが)な立場で居続けられるのかという疑問もあり、野心ある誰かが、それをうまく利用して情報操作や利益誘導に使わないとも限りません。過去にはそのような問題も実際に起きています。

万が一、公正中立な立場が失われてしまえば、「Wikipediaの記事はまるで信用がおけない」という評判が一気に広まり、悪影響を怖れる検索エンジンの結果からも除外されてしまい、結果、優秀で良心的なウィキペディアンが去り、忘れ去られた遺物になってしまうこともあり得ます。

また、初心者やITリテラシィが低い人ほど、ある特定個人が書いた主張を定説と誤認し、その内容を盲目的に信じ込んでしまう危険性もはらんでいます。

そうした意図的で作為的な記事についてはWikipedia運営側や良心的なウィキペディアンの素早い対応や判断(削除や注意書き)が要求されるでしょう。これはどこまで人が無償で奉仕を続けられるかという重い課題にもつながっていきます。

したがって「ウィキメディア財団」が今後長年にわたって、広告主などスポンサーを得ることなく、寄付金でまかない、特定企業や国家に頼ることなく運営し、公正中立な立場を堅持し続けてこの巨大なシステムを維持して、さらに質を担保していけるのかがこれからの大きな問題となってくるのでしょう。


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