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ヨーロッパの都市部と日本の都市部の風景を見比べると明らかな違いを感じるのが、日本の道路という道路に張り巡らされている電柱と電線です。

以前から、皇居周辺の道を歩くと、なにか外国に来たかのような錯覚に陥るのも、あのあたりには電柱や電線がなく、普段見慣れない風景に出会うからです。

その電柱の地中化ですが、以前から政治家が国民や市民に対して人気を得るために時々公約に入れたりしますが、どうにも遅々として進んでいません。

ロンドンやパリ、香港やシンガポールでは電線地中化はほぼ100%が完了しており、台湾の台北は96%、韓国ソウルも約50%が電線地中化がされていますが、世界に冠たると思っていた東京都は23区に限ってもたった8%、大阪市も6%です。(2022年国土交通省調べ)



高級住宅地で有名な成城学園にあるお屋敷の周囲もこういう感じです。数十億円のお屋敷も台無しですね。



上の成城学園の高級住宅地でもわかる通り、日本の道路は狭く、その狭い道路の下にはすでに上下水道やガス管などが埋設されていて、さらに電線や通信線(電話回線やCATVなど)も埋めようとすると、かなり難易度が高そうです。

なぜ電線の地中化を推進するのか?というと、

1.防災
2.交通安全、円滑
3.景観・観光

と言うことです。

1.防災は、台風や竜巻など暴風で電柱が倒れてしまう映像が毎年のように報道されます。そうなるとその地域は長く停電し、復旧が遅れることになります。

また大きな地震発生時にも、地下に埋設されたケーブルの被害は地上にある電柱電線よりはずっと安全で被害も少ないと言われています。



2.の交通安全、円滑は、歩行者にしてもドライバーにしても、電柱が邪魔に思えたことは何度もあるでしょう。うちの近所にある道路からピョコンと飛び出ている電柱は、何度もクルマに接触された跡が残っています(上の写真左)。

また、狭い歩道の真ん中に電柱が立っていて、車椅子はもちろん、普通の歩行者ですら一度車道に出ないと通れないというバカげたところもあります(上の写真右)。

3.の景観・観光は言うまでもないことでしょう。見事な文化遺産や自然遺産があっても、その周囲には複雑に絡み合った電線や、張り紙だらけの電柱があるとそれだけで興ざめです。せめて観光客の多いところはみっともないので早急に地中化してもらいたいものです。


写真:一般社団法人無電柱化民間プロジェクト実行委員会

地中化を加速するには行政だけでなく民間の力も必要です。民間企業がそれに乗るのは、「地中化するほうが経済効率が良い」とならなければ動きません。

最近、近所で農地だった場所に大規模な住宅開発がおこなわれているのを見ましたが、不動産デベロッパーは、まず広大な土地に土を盛って均し、私道を通して住宅の区割りをします。その次になにをしたかというと、道のあちこちに巨大な電柱を何本も立てました。つまり現在のところ住宅地にはまず電柱ありきということです。

電柱の地中化は公共事業だとしても史上最高の財政赤字が積み上がっている現在、そうしたインフラ投資に果たしてどこまで予算を回せるか?という点が気になります。

老朽化して通行止めになっている橋や、削れてボコボコになっているアスファルトの道路ですら「予算がない」ということで補修されなくなってきているのにです。

東日本大震災の復興税では、「荒川税務署の改修」「南極でのシーシェパード対策費」「国立大学の改修」「国会議事堂のシャンデリアのLED取替え」などに使われていたとか、コロナ交付金でも「役所の給茶器」とか「モニュメントの鐘」など、同様に便乗した無駄遣いが報告されています。

本来はこうした未来につながるインフラ投資こそ、税金の無駄遣いとは言わせない有効な使い方のような気がしますがどうなのでしょう。

【関連リンク】
1411 水道インフラ老朽化の心配と水道料金上昇
814 日本に外国人観光客を呼ぶ
802 観光後進国日本の現実



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コロナ禍だったこともあり、最近は行く機会がめっきりと減ってしまった公衆浴場、いわば銭湯(日帰り温泉含む、以下同様)ですが、4年前にも一度書いています。

減り続ける銭湯と競争が激しくなる温泉 2018/2/10(土)

1968年にピークを迎えた銭湯は全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会調べでは、当時全国各地に1万7999軒ありましたが、その後減少していき、54年後の2022年は1865軒となんと90%近くの減少となっています。完全に衰退産業と言えるでしょう。

もちろん、減少の理由は自宅に浴室が完備されてきたことが一番ですが、それ以外にも人口減少や銭湯の設備の古さから常連さん以外に敬遠されてきたことも影響あると思います。

また不特定多数の人前で裸になるのを嫌がる人が増えていることがあるかも知れませんが、これは子供の頃から普通に銭湯に馴染んでいると、大人になっても気にしないと思うので、銭湯が中学生以下を無料にするとか、子供が楽しめるようなイベントをするとか、積極的に誘致する対策を怠ってきたのかも知れません。

あとは、銭湯は比較的大きな敷地を使っているので、価値が高い立地にあるならば、いわゆる地上げや相続対策でマンションを建設するとかで、あっさりと売却や転業してしまうことが多そうです。

上記の全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会のデータとは別ですが、厚生労働省 生活衛生関係の一般公衆浴場推移のデータをグラフと表にまとめました。

公衆浴場がピークだった頃から9年後の1977年(16,866軒)から、最新の2020年(3,231軒)までの推移グラフです。


出典:厚生労働省 生活衛生関係(公衆浴場数)年次データ

こちらのデータも43年間でおよそ80%ダウンという凄まじさです。比較の対象として適当ではありませんが、減少著しいと言われているスキー人口はここ30年間で75%減少したと言われていますがそれと同等の下がり方です。

個人的には、日帰り温泉施設などが新規オープンした案内をよく見たり聞いたりするので、古い昔ながらの銭湯が減る代わりにそうした新しい温浴施設が増えているのかなと思っていましたが、数的にはあまり影響してなさそうです。

次に都道府県別で一般公衆浴場の数を調べてみました。

都道府県別一般公衆浴場(多い順ベスト20、少ない順ワースト20)
 公衆浴場が多い順     公衆浴場が少ない順 
01 東京都 1,900 鳥取県 137
02 北海道 1,256 高知県 141
03 静岡県 1,178 福井県 146
04 長野県 1,119 徳島県 175
05 神奈川県 1,048 島根県 178
06 兵庫県 1,043 奈良県 199
07 大阪府 883 香川県 216
08 千葉県 854 宮崎県 229
09 福岡県 742 山形県 232
10 鹿児島県 712 岩手県 241
11 熊本県 694 和歌山県 249
12 愛知県 659 佐賀県 271
13 埼玉県 608 富山県 274
14 新潟県 598 沖縄県 282
15 大分県 543 滋賀県 289
16 愛媛県 538 長崎県 306
17 岐阜県 528 三県重 308
18 栃木県 481 岡山県 308
19 福島県 474 秋田県 315
20 茨城県 454 山梨県  318
出典:厚生労働省 生活衛生関係(公衆浴場数)2020年度 都道府県別

やはり人口が多い東京都に公衆浴場が一番多いですが、2番は大阪府や神奈川県ではなく、北海道、3位は静岡県、4位は長野県と、人口は大都会よりは少ないですが、比較的温泉が多い地域という感じがします。

そのため、一般的な銭湯というより、温泉地によくある公衆温泉施設や湯治施設などが影響しているように思われます。

しかし公衆浴場が少ない(ワースト)鳥取県や高知県、福井県も、温泉はそこそこありそうなので、ワースト3というのはちょっと解せません。公衆浴場以上に人口の減少が大きい県ということがあるかも知れませんが、他に理由があるのでしょうか。

そこで温泉地の公衆浴場が影響しているのかどうか、都道府県別の人口10万人あたりの公衆浴場数を調べてみました。

都道府県別一般公衆浴場(人口10万人当たり、多い順ベスト20、少ない順ワースト20)
人口10万人当たり公衆浴場多い順   人口10万人当たり公衆浴場少ない順
01 長野県 56 埼玉県 8
02 大分県 49 愛知県 9
03 鹿児島県 45 大阪府 10
04 愛媛県 41 神奈川県 12
05 熊本県 40 千葉県 14
06 山梨県 40 東京都 14
07 青森県 35 福岡県 15
08 佐賀県 34 奈良県 15
09 静岡県 33 広島県 16
10 秋田県 33 茨城県 16
11 石川県 31 岡山県 17
12 岐阜県 27 宮城県 17
13 新潟県 27 三県重 18
14 和歌山県 27 京都府 18
15 富山県 27 福井県 19
16 島根県 27 兵庫県 19
17 福島県 26 沖縄県 19
18 山口県 26 岩手県 20
19 栃木県 25 高知県 21
20 鳥取県 25 滋賀県
21
出典:同上

人口10万人あたりの公衆浴場数で見ると、やはり温泉地で有名な、長野県(野沢温泉、蓼科温泉など)、大分県(別府温泉、湯布院温泉など)、鹿児島県(指宿温泉、霧島温泉など)、愛媛県(道後温泉など)、熊本県(阿蘇温泉など)、山梨県(石和温泉など)が上位に並びました。

逆に人口10万人当たりで公衆浴場が少ないのは、埼玉県や愛知県、大阪府、神奈川県でやはり人口が多い大都市部の都府県が中心となります。

その中でも意外なのはワースト8位の奈良県ですが、そう言われると奈良県には古くからの温泉地が少なそうです。すぐ近くには和歌山の白浜温泉や南紀勝浦温泉、龍神温泉などがあり、そうしたところに押されている感じです。

現在、新型コロナの影響は落ち着いてきましたが、燃料費の高騰が続いていて銭湯など浴場の経営は楽ではないでしょう。

人口も減っていき、やがて銭湯が好きな高齢者もだんだんと通うのがたいへんになり、若い人はというと、サウナこそ人気ですが、昔ながらの銭湯へ通うことは期待できず、多人数でお風呂に入る経験がない今の子供達が、大人になってから銭湯へ通うとも思えず、決して未来は明るくなさそうです。

ドキュメンタリーなどで、後継者がいなくて廃業寸前の銭湯を若い人が買って再生するというストーリーは各地でありそうですが、いくら銭湯が好きな高齢者社会とはいえ、これから利用者を増やすというのは極めて難しそうです。

日本の良き伝統だった銭湯や湯治は、古くはテレビドラマの「寺内貫太郎一家」(1974年など)や、映画「テルマエ・ロマエ」(2012年)、「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016年)などがあり、それぞれ楽しめましたが、見ていると失われつつある日本の文化という見方に変わってきました。

以前、山梨の日帰り天然温泉へ寄ったとき、来ていたのは地元の老人ホーム?から団体でマイクロバスに乗ってやってきた高齢者だけでした。都市部でも、そうした送迎付きの温浴施設ならば喜ばれるかも知れませんが、いずれにしてもターゲットが高齢者だけなら限度があります。

根本的な解決は若い人に銭湯や温浴施設にいかに足を運んで、常連になってもらうか?ですので、綺麗でプライベートな場所もあり、オシャレな健康設備(エステやジム)もあるというような転換を図らなければダメでしょう。

いずれにしても、まもなく日本から古い伝統的な銭湯がなくなるのも時間の問題かも知れません。

【関連リンク】
1199 減り続ける銭湯と競争が激しくなる温泉
1005 泉質による温泉健康法
565 冬はやっぱり温泉でしょう



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1652
世の中ではサブスクモデルというか、少額で長く支払い続ける支払い方法が大流行しています。

元々、電気やガス、水道料金のような公共料金から始まり、電話料金、新聞購読など、こうした一括支払いではないモデルは古くから定着しています。

一度に高額の一括支払いができなくても、少額ならば支払えるというメリットを生かして、スマホ本体の支払いや、有料会員等の支払い、最近では自動車まで、利用者も多いのではないでしょうか。

名称こそサブスクというなにか新しい印象を与えていますが、考えてみると、住宅ローンなどローンや割賦販売、リース契約などもそれに近いもので、お金持ちであれば、ポンと現金で買うモノを、誰にでも買えるようにした便利なシステムです。

このサブスクモデル、どうしてこれほど流行しているかと言うと、若い人の所得が伸びない中で、どうすれば物欲を刺激できるかということを考えた結果、スマホ、元々は携帯電話で「初期費用0円!」「携帯電話無料!」「基本料金3ヶ月無料!」など、初期費用と長い契約期間で月々費用を抑えつつ本体料金を別の名目の基本料等に紛れこませるなどして、飛びつきやすくして成功したことによるでしょう。

最近は新車のマイカーの購入に代わりサブスクで利用できる仕組みが人気です。サブスクと言ってもすでに一般的になっている法人向けのリース販売とさして変わりません。契約期間の違い(リースよりサブスクのほうが契約期間が長いのが一般的)と、車両の持ち主がリース会社か自動車販売会社の違いぐらいでしょう。

マイカー購入にはローンでも最初にまとまった資金が必要です。給料が上がっていかない若い人にはなかなか厳しいですが、本体価格、車検等メンテナンス費用、保険と各種税金に利子や利益を加えた総額から、解約時の中古車価格相当額を差し引いた金額を分割で支払ってもらう仕組みです。

月々の支払い金額は一見すると安く見えるかもしれませんが、自動車メーカー、販売会社、ファイナンス会社、保険会社のいずれも(必ず、たっぷり)儲かる仕組みですから、現金払いと比べてユーザーがお得になることはまずありません。

もしサブスクでなく、全額自己資金で購入すれば、車両本体の値引き、ファイナンス会社に落ちる金利や手数料、車検などメンテナンスを販売会社よりも安い町の修理工場に依頼したり、DIYやユーザー車検を利用することで大きく出費が抑えられます。

またもしなにかの都合でクルマを手放さざるを得ないとき、購入していれば中古車販売店ですぐに売れますが、サブスクモデルだと経過期間によっては違約金をたっぷり取られます。
次に車の買い換えの時は下取り車として購入価格を抑えることができますが、サブスクではそう言うメリットはありません。



誤解を恐れず言うならば、このサブスクモデルは、いわば持たざる貧者向けのビジネスです。

上の写真は、トヨタ(左)とホンダ(右)のサブスクの紹介ですが、見事にちょっと前(今でも同じ)のお金に困った人向けビジネス「サラ金(消費者金融)」の広告とまったく同じイメージでしょ?つまり対象者が同じなのです。

高額で一括では買えない人向けに、初期費用や月々の支払いを小さくみせつつ長期の契約で縛り、囲い込まれてそこから容易に離れることができず、契約が終わりそうになると次の新しいモデルを買い(買わされ)、延々と支払いが続いていきます。

こうしたサブスクモデルを提供している企業からすれば、これほどおいしい客はありません。ユーザーと価格交渉などなく、ネットでも簡単に販売ができます。

そして契約すればあとはなにもしなくても毎月毎月愚直に支払ってくれて、違約金を考えると途中で逃げる(解約)ことはほとんどありません。

他にも最近はインターネット回線の契約キャンペーンが過激化していて、他社の光ネット契約から変えると5万円以上の現金キックバックがもらえるキャンペーンとか普通にやっています。

なぜそんな金額をプレゼントしてでも契約を取りたいかと言うと、当たり前ですが、一度契約してくれると何年も継続してくれて十分元がとれるからです。

私も3年前にネット回線をJ:COMからNUROに変更した経験があります。その時の収支は下記の記事のシリーズで書いていますのでご参考まで。

やっとのことでJ:COMを退会した その1 2019/8/10(土)

それなら、スマホや回線などいつも安くなるようにしょっちゅう乗り換えればいいのでは?と思いますが、これが結構たいへんで面倒臭いのです。

回線契約もそうですが、その他、各種の会員契約についても入会するときはワンクリックでできても、退会するときは大変な作業が待ち受けていることを覚悟しなければなりません。

アメリカでの話ですが、下記のような記事が出ていました。

Amazonプライムが解約しづらすぎる問題がついに解決されてたった「2クリック」で退会完了に、ただし日本は対象外(GIGAZINE)
解約方法が複雑なことで有名なAmazonプライムは、ユーザーをだまして退会を断念させる「ダークパターン」だとたびたび非難されており、2021年にはノルウェーの消費者当局がAmazonを訴える事態にまで発展・・

Amazonという超有名企業ですら退会するのが難しいのに、あまり有名でない、しかも悪意がある企業に一度有料会員になってしまったら、もう退会するのは無理!って思われるようなところもあります。

例えば、入会するのはネット上でクリック1回すればできるのに、退会する時はカスタマーセンターへ電話をしなければならないとなっているところがあります。

なぜ電話しなければダメなのかとその理由を聞くと、「誤って退会されたり、他人が勝手に退会処理をしないように、慎重を期している」とかの話が返ってきます。

そんなのは嘘で、「退会への障壁を高くする」というのが一番の理由です。

それでも、ちゃんと退会用のカスタマーセンターへ電話がつながればマシなほうで、中には「退会の電話申請は平日の10時から16時まで(12時から13時は休止)」とあり、普通の仕事を持っている人なら仕事中なのでなかなか電話ができず、さらに決定的なのは、「現在回線が混み合っています。」と、その時間帯はまずつながらないようになっています。

企業側からすれば、1回線を解約専用回線とし、ずっと受話器を上げておけば退会者が出ることはないという仕組みです。

そして退会申請の電話がつながったとしても安心はできません。何百人、何千人の退会申請電話を受けて対応してきた海千山千の引き留め係が様々なテクニックを駆使して退会を阻止してきます。

それで実際に退会を思いとどまる人が多そうです。数ヶ月無料にするとかのお得作戦か、それでもダメなら一種の心理作戦で、退会するのは悪いことをしているようにすり込まれます。それらをはねつけられる人はとても勇気ある人です。

中には個人情報を握っていることで脅されることもありますが、それは立派な犯罪ですので、通話を録音して警察へ届けるべきでしょう。

入会するときに、退会するときのことって普通は調べないし、調べても実際にやってみないとわからないというのが実態です。

なので、月々(年々)お金が引き落とされてしまうような、サブスクモデルや有料会員契約をするときは、相手をしっかりと見きわめて、さらに契約期間と総額を調べて慎重に判断するほうが良さそうですよ。

【関連リンク】
1539 金利金利金利
1417 31年間の住宅ローンから解放される
473 割賦販売の罠は誰でも知っているが、、、


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1644
2020年から続く新型コロナウイルスによる経済的なダメージは、大きな利益を出している多くの大手企業ではなく、日々の仕事で資金繰りをやりくりしている零細企業や、仕事が安定しないパートや非正規社員、そして健康に不安がある高齢者を直撃しています。

さらにロシアのウクライナ侵攻による燃料価格や、多くの食料品、生活用品などが高騰する影響はこれから出てくるでしょう。

つまり給料は増えないのに商品やサービスの価格が上昇するとモノが売れなくなります。モノが売れないと雇用状態は悪化し、従業員、特にパートやアルバイトなど非正規社員は減らされ、生産性が高いとは言えない高齢者は仕事を失うことになります。

雇用環境や健康状態の悪化等で失業した時の最後のセーフティーネットとしてあるのが生活保護制度で、経済不況と失業者数、生活保護受給者数とはリンクしている場合が多いです。

そして最近の生活保護申請者の特徴としてよく言われている「高齢者の受給申請が多くなっている」は、単に高齢者数が増加しているからと言うだけでは済みそうにありません。

例えば、昭和時代なら親子関係、親戚関係など血縁者が高齢者を世話していたのが、少子化と核家族が当たり前になってからはそうした血縁者に高齢者の生活を見てもらうケースが減ってきました。

昔なら親の面倒を当たり前にみていた子供の方も、バブル崩壊以降30年間給料が上がらず、逆に非正規社員で生活が不安定だったりして、「頼ってもらっては困る」ということにもなります。

そのような中で、憲法で保障された最後の砦となる生活保護ですが、以前は申請してもなかなか受理してもらえず、水道代や電気代が払えず、それによって餓死したり熱中症で孤独死するという悲惨なことが繰り返されました。

最近は受給資格に以前ほど厳しくはなっていないのと、水道など命に直結するインフラは最後の最後まで停めないなど、犠牲者を出した反省が生かされています。

その生活保護受給について、各種データの概要を記しておきます。

データ出典は厚生労働省の被保護者調査です。

まず、生活保護を受給している人数(被保護実人員)と被保護世帯数の1990年から2021年までの推移です。1世帯に親と子供の3人がいれば、世帯数は1ですが、受給者数は3人です。



1990年頃の100万人台から徐々に増加し、2011年からはずっと2倍以上の200万人台で推移しています。

最近は高齢者の独居が増えているためか、受給者数はやや減少していますが、世帯数は横ばいで、受給者数と世帯数の割合が1990年は1.63人/世帯だったのが2021年には1.24人/世帯と受給者数と世帯数が近づいています。

 ◇   ◇   ◇

次に、生活保護の申請件数推移、受理された保護開始世帯数、申請受理比率、保護廃止世帯数は下記の表の通りです。これはその年度中に新たに生活保護を申請された件数、その中で受理した件数、その割合、生活保護の受給が終わった世帯です。

コロナが表面化した2020年には申請数が増えていますが、逆に受理比率は下がっています。上記に「最近は受給資格がそれほど厳しくない」と書きましたが、受理比率を見る限りはまた最近は厳しくなっているのかも知れません。

(世帯数)  申請件数  保護開始世帯数 申請受理比率 保護廃止世帯数
2016年度 19,603 17,686 90.2% 17,138
2017年度 18,868 17,004 90.1% 17,114
2018年度 18,698 16,713 89.4% 16,880
2019年度 18,587 16,564 89.1% 16,753
2020年度 19,009 16,906 88.9% 16,399

新たな申請数と受給が終わった(保護廃止)世帯数とがほぼ同数に近いのは偶然なのでしょうか?

なにか「新たな受給者を増やすときは廃止も増やす」と言った作為的なバランス調整がおこなわれているような感じがこの表からは感じられます。トータルがゼロとなるゼロサム理論は経済理論だけにして欲しいものです。

 ◇   ◇   ◇

生活保護が受理された開始の理由は下記の通りです。



目立つのは、「傷病による理由(黄緑)」は年々下がり続けているのと、2020年に限って見ると、「働きによる収入減少・喪失(緑)」「貯金の減少・喪失(青)」が増えています。後者についてはコロナ禍の影響と思われます。

 ◇   ◇   ◇

生活保護世帯の内訳(どういう構成の世帯か)をコロナ前の2016年とコロナ禍に入った2020年を比較してみます。



やはり2020年は高齢世帯が増えていることがわかります。高齢者世帯の増加と上記の開始理由の「働きによる・・」「貯金の・・」がそれに関係しているのでしょう。

ザクッと見てきましたが、まとめると生活保護受給者は30年前から倍増していて、その受給者の過半数が貯金が尽き、働きたくとも働けない独居の高齢者世帯が増えています。

そして160万世帯の生活保護世帯のうち、毎年1万7千世帯(1.1%)が入れ替わっているが、逆に言えば生活保護受給者の99%は制度が変わらない限り今後もおそらくずっと受給し続けることになるだろうとも言えます。

そう考えると、生活保護制度は、セーフティーネットというよりは、年金が少ない人や医療費が嵩む人、病気等で働けない人など一部の人に適用するベーシックインカムに近いものとも考えられます。

今後、この生活保護制度が改正されることも考えられますが、年金制度とともにどうあれば正解なのかは難しい今後の政治的な課題です。

【関連リンク】
1224 生活保護を受ける壁のこと
970 生活保護世帯の増加は高齢者増加だけが原因なのか?
510 生活保護受給者200万人時代



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1639
夫婦とも働いて高収入を得ているパワーカップルの定義は様々あるようですが、一般的に夫婦とも700万円以上(夫婦で1400万円以上の年収)の収入を得ている世帯のことをいう場合が多いようです。

まだそういう世帯は少なく、総世帯4885万世帯中34万世帯で、総世帯の0.7%、共働き世帯の2.1%(2020年、ニッセイ基礎研究所)ということです。

それにしても2013年の総世帯に対するパワーカップルの割合は0.4%でしたから、7年間で0.3%、世帯数で言えば14万世帯も増加しています。まだまだ不十分とは言うものの、女性の社会進出が着々と進んでいる成果でしょう。

私は昭和時代の人なので、団塊世代が高度成長時代に作ってきた「夫は外でがむしゃらに働き、妻は子育てしながら家庭を守る」という当時の定番路線を歩んできたので、こうしたパワーカップルについては羨ましい反面、いろいろ問題も起きそうと思う面があり、考えさせられます。

パワーカップルについて、様々なところで、世帯間格差(高収入同士の夫婦世帯と低収入同士の夫婦世帯の2極化)や子育てや家事役割分担など、その功罪や問題化が語られ尽くされています。

パワーカップルの問題点と対策【20年後の豊かさを消耗中?】(すぱさら)
パワーカップルの問題点は、
・子育てに時間を掛けられない
・余裕がなくなってイライラする
・浪費癖で貧困化
という、「将来豊かにするもの」を消耗する可能性があることです。

しかし、ここではちょっと目先を変えて、パワーカップルがおそらく積極的に買うであろう首都圏の分譲マンション(新築・中古)の平均価格推移とパワーカップルの世帯数推移を並べてみました。

理由は共働きで二人ともフルタイムの正社員勤務をしているパワーカップルの約6割が子供を含む世帯、3割が夫婦だけの世帯ということなので、そうしたライフスタイルの場合、多くは郊外の一戸建てよりも都市部のマンションを購入する傾向が高いと思うからです。

さらに夫婦とも各々年収700万円を超えるということは、やはり首都圏など大都市で働くカップルが多いと思われます。

つまり、パワーカップルの増加は、地方や郊外の一戸建てには影響は与えないものの、タワーマンションなど都心部のマンションなどの需要を引き上げることになりそうです。

マンション価格は新築の場合は建設数と買いたい人の数、つまり需要と供給で決まり、中古含めてマンション価格が上がるということは、それだけ買いたい人が増えていると思って間違いありません。

データは、総務省労働力調査、不動産経済研究所、東日本不動産流通機構から抜粋しています。



見事にこの2013年から2020年までの7年間、パワーカップル世帯数、新築マンション価格、中古マンション価格は揃ってコロナ禍によるワーケーションブームやオリンピック景気などの建設コスト上昇など関係なく上昇傾向にあります。

つまり、現在の不況下の中でのマンション価格高騰は、他にも要因があるでしょうけど、そのうちのひとつに「パワーカップルの増加が引き起こした!(かも)」という結論に達しました。

ホントか?

【関連リンク】
1585 専業主婦志向と共働き志向推移
995 2LDK、販売価格10万円のリゾートマンション
874 老朽化しつつあるバブル以前のマンション
681 コンパクトマンションが流行っているらしい



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紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
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