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最近よく新聞の折込チラシに入っているので、流行ってきているなと感じていた宅配弁当の話しですが、少し前にワタミの子会社で宅配弁当事業を運営しているワタミタクショクのアルバイトの話しが記事に出ていました。

その内容はというと、

主に高齢者の自宅に弁当を宅配するこの仕事は業務委託で、軒数による出来高制。1日約50軒を回り、週5日で月収は8万~10万円になる。(中略)雨の日も1日10kmを電動アシスト自転車で配達している。

常識的に考えると、自転車に50軒分を一度には積めそうもないので、何度も取りに戻るという手間と時間がかかりそうです。

また、上記と少し条件が異なりますが、ワタミタクショクの求人広告では「弁当のお届けスタッフ 完全出来高制 平日報酬例:1日30軒、月20日で95,000円」というのがありますので、配達地域(配達先が割と1箇所に固まっているとかいないとか)や配達形態(クルマorバイクor自転車など)によって条件等に差があるのかも知れません。

仮に記事に出ていた方の話しを元にすると、
月収90,000円÷50軒÷20日=1軒あたり90円の配達料と考えることができます。
求人広告通りだとすれば
月収95,000円÷30軒÷20日=1軒あたり158円の配達料になります。
結構大きな差ですが、どっちが現実なのかはわかりません。

ちょっと不審に思うのは、契約先の50軒に配達するにはどれだけの時間がかかるかは、契約先のほとんどがひとつの団地内に固まっている場合と、1軒1軒が遠く離れている場合とで大きく違ってくるでしょうけど、勝手に想像すると平均して10分に1軒配達できたとしても1時間に6軒、50軒分だとなんと8時間と少しかかってしまうことになります。

まさか夕食の弁当を夕食時から8時間も前(つまり午前中)に届けるわけにもいかないでしょうから、毎日50軒の配達っていうのは、前述のように1箇所に集中して固まっているところ以外はちょっと無理なような気がします。それも「自転車で」となっていますので、2~3回お弁当を取りに戻る時間を考えると、とても信じられない数字に思えます。

求人広告にあるように30軒の場合だと1軒の配達に仮に10分とすれば5時間(30÷6軒)で、まぁ、午後からの配達でもそれなりに終わらせることが可能です。ただ、これも配達先がある程度固まっているところでないと、平均して10分に1軒回るのはかなりキツイのではと思います。郵便やチラシのポスティングのようにポストに入れておくだけではなく、呼び鈴を鳴らし、高齢者がゆっくりと出てきてドアを開け、手渡すだけでも数分はかかりそうです。

ひとまずこれらを基準にして時給に換算してみると、
1軒90円×50軒=4500円日給 4500円÷8.3時間=542円ということになります。
求人広告の条件だと、
1軒158円×30軒=4,740円日給、配達に仮に5時間かかると仮定すれば時給は948円となります。
どうもこちらのほうがまだ現実的っぽいですね。

法で定められた東京都の最低賃金(平成25年度)は869円ですから、もし雇用関係にあれば、それより低いか同等の労賃に加えて車両経費の負担と事故や配達先不在による再配達など、その他のリスクを負うことになりかねません。これだけを見ると「やっちゃられねぇ!」というブラックな仕事に見えます。

この内容から「やっぱりワタミは真っ黒だ!」というステレオタイプな声がネットでは上がりましたが、確かに配達するための経費(自前のクルマや燃料代、保険料など)を考えると、決して主たる収入源としておこなう仕事ではなさそうです。しかしちょっとしたアルバイトや、特に引退して年金生活の元気な高齢者には、考え方によってはそれほど悪い仕事でもなさそうな気がします。

一般的な宅配便の荷物を集荷場から各住宅まで運ぶ仕事も、上記ワタミタクショクと同様個人委託しているケースがありますが、調べてみると比較的都市部の郊外地域で、完全出来高制の場合、大きさや重量によっても差があるようですが、通常は1個100円~130円ぐらいが標準のようです。もちろん配達に使うクルマ、燃料代等はすべて個人持ちです。

宅配弁当と宅配便ではなにが違うかと言えば、上記のワタミの場合、基本的に宅配弁当は月契約ですから、毎日運ぶのは同じ家で、したがって配達するルートも決まっています。また運ぶのは保冷剤を入れた発泡スチロール製の箱に入れたお弁当だけで、お弁当は各家にせいぜい1個か2個でしょうから、手持ちでの配達は片手でも持てる軽くて小さなものと考えられます。

一方の宅配便は毎日運ぶ場所は様々で、土地勘がないと1軒の家を探すのに時間を要したり(表札のない家、不在の家が最近は多い)、土地勘がないと順序よく配達ができないので、行ったり来たりして無駄な時間と労力がかかります。

そして一般的に宅配便の場合、運ぶものは書類のような軽くて小さなものもあれば、それこそ箱入りのミネラルウォーターのような重量物、家電製品やパソコンなど重いうえに大事に扱わなければならない精密機器というものまで様々あり、それらをエレベーターがない(あるいは保守点検中の)マンションの3~4階の部屋まで運ばなければならないことも当然あるでしょう。

多少は大きさや重量で配達料金にも差が付けられ、運送業者も多少は配慮してくれるのかもしれませんが、料金の問題ではなく、体力のない高齢者や女性には宅配便はちょっと厳しそうな気がします。

ワタミタクショクの場合、1軒配達90円(求人広告の場合158円)がブラックで、一般的な宅配貨物1個120円が普通なのか、どちらも実際に体験したわけではないのでなんとも言えませんが、想像するに、専業主婦やリタイアした高齢者のアルバイトとして考えるなら、ワタミの宅配弁当もそんなに悪くはないのかなぁって思います。

もうひとつ、チラシのポスティングの求人広告を見ると、やはり場所や条件にもよるのでしょうけど、1ポスト配布で3~5円だそうです。1ポストあたり4円として時給で500円分を稼ごうとすると1時間に125軒のポストにチラシを配布しなければなりません。これは1分で約2軒への配布に相当します。

大きなマンションなど集合住宅だとそれも可能でしょうが、そう言うところは管理人がいて勝手なポスティングを断られてしまいそうです。私が以前住んでいたマンションでは管理人さんがいる時間帯は全部断っていました。一戸建ての住宅地でのポスティングだと、頑張ってもせいぜい1分で1軒がいいところではないでしょうか。そうすると4円×60=240円が時給となります。それと比べると決してワタミタクショクの仕事が悪い条件とは言えませんね。

あとワタミタクショクの場合、最初は既存の地域の契約先をそのまま引き継ぐそうですが、その与えられた地域で配達と同時にポスティングや勧誘(セールス)をして新規顧客を開拓していく努力を求められます。これについて「最初に営業活動を含むなんて知らなかったヒドイ!」っていう人もいますが、そうでもしないと契約が減っていくだけで収入も減ってしまうことになり、そういうことは民間企業なら、どこでも当たり前にやっていることで私に言わせれば非難するに値しません。その新規獲得件数にノルマが課せられたりするとちょっと問題でしょうけど。

問題があるとすれば、雇用契約ではなく委託契約ですから、タクショクも宅配も配達するクルマやバイクは自前で用意し、自動車保険は通常の「日常・レジャー使用」から割高な「業務使用」に変更しなければ、事故が起きたときに保険が支払われないという事態が考えられます。これは困ったものですね。

また事故や違反金は当然個人の責任ですから、配達中に駐車違反など取られると、クルマの違反金ならそれだけで1週間分の収入が吹っ飛んでしまうということになります。かと言ってコインパーキングに入れて数百円支払ったらその日は赤字ってってことにもなりかねませんから駐車違反の取り締まりが厳しい都市部ではつらいところです。

自分から希望できるかどうかは不明ですが、ワタミタクショクの場合、配達地域によっては、自転車や原付バイクで回れるというところもあるようで、そういう地域と条件なら、経費は最小限に抑えられ、しかも駐車違反で反則金が取られる心配もほとんどなく、おまけに自転車ならいい運動になり健康にもいいときています。雨の日や、台風、雪など荒れた天気の時はつらいでしょうけどね。

こうした地域配達拠点から住宅まで配達をするラストワンマイルの仕事は、ネット通販を利用する人が増え、さらには外に出られない要介護の高齢者が増えていくにつれ、これからもっと盛んになっていくでしょう。70年代に作られた古い団地では、エレベータがないところも多く、足の弱った高齢者がますます外出しなくなり、こうした宅配を求める人が増えていると聞きます。

ただ現状のような委託元(販売会社)ごとにおこなう分散委託形式が、将来労働力不足が深刻になってきた時、どうするのか?を考えると、今後は例えば地域に根ざしたコンビニやスーパー、新聞配達所、郵便局、宅配ピザ屋、雑貨屋、道の駅などの中からどこかに各種宅配物のエリア集約拠点として定め、そこに勤務するパート・アルバイトが、手の空いた時間に、例えば宅配物とお弁当とネットで当日注文された野菜や日用品をまとめて配達するという集約同梱型配送の形態になっていくのではないかと思っています。

これからそうしたことがいろいろと試行錯誤されていくことでしょう。高齢化と人口減で経営が苦しい地方のスーパーなどは、そうした事業に乗り出すチャンスかもしれません。


【関連リンク】
719 道の駅は次の段階へ進めるか
709 Amazonにガチ対抗できるのはイオンかセブン&アイか
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あえて調べるまでもなく日本の労働者(就業者)の高齢化が進んでいますが、総務省から発表されている労働力調査の年代別就業者数を見るとよくわかります。

年代別就業者数グラフ(総務省労働力調査)


赤い線の15~24歳までの若年層の就業者数の減少は、進学率の向上による影響もあるでしょうけど、もうひとつの大きな要因である少子化の波をうけて1992年頃から一気に下がり続けています。

逆に、65歳以上の高齢就業者数は1970年はわずか231万人だったのに対し、2013年は636万人と2.7倍に増えています。1970年代時の高齢者は戦争で亡くなった方も多く、そうした少ない事情もあるでしょうけど、その後は年々元気な高齢者が増え、高齢者が働ける環境が整ってきているということなのでしょう。

就業者全体の数が2013年は6311万人ですから、65歳以上の高齢就業者だけですでに10%を超えています。働いている人の1割以上が65歳以上の高齢者だということですね。

私の父親(大正8年生まれ)が現役バリバリで働いていた1970年代は、企業や役所の定年が55歳が普通で、貯金と退職金で年金が出るまでの間は食いつなぐか、60歳までは嘱託として働き、60歳で年金をもらいその後は悠々自適の生活でしたが、日本人の平均寿命が延びるのに合わせて年金支給が遅れ現役生活が長くなっていきます。

またグラフの中で各年代推移の最高値に達している点を「オレンジ色の○でマーキング」しましたが、これは人口の中でもっとも多い団塊世代がその年代で働いていたことがわかるポイントです。また「黒い▲マーク」は団塊ジュニア世代で、現在40代前半に達していることがこの山になっていることでわかります。

こうした高齢者の就業者が増えているということを念頭に置いて、次に正規と非正規社員の推移について調べてみます。

テレビを見ているとキャスターやコメンテーターがわけ知り顔で「若者の非正規社員が増えている」「非正規が増えると非婚や年金未納など社会的な問題が起きる」と言います。NHKですらニュースで「非正規社員の急増」と大見出しを出すだけで、その中身の真実については語りません。

非正規社員(らしい人が)が増えてきているのは、確かに実感としてもありますが、しかし「若者の非正規増」については前から疑問があり、今回同じ総務省統計局の労働調査から調べてみることにします。

ちょっと見づらいですが、2002年から2013年の年代別正規・非正規社員数の推移を表したグラフです。



このグラフをみると、非正規社員数が増える傾向にある年代は、35~44歳、55~64歳、65歳以上で、あとは横ばいか逆に下がっています。35~44歳の働き盛りの年代に非正規社員が増えているのは問題ですが、この年代の特徴はここ5年ほどは団塊ジュニアという大きな塊が推移していて総数で増えていることで、それは正規社員数も同時に大きく増えていることからもわかります。またこの年代は出産を終えて再び(非正規で)働き出そうという女性が多いのも特徴です。

つまり、労働人口の中に占める非正規社員が増えている最大の要因は、55~65歳と65歳以上の年代層に限られると言っても過言ではないということです。特に民間企業ではまだ60歳定年のところが多く、60歳になると一度退職をして契約社員とか嘱託で再雇用されるケースがほとんどです。それらは正規ではなく非正規雇用となるので、この年代の非正規雇用が大きく増えてきているわけです。

人数では、団塊世代や団塊ジュニア世代という突出している数値があるのでわかりにくいということもあるでしょう。そこで全雇用者(役員や個人事業者は除く)の中に各年代別に正規と非正規社員がどのぐらいの割合(%)を占めて推移しているかというグラフが下記です。率ですから人口構成の人数が多い少ないはほとんど関係ありません。



特に下の非正規雇用の年代別推移を見るとわかりますが、赤い線の15~24歳と、こげ茶色の25~34歳の比較的若い層の非正規雇用(率)はいずれも下がってきています。逆に45歳以上の年代の非正規社員(率)は大きく増えてきています。

つまり「若者の非正規社員が増えている」というのはまったくの誤りで、もし非正規社員増の問題を議論するなら、まず60歳以上の高齢者向けの対策、次に、30代後半以降の出産後の女性が非正規ではなく正規社員として復帰できる環境整備などが先でしょう。

もちろん60歳過ぎても転勤や残業、休日出勤まである正社員として目一杯働きたいと言う人ばかりではないでしょうし、出産後に子育てや親の介護をしながら残業や地方への出張もある正社員として復帰したいと願う女性ばかりでもないでしょう。

こうした統計数字はちょっと見誤ると、180度違った感想や意見を持ってしまうこともよくあり、またマスメディアはより刺激的な内容であればあるほど注目を浴び、視聴率が取れるので、それに都合の悪いことは伝えず、単に「非正規社員が増えている!さぁたいへんだぁ!」と視聴者や読者を煽り続けているわけです。


【関連リンク】
717 非正規から正規雇用への転換策
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574 仕事を引退する時、貯蓄はいくら必要か
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425 棄民政策は日本の伝統か
422 長期失業者が118万人!
345 労働力人口から見る日本経済の今後とは
325 元気な高齢者はいつまでも働くべきなのか





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782
終身雇用が壊れだしたのは1990年代頃からで、大手企業においてリストラの名を借りた実質的な指名解雇がおこなわれてきましたが、考えてみると中小企業ではそれ以前からずっと業績不振やワンマン社長の好き嫌いなど環境や感情の趣くまま、従業員解雇なんて普通におこなわれていました。それは大企業たる新聞社やテレビ局において身近なものではなく、記事や番組で取り上げられることがなかっただけのことで、いざ大企業でもリストラがおこなわれるようになって始めて「これは危険だ」と取り上げられるようになってきました。

それはさておき、私(56歳)以上の人達のほとんどは、新入社員の頃、日本の代表的な雇用スタイルで高度成長を支えてきたとされる、終身雇用、年功序列が当たり前で、それが壊れるなんて信じていませんでした。

そして、新卒後の数年で会社を辞めて転職など、まるで人生の落伍者のように見られていましたし、20代の中途採用市場も極めて小さく、もしどうしても転職するならベテランの域に達した30代で、それも三顧の礼を尽くし誘ってくれるところがあってというのが普通だったように思います。

しかし私が新卒入社してから10年ぐらい経つと、新入社員(ちょうどバブル入社組)で入ってきた若者が平気で次々転職するようになり、時代が変わったと実感したモノでした。しかしその時に転職した若者が入った会社は、より小さな企業ばかりで、それで成功したかというと微妙な感じがします。小さな企業はダメと言っているのではなく、できることやれることがさらに小さくなってしまう可能性が高いのです。

転職の場合、なにを持って「成功」か「失敗」かという明確な基準がありません。人材紹介会社の場合は、「成功」=「転職できた」、「失敗」=「転職できなかった」の二つの基準でハッキリしているのですが、求職者にとっては転職できたからすべて成功だったかというと必ずしもそうではありません。

例えば「転職して給料や待遇が上がり、就業時間は短くなり、仕事には成長性があり」となればほぼ「成功」と言ってもいいのでしょうけど、「給料は上がったが、めちゃくちゃに働かされ、身体を壊したり、家族との時間がなくなった」では、果たして転職成功と言えるのでしょうか?

「希望する企業ではなく給料は下がり将来性があるとは言えない仕事だけど、ワークライフバランスがとてもうまくまわり毎日充実している」となった場合、これも人の価値観によっては「転職成功」と言えるでしょう。

もっと言えば、30代で転職した場合、その後まだ30年以上働き続けるわけですので、その会社が将来どうなるか?という長期的な観点でも「成功」「失敗」が違ってきます。

私が新卒の時に会社説明会で回ったある中堅商社は、その時はとても私など無理とすぐにあきらめたほどの盛況ぶりでしたが、私が別の会社に入社して5年目に研修を兼ねて香港へ渡ったときに、ちょうどその中堅商社が倒産したことを知りました。

そういった会社がどう転ぶかは誰もわからないリスクを軽減するには、自らが会社に頼り切らないで、自分のスキルを磨き、難易度の高い経験を積むに限るわけですが、同時に信頼できる人間関係を構築しておくのがベターな選択でしょう。案外自分のスキルや経験を必要とする仕事や業界って狭いもので、転職するとなにかしら昔の知り合いとつながっていたりするものです。

転職活動の際に、複数の応募者と競争することは普通にあり、その時の面接で、「その方なら勉強会で知り合ってよく知っていますよ」と面接者と共通の知人がいることが判明したり、「○○さんならいま当社の関連企業にいますよ」とか、不思議な縁に出会うことがあります。そういうつながりがあり、しかもその知人から「彼なら採用して大丈夫」というお墨付きがもらえれば、これ以上の推薦状はありません。

そこで転職をするのに最適な年齢は?というと、以前から企業が一番求めているのは20代後半~30代前半で大手、中堅企業でしっかり業務経験を積んできた人達ということになるでしょう。

ただ、現在は若手の転職者が少なくなり、逆に30代後半~40代の転職希望者の増加で、転職平均年齢が上がってきているそうです。

転職者の平均年齢は31.0歳 高年齢層の転職者増により5年で2歳プラス(インテリジェンス調査)
人材サービス大手インテリジェンスによると、転職者の平均年齢は2008年に29・2歳だったが、13年には31・0歳と2歳上昇した。年齢別でも35歳以上の転職者の割合が08年の10%から13年には23%まで増えており、ミドル世代の転職が盛んになっていることがうかがえる。

少し前なら40代以降の転職はリスクが多く、よほどのハイパフォーマーや自信家以外は難しいと言われていましたが、最近はそうでもなくなってきているようです。

それとも転職したくてしたわけではなく、早期退職制度や転職支援制度で半強制的に追い出された人が、やむにやまれず転職をしているせいなのかも知れません。そこのところは、この調査からはハッキリとは読み取れません。

ただ職種別では、「30代以上の割合が最も多いのは「技術系(建築/土木)」の73.6%で、次いで、「技術系(機械/電気)」(63.9%)、「技術系(IT/通信)」(61.3%)が続きます。」とありますので、大手製造業などが大量に実施してきた工場閉鎖や海外移転のための大リストラの影響で技術系中高年者の転職希望が増えている可能性があります。

特に1971年~1974年に生まれた団塊ジュニア世代が40~43歳となり、この年齢ともなれば大手企業でも管理職に就く年代ですが、どこの企業でもこうした年代のポストが不足しているように思えます。技術系職においても同様です。

そう考えると、転職平均年齢(適齢期ではなく)は、この数の多い団塊ジュニア世代が牽引していると言えなくもなく、当面はその団塊ジュニア世代の年齢とともに上がり続けることになるのでしょう。

では転職適齢期はと言えば、考え方としては数の多い団塊ジュニア世代と対抗して勝てるのは若さか経験かということですので、今すぐならば「若さ」の20代~30代前半までか、「経験」の50代前半ということになるでしょうか。ただ50代での転職は、今も昔も超難関なことには変わりなく、即戦力&人脈しかありません。

私もあと4年で定年がやってきます。雇用延長の義務化から、数年の雇用延長はお情けでやってくれるでしょうけど、果たしてそれにすがるか、それともまた別の新しい仕事人生を切り開くか早々に考えなければなりません。


【関連リンク】
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560 若者の大企業志向を非難する前に
559 バブル入社組40歳代の憂鬱
335 中高年の転職とは?





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781
来年度の予算が少しずつ見えてきましたが、消費税も上がり、景気の先行きを左右しかねない重要な予算編成になることは間違いなさそうです。

その中でも私が注目するのはやはり労働・雇用関連予算で、その使い方をみると政府や国がなにをしたがっているのかが漠然とながら見えてきます。

厚生労働省はアベノミクスの成長戦略に乗じ、大幅な雇用関連予算をぶんどるつもりで、さらに経済(雇用)特区構想なども相まって、今年は「解雇」と「再就職」の話題が多くなりそうです。

来年度の概算要求では、従来の解雇を防ぐための「雇用調整助成金」を半減させ、転職の助成金を大幅に増額する方針が立てられています。

雇用調整助成金は、経営が厳しくなった企業が社員を解雇せず、休業などの形で雇用し続けた場合に支給されるもので、一昨年2012年度は1134億円が支給されましたが、この予算を来年度545億円と半減させるようです。つまりつぶれそうな会社(穴の空いたバケツ)に、一時しのぎのために、税金を湯水のごとくつぎ込んでも無意味だとようやくわかってきたようです。それでもまだ500億円以上残っているわけですが。

そして転職支援など「労働移動支援助成金」は、一昨年がわずか2億4000万円だったのを一気に10倍増させて301億円を要求に盛り込みます。10倍増しても前述の雇用調整助成金には及びませんが、ないよりはマシってところでしょうか。

この「労働移動支援助成金」ですが、「雇用調整助成金」とは対になっているとも考えられます。つまり「雇用調整助成金」を減らして解雇を勧め、その解雇された人が再就職するための支援に使われるものとされ、主として民間の人材紹介事業者や再就職支援事業者などにばらまかれるものと思われます。

リーマンショック以降、体感的には1/10の規模に縮小してしまった人材紹介ビジネスですが(実際は数十%ダウン)、これで息を吹き返せるか見物です。

人材紹介ビジネスの2012年度の売上規模は1150億円、再就職支援ビジネスが310億円と言われています。

全体では2013年度は2012年度よりも多少伸びているようで(紹介で10%程度、再就職支援はマイナス10%)、さらに来年度予算で300億円がつぎ込まれると、単純に足し算だけでなく、その何割か増しの成果を求められるはずです。例によって国がつける予算の中には官僚天下り法人向けの中抜き分があるでしょうけれど、それは除いてです。

1270+280=1550億円・・・2013年度人材紹介・再就職支援ビジネス売上予測(矢野経済研究所)
(1550+310)×1.1=2046億円・・・2014年度人材紹介・再就職支援ビジネス売上予測(筆者の勘)

仮定の話しですが、助成金で弾みが付き人材紹介と再就職支援がそれぞれに助成金を含めて1割以上伸びるとすれば合計が2046億円となり、リーマンショック前の2007年度両ビジネス売上合計1710億円を軽く超えていきます。

一見すると2000年代前半のように、転職ブームが起き、再び人材コンサルタントの出番が多くなりそうにも思えますが、果たして中途入社の社員を積極的に求める会社がそこまで増えるのか?という疑問がぬぐいきれません。紹介業が潤うためには求人する企業と求職する人の双方が相当数必要です。そこがマッチングの難しさです。

結局は、先行き不透明感から企業の採用抑制は続き、派遣やパートアルバイト、契約社員といった非正規社員ばかりが伸びて、紹介会社や再就職支援会社にはほとんど恩恵がなかったという結果もありそうです。


【関連リンク】
694 履歴書の中の嘘はすぐバレる
614 企業は若者の早期離職を恐れるな
572 転職のキモは履歴書だ
559 バブル入社組40歳代の憂鬱
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10  紹介会社1





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厚生労働省の調べで、2010年の大学新卒者が3年以内に退職した率が、従業員5人未満の零細企業では61%、従業員が5人から29人の小企業でも50%にのぼるというデータがありました。一方では従業員が1000人以上の大企業では22%ということです。1000人以上の大企業と5人未満の零細企業とでは3年以内に退職する人の割合は3倍近くの開きがあるとの結果です。

また新卒3年以内の離職率が高い業種として、宿泊業・飲食サービス業が51%、教育・学習支援業が49%、医療・福祉が38%となっていてサービス業関連は全体平均の31%を上回る結果となっています。サービス業は一般的に製造業や建設業、流通業などと比べると中小零細企業が多いのでそのような結果でも特に驚きません。どうせ業種で比較するなら規模が同じところの比較があるといいのですが、全体での比較だとこの数値だけでは判断ができません。

大企業に入社した新人は、中小零細企業へ入社するより安定した勤務と収入が得られるということで、これが私が繰り返し言う「コメンテーターや識者が公に言う嘘に惑わされず、まず大企業を目指すべき」最大の理由です。

「大学卒業しての就職で中小零細企業に入る人は、みんな我慢や能力が足りないだけだろ?」と言われそうですが、もちろんそんなことはありません。

中には大企業に入れるだけの能力や才能がありながら、意図して中小零細企業に入る人もいますが、多くの場合運悪く採用試験の成績で落ちたり、それ以前に出身校でダメだしされていたり、有力なコネがなかったり、あるいは最初からあきらめて中小零細に活路を見出した人達です。社会人としてのスタート時点では、テストの成績や出身大学がものを言う時代でもなく個人の潜在能力に大きな差などありません。

大企業なら数十人、数百人の採用をおこない、すぐに戦力とならなくても余裕があります。しかし中小零細企業はそうはいきません。1日でも早く新人を戦力化しなければ、それだけコストと先輩社員の負担が増えて困ります。

つまり新人の戦力化に期待する要求度は大企業より中小企業のほうがずっと高く、大企業よりも早く仕事を覚えさせて実戦に投入されます。それはそれでやる気のある人にとっては決して悪いことばかりではないでしょう。

しかし決定的に違うのは、新人に対して早くから企業に多大な貢献を要求をする中小零細企業と、入社数年間は勉強期間と割り切れる大企業とで、そこに大きな差が出てしまいます。

厚労省はこの結果だけをみて「中小企業では採用と雇用のミスマッチが起きている」と判断していますが、大企業並みかそれ以上の待遇や条件の厚労省など中央機関にいる人や中小企業で働いた経験もない学者先生には、中小零細企業の採用と雇用の実態などわかるわけもなく、分析などできないでしょう。

これは「雇用のミスマッチ」などではなく、大企業と中小零細企業の(給料など)待遇、勤務条件、教育、福利厚生、要求事項の違いで、安い給料で深夜までサービス残業当たり前、土日も出勤、労基法など関係なし、研修などなく、すべて仕事は自分で考えろ的な多くの中小零細企業で、さらにその上終身雇用が壊れてきたことも加わり退職率が上がるのは極めて当たり前のことです。

要は大企業に入社した有能な人がその中小零細企業へ来たとしても同じことで、マッチングではなく、すべては勤務先において、社員を大切にし長い目で人を育てていく環境にあるかないかという伝統であり社風であり、それを許すことができる余裕があるかないかなのです。

逆に言えば従業員が1000人以上の大企業でも22%が3年以内に辞めているというのは、昭和感覚で言えばまったく驚くべき数値で、30年前なら考えられないことでしょう。それだけ今の大企業も、中小企業並みに経営環境、労働情勢の厳しさが増し、新人に対して手厚くサポートができなくなってきている証左かもしれません。

新人が3年以内に退職するのは、30年前と比べると新卒入社数年で再就職をする第2新卒市場が整ってきたことも関係していると思われます。しかし私に言わせると、せっかく苦労して大企業に就職しておきながら、3年未満で転職すれば、今までよりも環境悪化が確実の中小企業や非正規雇用の道しかありません。その不合理と将来にわたる不利な条件となることをまだ社会人になって2~3年の若者では理解ができないのでしょう。有川浩氏著の小説「フリーター、家を買う。」に登場する主人公など、その典型が描かれています。

大企業に勤めたら、嫌なことがあっても転職してはいけないと言っているのではありません。

大企業には様々な自分が成長できる研修機会や大企業同士の有能な人達と知り合いになれる場があります。留学や資格を取るための補助や支援制度だってあります。そういった中小企業では得られない経験や人脈、資格を一通り得てしまえば、あとは本人のやりたいこと、目指すことを自由にやればいいのです。そのためには最低でも5年、できれば10年は大企業に居座るのがいいでしょう。

社会で活躍している多くの有名人達の多くは、その略歴を見ると学校卒業後、最初はだいたい大手企業や中央官庁に勤めています。それをみれば明らかなのですが、そういう新卒即大企業就職組から学生に向けて発せられる「やる気があるなら中小企業を目指せ!」という言葉はどうしてもうさん臭く聞こえてしまうのです。


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