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865
少し前の日経ビジネスで「隠れ介護1300万人の激震」という見出しが躍っていました。まぁよくある煽りのタイトルですが、高齢化していく中で無視はできない問題には違いありません。

内容は、同誌読者1000人調査を元にしているということで、非正規社員で低賃金にあえいでいる人や、農林水産業など第1次産業で従事している人、そして引きこもりやニートの人達が、有料定期購読制の日経ビジネス誌を進んで読んでいるとも思えない(偏見とかではなく一般論として)ので、それだけでも相応のバイアスがかかっている調査データですが、やがてやってくるであろう、国民総介護時代の社会を知る上で、また企業の介護制度について参考になる読み物でした。

まず「隠れ介護」って言葉は「本人または配偶者の親が要介護者で、その事実を雇用している会社が把握していない人のこと」で、日経BP社が作った造語だそうです。

介護休暇や介護休職をとっている人は介護していることをオープンにしているので「隠れ介護」ではありません。

なぜ「隠れ介護」が増えているのか?って言うと、介護のために仕事を休んだり遅刻をして、周囲に迷惑をかけたくはないと思っていて、またそれによって自分の評価が落ちることを懸念する人達がいます。

そして介護や療養、治療にかかる費用を稼がねばならず、そのため安定した収入が必要で、休職したり退職できないという事情も背景にあります。

昔は夫婦で役割分担ができていて、夫は外で稼いで、妻は子育てと親の介護を見るというパターンが多かったのですが、核家族化が進み、親と同居していないケースや、共働きが増え、夫婦ともに仕事を持つケースが増えるにつれ、そのような昔の仕組みはすでに崩壊しています。

夫婦が一緒に暮らす世帯の中で、専業主婦世帯と、共働き世帯の比率は1980年代に急速に縮まり、1995年前後にはその比率が逆転し、現在は圧倒的に共働き世帯が高くなっています。つまり30年以上前のように「親の介護は専業主婦の妻がやればいい」というわけにはもういきません。

そして少子化が進み、一人っ子同士の結婚などもう珍しくなくなってきています。

子供にとっては「6つのポケット(財布)」と言われるように、ひとりの孫に両親と、その両親の両親(祖父母)、合計6人の大人がいるように、介護者の立場から見ると、自分と妻の両親、合計4人の介護がこれから必要となってくるわけです。

そうなると、例えば夫婦で年収が少ない方が仕事を辞めて、年老いた4人の介護をひとりでするというのも、実際的に無理があるでしょうし、夫婦が互いに交代しながら介護をするか、夫婦が思い切り働き稼いで、そのお金で介護施設に入れるか、介助者を雇うことになるでしょう。

親の介護をするとして、それが必要となったとき、勤務先に「親の介護をするので、これから毎日残業なし、週に2日は半日勤務をしたい」と、果たして会社と交渉できるでしょうか?ってことです。

両親の介護をする人の多くは40代後半から50代の会社勤務であれば部課長以上で役員という人も多く含まれるでしょう。

そうした組織の中でリーダー的、または要となる重要なポジションにありながら、また、部長や役員への限られた椅子取りゲームを控えて同年代のライバル達と競っている時に突然発生することが多い介護の問題は、その人の人生と家族にとって大きなインパクトを与えることになります。

国の制度としてある介護休暇は、家族等が要介護状態になった場合、ひとりにつき93日(約3ヶ月)です。もちろん休めば無給ですから介護したくても家族の生活費のことを考えると本当に休めるかは微妙です。

一時的な怪我の場合とかでも高齢者の場合は治りが遅く、つまずいて足を骨折するだけで2~3ヶ月以上の介護やリハビリ通院が必要になることもあります。

ましてや認知症に罹ったり脳梗塞などによる半身マヒなどの場合、今後良くなるケースはまずないので、その先何年(何十年)ものあいだ介護が続きますから、そういう場合は3ヶ月以内に完全介護の入居施設を探しなさいということなのでしょうが、実質的には無理があります。

企業側は介護をしながら働く社員についてどう見ているでしょう。

まずこの介護対策については上記にも書いたように関係するのは概ね40代以上がほとんどです。つまり若い社員のメリットにはならず、就活生へのアピールにもなりません。それでなくても若い社員は「働かない中高年者の給料が高く、若い自分たちの給料が抑えられている」と常々不満を持っています。

このことからすると、企業側は、「介護を理由に(給料の高い)中高年者が会社を退職してくれるのは大いに歓迎」となり、積極的に介護者を支援する休暇制度や柔軟な勤務態勢などを作ってはくれないでしょう。

一応行政は時短やフレックスタイム制の導入を勧めるよう指導しているようですが、マストではありません。

大手企業ですら、介護で休職(無給)できる期間を少し延長したり、ケアマネージャーに相談できる環境を整えるぐらいのもので、中小零細企業にいたってはそれはもう散々な感じです。

つまり上記にも書いたように「(余り気味の)中高年は嫌なら早く辞めて」の思惑が企業側にはありありです。

つまり会社に期待してもダメだということです。

いま800万人を超える団塊世代が65歳を超えました。今はまだ現役を引退したばかりで元気で健康な人も、あと10年経つと75歳を過ぎ、多くの人がなんらかの障害や病気を抱え、要介護に迫られる人もかなりの数出てくるでしょう。仕事を辞めたとたんに呆けてくる人も多いと言います。

この団塊世代の子供達というのは、団塊ジュニアや、それと近い現在40~45歳ぐらいの人達で、もうすぐこの介護問題を背負うことになります。

では、今後どうすればいいのか?

ひとつには、割り切った考え方で、「子には子の生活があるので、親は自分達の老後の世話は自分で見なさい」という方法があります。現在ではたぶんこの考え方が一般的になりつつあります。

団塊世代以上には持ち家や財産を持っている人達が多くいます。つまりそれらの資産や財産を子や孫に残すのではなく、全部を自分たちの老後のために使ってしまうという考え方です。

そうすれば、子供達は親の財産は期待できない代わりに、仕事を辞めて親の介護に何年も関わり続ける必要がなくなります。

どうしても親の財産が欲しいのであれば、親が資産を勝手に処分しないように、仕事を辞めて親を最後まで看取る覚悟が必要です。

逆に親が子供を甘やかして、30代40代になってもまともに働かない子供を自分の貯金や年金で養ってやるという家庭が少なからずあるようです。

そういうことをすると、結局は自分が死んでも届け出は出されず、押し入れや庭に埋められ、ちゃっかり年金だけ不正に受給し続けるような輩を作ってしまいます。

財産のない親や、おひとりさまの高齢者は?

財産のない高齢者は、おそらくその子や孫にも金銭的な余裕があるとは思えないので、もらえる年金の範囲でどうにかまかなうしかないですが、医療費が多くかかりそうなら、(年金額が少ない人は)割り切って生活保護を受ける方法があります。

そうすればとりあえず医療費はタダになります。国や地方の財政が持てばの話しですが。

「おひとりさま」については、上野千鶴子著「おひとりさまの老後」や「男おひとりさま道」を読むといろいろとユニークで面白いアイデアとヒントが書かれていますので、そちらに譲ります。


【関連リンク】
834 高齢者向けビジネス(第4部 ボランティア編)
824 高齢者向けビジネス(第3部 仕事編)
820 高齢者ビジネス(第2部 趣味編)
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
825 行方不明者と顔認識システム



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859
90年代のバブル崩壊以降、なんどか持ち直しはしたものの、リーマンショックにより再び就職氷河期に突入していましたが、昨年以降はアベノバブル効果もあり、新卒の就職は一時的にしろかなり雪解けされてきているようです。

と、悠長なことをぼんやり考えていたら、なんと今は就職氷河期ではなく採用氷河期ですと。

一転「採用氷河期」、内定辞退止まらない、新卒16%増見通しだが…企業、確保に苦闘(日経産業新聞)
企業の採用意欲が高まるなか、新卒採用が難しくなっている。2015年3月卒の大学生の就職内定率は7月末時点で67.2%と過去5年で最高を記録した。」
(中略)
「極端な採用難=売り手市場は弊害ももたらす。人事担当者は「15年卒の学生はレベルが低い」と一様に頭を抱える。提出物の締め切りを守らないなど基本動作に欠け「入社後、相当鍛えないと戦力にならない」。人事担当者の悩みは尽きない。」
「バブル崩壊後の1990年代前半から10年余り、企業が一気に新卒の採用を控え、就職氷河期と言われた。少子高齢化が深刻化するなか、今年が採用氷河期の元年となるかもしれない。

ちょっと短絡的な見方で「どうなのよ~」と思わなくもありませんが、一部の企業では採用難に陥っているとのこと。

しかしこれだけ少子化が加速度的に進めば、誰だって新卒者(=若者)の採用は次第に難しくなるって事ぐらい、20年も前からわかっていたことで、今さらジタバタしているのは「先を読めない素人の人事部です」と自分で言っているようなものです。

また新人が喜んで来てくれるような評判のいい会社であれば、規模の大小は問わず、なにも心配ないはずで、苦心するって事は、会社、仕事、経営者に魅力がない3ない会社で、さらに給料水準が低い、社員レベルが低い、知名度が低いなどの3低会社でもあるわけです。

しかし人事部は、採用できない理由や責任を、自分たちの無能とは認めず、概ね他人や環境のせいにします。必ずです。

また記事によると、内定を出したからと言っても安心ができず、昨年も今年も複数内定を得て、ギリギリまで決断せずに、入社近くになってから「実は・・・」という内定辞退者が出るということがよく起きているそうです。

数年前までは、画一的で味も素っ気もない「お祈りメール」を学生に大量に送りつけ、まるで人間として社会人として不合格のレッテルを貼るかのような失礼な扱いを学生にしてきたことへの仕返しをいまされていると思えば納得もいくでしょう。

就職というのはそういう意味では、採用する側とされる側の「化かし合い」で、採用側からすれば「博打」というのが私の結論で、たった数時間数回の面談やテストで、もしかすると40年以上の長い期間、うまく才能を発揮し続け、会社に多大な利益をもたらしてくれる人かどうかなんてわかるわけもないというのが持論です。

ところが人事部は「この大学にいたのだから地頭はいいはずだ」「受け応えもしっかりしていて基本ができている」などと私に言わせればバカバカしい基準で判断するのが普通で、そんなものは社会人になって荒波にもまれ、海千山千の先輩に鍛えられていけば少々の地頭の良さやにわか作りのマナーなど役に立たないばかりか弊害です。

未だに企業の採用ページで、過去採用者の学校名や、先輩社員の出身校が誇らしげに書いているようなところは、そうした学校で人を選んだり、人の潜在能力を発揮させられる能力のないロクでもない会社だと思って間違いないでしょう。

採用される側も、最初のうちは、できればこの会社で気持ちよく長く働きたいと思ってくるものの、だいたいは「聞いていた話と違う!」となり、見切りを付け退職する人が後を絶ちません。

そして転職しても、今までより条件が好転したかと言うと実はほとんどの場合、そうでもなく、結局はどこにいても同じと言うことにやがて気がつきます。

また学生の中には、数年してお金を貯めたら自分で起業をするんだ!という志が立派な若者も結構な割合でいそうですが、実際に会社に入って、その心地いい会社員生活の流れに身を任せていると、なかなかそこからは抜け出せなくなり、中高年になって追い出される立場になったときに、ふと若いときに思った起業を思い立ったりすることになります。

もちろんそうした「仕方ないから、起業でもするか」という考えでうまくいくほど世間は甘くないので、失敗したあげく、非常に条件が悪い再就職をすることになり、まだ正社員になれるとラッキーなほうで、たいていは不安定な契約社員や業務委託などとして働くことを強いられます。

だから、私はずっと前から、若者の就職率は少子化が進む中でやがては回復するに決まっているから、ちょっと就職氷河期だから、大学卒業しても正社員になれないとか言って大騒ぎをするのではなく、それよりも人生の中で一番お金のかかるミドルからシニア層にかけての再就職など雇用対策をもっと政策として力を入れるべきじゃないかと書いてきました。

ま、いずれにしても採用氷河期が続けば、若い人が就職先を自由に選べ、その影響で若者に不人気な業界や業種に求人難が続けば、いま望まず非正規社員として中途半端な立場にいる人にも正社員になれる道が大きく開かれていくでしょうから、たいへん結構なことではないでしょうか。

採用側の企業も、若い社員を採用し増やすためには、それなりに条件をよくし、働きやすい環境を整え、新卒者の半分近い女性の積極採用が進むことは確実です。これはいま国を挙げて進めようとしていることとまさに合致しています。

高齢化社会で働き手が減ると言うことばかりが言われていますが、それよりもっと大きな問題として、消費税増税と、年金生活に入る高齢者増で、やがて国内の消費活動がパタッと停まってしまう問題があり、それは国内需要を大きく落ち込ませることになります。

そういう意味では、新卒の一括採用以外の方法、例えば海外留学生や留年者の10月入社採用や、アルバイトからの正社員登用採用(経験者採用)、親の介護等で転勤できない社員向けの地域限定正社員など、多様な働き手の採用が、これからは進んだ企業のトレンドになっていくのだろうと思います。


【関連リンク】
727 大学生の就職率推移と卒業後の進路
691 就活では大企業を目指すべき3つの理由
560 若者の大企業志向を非難する前に
490 就職人気企業ランキングの意味するところ
463 新卒就職活動に思うこと



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858
今回の記事は、先に述べておくと、死刑制度の可否について私の意見を述べているのではなく、死刑制度の現状と世界の趨勢、国内の特殊性などについてまとめ、この先どうするべきかを書いたもので、できるだけ気をつけて書いていますが、もし内容に不備や誤解があったり、偏りや、間違いがあるとすれば、それは筆者の知識不足、才能の問題と片付けてください。

現在、世界で一般犯罪において死刑を実施している国はおよそ1/3程度で、世界の死刑制度の傾向としては、廃止または制度はあっても刑の執行を停止する方向に向かっているようです。

「一般犯罪において」と書いたのは、一部の国では、民間人には適用されなくても、特に重罪とされる戦時中の軍人の逃亡や反逆罪についてのみ死刑を適用するという国がいくつかあります。

日本弁護士連合会より

青:法律上死刑を廃止した国 薄い青:事実上の死刑廃止国 薄い黄色:死刑存置国)

民主的な先進国の中では、日本とアメリカだけが死刑制度を持っている国となりますが、そのアメリカの場合は州によって死刑制度を廃止したり、何十年ものあいだ執行されず事実上停止状態という州が全体の約1/3程度あり、他の州でも廃止に向けた議論が起きているようです。お隣の韓国も制度としては残っているものの事実上死刑は停止されています。

日本と同様、死刑制度があり、また実質的に近年死刑が行われている国は、

アフガニスタン、バハマ、バーレーン、バングラデシュ、ベラルーシ、ボツワナ、中国、コンゴ民主共和国、キューバ、ドミニカ、エジプト、赤道ギニア、エチオピア、グアテマラ、ギニア、インド、インドネシア、イラン、イラク、ジャマイカ、日本、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、マレーシア、モンゴル、ナイジェリア、朝鮮民主主義人民共和国、オマーン、パキスタン、パレスチナ自治政府、カタール、サウジアラビア、シンガポール、ソマリア、スーダン、シリア、台湾、タイ、トリニダード・トバゴ、ウガンダ、アラブ首長国連邦、米国(注:アメリカ合衆国は、州によって存置・廃止が異なる)、ベトナム、イエメン、ジンバブエ

などで、特徴としては、ヨーロッパ諸国はほとんど死刑廃止が制度として進み、アジア圏に死刑制度がまだ多く残っているという印象です。

したがって上記に書いたとおり、先進主要8カ国(G8)の中で実質的な死刑制度があるのは日本と米国だけ、新興経済国を含めたG20の20カ国の中では、日本、米国、中国、インドネシア、サウジアラビアの5カ国のみとなります。

日本国内でも世界的な死刑制度廃止の潮流をうけ、また国連の人権委員会からも廃止を求められ、死刑をなくそうという議論が時々起きています。

しかしその声が国内ではなかなか盛り上がらないのにはいくつかの訳がありそうで、私の感じるところを述べておきます。

死刑廃止の意見が高まらない理由のひとつとして、凶悪犯罪に対してマスメディアが必要以上に遺族や被害者寄りの報道をして、その失意や悲しみを大きく取り上げ、視聴者や読者に凶悪犯人への憎しみをよりいっそう深めるよう誘導し、被害者に同情し、極刑を求める遺族側の立場や意向を当然のこととして、「凶悪犯罪には死罪は当たり前」という感情を長く国民に植え付けてきたこと。

そして日本では古くから「曾我兄弟の仇討ち」や「赤穂浪士」に代表される、主君や肉親の仇討ち、敵討ちを美徳とする文化があり、現代においても同様に愛する我が子や家族が殺された場合、仇討ちとして殺人犯に死罪を求める国民的合意が作られていることが二つめ。

これは死刑にはならない極悪人を、私刑にする殺し屋集団が主人公の「必殺」シリーズが国民にウケているのもそのひとつかも知れません。

三つめとしては、極刑である死刑制度が廃止されると、凶悪犯罪の増加や再犯者が増える可能性を主張する人がいます。

ただしこの3つめの理由は、可能性があると言うだけで特に明確な根拠はなく、死刑制度を廃止した国の例から、死刑廃止後に凶悪犯罪が増えたというデータは特にないそうで、私も「死刑制度がないから人を殺してやろう(制度があるなら殺すのはやめよう)」と理性的に考えて行動する凶悪犯は、まず、いないんじゃないかと思います。

稀に「死刑になりたかったから誰でもいいから殺したかった」という凶悪犯がいましたが、なんだか後付けで、見栄張りで、死刑を免れない状況下で、こじつけたようにも思えます。

そうした特殊な例を当てはめるのもなにか違っています。それにもし死刑制度が廃止されると、そのような理由で人を殺すこともなくなり、そうした自殺志願のやけっぱちな犯罪が減るかもしれません。

またそうし本当に「死にたい」と願っている犯罪者なら、生かせて罪を償わせる方が本人にとっては苦痛なはずで、厳罰という意味では生かして一生罪を背負わせるのが妥当かも知れません。

稀に、「税金で一生食わせてやるのは理不尽だ!」という意見も見られますが、懲役刑は本来役務を伴う刑で、「3食昼寝付き」の刑ではありません。

現在の役務としては、社会復帰したときの役に立つようにと職業訓練的なものが多いようですが、もっと刑務所の改革や民間委託化が進めば、収益が見込める役務を積極的に受託し、税金を投入せずとも刑務所の運営が可能という方向性もあります。

地方で大きな工場が閉鎖されることがありますが、その工場を敷地ごと居抜きで丸ごと国が買い取って、刑務所に改装し、懲役刑受刑者がその工場で働くことで生産を継続させるっていう方法だって考えられそうです。お役人にはそんなアイデアも行動力もないでしょうから民間の知恵と実行力がないと難しいでしょうけど。

役所で購入する備品類は半分以上は刑務所で生産されたものにするとか、刑務所の食事はもちろん、役所の職員食堂で出される野菜や肉、加工食品は全部刑務所で作られたものにするとか、すぐにできそうです。

現在の日本の刑罰では死刑に次いで重い刑罰として無期懲役というのがあります。しかしこの無期懲役も、刑務所の中で、罪を反省し真面目に過ごせば最近は仮釈放される基準が以前より相当厳しくなってきたとはいえ、25年~35年で仮出所の可能性があるので、二度と生きては外へ出られない死刑とはその刑の重さに雲泥の差があります。

例えば文字通りの無期懲役、例えば終身懲役刑や、仮釈放なしの40年、50年の長期懲役刑というのがあれば、死刑をなくしても、犯した罪の重さを加害者に償いさせることができ、また長期収容されたことで出所時の年齢を考えると受刑者はかなり高齢化し、再び凶悪事件を起こす可能性は低くなるのではないかと思われます。

つまり「死刑制度廃止」の可否だけではなく、日本の刑法全般を同時に見直すことによって、この問題は少しは前進するのではないかなと思っています。

また、過去には死刑が確定した後に、えん罪だったとされた事件がいくつか発生しており、最近も無期懲役刑が確定した後に、再審請求おこなわれ、逆転無罪のえん罪事件だったという例「袴田事件」などがありました。

これは事件発生当時にはなかったDNA鑑定ができるようになったり、証拠が捏造だったりということが、あとで証明されたことによるものが多いようです。

つまり不運にも無実を証明することができなかったり、状況証拠が不利だったり、警察や検察に遵法意識や公正さがなかったりすれば、誰しもが凶悪犯罪の濡れ衣を着せられる可能性があります。

時の権力者や有力者に睨まれた無実の人が、目障りだからと罠にハメられるようなことはドラマや映画の中だけでなく、実際にも起きていそうです。

今後もそのようなえん罪事件が起きないとは断言できず、刑執行により再審の希望が消えてしまうことが、死刑反対論者の主張のひとつにもなっています。

このまま議論を進めず、放置したままであれば、数十年が経って、世界で死刑制度が残っているのは、日本とリビアと北朝鮮だけで、そういう人権意識のない国は経済制裁をして、投資もしないし、観光にもいかないと世界中から笑いものにされるかもしれません。そろそろ、せめて中国や北朝鮮より早く、国民的な議論を進めてもらいたいものです。

その議論の結果、国民合意の元、日本では先進国の中では少数派となった「一般犯罪の死刑制度の永久存続」を決めたというのであれば、それはそれでその昔に「鎖国」を決めたのと同様に、他国からの内政干渉は受けないと我が道を進めばいいのだし、また「戦争放棄の平和憲法」と一緒にして「世界文化遺産」に申請してもいいのではないかと思うわけです。

ちなみに2014年7月現在、国内で死刑が確定している服役囚は128人。そして死刑が執行される人数は毎年変動があり、過去21年間で平均すると年4.7人となっています。


【関連リンク】
850 少年犯罪は増加、凶悪化しているのか?
842 ひき逃げは絶対に許してはいけない
740 高齢者の犯罪が増加
693 引きこもりが長期化する前にすべきこと
523 あゝ無情な家族が続々



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854
ゴミのリサイクルなんていうのはまやかしだ!という意見もあり、家電リサイクルなどを筆頭に、私自身も確かにある一面ではそういうものだと思っています。

今一番気になるのは生ゴミの処理と分別で、これはすでにいくつかの大きな自治体では実施されているものの、その後この生ゴミがどのようにリサイクルされていて、なにが課題なのか知っている人は少ないのではないでしょうか。

私のイメージでは、生ゴミは通常の焼却したり埋め立てに使われるゴミとは別に分けられ、肥料や飼料として再利用されているとばかり思っていましたが、さてどうでしょうか。

生ゴミには家庭から出る生ゴミと、宿泊施設や飲食店、食品加工場など事業者から出る生ゴミがあり、年間にすると事業者と家庭からそれぞれ1000万トン以上出ていると推計されています(平成16年データ)。事業用と家庭用で比率にすれば1:1の割合です。

一般的なゴミや産業廃棄物が、事業者と家庭の割合では9:1ぐらいの重量割合ですから、生ゴミの家庭からの排出割合がいかに大きいかがわかります。

つまり生ゴミは一度にまとめて出る事業者よりは、個々の家庭から少しずつ出る生ゴミの対策が重要で難しいテーマなのかもしれません。

さて、生ゴミについて各種資料を探してみたのですが、エコだ、環境だ、リサイクルだの総論的掛け声だけは立派ながら、この分野の全国最新統計データが見当たらず、どうも生ゴミの問題はそれぞれの町や市など最小単位の自治体任せになってしまっているようで、国や都道府県としての取り組みは相当に遅れているように感じます。

あるいはわざとこの問題について政府や国はフタをしているのかとも勘ぐってしまいます。

財団法人廃棄物研究財団が平成18年に実施した生ゴミに関するアンケートによると、全国からサンプリングした272の自治体へアンケートを依頼し、回答があった193自治体のうち、生ゴミのリサイクルを実施しているのはわずか37自治体で、その内訳は、家庭用の生ゴミリサイクルが33、事業者の生ゴミリサイクルが3自治体となっています。

ちょっと古いデータですが、生ゴミのリサイクルは事業用含め2割以下しかおこなわれていないってことですね。良心的な人が、よかれと思ってゴミの分別をしていても、自治体によりますが、実態として燃えるゴミと同じ処理がされているケースが多そうです。そりゃ国もそういう話題には触れられたくないでしょう。

ただこの数年のあいだには、各自治体で焼却したり埋め立てたりして、増え続けるゴミを少しでも減らそうと、生ゴミのリサイクルに力を入れ始めているようです。ある調査では燃やせるゴミのうち約4割が生ゴミと言われています。

こういう記事を見つけました。

生ごみ、堆肥作り資源化 都営大山団地(2014年08月14日)
「燃やせるごみ」の減量を推進する立川市は今月、都営大山団地(上砂町)の約1470世帯を対象に、生ごみを分別し、堆肥にする資源化事業を始めた。市は取り組みを通して、生ごみ資源化の啓発を図るとともに、今後、事業を他の地域にも拡大したい考えだ。

生ゴミのリサイクルは上記のように堆肥にする場合と、発酵させてバイオマスエネルギーとしてメタンガスを取り出す場合、そして家畜などの飼料として使われる場合などがあります。

いずれの方法も、従来のようにただ焼却し、その熱エネルギーを取り出すより、リサイクル効率はよいと言われています。

上記の自治体へのアンケートでは、生ゴミのリサイクルを実施している自治体の中で、堆肥化が65%、バイオマス30%、飼料化、炭化がそれぞれ2%となっています。

意外に飼料化が少ないのですね。それは輸入規制緩和のため、日本での牧畜産業が下火になっているのと関係があるのかも知れません。

生ゴミのリサイクルとしては圧倒的に堆肥化が多いようですが、原発事故後、エネルギー問題が見直され、今はバイオマスエネルギー(メタンガス化)としての期待が高くなってくるのではないでしょうか。

そう言えば、大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)」では、ドクが未来のエネルギーとしてガソリンの代わりに空き缶や生ゴミを空飛ぶデロリアンに詰め込むシーンがありました。100年後にはそうなる可能性は否定できません。

生ゴミの分別収集について、自治体の悩みと課題もあります。

アンケート回答では
(1)収集運搬費の増加
(2)ゴミステーションなど排出場所保全(臭気など)
(3)分別生ゴミの精度が低い(異物の混入が多い)
(4)計画処理量相当の生ゴミが確保できない
などです。

確かに暑い夏の日、異様な臭気を発する生ゴミを自宅前に置かれて我慢できる家はないでしょうし、自分の身の回りを見ても、生ゴミ分別用のペールの中に、お弁当の中に仕切りとして入っているアルミホイルやプラスチックを分別せずに平気で捨てている人が後を絶ちません。

また生ゴミの分別収集を実施しているに関わらず、一般焼却ゴミに混ざってしまっている生ゴミが3割を超えているという自治体まであるようで、まだまだ市民の意識は十分ではありません。

レストランなど飲食店で大量に出る捨てられる生ゴミの中には、爪楊枝や割り箸、串などが混ざっていることも多く、それらを飼料とするため後で分別するのはたいへんな労力がかかります。

そうした事業用の生ゴミは1カ所で大量の生ゴミが出ますので、収集しやすく、家畜の飼料として使うのに便利なのですが、その中に爪楊枝やアルミホイルの切れ端などが混ざると、そのままでは危険で家畜に食べさせることはできなくなります。

また矛盾をはらんでいますが、人が食べる食品には大量の塩分や甘味料、人工添加物が混ぜられていて、そればかり与えると家畜が原因不明の病気に罹る心配があるとも言われています。

そりゃその通りで、例えばケーキ屋さんからでる生ゴミばかりを飼料として使っていたら、その家畜は確実に病気になるでしょう。

家畜にも影響が出そうな人工添加物などもっての他ですが、捨てる人の意識が、いったいこのあと生ゴミがどのように使われるのか?なにが問題なのか?と言ったところの想像力が足りず、理解されていなく、まだまだ理想的な分別に追いついていないということでしょう。

日本は飽食の国とよく言われています。つまり世界中から食べ物を買い集め、そして大量に破棄されているという現実があります。

食料自給率で日本だけがカロリーベースで計算し国際比較するのは、そうした捨てられている食料も消費した食料とカウントし、自給率が足りない足りないと国民を洗脳し、JAを始め農家に多量の補助金や既得権を与え続け、選挙の時に味方に付けようとする政治家と自分達の天下り先と予算を確保したい農林水産官僚の戦略ですが、それは置いても捨てられる食料は少なくしていくのが理にかなっています。

今後世界で食糧難が起きるのは確実視されているのと国内産業が停滞し今までのようにクルマや家電を世界中に売りまくり、その得られた利益でエネルギーや食料を世界中から買い集めるということが難しくなってくるでしょう。

そうした中で今後は、いかにして国内で食料生産の効率をあげ、廃棄する食料を減らす努力をし、エネルギーとともに食料も循環させていくというのがまともな政治の中長期ビジョンの鍵となってくるはずです。

難しい問題ですが、世界第5位の農業生産国(カロリーベースではなく国際標準の生産額ベースで)としては、十分にそれらを解決していける可能性はあると思っています。


【関連リンク】
803 リサイクル料金は時代の徒花か
747 農家の知恵はいまの熱中症を予防する
438 生物多様性と絶滅危惧種について
437 日本は世界第5位の農業大国という事実


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6月に佐世保で起きた女子高生猟奇殺人事件は、同級生の15歳女子高生が起こした事件ということで社会を驚愕させました。

また8月には津山で無職の17歳が、交際中の26歳女性を殺害し遺棄するという事件が発生し、ここのところ少年少女が主体的に関わる事件が頻発しているような印象があります。

そこで過去の統計をちょっと調べてみました。

先に、一般的に思われていたり、私がそうじゃないかという仮説をいくつかあげておくと、

1)未成年者が加害者となる刑法犯罪は増える傾向にある
2)未成年者が加害者となる凶悪犯罪のうち殺人や強姦は特に増える傾向にある
3)未成年者が被害者となる犯罪も増え、その低年齢化が進んでいる
4)すべての犯罪の中に占める未成年の犯罪率が高まってきている
5)児童(13歳以下)虐待が増えてきている

データの出典は警察庁生活安全局少年課の「平成25年度版少年の補導及び保護の概況」からです。

まず、1949年から昨年2013年までの「刑法犯少年の検挙人員及び人口比の推移」を見てみると、下記のグラフのようになります。これは比較的重大な犯罪(刑法犯)の国内での検挙数と、その時々で少年(以下未成年の意味)の数も変わってきますので、人口比で現したものです。

刑法犯少年の検挙人員及び人口比の推移


このグラフを見る限り、1)の「未成年者が加害者となる刑法犯罪は増える傾向にある」という仮説は間違っていることが明らかです。犯罪数(検挙数)も、そして少子化が進んでいる人口比の率も長期的には下がっています。

検挙数や率が低いから実際に起きている犯行数が減っているのかと言えるかどうかは、一般論として全体の検挙率は2~30年前と比べると大きく下がっていますが、この10年間を見ると横ばいか逆に回復傾向にあるようなので、確実なことは言えませんが検挙率による影響はあまりないと言っていいでしょう。

次に、少年の刑法犯の中でも凶悪犯罪(殺人、強盗、放火、強姦)の中では、どの罪種が、どれぐらいの割合で発生しているのか10年間の推移です。

凶悪犯少年の罪種別検挙人員の推移


少年の凶悪犯罪の中で圧倒的に多いのは、強盗ですが10年前と比べると半減しています。次に放火も4割近い減となっています。しかし殺人や強姦はわずかに約1~2割の減に留まっています。

つまり少年犯罪の総数は強盗や放火を中心に大きく減ってきているものの、殺人や強姦といった犯罪は少子化で少年の数が減っていることを考えると、この10年間ほぼ横ばいで推移しているとも言えます。

「たった10年間の推移だけじゃわからんじゃないか!」という天の邪鬼な方の声にお答えして、1949年(昭和24年)からの殺人、強盗、放火、強姦の推移も載せておきますね。

刑法犯少年の凶悪犯罪種別検挙人員の推移


1957年頃から1969年頃までの未成年者による強姦件数が半端なく多いのが目立ちます。

この時代、なにがあったかと言えば、その相関関係はよくわかりませんが、1946年以降に生まれた、いわゆる団塊世代の中心が11~19歳(未成年)の頃です。

つまり凶悪犯罪を起こす人の割合は、人口に対し一定の割合でいて、この頃未成年者の人口が爆発的に増えたので未成年者の凶悪犯罪数も大きく増えたってことなのでしょうか。

また割と最近の1997年から2005年頃までは強盗件数が急増しています。

逆算すれば1982年~1990年頃に生まれた人達が未成年者だった頃で、一般的に団塊ジュニアとされる1970年代生まれの世代よりは少し後の世代となり、物心が付いた頃にはバブルは崩壊していて、その後長引く失われた○○年と言われた就職難の時期を過ごすことになる世代と考えられます。

したがって2)の「未成年者が加害者となる凶悪犯罪のうち特に殺人や強姦は増える傾向にある」は、ここ長期的に見ても短期的に見ても、増えてはいないので「誤り」ということがわかりますが、ここ最近10年間だけを見ると、他の強盗や放火の凶悪犯罪と比べて大幅に減っているわけではなく横ばいに近いというのが気になるところです。

次に、未成年者が被害者になるケースを見てみましょう。

下記は未成年者が凶悪犯罪の被害者となったケースの1972年からの推移です。

少年被害の凶悪犯等の認知件数の推移


そしてここ10年間の刑法犯(凶悪犯含むすべての刑法犯罪)被害に遭った少年(未成年者)の年代区分別推移です。

少年が主たる被害者となる刑法犯の認知件数の推移


2つのグラフを見てわかるのは、
1)未成年者が凶悪犯罪の被害者となるケースは減少傾向にある
2)未成年者が性犯罪の被害者となるケースは2003年頃のピーク時よりは減少しているが高止まりしている
3)逮捕・監禁/誘拐の被害者は40年近く横ばい状態
4)ここ10年間だけを見ると未成年者の刑法犯被害数はすべての年代で減少傾向
5)小・中学生など低年齢層の被害者が特に増えているという傾向はない

ということで3)の「未成年者が被害者となる犯罪も増え、その低年齢化が進んでいる」は、性犯罪被害を除き、減少傾向にあり、また被害者の低年齢化が進んでいるという傾向は特に見られないという、一部はあっているけど一部は間違いという結果になります。

次に、全体の凶悪犯罪の中に占める少年犯罪の割合を推移でみたのが下記のグラフです。つまり20歳未満(未成年)の検挙数を全体の検挙数で割った%です。



ちょっと驚いたのですが、20歳未満と20歳以上では、20歳以上の成人が起こす凶悪犯罪のほうが断然多いと思っていましたが、1950年代後半から1960年代には未成年者の凶悪犯罪が全体の40%近くを占めていて、その中でも特に強姦などは全体の半数を超えている年もあります。

1997年には強盗の検挙数で未成年者が過半数を占めていて過去最高になっています。

犯罪とは直接的な関係はもちろんありませんが、参考までに平凡パンチが1964年、週刊プレーボーイが1966年の発刊で、未成年者を含む当時の若者に絶大な支持を受けていました。

少年の凶悪犯罪がこれほど多いということを不覚にも知りませんでしたが、ひとつには新聞やテレビでは少年犯罪の場合、匿名での報道となり、また刑事裁判も開かれないことが多く、もちろん死刑など極刑もありません。

それゆえニュースバリューがなく、後追いの報道もなされないことから、結果的にあまり視聴者や読者の目に触れず、印象にも残らないということでしょうか。

しかし少しホッとするのは、未成年者の凶悪犯に占める割合が、1990年代後半に一時急増したものの、その後は再び減少傾向にあり、2008年以降は20%を切っていることでしょう。

もっとも未成年者の人口自体が減少していますので、下がって当たり前という見方もできます。

逆に急速な高齢化社会となり、犯罪者の高齢化が目立ってきているようです。

過去記事「高齢者の犯罪が増加

したがって4)の「すべての犯罪の中に占める未成年の犯罪率が高まってきている」は、間違いと言って良いでしょう。

最後は、最近しばしば悲惨な事件として報道され、子を持つ親からすると「信じられない」と思うような児童虐待の検挙件数です。

すべての件数に言えることですが、時代と共に社会が犯罪に対して見る目や、それに応じて警察の取り締まりの方針が変わってきたりして、実際に行われていただろう犯罪数と、統計数字に表れる検挙数とは当然一致するものではありません。

特にこの家庭内での児童虐待については、騒がれ出したのは割と近年になってからで、昭和の時代には体罰や、度を超した躾けなどは、どこの学校や家庭にでもありました(巨人の星など参照)。

それらがやがて社会問題となり、犯罪としてとらえられるようになってきたため検挙件数にも影響が出てきているものと思われます。

ここでは2004年(平成16年)からの10年間に限ってのグラフです。

児童虐待事件の態様別検挙状況の推移


被害児童数(棒グラフ)を見る限りうなぎ登りと言っても差し支えないような勢いで増加傾向にあります。

中でも圧倒的多数を占めるのは身体的虐待で、およそ70%を占めています。次が性的虐待で、これが20%以上を占めています。

5)の「児童(13歳以下)虐待が増えてきている」は悲しいことですが統計上は正解です。

ただし、実態としては何年も変わっていないものの、新たに児童虐待と認定されたり、検挙されるケースが過去と比べて増えた結果として増加傾向にあるという可能性があることだけは書いておきます。

これらの児童虐待は、家庭内で起きるケースが多く、死亡したり重体になってから病院へかつぎ込まれ、そこで初めて表沙汰になるということが多く、性的虐待も含め、表面化しないケースがまだ相当数あるのではと考えられます。

児童相談所やホットラインといった行政の取り組みも大事ですが、こうした家庭内犯罪撲滅にもっと積極的で厳罰を科す欧米各国に学び、虐待される不幸な子供がいない国に早くしてもらいたいものです。

そうすることで、少年時代のトラウマや精神的に子供の頃受けた虐待の傷をもったまま大人になり、再び自分の子供に対しても同じ事を繰り返してしまう暴力の連鎖、負の連鎖を断ち切ることができるのではないでしょうか。


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