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光のない海 (集英社文庫) 白石一文

2015年に単行本、2018年に文庫化された長編小説です。

著者の作品は割とお気に入りで、調べたら過去に直木賞受賞作の「ほかならぬ人へ」(2009年)や、山本周五郎賞の「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」(2009年)など17作品を読んでいますが、最近はご無沙汰していて、2016年に読んで以来、3年ぶりに読みました。

2012年4月上旬の読書「ほかならぬ人へ」

2013年7月前半の読書「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」

以前、横山秀夫著の「出口のない海」を読んでいたので、タイトルが似た名前だけにそういうイメージというか先入観がありましたが、まったく違うものでした。

主人公は中堅の建設資材販売会社の社長を務めていますが、離婚して独身です。

昔、ある販売員から買った壺が割れてしまい、そこからつながっていく不思議な(って言うかあり得なそうな)縁、自分が社長になったこれまた不思議な縁、会社の寮をまかせていた老夫婦がうけた凄まじい過去、その他にも主人公の上司と浮気をして出て行った妻との関係、幼なじみというか父親役だった若い経営者との関係など、とにかく盛りすぎってほど理由(ワケ)が盛られています。

その中でも自分を社長まで引き上げてくれた、女性経営者の存在が大きく、大きな年齢差を超えての密やかな恋愛というのが大きなテーマともなっています。

小説的には宮本輝氏の小説?って思うような、ちょっとした雑学が方々にちりばめられていて、まったく読んでいて飽きない小説です。

ただひとつの小説の中に、非現実的に、人の性悪なところをいろいろと盛り込みすぎって感じはゆがめません。面白かったですけどね。

★★☆

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地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書) 増田寛也

新書大賞を受賞した2014年刊の新書で、著者は建設省を辞めて1995年から岩手県知事を3期務め、その後日本創成会議座長なども歴任された官僚上がりの政治家です。最近では2016年に東京都知事選に出て小池百合子氏に敗れています。

本書の要点は、本ブログでも時々書いてきたり、すでに学者先生方が、すでに述べていたりしていることでもありますが、

「少子化が進んで日本は大変なことになる」
「すでに手遅れではあるが、未来は絶望的ではない」
「少子化を止めるには地方の雇用の場が重要」
「東京一極集中の限界が近い」
「20歳から40歳までの若い女性をいかに地方につなぎとめるか」
「複数の子供を産みやすい環境をどう整備していくか」
「限界集落と消滅可能性都市にできること」
「地方再生リーダーの養成」

などがテーマで、ポイントでしょうか。

私が書いてきた中にもこのようなものがあります。

1211 過疎と限界集落の行方とコンパクトシティ
1156 空き家バンクの無能ぶりと空き家に思う
1154 地方の可能性と限界
1053 空き家問題を考える

統計データを主にして、藻谷浩介氏(「里山資本主義」著)、小泉進次郎氏(衆議院議員)、須田善明氏(女川町長)、樋口美雄氏などとの対談を通じ、人口減少問題に警鐘を鳴らしています。

人間とは恐ろしいもので、いきなり2040年の推定人口構成を見せられると愕然となりますが、それが毎日の延長線上だと、なんとかなるさとばかりに、容認しちゃうところがあります。

都合の悪いことは忘れてしまうと言うのも、人間が生きていく上での能力なのかもしれません。

筆者にしてもいまの大物の学者や経営者は、60代を過ぎて、せいぜい長くてもあと20年ぐらいしか生きないわけで、「そんな自分がいなくなる先のことまで構っていられるか!」というのが本音で、政治家に至っては、暗い話題や、負担増になる話しばかりすれば落選するので、あえてこうした話題を避けようとします。

そうした中で、2019年現在67歳の著者が、口角泡を飛ばす勢いでこうした問題を広く提言するのは、多少自己主張が強いとは言え、善良な方だと思います。

そして今が歴史となった未来に、どうしてこの時代に動けなかったのか?というような歴史番組が作られたとき、「こういう意見も少数ながらあった」というようになるのでしょうか。

★★☆

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家守綺譚 (新潮文庫) 梨木香歩

2004年に単行本、2006年に文庫化された連作短編集です。私と同世代といってよいベテランの作家さんですが、元々は児童文学や絵本といった分野で有名な方です。

過去には著者の小説としてはデビュー作品にあたる「西の魔女が死んだ」(1994年)を読んでいます。

2014年9月後半の読書「西の魔女が死んだ」

主人公は小説家を目指しコツコツと文章を書く仕事をしていますが、琵琶湖でボート練習中に亡くなった大学時代の友人の実家の留守番役として、古い大きな家に住んでいる独身男性です。

時代の設定は、およそ100年前というから、大正時代でしょうか。

舞台というか住まいの近くに琵琶湖疎水があると出てきますので、滋賀と京都の境目付近ってところでしょう。

そこの家に住んでいると、亡くなった友人の幽霊や、肉に誘われそのまま飼い犬となった不思議な野良犬、池に住むカッパや人魚、ツルツルで気持ちよくなでていると懸想されたサルスベリの木など、物の怪の世界です。

西岸良平氏の漫画「鎌倉ものがたり」や、それを原作とした映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」の京都版と言ったところでしょうか。

著者自身がそうした滋賀と京都の間の疎水の流れる近く在住らしいので、そうした不思議な創作が湧いてくるのでしょう。

そう言えば、村上春樹氏の小説にも「東京奇譚集」というのがありずっと昔に読んだ記憶があります。調べたら2007年に文庫が発売されてすぐ買ったものの、しばらく積読状態で、読了したのは2009年と、今からちょうど10年前でした。

その他にも奇譚(綺譚)と名のつく小説で過去に読んだものは、浅田次郎著「草原からの使者 沙高樓奇譚」、綾辻行人著「眼球綺譚」です。

★★☆

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芥川症 (新潮文庫) 久坂部 羊

ユーモアたっぷりに芥川龍之介の小説をモチーフにした短編集です。もちろん著者の本職でもある医療との関わりがある内容が多く、笑いながらも怖くなってくること請け負いです。

2014年に単行本、2017年に文庫化されています。

短編のタイトルはそれぞれ、「病院の中」「他生門」「耳」「クモの意図」「極楽変」「バナナ粥」「或利口の一生」となっていて、どこかで聞いた名前ばかりとなっています。

「藪の中」→「病院の中」
「羅生門」→「他生門」
「鼻」→「「耳」
「蜘蛛の糸」→「クモの意図」
「地獄変」→「極楽変」
「芋粥」→「バナナ粥」
「或阿呆の一生」→「或利口の一生」
※前が芥川龍之介作の小説でそれをモチーフに作られて言います

著者の小説やエッセイを読むと、「医療に過大な期待はするな」というニュアンスが含まれていることが多くあります。

つまり医者も普通の人間ですから、期待以上のことを求めるのもいけないし、患者は神様ではないので、ほどほどの治療や投薬で我慢するべきだという考え方です。

エッセイの「日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか」(2007年)でも、国内での自然な老衰という死に方が減り、本人の意思とは無関係に、闇雲に生き長らえさせるために高年齢でも高度な医療(=高額医療)が駆使され、その結果、意識も戻らないまま脳死や内臓の不全等で死亡するというむなしさなどが綴られていました。

2017年2月後半の読書「日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか」

そうした実態を普段から目の当たりにする仕事ゆえ、わかることもあるでしょう。

時々書くのですけど、若くて健康な人に「もしかの時、延命治療を受けたいか?」と聞くとだいたいは「受けたくない」と答えるのに対し、余命間もない重病人に同じ質問をするとほとんどが「受けたい」と答える人間の弱さというか、立場の違いによって考え方も変わってしまうことが、人間的で自然なことでもあります。

とりあえずは、こうしたユーモアをもって、医療と人生について考えてみるのが良いのかもしれません。

★★☆

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バカ売れ法則大全 行列研究所

2017年に発刊された単行本で、ネットメディアの「ITmedia ビジネスオンライン」で取材がされたものをまとめたものです。

この景気停滞(減衰?)の中でも売れに売れている商品やサービスを取り上げ、なぜ売れる?を簡単に解説しています。

その数なんと54例ということで、読んでいるとなんでも売れるんじゃないのか?と、途中で感覚が麻痺してきます。

それぞれにワケがあったり、ラッキーだったりしていますが、最初から大当たりすると思って出たものはほとんどなさそうです。

現在は老いも若きも「雇われない働き方」を志向する人が増えてきているようなので、一種、独立してから「成功する秘訣」みたいな感じで読まれているのかな?と思いました。

でも実際に読んでみて、これは事業の参考にはなることはないな~と。

つまり過去形で、「こうした幸運があった」とか「その時に風が吹いた」みたいな話しが多く、そうした数多くの新商品やサービスの中で、たまたまうまくいった(現在のところいっている)ものの紹介であって、それが数年後の今でも通用するとも、人気が10年間持続するとかはどうも思えません。

一発アイデアやひらめき、それを実際に商品やサービスとしてモノにした行動力などは評価しますが、その後の継続とコモディティ化こそ事業の最大の難関であり、それがうまくいったときに、「さすが!」と言えるのでしょう。

もしこの本の著者がその気があれば、10年後とか20年後に同じ素材がその後どうなったか?というのを調べて書くと面白いかも。栄枯盛衰がわかり、何勝(その時も大ヒット)何敗(なくなった)何引き分け(かろうじて生き残っている)だった!みたいな展開が期待できそうです。

★☆☆


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