忍者ブログ
リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~ HomePage https://restrer.sakura.ne.jp/
Calendar
<< 2025/07 >>
SMTWTFS
12 345
6789 101112
13141516 171819
20212223 242526
27282930 31
Recent Entry
Recent Comment
Category
19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29  


Amazon売れ筋ランキング

ドライブレコーダー売れ筋ランキング

レーダー探知機本体売れ筋ランキング 

カーナビゲーション売れ筋ランキング


車用タイヤチェーンの売れ筋ランキング

車体カバーの売れ筋ランキング

バイク工具/メンテナンス売れ筋ランキング

車/バイク用オイル売れ筋ランキング


874
老朽化してきたマンションの様々な問題が指摘されています。

マンションは70年代の高度成長期から建ち始め、バブル期を経て、リーマンショック前の平成19年までに数多くが建設され、中長期で見ればほぼ一貫して右上がりで順調に建設され販売されてきました。


出典:国土交通省平成25年度住宅関連データ マンションの供給戸数(竣工ベース)

ちょっと小さくて見えにくいかも知れませんが、マンション戸数は2013年(平成24年)末現在で、累計590万戸、多い年で年20万戸、ここ3年は低調で年9~10万戸のペースで増えています。

そしてマンションの寿命はというと、鉄筋または鉄骨コンクリート造りで建物自体は平均的に50年程度と言われていますが、水回りや外壁、設備など大規模な修繕が必要になるのが20~30年と言われています。

もちろん大事に使えば建物自体は100年以上持つことも証明されていますが、日本のように雨が多くて湿度が高く、それに地震が多い場合、その後の技術の進歩などもあり、欧米の基準はそのまま当てはまりません。

そして上記の寿命50年、大規模改修30年というのには、但書きがあり、普段から小規模な改修や補修をこまめにおこない、水漏れやコンクリートのひび割れ等が見つかれば、早めに補修し対策をしているような場合で、もし管理状態が悪い場合や、バブル時によくあったとされる手抜き工事で建築されていたりすれば、当然寿命も短くなります。

バブル時には人手不足や建設を急ぐため、鉄筋を減らす手抜き作業をおこなったり、本来コンクリに川砂を混ぜるところを安価で手に入れやすい塩分を含む海砂を使い、中の鉄筋がボロボロになっている欠陥などもよく指摘され、全国ではそういうマンションが相当数あるのではないでしょうか。

建築後30年を迎える、バブル直前の1983年以前に建てられたマンションは全国で129万戸あり、その中には新耐震基準以前に建てられた1980年以前のマンションが106万戸が含まれています。

この30年以上前に建てられたマンションは、耐震基準の問題や、間取り、設備の関係からすでに大規模な修繕等を行われているケースが多く見られます。

修繕が行われず、人が住まなくなったマンションでは、スラム化した廃墟となっているところもあります。

では今後の十年間で新たに建設後30年を迎えるマンション数(バブル時期の1984~1993年に建設されたマンション)はと言うと、30年前以前に建てられたマンション総数よりも多い135万戸にのぼります。

1年で20万戸近くを販売してきた2000年代と比べると10年で135万戸増とやや少なく感じますが、ちょうどこの頃からマンションの供給が急増していった時期です。

このマンションブームが起きたのは、現在66歳前後の団塊世代が30代後半で、結婚後に子供ができ、そろそろマイホームでも買おうかと、競ってお洒落な新築マンションを購入した時期と一致します。

今から考えると不動産会社は夢のようですが、新築マンションは作ればすぐに売り切れ、買いたくても抽選で当たらないとなかなか買えなかった時代です。つまりこの築30年以上のマンションの所有者の多くは、転売していなければ団塊世代の人達ということです。

管理組合がしっかりしていて、修繕積立金も十分に貯まっている一部のマンションは問題ないのですが、そういうマンションは少なそうです。

私が30代で初めて購入した6年落ちの中古マンションが、新築だった頃がその時期の建築にあたると思われますが、その時買ったマンションは修繕積立金がえらく高く、部屋数50数戸の中規模マンションでしたが、それを支払わない所有者が約1割もいて、順番に回ってくる管理組合役員の仕事をしていた時には積立金の滞納者に苦慮しました。

そのマンションは交通が不便だったせいか、敷地に広い駐車場があり、そこの駐車場収入と修繕積立金で、ある程度将来の補修費に回せるかなと思いましたが、当時は何十年も先のことより、マンション購入の際に少しでも住人の負担を少なく見せようと、管理費や修繕積立金を格安に設定していた新築マンションも多くみられ、そういうところは、どこか補修をするたびに追加で多額の臨時費用を集めなくてはならないでしょう。これは半端なく難しいことです。

実際に住んでみてわかったのですが、分譲マンションであっても、数年経つとその中の1~2割程度の人は他人に貸していて所有者が住んでいないケースと、あと収入が年金だけの高齢者だけで住んでいるケースがあります。

そうした所有者から一時的に発生する1戸あたり数十万~数百万円の修繕費、補修費を支払いたくない、貯金がなく年金生活なのでそんなに一度に支払えないという声が必ず出てきます。

またエレベーターの故障で大修理が発生したときは、元の保守費用や修繕積立金の範囲であれば問題ないものの、追加で徴収となれば共有部分とはいえ1階や2階の住人は「使っていない」と支払いを当然のごとく拒みます。それがマンション管理の難しいところです。

スキーや保養地で有名な越後湯沢に、バブル時代に建てられた温泉付き豪華リゾートマンションが数十万円で売りに出ていたりしますが、その理由は前の所有者が滞納した管理費や温泉利用経費、修繕積立金と利息など合計千数百万円を、前のオーナーに代わって一括で支払う条件がついていたりするものです。

マンションってメリットも多いのですが、そうした月々の費用が決してバカにならないものなのです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、マンションの管理状態が悪いとどうなるのか?

・補修のため予想以上にコストがかかり修繕積立金が底をつく
・臨時の修繕積立金を集めるにも所有者が不在で集金できない、意図的に払わない
・管理組合の内部でも「補修する・しない」で対立が起きる
・所有者が出ていき、代わりに無責任な賃借人や不審な会社が入居する
・コミュニティが壊れ、当番制の管理組合の機能が維持できなくなる
・共有部にゴミが散らばり、空室が増え、スラム化していく
・建物の老朽化が一気に進み、壁がはがれ落ちたり下水道が詰まったりする
・不審な人物がマンションに終始出入りするようになる
・不審火やボヤ騒ぎ、住民同士の喧嘩などが起きる
・資産価値が激減する

これらがさらに負のスパイラルに陥ると、どんどんひどくなっていく可能性があるということです。

特に住人が60代以上の高齢者ばかりになると、年金生活者ばかりになり、独居老人や寝たきりの病人、認知症を患っている人も増えていきます。ここで運営が難しくなってくるのがマンション管理組合です。

高齢者は時間と経験はあるのでそういう面はいいのですが、反対意見の住人を時間をかけて粘り強く説得していくような忍耐力や、周囲の意見に合わせる協調性、それにチャレンジ意欲や体力には劣ります。そうした短気でわがままで身勝手で、かつ健康に不安がある住人ばかりになったとき、果たしてそのマンションの管理組合は正常な機能が維持できるでしょうか。

資産価値の高い、都市部に建つマンションならば、そういう心配はない?

とんでもない!

都市部のマンションこそ、所有者同士のつながりが希薄で、隣の人がなにをやっている人かもわからないなんていうのは当たり前、所有者が人に貸した部屋は、知らない間に不法在留外国人のたまり場となったり、暴力団風や風俗関係者など怪しげな人達の根城として使われたりして、住人でも怖くて近づけない、住人同士目を合わせられないということも起きているそうです。

資産価値が高い間に売ってしまった人はまだラッキーですが、住み慣れた場所を離れるというのが高齢者にとってはなによりも厳しいものなのです。

またウォーターフロントのお洒落な高層マンションも、これからオリンピックで賑わい、いましばらくはいいのですが、人口減少が顕著になってくる十数年先を考えたときは、意外と各地へのアクセスが不便で、周辺に店舗が少なく、生活感のない地域だけに、簡単にスラム化しやすい地域だと言われています。

50年前に若いカップルがあこがれた高島平団地や多摩ニュータウン、千里ニュータウンの今の姿や今後の状況をみればそれもうなずけるでしょう。

50年前はそれぞれ歩いていける範囲にスーパーや市場があったのが今はみな撤退して買い物に行くのも大変になってきています。

その点、古くからある下町や山の手界隈は、店の入れ替わりや世代交代はあっても、地域住民同士のつながりは強固に残っていて、親から子へと古くからの住人がずっと住み続け、地域のコミュニティが残り、地価もそう大きく変動しません。

述べてきたように、老朽化してきたマンションの問題は、ほぼ全部の住人から尊敬される行動的で誠実な強いリーダーがいない限り、修繕ひとつを行うにしても、ましてや大規模修繕や建て替えをおこなうような時には住民同士それぞれの価値観や余裕資金の差で、大いに揉めることが容易に想像できます。そしてそういうリーダーがいたとしても、今後何十年も元気で活動できるかわかりません。

マンション内で住人同士が揉め出すと、お金のある人は、それに嫌気がさして、とっとと別の場所へ引っ越しをしていき、引っ越しをするだけの余裕のない高齢者だけが、空き部屋や増え、雨漏りや落書きが残る、ゴミが散らかったままのスラム化したマンションに残されるという、ちょっと想像するにおぞましい光景が浮かんできます。

老朽化したマンションを若者が住みたくなるように、うまくリノベーションして、元の住人と新しい住人とがうまく共生していくといういい例もチラホラ出ているようですが(多くは不動産デベロッパーの宣伝ですが)、終の棲家としてせっかく買ったマンションなのですから、住み続けられなくなる前に、早めの老朽化対応が必要です。

例えばですが、家族用の3LDKの部屋を長く空き部屋にしている所有者から、管理組合が安く買取るか長期賃貸契約し、それを3人用のシェアハウスとしてお洒落にリノベーションして、若い人に貸すとかできるでしょう。家賃月15万円支払える若い人はいなくても、月5万円ならすぐに見つけられそうです。

シェアハウスの住人になった(貧乏な)若い人には、土・日曜日の半日、高齢者の買い物の送迎や荷物運びをアルバイトとして管理組合から依頼することもできますし、逆に若い人達の夕食を、元の住人の高齢者が作ってあげる高齢者のパートも考えられます。

若者が入ってくると静かな環境が壊されると嫌がる高齢者(必ず新しいことに反対する人はいます)をどうやって説得するか、所有者から購入や賃貸する資金をどうやって調達し返済していくかなど、やはり強いリーダーシップをもった人が必要ですね。


【関連リンク】
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用
753 ユニットバスへのリフォーム道険し
728 対外資産残高22年間世界一ということ



リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
PR



870
大政奉還で江戸時代が終わり、天皇が京都を出て東京に居を定めて以降、法的にはなんの定めもありませんが、日本の首都はなんとなく東京ということになっています。

その後東京は政治・経済の中心地として栄え、人が多く集まることで、文化や学問も東京に集中し、ここに一極集中というなにかと便利でもありながら、生活者にとっては不便を強いることも多い、世界の中でも異例の巨大都市を作り上げてきました。

安倍晋三首相が10月の参院予算委員会で答弁に答える形で、首都機能移転構想について「地方創生を考える上で、東京一極集中の是正は重要な課題だ」と述べ、前向きな姿勢を示しました。

過去にも何度となく東京の一極集中を緩和し、また防災リスクをなくすため首都機能を移転してはどうかという話しが浮かんでは消えていました。

首都機能の移転とは、

1)天皇の皇居を移転
2)国会や政府機能の移転
3)中央行政・司法機関の移転

などがごっちゃになっていることがありますが、概ね話題としてあがるのは、2)と3)が多いのではないでしょうか。

1)の皇居移転は、東京周辺の環境の悪化や、首都圏大規模災害時や凶悪テロからの予防と安全対策を考えてとも言われてきましたが、その後環境は改善し、政治的、宗教的な凶悪テロ活動が沈静化している現在では、あまり移転する理由はなさそうです。

したがってここでは2)と3)について少し話を進めるとして、かなり真剣に検討されたのが今から20~30年前のバブル景気の頃で、東京の中心部にある政府や国の機関を地方に移転させ、その跡地をバブルで膨らんでいる三菱地所や森ビルなどに売れば、地方にかなり広大で豪華な新首都の建設が可能だとまことしやかに語られていました。

世界を見ると、政治と経済の中心地を分けている国は結構多く、アメリカのワシントンとニューヨーク、ドイツのベルリンとフランクフルト、カナダのオタワとトロント、オーストラリアのキャンベラとシドニー、オランダのデンハーグとアムステルダム、インドのニューデリーとムンバイ・デリー、ブラジルのブラジリアとサンパウロなどがあります。

東京と同様に政治と経済の中心が同じ都市にあるのは、英国のロンドンやフランスのパリ、ロシアのモスクワ、イタリアのローマ、中国の北京、韓国のソウルなど。

国内の首都移転の議論では、阪神大震災や東北大震災を経験し、それらの規模の震災が東京で発生した場合、経済はもちろんのこと、政治も同時にストップしてしまうリスクが高いと言われています。

確かに人口減少時代に入ったとはいえ、東京はまだ人口が増え続け、古い木造の過密した住宅や、狭くて曲がりくねった道路など、防災に適していない場所が多く、また人口過密ゆえ、もし大事が起きると避難する場所や経路が少なく、そしてなにより生活インフラや流通機能が失われ、生き延びるための水や食料、燃料などがすぐに尽きてしまい3千万人以上と言われる首都圏の住人が想像を絶する大混乱に陥ることになります。

首都圏はほとんど被害がなかった東日本大震災の時ですら、ガソリン不足は深刻で、お米やミネラルウォーターも品不足が何週間も続きました。もし道路などインフラが寸断され物流が停まり、電気やガス、水道が使えなくなった、もう阿鼻叫喚の地獄絵図です。

そうした混乱の中でも、政府や行政の首都機能が混乱した現場から離れた場所にあり、機能が維持できれば、まだ緊急事態の対応が速やかにできそうです。

首都移転の必要性はそうした自然災害が多い日本の事情が最大の理由ですが、それ以外に、寂れていく地方の活性化という問題も合わせて考えることが可能です。

つまり新しい首都を地方へ移転することで、移転先やその周辺では巨大な経済圏が生まれます。移転により転居する公務員とその家族の住居はもとより、交通網や飛行場などのインフラ整備、国の外郭団体や公共事業関連企業などの移転や新設など巨大な新たな需要が発生します。

そんな予算はどこにある?また子供達に借金をつけ回すのか?って心配する人が出てくるでしょう。

移転の費用は確かにバブルの頃なら国会や霞ヶ関の国有地、一等地に建つ議員や公務員宿舎などを払い下げることである程度まかなえたでしょうけど、都心とはいえ大きく下落した今ではそれだけでは十分とは言えません。

しかし同時に地方で買うことになる新しい土地もバブルの頃よりもずっと安く(国有地や公有地ならタダ)済みますので、現在でもそれを新首都建設の中心財源として考えることは可能です。

そして東京に首都機能がいずれなくなるとわかっても、東京の中心地の土地が今よりもそうは暴落しないでしょう。投資が必要なら、昔マンハッタンのビルをジャパンマネーで買いまくったように、今度はチャイナマネーをうまく使えばいいのです。

さて最近といってももう15年ほど前ですが、政府から委託を受けた有識者が提案した「国会等移転審議会答申」というものがあります。

これは、国の三権の中枢機能である国会・内閣・中央省庁及び最高裁判所の地方への移転を構想したもので、かなり長いもので全部は読んでいませんが、その中でも多くの人の関心が一番高い「移転先候補地」について簡単に書いておきます。

もちろん当時、新聞等でも報道はされていましたが、15年も経ってもうすっかり忘れてしまっている人も多いでしょう(私も忘れてました)。

ただこの答申は上記の通り1999年に出されたもので、東日本大震災やその後の原発事故に関しては当然ながら考慮されていません。しかしこの候補地選定において、東日本大震災が大きく影響するかというとそれはありません。

で、まず移転先候補地としてあげられたのは、

1)宮城
2)栃木・福島
3)茨城
4)岐阜・愛知
5)静岡・愛知
6)三重・畿央

の6地域です。



その6地域のメリット・デメリットを重み付けで総合評価した上位2つが、
1)栃木・福島353点
2)岐阜・愛知340点
です。

使われた総合評価とは、例えば「外国や経済の中心地東京とのアクセスの容易さ」とか、「地震や火山災害の安全性」、「水供給の安定性」、「地形の良好性」「景観、環境」など、首都として相応しい多くの評価点からなります。

また「土地の取得のしやすさ(国有地が多いとか土地利用密度の高低)」などもポイントとして加算されます。

2011年の原発事故のあとの現在ならそれに「電力供給の安定性」とか「原発に重大事故が起きても避難地域にならない場所」とか加わりそうです。

候補地となった栃木・福島地域とは具体的にはどこかと言うと「栃木県の那須地域と福島県の阿武隈地域にまたがる地域」で、那須塩原市と白河市にかけてのイメージでしょうか。昨年その近くをクルマで走りましたが、山間地域で土地の利用度は低いように感じました。

温泉地やスキー場が近く、リゾート地としては申し分ないのですが、新しく使える平坦な場所がどれほどあるのかなって気もします。

次点となった岐阜・愛知地区は、多治見市、土岐市から瀬戸市、豊田市にかけての場所と思われます。こちらは濃尾平野の一角とその周辺の山や高原地域が多く、なんとなく新首都のイメージが作れそうです。

また本州の大動脈が交わる位置でもあり、東京や東海、関西、北陸地域へのアクセスもいいところで、リニアが通れば新首都駅ができ、東京まで1時間かからず行くことができそうです。昔1年だけ名古屋に住んでいたとき、どこにいくのにも便利な場所だなって思った記憶があります。

ただこのエリアは大都市名古屋に近く、別の目的のひとつである「地方の活性化」というにはあまり役立ちそうもなく、また東南海地震の震源地や、その他多くの活断層からも近いという懸念点が指摘されています。

その他にも、総合評価はそれほど高くはないものの、茨城地区の常陸那珂市周辺、三重地区の鈴鹿から四日市、畿央地区は京都・奈良・三重県の府県境などが候補に挙がっています。

それぞれに一長一短あり、選定の基準の優先度が例えばコスト面とすれば、土地代が安く、国有地・公有地、または大企業の工場跡地などが多い地域ほど有利になったりします。

で、私感ですが、この候補地が発表された後、東日本大震災が起き、東北復興ということも合わせて考えれば、15年前に一番評価の高かった栃木・福島地区案が一番相応しいかなと思います。

そうすれば、エリアは離れていますが、津波と原発事故で大きな打撃を受けた福島県民や東北の経済界のためになりそうです。

と、書いてきてなんですが、この首都機能移転計画は、おそらく今後ずっと絵に描いた餅のままで、実現することはないでしょう。

理由は、

1)霞ヶ関の官僚達が全員反対し、政治家は官僚を敵に回すと失脚することを知っている
2)首都移転よりその代案的な道州制の勢いが強まっている
3)財政悪化で巨大公共事業を始めることができない
4)ひとつの政権や党の長期政権・安定多数が長く続かない
5)やがて東京の人口減が始まり、移転の優先度が低くなる

などでしょうか。

特に1)が大きく、今の官僚には逆らえない自民党政権では絶対に不可能で、政権が改革派に変わったとしても、その基盤が安定するには何年、何十年もかかり、こうした官僚には嫌われ、しかも選挙で票にはつながらない大プロジェクトに関わっている余裕はないでしょう。

もし過去に首都機能移転ができたとしたら、比較的政権が安定していた中曽根首相か、小泉首相の頃だったでしょうけど、もう今は少しの失点でも与野党が入れ替わる可能性がある不安定な時代で、こうした長期的なプロジェクトを安定して推進できる器量をもった(逆の言い方をすれば独裁的な)強いリーダーは出てこないでしょう。

もし今後首都機能移転ができるとしたら、、、

それは首都直下型地震が起きて、東京が壊滅状態になったときです。その時には当然ながら東京では住民の生活と経済活動の復興が急がれ、国や政府機関は一時周辺地域へ移されるでしょう。

そして間近で地獄を見た東京に戻るなら、もっと安全で快適な場所へ移ろうという官僚や政治家の機運が高まる可能性があります。


【関連図書】

首都崩壊 高嶋 哲夫
日本史の謎は「地形」で解ける 竹村 公太郎
世界の首都移転―遷都で読み解く国家戦略 山口 広文
道州制で日本はこう変わる ~都道府県がなくなる日~ 田村 秀

【関連リンク】
816 2050年に向けてのグランドデザイン
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
715 人口減少と鉄道路線廃止
711 地方が限界集落化していく
617 人口減少と年金受給者増加
583 人口が減るのもいいんじゃない

[PR]

Amazonタイムセール

ホーム&キッチンの売れ筋ランキング 

枕・抱き枕の売れ筋ランキング

旅行用品の売れ筋ランキング


ミラーレス一眼の売れ筋ランキング 

空気清浄機 タイムセール

掃除機の売れ筋ランキング

ペット用品の売れ筋ランキング


リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX



868
労働者派遣法が改正される方向で進められています。

今回の主な改正趣旨としては、
(1)特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区別を廃止し、全ての労働者派遣事業を許可制とする。
(2)すべての業務に3年の期間制限

となっていて、私の個人的感想を言えば、可もなく不可もなくどうでもいいやという感じですが、労組を中心として反対意見の声は根強く出ています。

派遣労働者の数は、全雇用労働者(5522万人)に占める割合からするとわずか1.6%、非正規労働者(1813万名)の割合からしてもたったの5%足らずという少なさでありながら、なぜこの派遣労働だけがいつも非難の的にされるのかがよくわかりません。

本当なら、非正規雇用の中で多くを占めるアルバイト・パートや、契約社員、嘱託について、社会の保険加入、最低賃金の引き上げや労働条件の改善、希望する人の正社員登用などをもっと強く訴えかけるべきではないのかなといつも思ってしまいます。

総務省統計局 平成24年 労働力調査年報より雇用者の就業状態をグラフ化


さらに言うと正社員雇用に就けない(就きたくない)ので、契約社員や派遣などに頼っている人達の意見も取り入れて、転勤のない地域限定正規社員制度とか、介護や子育てのために時短就労が可能な正社員制度の導入推進活動、有給休暇の完全取得促進、そして正社員の残業を減らし、中小企業では当たり前の違法状態の残業を厳しく取り締まる法律を作らせるとか、他にやることあるでしょ?って言いたいところです。

なにも1.6%の派遣労働者のために、国会を揺さぶっての大騒ぎなどしなくってもってところですが、これが日本の中では普通にまかり通っている「巨悪には目をつぶり、些細なことは針小棒大に祭り上げて糾弾する」、こそくな役人どもと、それに付き従うマスコミがよく使う手で、その手を盲目的に労組までが使ってどうするよと言いたいところです。

そして、それには話題性を高めるため「年越し派遣村」などと実体を伴わない名称を付け、自分の名前を売りこみ、知らない間に内閣府などの潜り込みに成功した湯浅なにがしの戦略が効いたのは言うまでもありません。

さて、まず(1)の派遣事業の許可制ですが、正社員として雇った人を別の企業などに派遣をする場合の特定派遣事業について届け出制から許可制に移行というのは、事業者にとってはちょっと気の毒な感じがします。

特定派遣事業だけやってきた事業者の手間や経費が増えることで、当然ながらその分派遣労働者の賃金にしわ寄せがいき、さらに面倒なお役所への申請作業に嫌気して事業を撤退するところも出てくるでしょう。

ま、事業をやるやらないは自由ですが、そこからあふれた派遣労働者は失業し、新たな就職先を探さなければなりません。

許可制に変わって嬉しいのは権限がより強化される厚生労働省や地方の労働局、ハローワークなど、官僚や役人達だけ。

つまり仕事が増える(=予算が増える)のと、さじ加減でどうにでもできる支配下の派遣事業者が増え(権限が大きくなる)、天下り先の確保にも有効です。

(2)の期間制限については、コロコロとよく変わるので、なにがなんだかよくわかりませんが、今まで期間に制限のなかった職種においても3年以内という制限が設けられるということで、これに対してなぜ労組が反対するのかわかりません。

人材派遣は元々テンポラリー(臨時)システムとも言われるとおり、あくまで臨時雇い的なところからスタートしています。

しかし業種や職種によっては臨時とは1日なのか、1ヶ月なのか、1年なのか、3年なのか曖昧なところがあり、例えば、リニアモーターカーの建設や、東京オリンピックみたいな大きなプロジェクトなどは5年10年単位の一時的な仕事やその雇用も考えられます。

ノーベル賞を受賞した学者さんが、あるプロジェクトで研究結果が出るまでには何年もかかるが、その研究を手伝ってくれる専門性の高い派遣社員(契約社員?)の期限(補助金対象期間)が決められていて困ると訴えていたこともあります。

ハッキリと期間が決まっている仕事であれば、3年以内なら派遣、それ以上なら契約社員とか、まだ対応できますが、そうではない場合に融通が利かず困る人も出てくるのでしょう。

ま、でも一般的にさすがに3年以上継続する場合は臨時的とは言えないでしょうということから、3年以内で決まったようなところもあり、今回ひとつの企業の同一職種で3年以上同じ人を派遣してはならぬということが決まれば、誰でもできる仕事なら3年置きに事業者は派遣社員を入れ替えるだけのことで、入れ替えられてしまうことになる「3年前よりは確実に3歳年齢が上がった労働者」は、また仕事探しを始めなければならず、すぐに次の仕事にありつけなければ失業してしまうという憂き目に遭うことになります。

いったい誰のための3年制限なのでしょうかね。

長期の就労を希望していても、3年以上はダメよと、それが嫌なら正規雇用に就きなさいというのが国の考え方なのでしょうが、残業や転勤ができなくて正社員雇用を求めない人や、自分で働く地域を選び、家事や介護の関係で定時勤務を事前に約束してもらえる派遣就労を希望する人も多く、そうした労働者側のニーズや希望を考えられていないように思えます。

労働者の中には様々な考えや条件の中から正社員を選んだり、パートや派遣を選ぶ人がいるのが普通です。正社員には正社員のメリットがあるようにパートにはパートの、嘱託には嘱託の、そして派遣には派遣のメリットがあります。

そうした労働者側の考えを無視して、わずか1.6%の比較的叩きやすくニュースでも取り上げられやすい派遣業界や派遣就労そのものに牙をむいて「なんでも反対」では昔ながらの30~40年前の硬直した社会党や労組となにも変わりません。

派遣業界もイメージを大事にするためか、残念ながらいつも叩かれるままで、嵐が過ぎ去るのをジッとおとなしく待つだけというのも情けない話しです。

それには事業が厚生労働省の許可制で首根っこを押さえられていて、自由な動きを制限されているということもあるでしょう。

しかし業界団体としては、国の雇用を守るのは自分たちなんだという気概を見せてもらい、派遣業界が今まで日本の経済発展と雇用の拡大にどれほどの役割を担ってきたのか、もっと国民にわかりやすくPRすべきでしょう。わずか1.6%ではそれも言いにくいでしょうけど。

鉄鋼や金融、商社、通信、建設、製造業などと比べると、まだ比較的新しい業界団体で、その力も立場も弱いので、なかなか統一した広報ができていないようですが、最初に派遣法ができてもうすぐ30年になります。そろそろ派遣会社の逆襲に期待したいところですが、叶わぬ夢でしょうかね。


【関連リンク】
845 人材派遣に関するニュース二題
804 高齢就業者と非正規雇用
717 非正規から正規雇用への転換策
703 労働契約法改正で非正規雇用者は幸せになれるか


Amazon売れ筋ランキング

ドライブレコーダー売れ筋ランキング

レーダー探知機本体売れ筋ランキング 

カーナビゲーション売れ筋ランキング


車用タイヤチェーンの売れ筋ランキング

車体カバーの売れ筋ランキング

バイク工具/メンテナンス売れ筋ランキング

車/バイク用オイル売れ筋ランキング


リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX



Amazon売れ筋ランキング

ドライブレコーダー売れ筋ランキング

レーダー探知機本体売れ筋ランキング 

カーナビゲーション売れ筋ランキング


車用タイヤチェーンの売れ筋ランキング

車体カバーの売れ筋ランキング

バイク工具/メンテナンス売れ筋ランキング

車/バイク用オイル売れ筋ランキング


865
少し前の日経ビジネスで「隠れ介護1300万人の激震」という見出しが躍っていました。まぁよくある煽りのタイトルですが、高齢化していく中で無視はできない問題には違いありません。

内容は、同誌読者1000人調査を元にしているということで、非正規社員で低賃金にあえいでいる人や、農林水産業など第1次産業で従事している人、そして引きこもりやニートの人達が、有料定期購読制の日経ビジネス誌を進んで読んでいるとも思えない(偏見とかではなく一般論として)ので、それだけでも相応のバイアスがかかっている調査データですが、やがてやってくるであろう、国民総介護時代の社会を知る上で、また企業の介護制度について参考になる読み物でした。

まず「隠れ介護」って言葉は「本人または配偶者の親が要介護者で、その事実を雇用している会社が把握していない人のこと」で、日経BP社が作った造語だそうです。

介護休暇や介護休職をとっている人は介護していることをオープンにしているので「隠れ介護」ではありません。

なぜ「隠れ介護」が増えているのか?って言うと、介護のために仕事を休んだり遅刻をして、周囲に迷惑をかけたくはないと思っていて、またそれによって自分の評価が落ちることを懸念する人達がいます。

そして介護や療養、治療にかかる費用を稼がねばならず、そのため安定した収入が必要で、休職したり退職できないという事情も背景にあります。

昔は夫婦で役割分担ができていて、夫は外で稼いで、妻は子育てと親の介護を見るというパターンが多かったのですが、核家族化が進み、親と同居していないケースや、共働きが増え、夫婦ともに仕事を持つケースが増えるにつれ、そのような昔の仕組みはすでに崩壊しています。

夫婦が一緒に暮らす世帯の中で、専業主婦世帯と、共働き世帯の比率は1980年代に急速に縮まり、1995年前後にはその比率が逆転し、現在は圧倒的に共働き世帯が高くなっています。つまり30年以上前のように「親の介護は専業主婦の妻がやればいい」というわけにはもういきません。

そして少子化が進み、一人っ子同士の結婚などもう珍しくなくなってきています。

子供にとっては「6つのポケット(財布)」と言われるように、ひとりの孫に両親と、その両親の両親(祖父母)、合計6人の大人がいるように、介護者の立場から見ると、自分と妻の両親、合計4人の介護がこれから必要となってくるわけです。

そうなると、例えば夫婦で年収が少ない方が仕事を辞めて、年老いた4人の介護をひとりでするというのも、実際的に無理があるでしょうし、夫婦が互いに交代しながら介護をするか、夫婦が思い切り働き稼いで、そのお金で介護施設に入れるか、介助者を雇うことになるでしょう。

親の介護をするとして、それが必要となったとき、勤務先に「親の介護をするので、これから毎日残業なし、週に2日は半日勤務をしたい」と、果たして会社と交渉できるでしょうか?ってことです。

両親の介護をする人の多くは40代後半から50代の会社勤務であれば部課長以上で役員という人も多く含まれるでしょう。

そうした組織の中でリーダー的、または要となる重要なポジションにありながら、また、部長や役員への限られた椅子取りゲームを控えて同年代のライバル達と競っている時に突然発生することが多い介護の問題は、その人の人生と家族にとって大きなインパクトを与えることになります。

国の制度としてある介護休暇は、家族等が要介護状態になった場合、ひとりにつき93日(約3ヶ月)です。もちろん休めば無給ですから介護したくても家族の生活費のことを考えると本当に休めるかは微妙です。

一時的な怪我の場合とかでも高齢者の場合は治りが遅く、つまずいて足を骨折するだけで2~3ヶ月以上の介護やリハビリ通院が必要になることもあります。

ましてや認知症に罹ったり脳梗塞などによる半身マヒなどの場合、今後良くなるケースはまずないので、その先何年(何十年)ものあいだ介護が続きますから、そういう場合は3ヶ月以内に完全介護の入居施設を探しなさいということなのでしょうが、実質的には無理があります。

企業側は介護をしながら働く社員についてどう見ているでしょう。

まずこの介護対策については上記にも書いたように関係するのは概ね40代以上がほとんどです。つまり若い社員のメリットにはならず、就活生へのアピールにもなりません。それでなくても若い社員は「働かない中高年者の給料が高く、若い自分たちの給料が抑えられている」と常々不満を持っています。

このことからすると、企業側は、「介護を理由に(給料の高い)中高年者が会社を退職してくれるのは大いに歓迎」となり、積極的に介護者を支援する休暇制度や柔軟な勤務態勢などを作ってはくれないでしょう。

一応行政は時短やフレックスタイム制の導入を勧めるよう指導しているようですが、マストではありません。

大手企業ですら、介護で休職(無給)できる期間を少し延長したり、ケアマネージャーに相談できる環境を整えるぐらいのもので、中小零細企業にいたってはそれはもう散々な感じです。

つまり上記にも書いたように「(余り気味の)中高年は嫌なら早く辞めて」の思惑が企業側にはありありです。

つまり会社に期待してもダメだということです。

いま800万人を超える団塊世代が65歳を超えました。今はまだ現役を引退したばかりで元気で健康な人も、あと10年経つと75歳を過ぎ、多くの人がなんらかの障害や病気を抱え、要介護に迫られる人もかなりの数出てくるでしょう。仕事を辞めたとたんに呆けてくる人も多いと言います。

この団塊世代の子供達というのは、団塊ジュニアや、それと近い現在40~45歳ぐらいの人達で、もうすぐこの介護問題を背負うことになります。

では、今後どうすればいいのか?

ひとつには、割り切った考え方で、「子には子の生活があるので、親は自分達の老後の世話は自分で見なさい」という方法があります。現在ではたぶんこの考え方が一般的になりつつあります。

団塊世代以上には持ち家や財産を持っている人達が多くいます。つまりそれらの資産や財産を子や孫に残すのではなく、全部を自分たちの老後のために使ってしまうという考え方です。

そうすれば、子供達は親の財産は期待できない代わりに、仕事を辞めて親の介護に何年も関わり続ける必要がなくなります。

どうしても親の財産が欲しいのであれば、親が資産を勝手に処分しないように、仕事を辞めて親を最後まで看取る覚悟が必要です。

逆に親が子供を甘やかして、30代40代になってもまともに働かない子供を自分の貯金や年金で養ってやるという家庭が少なからずあるようです。

そういうことをすると、結局は自分が死んでも届け出は出されず、押し入れや庭に埋められ、ちゃっかり年金だけ不正に受給し続けるような輩を作ってしまいます。

財産のない親や、おひとりさまの高齢者は?

財産のない高齢者は、おそらくその子や孫にも金銭的な余裕があるとは思えないので、もらえる年金の範囲でどうにかまかなうしかないですが、医療費が多くかかりそうなら、(年金額が少ない人は)割り切って生活保護を受ける方法があります。

そうすればとりあえず医療費はタダになります。国や地方の財政が持てばの話しですが。

「おひとりさま」については、上野千鶴子著「おひとりさまの老後」や「男おひとりさま道」を読むといろいろとユニークで面白いアイデアとヒントが書かれていますので、そちらに譲ります。


【関連リンク】
834 高齢者向けビジネス(第4部 ボランティア編)
824 高齢者向けビジネス(第3部 仕事編)
820 高齢者ビジネス(第2部 趣味編)
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
825 行方不明者と顔認識システム



リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX

[PR] Amazn ほしいものランキング

携帯電話・スマートフォン 

スマートウォッチ

空気清浄機

洗濯機・乾燥機

衣類・ふとん乾燥機

テレビ・レコーダー


車&バイク


ヘルメット

洗車用品

自動車整備工具

釣りフィッシング   

ゴルフボール


ランニングシューズ

メンズスニーカー

レディーススニーカー

ベビー&マタニティ

ハンドケア・フットケア

シャンプー・コンディショナー


859
90年代のバブル崩壊以降、なんどか持ち直しはしたものの、リーマンショックにより再び就職氷河期に突入していましたが、昨年以降はアベノバブル効果もあり、新卒の就職は一時的にしろかなり雪解けされてきているようです。

と、悠長なことをぼんやり考えていたら、なんと今は就職氷河期ではなく採用氷河期ですと。

一転「採用氷河期」、内定辞退止まらない、新卒16%増見通しだが…企業、確保に苦闘(日経産業新聞)
企業の採用意欲が高まるなか、新卒採用が難しくなっている。2015年3月卒の大学生の就職内定率は7月末時点で67.2%と過去5年で最高を記録した。」
(中略)
「極端な採用難=売り手市場は弊害ももたらす。人事担当者は「15年卒の学生はレベルが低い」と一様に頭を抱える。提出物の締め切りを守らないなど基本動作に欠け「入社後、相当鍛えないと戦力にならない」。人事担当者の悩みは尽きない。」
「バブル崩壊後の1990年代前半から10年余り、企業が一気に新卒の採用を控え、就職氷河期と言われた。少子高齢化が深刻化するなか、今年が採用氷河期の元年となるかもしれない。

ちょっと短絡的な見方で「どうなのよ~」と思わなくもありませんが、一部の企業では採用難に陥っているとのこと。

しかしこれだけ少子化が加速度的に進めば、誰だって新卒者(=若者)の採用は次第に難しくなるって事ぐらい、20年も前からわかっていたことで、今さらジタバタしているのは「先を読めない素人の人事部です」と自分で言っているようなものです。

また新人が喜んで来てくれるような評判のいい会社であれば、規模の大小は問わず、なにも心配ないはずで、苦心するって事は、会社、仕事、経営者に魅力がない3ない会社で、さらに給料水準が低い、社員レベルが低い、知名度が低いなどの3低会社でもあるわけです。

しかし人事部は、採用できない理由や責任を、自分たちの無能とは認めず、概ね他人や環境のせいにします。必ずです。

また記事によると、内定を出したからと言っても安心ができず、昨年も今年も複数内定を得て、ギリギリまで決断せずに、入社近くになってから「実は・・・」という内定辞退者が出るということがよく起きているそうです。

数年前までは、画一的で味も素っ気もない「お祈りメール」を学生に大量に送りつけ、まるで人間として社会人として不合格のレッテルを貼るかのような失礼な扱いを学生にしてきたことへの仕返しをいまされていると思えば納得もいくでしょう。

就職というのはそういう意味では、採用する側とされる側の「化かし合い」で、採用側からすれば「博打」というのが私の結論で、たった数時間数回の面談やテストで、もしかすると40年以上の長い期間、うまく才能を発揮し続け、会社に多大な利益をもたらしてくれる人かどうかなんてわかるわけもないというのが持論です。

ところが人事部は「この大学にいたのだから地頭はいいはずだ」「受け応えもしっかりしていて基本ができている」などと私に言わせればバカバカしい基準で判断するのが普通で、そんなものは社会人になって荒波にもまれ、海千山千の先輩に鍛えられていけば少々の地頭の良さやにわか作りのマナーなど役に立たないばかりか弊害です。

未だに企業の採用ページで、過去採用者の学校名や、先輩社員の出身校が誇らしげに書いているようなところは、そうした学校で人を選んだり、人の潜在能力を発揮させられる能力のないロクでもない会社だと思って間違いないでしょう。

採用される側も、最初のうちは、できればこの会社で気持ちよく長く働きたいと思ってくるものの、だいたいは「聞いていた話と違う!」となり、見切りを付け退職する人が後を絶ちません。

そして転職しても、今までより条件が好転したかと言うと実はほとんどの場合、そうでもなく、結局はどこにいても同じと言うことにやがて気がつきます。

また学生の中には、数年してお金を貯めたら自分で起業をするんだ!という志が立派な若者も結構な割合でいそうですが、実際に会社に入って、その心地いい会社員生活の流れに身を任せていると、なかなかそこからは抜け出せなくなり、中高年になって追い出される立場になったときに、ふと若いときに思った起業を思い立ったりすることになります。

もちろんそうした「仕方ないから、起業でもするか」という考えでうまくいくほど世間は甘くないので、失敗したあげく、非常に条件が悪い再就職をすることになり、まだ正社員になれるとラッキーなほうで、たいていは不安定な契約社員や業務委託などとして働くことを強いられます。

だから、私はずっと前から、若者の就職率は少子化が進む中でやがては回復するに決まっているから、ちょっと就職氷河期だから、大学卒業しても正社員になれないとか言って大騒ぎをするのではなく、それよりも人生の中で一番お金のかかるミドルからシニア層にかけての再就職など雇用対策をもっと政策として力を入れるべきじゃないかと書いてきました。

ま、いずれにしても採用氷河期が続けば、若い人が就職先を自由に選べ、その影響で若者に不人気な業界や業種に求人難が続けば、いま望まず非正規社員として中途半端な立場にいる人にも正社員になれる道が大きく開かれていくでしょうから、たいへん結構なことではないでしょうか。

採用側の企業も、若い社員を採用し増やすためには、それなりに条件をよくし、働きやすい環境を整え、新卒者の半分近い女性の積極採用が進むことは確実です。これはいま国を挙げて進めようとしていることとまさに合致しています。

高齢化社会で働き手が減ると言うことばかりが言われていますが、それよりもっと大きな問題として、消費税増税と、年金生活に入る高齢者増で、やがて国内の消費活動がパタッと停まってしまう問題があり、それは国内需要を大きく落ち込ませることになります。

そういう意味では、新卒の一括採用以外の方法、例えば海外留学生や留年者の10月入社採用や、アルバイトからの正社員登用採用(経験者採用)、親の介護等で転勤できない社員向けの地域限定正社員など、多様な働き手の採用が、これからは進んだ企業のトレンドになっていくのだろうと思います。


【関連リンク】
727 大学生の就職率推移と卒業後の進路
691 就活では大企業を目指すべき3つの理由
560 若者の大企業志向を非難する前に
490 就職人気企業ランキングの意味するところ
463 新卒就職活動に思うこと



リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
ブログ内検索
プロフィール
HN:
area@リストラ天国
HP:
性別:
男性
趣味:
ドライブ・日帰り温泉
自己紹介:
紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
============
プライバシーポリシー及び利用規約
Template & Icon by kura07 / Photo by Abundant Shine

Powered by [PR]


忍者ブログ