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788
過去の経緯はこちら
 ユニットバスへのリフォーム道険し
 続:浴室のユニットバスへのリフォーム前編
 続:浴室のユニットバスへのリフォーム後編


昨年9月に大型台風が関東南部を襲った直後から交渉をスタートした、我が家の大規模リフォーム第3弾「浴室リフォーム」の工事が、数々の試練を乗り越え無事に終わりました。

ちなみに大規模リフォーム第1弾は10年前に実施したスレートの屋根とモルタル外壁の塗装、第2弾は7年ぐらい前におこなったキッチンのリフォームです。やはりキッチンとか浴室など水回りの箇所は傷みがとても激しく、近いうちにはトイレの全面改装も必要かなと思っています。

今回依頼したのは、従来工法のタイル張りで、お湯を溜めるだけだったお風呂を、最新のユニットバスに取り替え、同時にガス湯沸かし器も大きなタイプに変更、追い炊き機能、浴室暖房乾燥機を新たに設置し、さらに浴室と接する洗面所の床が湿気にやられてしまい抜けそうなのでその張り替えと、壁や天井のクロス張り替え、と当初考えていたより大規模な工事となりました。

当初は9月に交渉を開始し、9月から10月初めに現地調査、見積もりをおこない、寒くなる前の11月頃に工事をと楽観的に考えていました。

ところが9月下旬になって今年4月からの消費税増税が決定し、そのせいで急にリフォーム会社が忙しくなり、年内は工事職人さん達のスケジュールが押さえられないと業者から泣きが入り、結局1月の工事となってしまいました。

選んだ業者さんは、過去に新聞のチラシで入っていたところや、ネットで調べて数社に見積もりを依頼し、その中からいくつかの基準で決定しました。

そこで今回実感したのは、この業界はIT化からかなり遅れていて、現地調査のあと「見積もりはメールで送って」と頼んでも「データ変換の仕方がよくわからない」とか「メールは使ったことがなくて」とか言われ、まだ完全にアナログの世界のところが多く驚きました。

ホームページが立派でも中の人の多くはそういう感じです。メールで質問をしても1週間ぐらい経ってから電話で返答されるとか(仕事中に私用の電話は困るんですけどね)、見積もり書はPDFで送っていただければと依頼しても、(不在だと言っておいても)わざわざ直接家のポストに入れておいてくれたり。

ただし、中にはいかにもベテラン職人さんという風情ながら、自分でブログも書き、過去におこなったリフォーム工事のビフォー・アフターを綺麗にまとめている方もいらっしゃいましたが、それはまだレアなケースです。

工事は4日間。水曜日から土曜日までかかりました。契約後に業者から職人さんのスケジュールの都合で5日間でやらせてくれないか?という打診もありましたが、さすがにそれは困る(洗濯、風呂、洗面が使えない)ので4日で終わらせられる日程で組んでくれと頼みました。

見積もりを依頼した別の業者さんは工事は3日間で十分と言っていましたので、仕事の手際のよさや人員配置のノウハウなども多少あるのでしょうけど、今回実際に工事に立ち会ってみたところ、4日間のうち、無駄だなと思える時間(待機時間など)はほとんどなく、これだけ詰めておこなった4日間の作業を、3日間でやるのはさすがにキツイだろ?と思いました。ただし人数をもっとかければ半日ぐらいは短縮が可能だったかも知れません。

工事の内容は、
初日 再利用する洗面台・洗濯機等移動、浴室3面タイル+天井取り壊し、浴槽取り外し、土台コンクリ打ち、湯沸かし器交換、配管
2日 洗面所床はがしと仮床設置、浴室と洗面所の間の腐蝕した基礎修復、浴室換気口新設
3日 ユニットバス(窓枠、換気暖房機含む)一式組み立て設置
4日 電気配線、浴室入り口工事、床仕上げ、壁クロス貼り、洗面台・洗濯機設置

当初は「3日目の夜にはシャワーは使える」と業者から言われていましたが、工事に来た職人さんからは「まだ継ぎ目の防水シールが乾いていないのでとても無理!」と断言されました。

それに照明もまだつながってなく夜は真っ暗なのでいずれにしても無理でした。また業者の根拠のないいい加減な甘言に騙されました。

数日この新しいTOTOのユニットバスを使ってみての感想は、

×TOTO自慢の「ほっカラリ床」は、思ったほど暖かくなく、やっぱりタイルと同様に冷たい

○洗面所と浴室との段差が解消(8センチ⇒1センチ)されたのがちょっとしたことなのにすごくいい

○浴室のドアの開口部が拡がり、特に高さが2mになったので入り口が広々した感じがする(今までは高さ180cm)

△浴室暖房を入れて浴室に入ると次第にサウナ風呂状態になってくる(10分ぐらいで切れるといいのに)

△高さや幅のある大きめのバスチェアを同時に新調したが、浴室が狭いので逆に窮屈になってしまった

○自分が使ったり、あふれたお湯を少しだけ足しておくのに10リットルの「(1プッシュの)お湯足しボタン」があるのは便利

×浴室の鏡は最初から最後まで曇りっぱなしでまったく役に立たない(高級品には曇り止めのヒーター入りが付くらしい)

×浴槽のフタを収納フックにうまく収められない(これは改良の余地ありですぞ)

△エアインシャワーは少ない湯量を多く見せかけるトリックみたいなもので物足りなさを感じる

×シャワーを留め置くフックが滑り、すぐに動いて回ってしまうので頭を洗うときに困る

×狭くて浅い浴槽から立ち上がるとき、つかまるものがなく結構たいへん

×自動モードで入っていると突然出てくる熱湯で足が焦げそうになる

と、まぁいろいろ不満もありますが、全体的には従来よりはずっとよくなりました。


【関連リンク】
771 続:浴室のユニットバスへのリフォーム前編
753 ユニットバスへのリフォーム道険し
675 我が家のテレビ視聴環境改善 工事編
671 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その2
670 我が家のテレビ視聴環境改善 準備編その1

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785
もうだいぶんと旧聞になってしまいましたが、今年の元旦の朝日新聞の別刷版で奥田英朗氏のコラムに個人的な考え方と断って「2020年東京オリンピックでの日本が果たすべき役割」を書かれていました。

それが以前から私が思っていた今後の日本が目指すべき方向性と合致していたので取り上げてみます。

奥田氏と言えば2004年に直木賞を受賞、2009年に発刊された「オリンピックの身代金」が吉川英治文学賞に輝き、ベストセラーとなり、昨年にはそれを原作とするテレビドラマ化もされました。

そのオリンピックつながりで朝日新聞社からコラムを依頼されたのかなと勝手な想像です。

新聞はもう手元にないので詳細は書けませんが、1964年の時は敗戦で焦土と化した東京は見事に蘇ったのだということを世界にアピールするだけでよかったのですが、今度の東京オリンピックでは成熟した文化都市でおこなうというという意味の他に、オリンピックをまだ自国では開催できないけれど、世界に誇れるスポーツの自国の英雄を待ち望んでいるアジア諸国に手を貸すべきだというものです。

近代オリンピックでみると、まだ金メダルをとったことがない国が東南アジアだけでもマレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポールなどがあります。比較的地域が近いアジアやオセアニアに拡げると、スリランカ、サウジアラビア、カタール、クエート、イラク、アフガニスタン、トンガなども金メダルをまだ獲得していません。

まだ金銀銅のいずれのメダルも獲得していないアジア・オセアニアの国は、カンボジア、バングラデシュ、ブータン、ミャンマー、ネパール、パブアニューギニア、パラオ、フィジー、サモアなどがあります。

過去に金メダルは獲得していても、極めて少ない国もたくさんあります。モンゴル2個、台湾2個、パキスタン3個、インドネシア6個、タイ7個、インド9個など(日本は金メダルだけで130個、金銀銅合わせて398個)。

それらの国は、スポーツができる環境が十分でなかったり、科学的な練習を取り入れられなかったり、優れた指導者やコーチがいなかったり、ハイレベルの練習相手がいなかったりで、国内においては、いつまで経っても世界の強豪に勝つことができません。

そこで6年後に日本で開催することで、それらの国からメダリストを誕生させるべく、今から優秀なそれぞれの国の若者を日本に受け入れて、最先端の練習と指導を日本の強化選手とともにおこなってはどうかという(奥田英朗氏の)提案です。

それで別に恩に着せようというものではなく、どうせ日本人選手の強化にお金をつぎ込むのならば、日本の選手にも刺激となり、そして日本古来の体罰や根性など非科学的トレーニングを一掃し、開かれたグローバルで高度な科学スポーツが実現できるようにも思え、日本人選手にとってもいいことだと思います(私の考え)。

そうした結果、メダルを取る選手が出てくれば、長い目でみるとその選手や一緒に招聘するコーチ、関係者、マスコミが、日本とそれらの国との間で様々な友情の架け橋となってくれることも考えられます。

上記にあげた国々は、これからまさに人口が増え、発展していこうとしている国ばかりで、日本(の企業)にとっては道筋さえできれば進出したい国々でもあります。

そうした経済問題だけでなく、成熟した文化国家として、またこのアジアという地域を代表しての開催ですから、1964年の東京オリンピックや、中韓でおこなわれた過去のアジア開催のオリンピックとは違い、自国のメダルの数を世界と競うのではなく、欧米では誰も知らないようなアジアの多くの国々が、日本とともに成長した証を世界に披露する大会にしてもらいたいものです。

どうしてもオリンピック誘致が決まると、やれ交通インフラ整備が、やれ新しい競技場が、やれ観光業がとなりがちですが、それよりもオリンピック開催はもとより、金メダルなど無縁だと思って冷めた目で見ている(たぶん)アジアの国々に対し、熱いハートの支援を日本が真っ先におこなうことがいままさに必要なのではないでしょうか。


【関連リンク】
765 労働生産性はむやみに上げるもんじゃない
754 東京オリンピックとこれから高まるビジネスチャンス
696 五輪競技除外候補とスポーツ競技人口
642 日本はインドともっと深く連携すべき
388 中国との関係について
365 ハイパーインフレは来るのか?



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778
年もいよいよ押し迫ってまいりました。今年もどうにか1年を無事に終えられそうです。

今回が今年最後の投稿となるので、今年一年の日記をさっと振り返ってみたいと思います。

今年の初日の出は、あまり天気がよろしくないと聞いていたので、ここ数年のように初日の出を見るために遠方へは出掛けず、近所の小山になっている公園へ出て拝みました。

わずかに雲がかかってしまいましたが、それでもなんとか初日の出を拝むことができました。

2013年あけましておめでとうございます

お正月が明けてすぐ箱根へ家族で1泊旅行に出掛けました。ゆっくり温泉につかり、帰りには御殿場のアウトレットに寄り、大学生の長女と高校生の次男はお年玉を使いあれやこれやと買い物に精を出していました。私もたまたまのぞいたナイキの店で、型落ちのブーツが破格値で出ていたので衝動買いをしました。

そのおろしたてのナイキのブーツを履き、1月中旬に大震災と津波に襲われた東北三陸海岸沿いを2泊3日でひとり旅をしてきました。8月には夏休み中の子供を伴って、原発事故避難地域近くなどを巡る東北沿岸地域を回ってきました。

東北巡り

震災後すでに2年が経ち、復興もかなり進んでいるかと思いきや、そう簡単ではなさそうでした。また観光気分で被災地を巡るのは抵抗感があり、沈痛な面持ちで数え切れないほど壊れた建物や学校や海岸に向かって手を合わせるという心が痛む旅となりました。

普段はクールであまり表情を変えない高校生の息子も、8月に南相馬市から浪江町へ向かったとき、人っ子ひとりいなくなった街を見て、とても緊張をした表情をしていたのが印象的でした。

社会はいよいよ団塊世代が65才となり、雇用延長後の大量退職者が続出しているという時代背景もあり、本格的な高齢者社会へと向かいつつあります。

旺盛な高齢者の労働意欲は善か悪か
高齢者の地方移住はこれからも進むか

テレビも新聞も街のあちこちでも高齢者に向けた番組、記事、話題、商品が目立つようになってきました。こうやって世の中が変わっていくのだなぁと実感しました。

高齢化社会の行方
高齢者の犯罪が増加

昨年末に民主党政権があっさりと倒れ、代わりに国民に期待され第二次安倍政権が誕生し、デフレ克服、インフレ誘導、日本経済復活という掛け声とともに、一気に様々なモノの値段が上昇していきました。でも庶民は給料も賞与も上がるどころか、天引きの額だけが増えていき、実質手取り額は減る一方で、一般庶民の家計は困窮を極めていきます。

値上げ、増税スケジュールを考える
相続税の税率を上げると言うこと

非正規社員と正規社員の格差の問題が、不思議と派遣社員の問題(派遣切り)とよく混同され象徴的に報道されたり議論されています。

「年越し派遣村」など湯浅なんとかという人のデマにうまくのせられ踊らされ、それらが偽善に満ちた嘘っぱちだったことをそろそろ理解すべきですが、インパクトを求めたがるマスメディアにとっては、常に悪者は巨大な存在(非正規社員個々人ではなく派遣会社)でなければならないようです。

非正規雇用拡大の元凶が人材派遣だって?
ハローワークは非正規職員のおかげで回っている
労働契約法改正で非正規雇用者は幸せになれるか

また大学の授業料の高騰と、奨学金ビジネスの実態が大きくクローズアップされるようになってきました。格差社会をなくすためには平等に高等教育が受けられるように!という発言の裏には、多くの人を大学に呼び寄せ、大学ビジネスで一儲けを企もうとする人が必ずいることを知らなければなりません。

大学へ奨学金で行くということ
大学生の就職率推移と卒業後の進路

家電エコポイントや地デジブームで昨年までは好調だった家電量販店最大手のヤマダ電機が今期は赤字転落するというニュースは、景気が上向いているという政府や日銀の必死のアピールに水を差しましたが、ネット通販のAmazonや楽天などの好調ぶりをみると当然の結果と言えます。

アマゾンジャパンは国内の小売り業を破壊するか?
Amazonにガチ対抗できるのはイオンかセブン&アイか

都市と地方の格差問題についてもいろいろ書きました。限界集落化とそれを食い止めるためのコンパクトシティという言葉がニュースなどでよく流れていました。TPPによる競争激化や個人農家の高齢化、後継者不足の中で、国の政策にただ乗っかりなにもしてこなかった一部の農家へ税金を支払ってきた減反政策が見直されるのは遅すぎたぐらいです。

地方が限界集落化していく
道の駅は次の段階へ進めるか
農業の大規模化と零細な起業

テレビなどでも大きく特集され、結婚しない人が将来陥るかもしれない孤独死や介護できない認知症の問題も今年は話題となりました。

認知症患者の増大で国は衰退する?
コンパクトマンションが流行っているらしい

もちろん結婚することだけが善というつもりはありません。人の自由意志や価値観が変化していくことを国は臨機応変に認めてそれに合った政策や制度を作っていくべきでしょうし、国民側も自らの力で様々な規制や障害を乗り越えていく努力が必要です。

離婚の多さと結婚という形式
そして次男坊は希少価値を持つ

雇用は上向き傾向にあると言われていますが、学生、中高年とも就職は相変わらずたいへんです。「贅沢言わなければなにか仕事はあるでしょ?」という人もいますが、若い人にとっては使い捨てで将来性もなく収入が低い仕事に積極的には就きたくないのは当たり前です。

有効求人倍率と完全失業率から推測する未来
離職率が高いことは悪ですか?

雇用のミスマッチと言いますが、人口が減り、必ず漸減していく経済環境では今後大きく伸びていくだろう産業もなく、これでは若者の将来に夢が描けません。

就活では大企業を目指すべき3つの理由
若者の離職の原因は単なるミスマッチなのか?

この日記は元々「リストラ、失業、再就職、雇用」が主たるテーマでした。最近はちょっとサボリ気味ではありますが、その関連の話題も時々書いているつもりです。

退職勧奨・強要にあった場合の対処法
40歳以上の解雇や退職勧奨は最悪だ
それでも日本の解雇規制は緩すぎる

今年書いてきたブログ記事の一部ですが、紹介させていただきました。

それではこれで今年の筆納めとさせていただきます。1年間どうもありがとうございました。
皆様もよいお年をお迎えください(ぺこり)。

さて年賀状書かなきゃ(-_-;)

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777
リストラ天国日記の777回目ということで、なにか嬉しい話題とか楽しくなる話しがないかと探してみたところ、ありました、ありました。

OECD(経済協力開発機構)がおこなった「国際成人力調査(PIAAC)」というのがあって、「読解力(Literacy)」、「数的思考力(Numeracy)」、「ITを活用した問題解決能力(Problem solving in technology rich-environments)」の3つのスキルについてOECD加盟国を中心に24カ国で調査が実施され、その結果が今年2013年に発表されました。
※PIAAC:Programme for the International Assessment of Adult Competencies

調査の対象となった母集団は、OECD加盟国を中心とする参加24カ国の16~65才の個人で、日本では2011年~2012年にかけて11,000人が対象となりその中から5,200人が調査に参加しています。

この3つのスキルを他国と比較することで、自国の教育に偏りがないかどうか、自国民の優れているところや、逆に他国と比べ劣っている部分が判明します。国の教育水準や教育制度上の欠陥など、さらにこれからの教育政策にも役立つものとされています。

昔から日本は資源のない国で、国民全体の教育レベルを高めることにより、世界に伍してビジネスを展開していかなければならないという宿命があり、それこそ学校の教師や塾の先生をはじめ、官民とも必死に子供や若者の教育に力を注いできました。

その代表的な話しが「米百俵」の故事です。「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、(売却してその金を)教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」という明治初期の長岡藩士小林虎三郎の言葉です。つまり「目の前の利益よりも、将来を見据えた教育投資こそが重要」という教えです。

そうした過去の遺産を受け継いできた日本の教育制度は、ここ数十年もの間、世界の中でもトップクラスを維持し続けてきました。欧米からすればアジアの片隅にあり、第二次大戦でこてんぱんに敗れ去った野蛮な小国が、このような教育水準を作り上げ維持しているなんてまったく信じ難かったことでしょう。

その調査結果の概要を簡単にまとめておきます。

(1)「読解力」
PIAACにおける読解力とは、社会に参加し、自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発展させるために、書かれたテキストを理解し、評価し、利用し、これに取り組む能力

日本では識字率はダントツに世界のトップだと昔から言われてきましたが、確かに義務教育の充実と、他国からの移民や難民をほとんど受け入れない排他政策のため、日本語という特殊な言葉の読解力はおしなべて優れていると言っていいでしょう。

ただそれ故に国内では日本語だけですべて完結し、他国語を取り入れるという必要性がなく、それが文化や経済の国際化の波に大きく後れを取ってしまっていることはゆがめません。

調査では「読解力」を6段階の習熟レベルに分け、習熟度がもっとも高いレベル5の割合が一番多いのはフィンランド(2.2%)、次いでオーストラリア(1.3%)、オランダ(1.3%)、スウェーデン(1.2%)と続き、日本は1.2%で第5位となっています。全体の平均は0.7%。

最高のレベル5では5位ですが、比較的習熟度の高いレベル4とレベル3の割合がもっとも多いのは日本で、逆に習熟度が低いレベル2、レベル1、レベル1未満の割合がもっとも少ないのも日本です。つまり「突出した天才は少ないけれど、高いレベルの人が多く、低いレベルは少ない」ということになります。その結果、全体の平均点では日本がトップ、年齢を区切って若者(16~24才)の平均点でも世界でトップです。気持ちがいいですね。



16~24才の若者の読解力国別平均点


国語の読解力はまずベーシックな国力となるものですから、それが世界一というのは誇れることではないでしょうか。ただそれと引き替えにして外国語が苦手というハンデも一緒に背負うことになってしまったわけですが。


(2)「数的思考力」
PIAACにおける数的思考力とは、成人の生活において、様々な状況の下での数学的な必要性に関わり、対処していくために、数学的な情報や概念にアクセスし、利用し、解釈し、伝達する能力である。

日本人は以前は数学など理系に強い国民と言われてきましたが、最近は若者の理系離れが心配されています。しかしその伝統は今でも残っているようです。ただ残念ながら読解力と同様、突出したレベルの天才型は少なく、平均的に高いというのが特徴です。

数的思考力がもっとも高いレベル5の割合が多いのは、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ベルギー、オーストラリア、そして7番目に日本です。インドはこの調査に含まれていませんが、もし入れると人口が多くレベルにばらつきはあるでしょうけど上位にくる可能性はありそうです。

数的思考力の比較的高いレベル4、レベル3の割合がもっとも多い国は日本で、低いレベル1とレベル1未満の割合がもっとも少ない国も日本です。つまり数的思考力も平均的に他国より高いことを物語っています。

そして成人全体の平均では他国を圧倒しています。

16~65才の成人の数的思考力の国別平均得点


しかし薄々気がついていたことですが、若者(16~24才)の数的思考力の平均トップはオランダ、次いでフィンランド、そして日本と3位に落ちてしまいます。

16~24才の若者の数的思考力の国別平均得点


これってゆとり教育が原因なのか?と思いましたが、ゆとり教育は2000年前後からですので、この調査の年齢には一部は達してなく、それよりも考えられるのは、90年代頃からこの国で静かに進行してきた「若者の理系離れ」に関係していそうです。ちょっと心配ですね。


(3)「ITを活用した問題解決能力」
PIAACにおけるITを活用した問題解決能力とは、情報を獲得・評価し、他者とコミュニケーションをし、実際的なタスクを遂行するために、デジタル技術、コミュニケーションツール及びネットワークを活用する能力である。

この「ITを活用した問題解決能力」については、残念ながら日本は平均レベルで、高年齢層に至っては大きく平均を下回る結果となっています。国内には多くのIT企業があるに関わらず、世界を見ると利用技術でもっと先へ行っているようです。

習熟レベルでもっとも高いレベル3の割合が多いのは、スウェーデン、フィンランド、日本の順で、かろうじて3位につけているものの、比較的習熟度の高いレベル2の割合は、スウェーデンがトップで次がノルウェー、オランダ、フィンランド、デンマーク…と続き、日本は韓国の後で14番目という低さです。

習熟度の低いレベル1の割合はもっとも少ないポーランドに次いで日本は2位、もっとも習熟度の低いレベル1未満の割合では日本がもっとも少なくなっています。(つまりレベルが極端に低い人は少ない)

ITを活用した問題解決能力の国別平均得点


そしてちょっと意外だったのはコンピューター経験がないと回答した成人の割合では、OECD平均が9.3%であるのに対し、日本は10.2%と、平均よりも高くなっています。

考えられるのは、日本ではパソコンと同時期にネット接続やメール利用が可能な携帯電話の普及が進み、コンピュータ(パソコン)の利用がそれに取って代わってしまったこと、個人経営や零細企業、特に農業や漁業など第一次産業と小規模な小売業ではほとんどITが活用されてこなかったこと、当初ライバルがいなかったNTTがネット接続の通信料をバカ高く設定していたことにより、パソコンとネットの普及の拡がりに待ったをかけてしまったことなど考えられます。

それに積極的に国民のIT活用を推し進めている国が多いのに、日本は国が先導するIT導入は少なく、民間企業に頼るばかりで、ネット選挙がようやく一部だけ解禁されたのもようやく今年からで、学校教育の現場においても他国に大きく差を付けられています。

下図の「ITを活用した問題解決能力の習熟度と年齢の関係」を見てみると、60~65才の年齢層だけがOECDの平均値を下回っていることがわかります。

ITを活用した問題解決能力の習熟度と年齢の関係

これは、世界で見ると、他国では年齢が高くても比較的ITを活用できているのに、日本の60才以上は利用していなかったり習熟度が低いことを現しています。もっと早くから選挙にネットが導入されていたり、納税や社会保障、役所の手続き等がネットでおこなえるようになっていれば、また違っていたでしょう。

以上の結果を概観すると、IT活用はちょっと勢いをそがれましたが、それでも日本の教育(学校ばかりではなく家庭や塾や職場教育なども含め)は世界水準でみるとまだ世界のトップクラスを走っていることがわかります。

しかしこの調査では出てきていない、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)や、さらに経済発展が目覚ましいその他の国の多くが教育に必死に取り組んでいますので、この情勢が塗り替えられる日はそう遠くないかもしれません。

また日本もこれから人口減が顕著になってくることから、外国人移民受け入れの政策も必要となり、そうするとその移民の子供達が日本の学校へ通い、日本で社会へ出て行ったときに、今までのように、ほぼ単一民族だけに教育をしてきた同じ教育水準が維持できるか?と言うとそうはならない気がします。

それに国民の資質は決して教育水準だけではなく、他人を思いやる感性とか、いにしえよりの教えをうまく取り入れた文化など、数値では表せないものがたくさんあります。今後はそういうものを大事にしていきたいものです。

少なくとも教育水準では他国を圧倒しているわけですから、なにか他国や他人とのもめ事が起こったとしても、そこは大人の態度をとり、追いつこうと必死にもがき、時にはやんちゃな相手であっても、余裕と懐の深い態度で優しく受け入れてあげる国民性が作れると、世界中から敬愛される国になれるかも知れませんね。

先のことはわかりませんが、とりあえずは、日記777号にちなみ、めでたしめでたしという話題でした。

【関連リンク】
765 労働生産性はむやみに上げるもんじゃない
749 TwitterとFacebookの現状
738 日本人の年齢別死因は
669 ネット人口の正しい統計
570 資産家も貧困者?統計で見る貧困率



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775
いよいよ年末が近づいてきました。

年を取ってくると「1年がアッと言う間に過ぎる」と人はよく言います。

前になにかで読んだ受け売りですが、これには根拠があって、20才の若者にとって1年という期間は、その人が生きてきた20年という時間の長さの中の1年、つまり1/20(0.05)の時間に相当しますが、60才の初老の人の1年は今まで生きてきた60年の中の1年ということで1/60(0.0167)です。

20才の人と60才の人では、1年の長さが感覚的に3倍も違ってきて不思議ではないということです。

そりゃ年配者が1年を短く感じるのは当たり前です。

次第に感じるようになる感覚的なものですからこれを若い人に言葉で理解しろと言っても伝わりません。年を取るごとに身をもって実感していくというものです。

そんなわけで今年で56才になった私も四捨五入すればもう60才、定年まであと4年という年齢になってしまいました。

もうずっと前に亡くなった父親(大正8年生まれ)が働いていた時は、55才定年の時代でしたので、その年代をとうとう超えてしまったということになります。

戦後、平均寿命が急速に伸びたことから定年が55才から60才へと延長されたのは1980年代頃でしたが、自分がまだ20代の頃は、60才定年になっても、自分は55才までにリタイアして、仕事以外で余生をゆっくり楽しもうと思っていました。

残念ながら55才までに引退するという夢は果せず、さらに年金支給開始年齢の引き上げや雇用延長が当たり前の風潮で、60才を過ぎてもまだまだ働かされそうな勢いです。逃げ切った団塊世代以上の人達に、貧乏人は死ぬまで働けと言われているようです。

閑話休題、まったく「光陰矢のごとし」とはよく言ったものですが、これは年齢を重ねるにつれ実感が深まっていきます。

その「光陰矢のごとし」という言葉ですが、「少年老いやすく、学成り難し」と対になって語られることが多く、後者の出典は、

 少年老い易く学成り難し
 一寸の光陰軽んずべからず
 未だ覚めず池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢
 階前の梧葉(ごよう)已(すで)に秋声

子供の頃より学問を志しながら、高齢になっても、大きな成果を果たせていない。
残り少ない人生だから、一瞬の時間もおろそかにしてはならない。
春の池の堤に芽生えた若草のように瑞々しく、夢はいまも覚めずにいるのに、
気がつけば、石段の前に生える梧桐の葉が、秋の訪れとともに色づくように、
自分が人生の秋ともいうべき初老を迎えている。

とされ、作者は12世紀末頃の中国宋代の朱熹(朱子)の漢詩からというのが長い間通例でしたが、近年の研究では朱熹の作品の中には含まれていないことが判明しているそうです。

また同詩の「少年老い易く学成り難し」に対する「光陰」は含まれますが「矢のごとし」までは含まれていません。

もう少し調べてみると、「光陰矢の如し」は、元の中国では「光陰如箭」という漢字にあたり、これは9世紀初頭の唐代の詩人李益の作に使われているようです。朱熹(朱子)よりも300年以上も前のことです。

9世紀と言えば、日本は平安時代で、最澄、空海が命をかけて唐に渡った頃ですね。彼らが唐で流行っていた漢詩をそこで耳にして、面白い言い回しだと思って日本に持ち帰ってきたとも考えられます。証拠はありませんが。

日本でこの「光陰矢の如し」という言葉が記録として残っているのは、14世紀初頭の大燈国師遺誡の中に登場します。大燈国師(宗峰妙超)は鎌倉時代末期に、京都大徳寺を開山した臨済宗の有名な僧侶です。

 汝等諸人此の山中に来つて道の為に頭を聚む。
 衣食の為にする事なかれ、
 肩有つて着ずと云ふ事なく、口有つて食はずと云ふこと無し。
 只須らく十二時中無理會の處に向つて、
 究め来り究め去るべし、
 光陰箭の如し、謹んで雑用心すること莫れ、
 看取せよ看取せよ。
 ~以下略

修行僧達よ、この寺には修行の為に来たのだ。
着飾ったり、美味いものを食べるために修行するのではない。
肩があれば着物を、口があれば食べることは自然とついてまわるもので、
それに気を取られることなく、ただ仏道修行に打ち込め。
そしてそれを極めることだ。
時は矢のように過ぎ去って行く。余計なことを考えず、
真実を見極め会得せよ。

いろいろと含蓄のある言葉です。


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